いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

古希記念同窓会

2006年11月30日 10時06分39秒 | ハマ風は踊る
 昭和27年3月中学卒 卒業生452名。5年ぶりの同窓会が過日開催された。当日は91名(恩師7・男41・女43)が参集し、それぞれが還暦を無事に越え、古希を迎えた人達である。
 「人生七十古来稀なり」が集いお互いの健康を祝し、近況などを語らいながら旧交を温めるなど懐かしいひと時を持つことが出来た。これも、当会には永久と称する会長が存在しその陣頭指揮の下、10組あった各クラスに2名の幹事を配置しての運営の賜物である。
 生まれて七十年も経つと故郷もおのおのの人生も様々な変遷が刻み込まれていく。同窓生の消息は、幹事の話によると住所不明者は125名・物故者47名で、卒業生の28%が音信普通ということであった。
 おのおのが寄せた便りから様々な人生模様をうかがい知ることができた。
☆ 8月にシドニーオペラハウスで日本の歌をコーラスで発表してきました(75歳 恩師・女)
☆ 一人身となり老人ホームで生活しております(77歳恩師・男)
☆ 年金生活です・行動範囲が狭くなりました・人工透析の体に・老々介護のた  め・現役でサービス業に・地域ボランティアと忙しく・車椅子の身・ゴルフ練習 場でパート・病気療養中・海外旅行中・腰痛、眼科の医者通い・脳梗塞になりま した・十分楽しい生活を満喫・今は趣味の世界に・銀座でパンフラワーの作品展 のため・合唱連盟の仕事に・難聴のため・水資源確保の為の森林活動(工学博士 の人)・独居老人の生活にもなれ(市内でも有数のお嬢様育ちの人だった)・孫 の運動会のため・9人の孫に振り回され・要介護5の身の上……など(以上同窓 生)
  私は「毎日シルバー社交ダンスに興じ【自分史】作成に挑戦しながら日常生活をエンジョイしています……」と寄せた。
 当時の先生方は若く私の担任は、大学を出たばかりの23歳であった。その分、学校には熱気が満ち溢れていた。その彼方の想い出のなかで忘れられない記憶が私には二つある。
 一つは、休み時間中(10時頃)に弁当を食べているところを担任に見つかり校長室でビンタをくらい床に正座させられた。仲間は私を含めて8人であった。
 二つ目は、各経科目の学年統一試験結果を順位100番までの氏名と点数を書いて廊下の壁に張り出されたことで、私の最高順位は国語の3番であった。度々統一試験があり廊下に張り出された壁紙の記憶は、青春の思い出をいろいろと引き出してくれる貴重な私の玉手箱である。
 初恋の人? 手紙を交換しあった彼女とも巡りあえた同窓会。郵便受けにあった彼女からの手紙を母親に見つかり「どのような人か」と説明を求められたこともあった。郵便受箱んp気配が気になっていたあの時期が私の青春の始まりであったようだ。「心のときめき……」いい響きだなー
 その母親には、縁側で母の膝に頭を置いてよく耳掃除をしてもらった。今は、母と同じように妻にしてもらっている。これが何とも気持ちよく極楽気分を味わえる私の贅沢のひとつである。
 今、生存していれば、父108歳・母は98歳で20年ほど前になくなった。里帰りは毎年1回の墓参で、6人兄弟であったが、今は兄・妹たちと酒をを酌みながらの昔話に花が咲く。お袋が存命中は、私の好物、唐辛子のしそ巻・赤飯・なす料理などを作って待っていてくれた。今は兄嫁がお袋と同じ味で私の帰省を待っていてくれる。
 同窓会もみんなで想い出の歌「白い花の咲くころ」「青い山脈」そして「校歌」を歌い5年後の75歳での再会を誓って三々五々会場を後にした。
 【校歌】
    阿武隈の青き遠山 
    那珂川の清き流れを
    見はるかす城あとここに
    集いたる関東の子ら
      その男の子ひとみは黒く
      少女子のこえ冴え冴えし
    ……
 母校は、水戸(水府)城本丸跡にあり眼下には那珂川がゆったりと流れる風景が眺望できる。そして、二の丸、三の丸には、それぞれ高校があり今でも緑地に包まれた文教地帯となっている。
 当時の通学は、1841年に創設された水戸の藩校「講道館」の門に残る弾痕をそして講道館を眺めながら水戸学を語る歴史のなかを自由に横断していた。今、思うと何と贅沢で心豊かな通学路であったことだろう。
 この故郷を後に、列車の座席に深々と腰を下ろし移り行く車窓を眺めながらゆっくりと独りワンカップを口にした。シュッシュツポッポッと蒸気機関車が黒煙をあげながら上野駅に向かった乗客の一人であったころを思い出しながら、そんな思いのなかからふと、明日はダンスパーティーの幹事役であることを思い出した。
 同窓会を開催した幹事の方々から受けた心配りを糧に、私も参加者に十分「ダンスを楽しんでもらおう」と肝に銘じながら、会場の準備・受付・会の進行・開会宣言・来賓紹介・音楽の操作・親交ダンス・ぶっけ本番で妻とのトライアルで踊るワルツのステップ・抽選会などと思い巡らしているうちにいつの間にか夢の中へと引き込まれていった。

 後日、クラスごとの写真が送られてきた。妻から「初恋の人」はどの人と……
そして、この文章のお袋の話の段は「初恋の人とのカモフラージュのために挿入されたものです」と予想外の反撃を食らってしまった。



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