スターアニスの 『大和路 里の光彩』

アーカイブ中心の風景写真、趣味の書・刻字など・・いろいろと楽しんでおります。

特別展・西国三十三所

2008-08-02 23:09:25 | 出来事



昨日から9月28日まで奈良国立博物館で催されている「西国三十三所 ・観音霊場の祈りと美」を見てきた。

西国三十三所巡礼は、養老2年(718年)、大和・長谷寺にいた徳道上人が病気になって仮死状態に陥った時、夢に閻魔大王が現れて、「悩める人々を救うため、三十三カ所の観音霊場をつくるように」と告げたと言う。息を吹き返した上人がこれを守り、近畿の33カ寺に霊場を設けたのが現在の西国三十三カ所の始まりといわれています。
当時はあまり普及しなかったが、平安中期になって花山法皇自らが霊場を訪ね歩いたことが巡礼復活の後押しとなったのです。

当初、僧侶による命がけの修行として行われていたものが、徐々に庶民の観光的な要素を加え、参詣者で賑わうようになったのです。
今年は、花山法皇の崩御1千年の記念の年に当り、その遺徳を偲んで、各霊場の宝物が開陳されているのです。

今日は、2日目の土曜日ということもあって、午前10時過ぎの入館者も多い。
博物館の新館には、1章から7章に分けられて、各お寺から集められた「国宝」「重要文化財」などの観音菩薩像、法華経、縁起絵巻、秘宝など195点が展示されています。
昨年、三十三カ所巡りで出会ったものもあるが、殆どは秘宝として閉ざされていて、お寺のパンフでしか見たことなかったものが、目の前にあるのです。

長谷寺・国宝の「銅板法華説相図」も見られました。
掲載写真1枚目の重要文化財である京都・清水寺の千手観音坐像は、寺外初公開である。写真で見るよりも優しい穏やかな顔立ちであった。
千手観音の手の表情の豊なこと。
また、右手と下にさげている左手の大きさが微妙に違うことを発見する楽しみ。
観音さんの見下ろした優しい顔つきから、角度によっては鋭い眼光に見えたりして・・・驚いたり・・・。
まあ、いろいろ新しい発見もあります。

法華経の多くは、銀泥で線が引かれ、金泥で書かれた文字の「法華経」のなんと綺麗な仕上がりのこと。細かい文字がこんなに整って書かれていることに驚くことばかり。

三十三カ寺からの所蔵だけでなく、東京や愛知などの関係する寺や博物館からも秘仏や秘宝が集められていた。
それらが、西国巡礼の信仰と歴史の深みを重ね伝えてくれています。
宗派は同じではないものの、いずれも観音菩薩を本尊としていることが共通しています。姿・形を変えても観音菩薩の存在で結ばれた当時の信仰心の強さを知ることができます。

札所の名宝が一堂に会するこの機会に、西国三十三カ所巡りをされようとする方、既に巡られた方、新たな気持ちで霊場を巡る旅を、奈良国立博物館で楽しまれては如何ですか?
見応え充分に揃ってます。是非・・・・お勧めの催しです。


▲特別展・西国三十三所が催されている、奈良・国立博物館です。

▲「観音霊場の祈りと美」は、9月28日まで開催されています。

▲博物館前にはハスの花が咲いていました。

コメント (4)
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