「懐風藻」の大津皇子の詩(漢詩)
『天紙風筆画雲鶴 山機霜杼織葉錦 赤雀含書時不至 潜竜勿用未安寝』
<天紙風筆雲鶴を画(えが)き>、<山機霜杼(そうちょ)葉錦(えふきん)を織る>
<赤雀(せきじゃく) 書を含んで時に至らず 潜竜(せんりょう)用いることなく未だ安寝(あんしん)せず>
黄葉を織物に見立てて、美しい詩文の比喩とした詩「七言 述志」です。
天のように広い紙の上に風のように自由に筆を運んで雲間を飛ぶ鶴を描き、山が織機となり霜が杼(ひ)〈横糸を巻きつける道具〉
となって黄葉という錦の織物を織るように、山に置く霜が木の葉を黄葉させる。
■天紙 大空を紙に見立てたもの。 ■風筆 風の筆で大空の紙に書きたいと見立てたもの。
■雲鶴 雲間を飛翔する鶴。 ■山機 美しい山を機織り機とみなした。
■霜矜 霜を機織り機の杼(ひ)とみなした。杼は織機の舟形のパーツ。
細い書体で書くべきか・・・悩んだ。
もっと、流れるように優雅に書きたいものだ!!
紙の上を流れるように・・・・。