いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

日本選手団入場行進後そのまま退場!

2012年08月02日 10時58分28秒 | 兎に角書きたいの!
 8月2日付産経新聞報道によると、7月27日に行われたロンドン五輪の開会式に日本選手団は会場に居なかったと。入場行進した後の選手誘導にミスがあったためで、大会組織委員会では8月1日までに日本選手団関係者に謝罪した。選手団の橋本聖子副団長は「日本選手が手違いで全員外にだされてしまった。何カ国がそういう状況になったようだ」と説明している。今朝のフジテレビで現地にいる小倉智明氏は、会場が狭いために日本だけではないと語っていた。本当だろうか!国旗を持った選手も会場に居なかったことになる。だだのミスでは納得し難い。

 そこで思い出したのが会田雄次(京都大学教授)著「アーロン収容所」である。著者がイギリスの捕虜となった時の実体験をスケッチを交えてイギリスの残忍で狡猾な事柄を記述している。

 イギリス人はビルマ人売春婦を全裸にして眺め、イギリス人(女)は大小の用便中でも捕虜に掃除させ、若い軍曹は死体を靴の先で激しく蹴り上げ、男女の交わりを電燈も消さず始終演じてみせたり、家畜飼料としては安全だと食料を与えたり…とイギリス人の捕虜に対する残虐行為がこれでもかと綴られている。例えば、食料を十分に与えず赤痢菌の巣である川の近くに宿舎を設置し「英軍はここのカニは病原菌が居るから生食いしてはいけないの命令」を出して、食糧不足に悩む日本兵は我慢しきれずカニを食べて死んでいく。イギリスの監視兵は双眼鏡で毎日観測し、全員が死んだのを見届けて『日本兵は衛生観念不足で自制心も乏しく、英軍の度重なる警告にもかかわらず、生ガニを捕食し、疫病にかかって全滅した。まことに遺憾である』と上司に報告している。著者は、「これこそ人間が人間に対してなしうるもっとも残忍な行為である」と。

 幕末明治の日本を訪れたイギリス公使パークスは、人と話すときも、机に足をのせ、靴底を相手に向けたままだった。西郷隆盛が、パークスに同じ態度をとった。パークスが憤然として無礼をなじると、西郷は「無礼なことはお互いにやめましょう。私はこれが貴国の礼儀かと思った」と。詩人の堀口大學の父親で、外交官だった九萬一が、書き残した逸話である。イギリス訪問時の天皇陛下に対するイギリス人の行為も無礼そのものであった。そのほか多々ある。

 今回の出来事をただ単なる誘導員の「ミス」としてかたずけるにはいかない。このイギリス人の硬骨さはいろいろなことで記されている。是非この「アーロン収容所」会田雄次・中公文庫・単行本244頁を読んでいただきたいと願っている。
                 

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