いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

男性と香水と私 60編

2005年08月30日 08時22分50秒 | 娘のエッセイ
 日本人には「香水」というと顔をしかめる人も多いが、私は香水大好き。以前
は会社に行く時も毎日つけているのだが、ある日若い男性社員に「今日、デート
かよ。香水つけすぎだぞ」と言われた。

自分ではそんなにつけたつもりはなかったのだが、毎日同じ香りに触れていて、
嗅覚が麻痺していたらしい。

それからは季節や天気、洋服と気分によって数種類の香りを使い分けるように
している。が、本当はそれでは私が香水を愛用している意味がなくなってしまう
のだ!

 だって私が香水を愛しているわけは、実に計算された下心からなんだ。それは
特定の『香り』で私を人(主に男性)に印象づけておきたい、というもの。

 例えば、別れた後にもその香水が鼻をくすぐった時、「ああ、彼女はいつもこ
の香水をつけていたな」と過去の男性達に私を思い出して欲しいから。

ちょっとずるいかもしれないけれど、もしそんな状況が私の知らない所で繰り広げ
られていたら、とっても幸せだな。

 そういえばどこかの外国では、男性から女性へ贈るクリスマスのプレゼントは
香水だという話をきいたことがある。『この香りだけを着て僕のもとへ来てくださ
い』と言うメッセージなのだそうだ。とってもロマンチックね。

 日本では、ティファニーイの銀のオープンハートがなんとなく無難で受けている
ようだけれど、同じ一万なにがしかのお金をかけるなら、こんな洒落たプレゼント
のほうが素敵だね。

彼女を思って香水を嗅ぎながら店員さんと真剣に話し込んでいる男の子って、
想像するだけでちょっとかわいい。

 だけど、香りは想像以上にとってもおしゃべり。人間でもそうだけれど、おしゃ
べりはうるさがられて人に嫌われてしまう。逆におしとやか過ぎても存在感がな
くなってつまらない。

 人にとって心地よい、それでいて私らしいおしやべりをしてくれるような、そん
な香水に出会ったら、もう一生離さないよ。


コメント (1)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« アメとムチ 59編 | トップ | 真夜中の買い物 »
最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
講評 (荒木)
2005-08-30 08:29:17
 小粋な、香水のようなおしやべりでした。

終わりのところ、まことにうまい。香水はおしゃべりである。これ、名言です。

 そして「しゃべる」という比喩が前半の自己PRの話と、ぴったりマッチしています。

 文書も上手、このほうはもう申し分ありません。
返信する

コメントを投稿

娘のエッセイ」カテゴリの最新記事