スターアニスの 『大和路 里の光彩』

アーカイブ中心の風景写真、趣味の書・刻字など・・いろいろと楽しんでおります。

文房四宝 (硯)

2023-10-07 05:01:00 | 筆文字に親しむ

▲日頃使っている硯。


▲左側真ん中は、34cm×22cmの大きさ。この中に、端渓、歙州、澄泥、和硯の著名なものがあるのかな??
 この他に、10点ほどあるが・・・・。


▲これは義弟から譲り受けたもの。「緑端渓蘭亭硯」か・・?? しっかり硯名を聞いておくべきだった。


▲25cm×19cm×9cm、7㎏ある。何しろ、重い!!!


▲裏には、蘭亭序の銘文が彫られている。


これらの大半は、義弟から譲り受けたもの。
他にもほぼ同じような形の硯が10点ほどあるのですが・・・その中に、端渓、歙州、澄泥はあるのかな?? 。

唐硯(中国硯)
端渓硯(たんけいけん)
中国硯(唐硯)にも、「端渓三大名杭」とされる老杭、抗子巌、麻子抗から採れるものを『端渓硯(たんけいけん)』とされ、それ以外から産出したものを『端石硯』というそうです。
この端渓硯の特徴は、石紋(眼、青花、金線など)、色(羊羹色・灰蒼色・黒紫等)にあります。
端渓硯の石紋を見るには、面に水をはることで良く見えますが、何処で産出されたものか鑑定するのはかなり難しいとされています。また、墨を磨る表面のザラザラした鋒鋩(ほうぼう)が、むらなく緻密に並んでいるため発墨に優れています。石質が滑らかで、柔らかい為、鑑賞用にも性能上も、とても優れています。

歙州硯(きゅうじゅうけん)
この硯の特徴は、石色は鼠色(灰色)でうっすら艶があります。また石の密度が高く、比重も重い為叩くと金属的な高い音が出ます。端渓硯は優しく女王と呼ばれるのに対して、歙州硯は男性的で王様の風格が有ると評されています。

洮河緑石硯(とうがりょくせきけん)
端渓・歙州と共に三絶とされています。性能としては端渓硯より良いとも言われ、市場に流通している物は極わずかであるため、「幻の硯」と言われています。市場で見るのは稀で「洮河緑石硯」ではなく「緑端渓蘭亭硯」とか。この硯の特徴は色で、緑石は淡青色・深緑色(緑系)で多くは蘭亭の図が刻まれているとか。

澄泥硯(ちょうでいけん)
この硯は「濾した泥を固めて焼成した」物つまり、焼き物と伝えられてきたものと自然石から作られたというものも存在していて、人工物と自然物の両方が存在しているという珍しい硯です。自然石の特徴は、緑・黄・紅・白・紫・青・朱の7色程の色があります。「焼き物」の硯でも焼く温度で色が変わり自然石と同じように鋒鋩(ほうぼう)は優れているそうです。端渓硯、歙州硯、洮河緑石硯、澄泥硯これらは「4大銘硯」と呼ばれています。

【和硯(国産硯)】
雨畑硯
(あめはた・あまはたすずり)※雨畑真石硯とも
山梨県南巨摩郡早川町雨畑付近で採掘された「雨畑石」から作られている硯です。石紋としては水流・雨滴紋があります。和硯の中では、鋒鋩が良く、美しい色調の光沢(青み・紫色・黒色をおびた三種類)を持っている事から、「和の端渓」とも称されているようです。

赤間硯(あかますずり)
山口県宇部市の北部から採掘された「赤間石」で作られている硯です。色は赤紫又は赤茶色で端渓硯に似ていて、その判別は難しいとされています。赤間石は彫刻がしやすいため彫刻硯や蓋付き硯等、美術品もあります。雨畑硯と並んで高く評価されてきましたが、職人自身の採石、継承者不足で、流通量は少なくなっています。

雄勝硯(おがつすずり)
宮城県石巻市雄勝町付近で採掘された「雄勝石」から作られている硯です。黒色又は青黒色が特徴。この雄勝硯は最も生産量が多く、和硯の約90%を占めているとか。石質はやや軟質なものから硬質なものが有ります。

那智黒硯(なちぐろすずり)
三重県熊野市神川町で産出された「那智黒石」から作られている硯です。深い黒色(漆黒)が特徴で、碁石にも使われるほどの独特な色合いと光沢を持ち合わせています。また、石によっては含有される物質から、端渓のような石紋様(金線、石眼等)も稀に現れる様です。

この他にも国産硯には、宮崎県の紅渓硯、長野県の竜渓硯など沢山あります。硯といえば唐硯(中国硯)の「端渓硯」という方が多いかと思いますが、日本の墨には日本の硯が合うとも言われおり、要は組み合わせが重要と言われています。