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「牡丹灯篭:蛍火の巻」(第三話)

2008年08月24日 | ★恐怖!な映画
●キーワード:

潮来
水辺
仏像
瞽女親子
啖呵
憑依


牡丹灯篭は二部構成。監督は中川信夫。

後編「蛍火の巻」は、
新三郎を殺め
女房と共に潮来へ高飛びした伴蔵(戸浦六宏)の悪にターボがかかり
暴走し自滅するさまが描かれる。

不思議な因縁に導かれるように
お露の継母お国(長谷川街子)、その愛人、
悪徳医者(名古屋章)、
お露たち亡霊も一緒に流れてきて
舞台は江戸から潮来に移る。
「蛍火」とあるように季節はやはり夏。

スター俳優が出ていないのに、
脇役役者たちの上手い芝居でぐいぐい魅せられていく。

戸浦六宏名古屋章との悪党対決や
長谷川街子との大人な絡み、
寅さん真っ青の啖呵で相手を圧倒する「はったり」シーンなど、
おいしい役柄で六宏ファンは必見。

真っ赤な空の色や
不気味な沼地のセット等美術も素晴らしいが
亡霊は面と向かっては出てこない。
蛍が舞う水辺を歩むお露、謎の瞽女親子は不気味に
象徴的に登場する。

伴蔵の妄想の産物なのか、
悪党にほんの少し残った良心が
亡霊を生み出すのだろうか。

戸浦六宏と名古屋章の悪党コンビが
川くだりをしているときに
櫓にひっかかる伴蔵女房(阿部寿美)の水死体が
リアルすぎてマジキモイ。
浮かんだり沈められたりして阿部寿美さん、オツ。

教訓:因果応報
   欲は身を滅ぼす

時代劇専門チャンネルにて

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