邦画ブラボー

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「まだそんなに老けてはいない」?

2007年01月29日 | ★TV番組
題名からして
開き直っている山田太一ドラマは、
友人と賭けたとおり、
主人公(中村雅敏)と女(余貴美子)の間には何もなかった!のでアル。

山田太一と不倫とくれば当然
「岸辺のアルバム」と比べてしまうのが人情。

時代を切り取るドラマにしては
すこぶる歯切れが悪いものだった。
衝撃は?ひねりは?と期待するほうが悪かったのか。

台詞も不自然で、
“まだそんなに老けてはいない“主人公や女たちの
ずるさといやらしさばかり目についてしまった。
女は都合よく外国に旅立つし。

登場人物の誰にも共感できない話というのも
久しぶりだなあ。

まだ、「チョイモテたいオヤジ」が
右往左往するようなシャレたコメディの方が正直で断然面白そうだ!
(企画)

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ドラマ「飢餓海峡」冒頭

2007年01月29日 | ★人生色々な映画
衣食足りて、
礼節は地に堕ちましたが
おかげさまで「飢餓」は無くなった日本です。
犬飼が八重からもらった握り飯の美味さは
私たちには到底理解出来ないのかもしれません。

極貧の環境で育った主人公犬飼太吉は
嵐の夜に強盗・放火犯の一味に加わる。
青函連絡船沈没の騒ぎに便乗、
盗んだ船に乗って沖に出たところで
仲間二人を殺して大金をせしめる。
逃亡中、飛び乗った汽車の上で
娼婦の杉戸八重に出会う。

まだハタチそこそこで少女のような藤真利子。
美しさ瑞々しさが緑の中で際立ち、思わず見とれてしまう。
かたや、八重が手渡した握り飯を貪るように食べる犬飼はひげボウボウ。
途中で汽車を飛び降りた犬飼だったがその後花街で偶然二人は再会。

「熱狂的な」一夜を過ごす。

この一夜の契りが運命を決定することになるとは!!

山崎努も髭をそって男前だし、絡みシーンは扇情的だ。
映画版の左幸子がみせたような
イタコもどきの神がかり演技はありませんが
若く幸薄そうな藤八重の東北弁、
訴えるような表情はたまりません。

犬飼が別れ際に決心したように新聞紙に包んだ大金を渡すシーンもいい。
よけいな台詞が無く、怒ったようにドスン!と置く。
とてもリアルな演出であった。

八重のあわてふためきぶりもまた臨場感があった。
咄嗟に股の間に隠した包みを
薄暗い小部屋の押入れに
大事に、大事にしまうのである。

ドラマ版はエロティックな部分を強調している。

その後お互い忘れられなくなったと言うだけあって
(再会の時に臆面も無く言ってました)、
二人のシーンは天下一品でした。
八重は恩人としてだけではなく、
生涯たった一人本気で愛した人として
犬飼を慕い続けるのである。
犬飼もまた・・

だけどこの二人、
たった一日ぽっきりの出会いだったのですよ。

男女のことは何しろう~ん深い。深い沼のようだ。

企画:今村昌平
監督:恩地日出夫、浦山桐郎
脚本:石堂淑朗、富田義朗
音楽:真鍋理一郎

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