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「病院坂の首縊りの家」

2006年11月02日 | ★人生色々な映画
横溝正史の小説を読むとき
人物の相関図を何度も見返さずに読了出来る人は
そういまい。

映画の中で複雑きわまる人間関係を
説明するのには「台詞」しかない。
あるときは主要人物が、
そして残りは金田一耕助が語る。

そういう意味で金田一がダイコンだと
シリアスな物語でもいっぺんで茶番になってしまうところだろうが、
さすが金田一耕助俳優と言われる?石坂浩二、
説得力も抜群でしかも温かみもあり
汚いなりであるのにもかかわらず清涼感も漂わせながら
大物女優と堂々と渡り合い、追い詰めていく。

一連の横溝映画でもそうであったように
美しい女性が悲しい復讐を遂げる物語。
いくつかの不幸な偶然も重なって
人間関係は複雑に入り組んでいる。

最後の見せ場である独白は
佐久間良子の面目躍如の熱演と美しさではあったが
さすがに
回想での「10代の娘姿」には無理があった!(撮影当時40歳)

他にも草刈正雄、桜田淳子のクセのある台詞まわし、ピーターの男役、
あおい輝彦のヒゲ面など、かなり違和感を感じる部分が多いにもかかわらず
全体にぱっとみてすぐにわかる市川トーンが貫かれており、
豪華な出演者の贅沢な使い方に加え
横溝正史夫妻ゲスト出演するなど、
内容はどろどろではありますが華やかでした。

個人的には入江たか子が出ているのが嬉しい。
市川監督は女優を実に美しく見せるなあ。

石坂浩二の金田一としては
1「犬神家の一族」
2「悪魔の手毬唄」
3「獄門島」
4「女王蜂」
に続いての第5作目。

つまり今度の「ニュー犬神家の一族」で、第6作目となる計算です。

登場人物をざっと書いておきます。

石坂浩二(金田一耕助)
佐久間良子(美夫人:法眼弥生)
桜田淳子(法眼由香利)
久富惟晴 (色エロオヤジ:五十嵐猛蔵)
河原裕昌 (五十嵐滋↑猛蔵の孫)
入江たか子(弥生の母:五十嵐千鶴 猛蔵の後妻)
三条美紀 (使用人田辺光枝:滋の母))
萩尾みどり (山内冬子(法眼琢也の愛人で実は弥生の娘))
あおい輝彦 (山内敏男(義理の息子:小雪を好いている))
桜田淳子 (山内小雪(冬子の娘:このあたり複雑)
加藤武 (言わずと知れた等々力警部)
大滝秀治(加納巡査)
岡本信人 (阪東刑事)
横溝正史 (老推理作家)
中井貴恵 (女子学生;坂口良子的役回り)
草刈正雄(日夏黙太郎:飛び入り)
小沢栄太郎 (本條徳兵衛(あくどい写真屋))
清水紘治 本條直吉(↑の息子))
小林昭二 (三之助(法眼家車夫:弥生を崇拝))
三木のり平 (野呂十次(いい味出してる古本屋))
白石加代子 (宮坂すみ(法眼鉄馬の愛人らしからぬ愛人))
草笛光子 (雨宮じゅん(汚れ役:産婆の娘))
ピーター (青年その一:死に方がちょっと・・)
林ゆたか (奈美悦子の元ダンナ)

*映画の中のイイおんな研究(新企画)
佐久間良子:いい着物をびしっと着こなした良家の奥様がよく似合う。
結い上げた髪に一筋白髪メッシュがお洒落であるが
乱れ髪もまた風情があった!

1979年市川崑 監督

原作横溝正史
脚本 日高真也 久里子亭 撮影 長谷川清
音楽 田辺信一 美術 阿久根巖

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2 コメント

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着物姿といえば! (こきら)
2006-11-11 12:20:27
「病院坂・・・」の佐久間さんもよかったですが旧作のほうの「犬神家・・・」の高峰さんも大迫力でよかったですね!「病院坂」の桜田さんとかって、やっぱりちょっとういてる感が・・・あのシリーズでは、「悪魔の・・」が一番好きです。磯川警部の富三郎さんは、「忍びの者」の信長とか、テレビでのキイチホウガン(どんな字でした?)とか、わりと荒々しいイメージだったんですが、あの作品では本当に良かったですね~サスガです!新作の「犬神」も楽しそうですね。富士さんはちょっとイメージがやさしすぎる気がするんですが・・・ではまた
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高峰三枝子さん最高 (ブラボー)
2006-11-11 13:06:24
でしたね!
汚れ役も
高峰さんがやるとすごい迫力で・・・
着物姿も後光が差していました。(笑)

「病院坂・・」は作品としてみると
イマイチ感がありますね~~
若山富三郎さん、よかったですね。

新作、私も楽しみです。松竹梅子は
どうでしょうかね!!
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