簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
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五条別れ道標(東海道歩き旅・山城の国)

2024-09-02 | Weblog
 

 その先の弘誓山・當麻寺は、阿弥陀如来坐像(丈六阿弥陀如来)で知
られる寺だ。平安時代末期に造られた、像の高さ2.67mの寄せ木造りで、
「山科の大仏」とも言われる。京都府の文化財に指定されていて、宇治
の平等院の阿弥陀仏と同年代の作らしい。



 山門から境内を覗くと正面に、阪神淡路大震災の犠牲者の冥福を祈る
「やすらぎ観音」、別名「美人観音」が建っている。
「阪神・淡路大震災」で住宅は、約25万棟が全半壊し、6433名の方が
尊い命を失った。避難の住民は30万名を越え、この寺も被災者家族を迎
え入れたという。この援助がきっかけで、観音様が建立された。



 當麻寺の先に、「五条別れ道標」が建っている。
宝永4(1707)年に建立された古い道標で、京都市の登録史跡に指定さ
れている。道標には、「右ハ三条通」、「左ハ五条橋・ひがしにし六条
大佛・今ぐまきよ水道」等と彫られ、裏側には、「願主沢村道範建立」と
建立者の名が刻まれている。



 右に取ればそのまま三条通りを行き、東海道の上がり三条大橋方面へ、
左に入れば渋谷越えで五条大橋方面へ出る渋谷街道を教えている。
「ひがしにし六条大佛」は、東本願寺、西本願寺と方広寺の大仏のことら
しく、「今ぐまきよ水道」は東山の今熊野観音寺、清水寺を示している。



 今熊野観音寺は、西国三十三所巡礼の第十五番霊場で、清水寺は次の
十六番霊場である。十四番霊場の三井寺を打ち終えて、東海道を大津方
面から来た遍路にとっての五条・伏見方面への近道を示す道案内だ。
道標にも、有名寺の名が多く読み取れるのが如何にも京都らしい。(続)





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