時々、突風が吹く昨日の夕方、ガラス戸に珍客を迎えた。
カゲロウ(蜉蝣)の成虫だ。
全長(シッポの先まで)は、7cmほど。やや白っぽい羽根を背中の上で垂直に立てている。
ガラスにへばりつき、動こうとしない。強風で飛ばされそうになり羽根をあおられながら、足とシッポで踏ん張っている。
この虫は昔、夏の夕方に何百匹もの大群が現れ、網で追いかけたこともあった。
でもここ30数年、見かけなくなっていたのだ。
渓流の水の澄んだ綺麗なところに幼虫がいるとか。
我が家の周りで見かけるということは、農薬散布が少なくなったせいだろうか。これは嬉しいことだ。
この虫は、渓流釣りの餌として、釣り場で飛んでいるのを捕まえるのだと聞いたことがある。
また疑似餌のモデルとされているとも・・・。
交尾・産卵をするためだけに成虫になるので寿命は極めて短かく、孵化して数時間後から2~3日で死んでしまうため、魚の餌として捕まえておくことは出来ない。
捕まえるとすぐに死んでしまって・・・かなり軟弱なのだ。
学名のギリシャ語は「1日の存在」から名づけられているとか。
日本語のカゲロウという名前は、空気が揺らめいてぼんやりと見える「陽炎」に由来するとか、またこの虫のヒラヒラ飛ぶ様子からとも、更に成虫の命の儚さからとも言われているのです。
この虫は、円筒形の体と2対の羽根、そして2~3本のシッポが特徴だ。また頭に3個の単眼とよく発達した1対の複眼があって、頭のかなりの部分を占めていて、身体のバランスが良くない。遠くに飛べない体形だ。 口の構造は退化的で、通常は摂食機能が無く何も食べず、また人に噛み付くこともしないのです。
なんというつつましい、というか、哀れというか・・・・侘びしい・・・こんなに儚い一生を送る昆虫もいるのです。
間違いか知れませんが、高知四万十川上流の四万十町(四万十市外で、より東)で夕方たくさん飛んでいるのを見ました。(中流と言っても地図上では土佐湾に近い。???)
「不審に」思って一匹捕まえて見たのですが、私は見たこともない、姿も冴えない虫でした。
多くの昆虫、魚は危険を冒してまで種の保存、進化のため近親でなく遠縁の相手を求めて変態、旅行をするのでしょう。ホタルしかり、カブトムシしかり、鮭しかり。そしてカゲロウは極端な例なのでしょう。彼らからすれば後期、でなかった最後の仕上げ段階でしかないので、悲哀はないのかも知れません。我々には彼らの主要な生活期間が見えないから哀れに感じます。人間でも下積みの期間が長すぎると無念です。 あ、・・・あまり比較するの、やめとこう。
それはそれとして、水がきれいになった証拠? 嬉しいことですね(^o^)