邦画ブラボー

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「知るを楽しむ:久世光彦 昭和を愛した不良③」

2008年03月20日 | ★TV番組
ゲストの魅力も再確認させられる番組と書いたが
今回の語り手は友人で作家の伊集院静

50歳をすぎてから作家デビューを果たした久世とは
20年来の付き合い。
年齢を超えて文学を語り合ったと言う。

照明を落とした自宅?の一室で煙草をくゆらせながら
目を閉じたり、時にはぎょろっと見開いて自然体で語る。
まるで家に招かれて話を聞いているかのような演出が心憎い。
かたわらに置かれたお茶は
現夫人の、篠ひろ子が煎れたのだろうか?

この世には表の世界と裏の世界があって、
影の魅力というのもある・・
「(久世さんは)光と影の狭間に平気で立っている大人の男・・かな。
そういうものにしか匂わない色気があった」

さすが言葉の錬金術師だけあるわね~

「変貌する世の中に抗うように
失われていくものへの哀切、滅びの美を追求した。
人が生きるということは
喜びよりも哀しみを背負うことであると知っていた、
僕が彼の小説を好きなのはそういうことが根本にあるからだ」

こうして書いていても、口から出た言葉がそのまま文学である。
久世の作品の本質を突いている。

締めのところで
喋りがちょっと乱暴になる。

「上(天国)に行っててくれれば、僕は二度と会うことは無い。
でももし下で会ったらあんなこと喋りやがってって言われるなあ・・
下(地獄)にいる可能性も無きにしもあらず・・なんだよなあ~~
僕は間違いなく下(地獄)でみなさんをお待ちしていますよ。」
と言いながら久世の本をかかえて部屋から出て行った。

見事!な幕の引き方である。
思えば彼も作家になる前は演出家でもあったのだった。

そしてこの匂い・・は・・

すごく危ないところがある男たちであることが
彼ら二人の共通点だと思う。

またそういう男には女は惹かれるもので・・
モテまくった(てる)というのも共通項だろう。

久世光彦の本を読み直したくなったのは
もちろんだけど、
伊集院静の小説も読みたくなってしまったなあ!

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