邦画ブラボー

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「但馬屋のお夏」太地喜和子+和田勉

2012年07月08日 | ●面白かったTVドラマ

それにしても

まあ太地喜和子って

存在するだけで

大事件が起きてしまうような

危なっかしい魅力に満ちていますね~~

このドラマもやっぱりファムファタル的な

役柄を見事に演じきっております。

近松門左衛門原作

脚本 秋元松代 1986年度作品

 

冒頭、

艶やかな舞姿を

うっとりと見つめる男ふたりありけり。

(ちゃんとした侍・名高達郎とセレブ風町人中村賀津雄)

 

次の場面で太地喜和子は

中村賀津雄を「あにさん」と呼んでるじゃありませんか!!

ふうむ ふたりはきょうだいか・・・

しかしあの目はたしかに愛おしい女を見る目。

 

中村賀津雄の一挙一動はもちろんのこと、

目の配り方ひとつも逃さず

和田勉が追いまくります・・・

 

におう様に色っぽいかと思えば

ときにおきゃんで童女のようにみえる太地喜和子

素晴らしいのはもちろんなのですが

このドラマは、

大スターの兄、中村(萬屋)錦ちゃんに隠れて

通好みといいますか

今ひとつ地味な印象の

中村賀津雄の豊かな芸を楽しむのには

もってこいの作品といえると思います。

 

和田勉のしつこい目線にしっかりと答える

演技はほんとに

いっときも目が離せません。

 

大店の行き届いた亭主ぶりを表現したたたずまいや

病み上がりの

ぼんやりと庭をみつめる

しどけない後ろ姿、

するりと肩から落ちそうな粋な羽織の着こなしといい

風情もさすが名門のDNA、素晴らしいです。

母親役、渡辺美佐子もさらりと上手い~

 

太地の見せ場もしっかりと用意されておりまして

ラストの啖呵は

それまでおとなしくしていたのは

このためだったか!と思わせる、

名高達郎のみならず視聴者も呆然!とする爆発力に満ちていました。

和田勉のドラマってカタルシスがあるんですね。

そもそも

修羅場がこれほど似合う女優さんもいないのではないでしょうか??

 

そして、一転。

今までのテンションはなんだったの?

という狐につままれたような後味を残すラストシーンも

また変わった味わいで、

救われたような掬われたような・・・・

 

そうでした!

いしだあゆみ怪奇な演技

なくてはならないスパイスになっておりますことを付け加えておきます!

 

この7月から装いもあらたになった時代劇専門チャンネルで視聴