いろはに踊る

 シルバー社交ダンス風景・娘のエッセイ・心に留めた言葉を中心にキーボード上で気の向くままに踊ってみたい。

金子みすヾ展

2011年02月13日 21時20分48秒 | 兎に角書きたいの!
 本日14日まで日本橋三越本店新館7階ギャラリーで「没後80年金子みすヾ展」が開催されている。昨日、鑑賞してきた。大勢の方が来場されていた。

 展示方式は著名人が好きな詩をあげて所感を述べている。挙げられた詩の題は、大漁・月日貝・おさかな・浜の石・みそはぎ・水と影・鯨法会…と鑑賞に多くの時間を要する。61名の方の好きな詩の想いを原稿用紙に、楽譜で、絵でなど直筆で詩と共に展示されている。

 興味を引いたのは、柳家小万満(落語家)が好きという行商隊(カラバン)である。
   ひろいひろい砂漠だ。
   くろいくろいかげを、
   うつして続いて行くのは、
   行商隊だ、行商隊だ。
   ー駱駝のむれはみな黒い、
    そうして脚が六つある。……

 師匠は、「足元のカラバン」と題して
  蟻の列から駱駝の隊商へと、想像を膨らませて、砂漠と砂漠との、交錯する詩情は、楽しくも又、心豊かにしてくれる。…と述べて額縁を掲載してある。蟻の隊列を描いて言葉が添えられている。
 「ありありと ありありみえる ありのむれ ありあり ありは ありの隊商」何ともユウモアに溢れたコメントである。

 金子みすヾ(1903年4月11日~1930年3月10日)は、太守末期から昭和初期にかけて優れた作品を発表し、西條八十に「若き童謡詩人の巨星」と賞賛された。その詩は現在の小学校の大半の教科書に紹介されている。生涯に512編を残している。

 西條八十氏がほれ込んだ詩「おさかな」
  海の魚はかわいそう。

  お米は人につくられる、
  牛は牧場で飼われている、
  鯉もお池で麩を貰う。

  けれども海のおさかなは、
  なんにも世話にならないし、
  いたずら一つしないのに、
  こうして私に食べられる。

  ほんとに魚はかわいそう。




 
    
コメント
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