邦画ブラボー

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「226」

2006年02月27日 | ★人生色々な映画
2月26日に見た。

日本史上まれにみる大規模なクーデターであり
今なお謎が多いこの事件を、
若き将校たちからの視点で描く。

脚本は「肉体の門」で五社監督と
コンビを組んだ笠原和夫。

昭和11年二月二十六日、
安藤輝三大尉(三浦友和)、野中四郎大尉(萩原健一)、
栗原安秀中尉(佐野史郎)、丹生誠忠中尉(宅麻伸)、
磯部浅一(竹中直人)、坂井直中(加藤昌也)、
香田清貞大尉(勝野洋)、高橋太郎少尉(鶴見辰吾)、
村中孝次(隆大介)、中橋基明中尉(うじきつよし)ら皇道派の将校たちは
部下を率いて首相官邸を襲撃、陸相官邸、警視庁を占拠した。

すべてうまくいったかのようにみえた。
だが刻々と彼らを取り巻く空気が変わっていく。
国を憂い、信念を持って革命を起こそうとした彼らは
山王ホテルに立てこもり、逆賊として次第に追い詰められていく・・

テンポよく構築された脚本に引き込まれた。
笠原和夫らしく、綺麗ごとばかりは並べない。
将校たちの、焦り、哀しみ、
下士官たちのとまどいも書き込まれていた。
当時を詳細に再現した西岡善信による美術が素晴らしい。

追い詰められた将校たちの脳裏に浮かぶ
「愛しいひと」との哀切きわまる思い出シーンを見るのは
たいへん照れくさかったが(ここは笠原和夫テイストではない)
そんな思いを吹き飛ばすくらい、
女性たち
(安田成美・名取裕子・有森也美・藤谷美和子・賀来千香子・南果歩)
が美しかった。やっぱり五社監督の映画ですね。

兵隊の中に川谷拓三の顔を見るだけで
胸がぐっときてしまう自分が情けない。
もっくん・本木雅弘 の好演も光っていた。

仲代達矢、丹波哲郎、田村高弘らびっくりするくらいベテラン陣も多数出演。
思わぬ拾い物をした感じ。

長い間封印され、めったに聞くことがなかった「軍歌」は
純粋に「歌」として聞くと、とてもいいものが多いんですね。

お金かかっていて華やかだけど、題材が題材なだけに
それでいいのかと思ったりもする。

監督 : 五社英雄 
原作 : 笠原和夫 脚本 : 笠原和夫 
撮影 : 森田富士郎 音楽 : 千住明 
美術 : 西岡善信

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2 コメント

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Unknown (乙庵)
2006-03-01 07:07:31
川谷拓三がテレビのインタビューで美術がよいといっていたのにつられて、映画館で封切り上映を観たことを思い出しました。五社英雄はテレビドラマの「三匹の侍」を高校時代見ていましたが、黒澤明の亜流のような感じでしたし、映画に進出してからも型に捉われがちな監督という印象がありました。むしろ、ブラボーさんもそう思われるかもしれませんが、女性を描くことで開花されたのかと思います。脚本が笠原和夫であったことを初めて知りました。深作監督なら・・と

いまさら思います。本木雅弘クンの好演は記憶に残っています。それから名前が出てきませんが、テレビドラマで冬彦を演じた人の中隊長役はリアリティーがありました。
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Unknown (ブラボー)
2006-03-01 09:30:18
私は今回初めて見ました。



豪華キャストで驚いたのが第一印象です。



乙庵さんがおっしゃるように

五社監督は女性を描くと輝きますね。(笑)



何度も出てくるメロドラマ的な場面は

美しかったですが鼻白むものが

ありました。笠原和夫は不本意だったかも。



佐野史郎ですね、よかったですね。

本木くんの青い顔もよかったです。



実はこの後、同じく二・二六事件を扱った1954年の新東宝・「叛乱」を見ました。

これは脚本が菊島隆三で・・・

事件の解釈の真偽は別として

ぶっ飛びました。

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