簾 満月「バスの助手席」

歩き旅や鉄道旅行のこと
そして遊び、生活のこと
見たまま、聞いたまま、
食べたまま、書いてます。

「なまはげ」(JR乗り潰しの旅・宇野線)

2019-01-04 | Weblog

 「急行・きたぐに51号」に米原から乗り込んだ。
目指すさきは秋田県の男鹿半島、この地方に古くから伝わる年末の恒例行事
「なまはげ」を見学する為の北行きである。



 当時この列車は大阪を19時15分に発車、東海道本線の米原から北陸本線に入り、
直江津から信越本線で新潟を経て、秋田まで行く夜行の急行列車であった。
米原は21時09分発で小松辺りで日付が変わり、新潟には7時15分に到着している。



 このまま秋田まで行けば14時05分の到着となるが、ここでは5分の接続で先行
する急行「羽越」に乗り換えると秋田には2時間も早く到着出来る。
秋田から男鹿までは1時間、そこで中央交通バスに乗継いで凡そ40分、門前で下
車をする。その日の泊まりは長楽寺ユースホステルであった。



 当時の若者の旅行で宿泊と言えば、ユースホステル(YH)の利用である。
知らない者同士が膝を突き合わせての夕食や、その後のペアレント(管理人)を
交えての時間は館により工夫がされていた。
当然泊まりは相部屋が多く、そこが情報交換の場にもなっていた。そんなわけで
口コミ、或は雑誌の投稿などで知る評判の館は、多くの若者の支持を得ていた。



 この日も広間での夕食が終わるといよいよ「なまはげ」のお出ましだ。
「うおおお~お~お~お~お~」奇声と共に仮面をつけ、藁をまとった神の使い
が現れると会場は叫び声と笑い声で大混乱。
ひとしきり暴れた後は、仲良く記念撮影となった。



 先頃「なまはげ」を含む8県10件の伝統行事が「来訪神 仮面・仮装の神々」
として、ユネスコの無形文化遺産に登録された。
そんなにニュースに接すると、こんな半世紀近くも前のセピア色の思い出が鮮
やかに蘇ってきた。(続)



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