goo blog サービス終了のお知らせ 

邦画ブラボー

おすすめ邦画(日本映画)のブログ。アイウエオ順(●印)とジャンル分け(★印)の両方で記事検索可能!歌舞伎、ドラマ感想も。

「怪」赤面ゑびす

2005年06月18日 | ★妖しい映画
船の難破により久しぶりに戻った娘は
「戎島、赤面ゑびす」と言って息絶える。

つかみから一気に摩訶不思議な異次元に突入!

強盗事件に巻き込まれた百介(佐野史郎)はやっとのことで
島に「歩きついて」、異様な光景を目の当たりにする。

その島こそ戎島。

あちこちに置かれているゑびす像。
ゑびすの顔が赤くなると島が滅びる!

奇妙な因習をかたくなに守る島民は
狂乱の領主・甲兵衛に盲従していた・・・

シリーズ最強キャラ・甲兵衛に本田博太郎。
伝説となった?「北京原人」、そして「ジャズ大名」に続く
本作での怪演は本田ファン必見!

異様な台詞廻しとテンションで
全開してます!

本田博太郎を見るだけでも一見の価値は充分あるが、
重い宿命を背負った徳次郎(火野正平)が
算盤をはじいているのを見ていたら、
トニー谷という人がいたことを思い出した。

「怪」シリーズ4作の中でこの作品がもっとも
濃くて不気味!(で、好き)と言うファンは多い。

出演:田辺誠一、佐野史郎、遠山景織子、火野正平、
本田博太郎、西崎 緑、上杉祥三、桜井センリ、笑福亭松之助

2000年 酒井信行監督  原作・企画・脚本:京極夏彦

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします

■他の「妖しい世界」の記事



「怪」福神流し

2005年06月16日 | ★妖しい映画
「福の神」を巡っての商人たちの争いに
陰陽師、人斬り侍などが絡む。

妻思いの陰陽師(近藤正臣)と
妻に裏切られた侍(杉本哲太)の皮肉な巡り合わせ。

冒頭に「妖怪百物語」のパロディのような場面。
妖怪使いか妖怪か?
「算盤を小道具にした」火野正平も
仲間に加わって大爆笑。

そして「あやし・宮部みゆき」、「げげげ・水木しげる」、
「黒ずくめ京極夏彦」「・・・荒俣宏」も特別出演・・!!

え?「新宿鮫・大沢在昌」も??

ナイス!

ウィットに富んだ演出が楽しい。

体中から殺気を発散させる杉本哲太、
金ぴかが良く似合う岸辺一徳、
近藤正臣、きっちりした芝居はさすがです。

そして悪徳商人に扮する船越栄一郎が
悪どさにじみ出していて秀逸!

お父さんの船越英二のようにいろんな役を見せて欲しい。

衣装が斬新。
多分に京極のセンスが入っていると思われる。
特に御行の際のドレスアップがすごい。

田辺誠一(又市)は白黒二種類の着物を着わけ、
近藤正臣もすごいビジュアルでぶっちぎり!

又市の粋な台詞回しに
聞き惚れているうちに
ひねりが効いたラストにもっていかれた。

2000年 酒井信行監督  原作・企画・脚本:京極夏彦

■人気ブログランキング
よろしかったらお願いいたします

■他の「妖しい世界」の記事

■大極宮

■「怪」


「怪」隠神だぬき

2005年06月14日 | ★妖しい映画
京極夏彦「怪」シリーズは
WOWOWで放映されたドラマ。

能の面をかぶった侍による連続辻斬りが阿波で起きる。
女子供も容赦なく切り殺す手口は残虐非道の極みで
人々は恐れおののいていた。

異様な登場人物たちがひしめく時代劇ミステリーに、巧みに
妖怪伝説を絡めた京極夏彦ワールド。
この物語では阿波の「狸合戦伝説」を絶妙に取り入れている。

目をそむけてしまうスプラッター描写があると思えば、コミカルな笑いもある。
核は謎解きなのだが
地獄、亡霊、などの幻想シーンも散りばめて実に華やか。

「怪」シリーズに一貫して登場する「御行の又市」がいいです。
何事か!と思うような異様ないでたちのわりには、
飄々としてさわやかな雰囲気なのも
この物語をどろんどろんにしていない大要素と思われる。

ここでは田辺誠一が演じているが、
豊川悦司がやっても似合いそうではありませんか?(恐すぎますか)

又市の「御行奉為(御行し たてまつる)」チリン、チリン。(鈴です)という決め台詞に伴って
「山猫廻しのおぎん」(遠山景織子)、
「戯作者・百介」(佐野史郎)、
谷啓(!)らによる「御行」は「必殺シリーズ」を彷彿とさせる。

京都から辻斬りを追ってきた同心に嶋田久作。
悪役ではなく、正義感あふれるちょっと間抜けな侍を演じて意外に○。

他に宮下順子、「シニア筋肉王」の石丸謙二郎など。

世に不思議なし、世すべて不思議なり。

2000年 酒井信行監督  原作・企画・脚本:京極夏彦

■人気ブログランキングへ
よろしかったらお願いいたします

■他の「妖しい世界」の記事はこちら

「人形佐七捕物帖・腰元刺青死美人」

2005年05月10日 | ★妖しい映画
なんだろう、このワクワク感は。

刺青が彫られた背中をむき出しにしたお女中が、ずらりと並ぶ幕開け。

まだるっこしい前置きはすっぱり抜き
最初から観客の目を釘付けにする。

サービス満点。
飛ばしてくれます。

観客が見たいものを見せる。
これが新東宝。
面白くてなんぼ・・
これも新東宝。
「死美人・・」というタイトルが多い・・・
それも新東宝。

原作は横溝正史。サスペンスタッチの謎解きもの。
横溝の推理作品の中で
金田一耕助シリーズと並んだ傑作が『人形佐七捕物帖』シリーズだ。

人形のように綺麗な顔の親分に若山富三郎。
ちょっと無理がある?
それが、白塗りで五月人形のように見えないこともない。
難事件を解決するシリーズが好評で、13本も作られた。(うち新東宝作品は8本)
この作品は5本目。脂が乗ってます。

江戸っ子弁が冴えわたる大活躍の親分。
まるっきり役にたたない子分が2人。

「するってえとなにかい?」

ヒロインの日比野恵子さんは他作品にも出ているが、
艶っぽく品がある。

天知茂が妖気あふれ、ただならぬ雰囲気漂う侍を演じている。
色悪の役どころは「東海道四谷怪談」の伊右衛門を彷彿とさせる。

このいかがわしい雰囲気は・・見世物小屋の猥雑な賑わいに似ている。

1958年 山田達雄監督作品  新東宝   モノクロ


■人気ブログランキングへ
応援よろしく!



「帝都物語&帝都大戦」

2004年11月15日 | ★妖しい映画
東京を「帝都!」と呼んでみて「カッコイイ!」と思ったら見てください。
この言葉にこだわりを持つ人なら楽しめる映画だと思います。

それと「オカルト」とか「超能力」とかに興味がある方。
「レトロな街」「ロボット」「ジオラマ」「フィギュア」
「荒俣」・・もいいかな~~

「帝都を破壊する!」
嶋田久作はこの役のために生まれたのかと思うくらいのはまりよう。

軍服にマント。その帽子には五芒星が。
旧陸軍の帽章に使われている星章は、
一説には魔除けの紋章として知られる
陰陽師安部清明の『晴明桔梗紋』を象ったものだそうです。

明治末期、
渋沢栄一、寺田寅彦、陰陽師平井らは
帝都を軍事的のみならず、霊的にも保護しようとしていた。
それに立ちはだかるのが、嶋田演じるサイキック魔人加藤だった。
加藤は恨みを残して死んだ平将門の霊を呼び覚まし、
帝都を破壊しようとする。

将門の子孫で霊的なパワーを持つ女性が戦いに挑むが・・
歴史上の有名人が沢山出てくる。泉鏡花、幸田露伴・・

そしてびっくり仰天するのが
西村真琴博士発明の日本最初のロボット「学天則」の登場である。
ロボットというにはあまりにもアナログ的で異様な姿に
誰もがびっくらたまげることでしょう。
そしてこれを作った西村真琴博士を、
息子である名優・西村晃が演じているのもたいへん興味深いことでした。

白状すると、「学天則」を見るために実は私この映画を見ました。

その偉大な姿はどうぞ映画でごらんになってくださいね。
学天則と「加藤」を見るだけでも十分私は満足しました。

銀座などの町並みのセット素晴らしいです。

エイリアンでお馴染みの<最狂>デザイナー、
H.R.ギーガーがコンセプチュアル・デザイナーとして加わってます。
(HPのFilm design というコーナーに"Teito monogatari"という作品がありますので、
体調がよかったら見てください。常人が考え付くものではないっす)

それと、何故か勝新太郎も出演してるんです。
監督は実相寺昭雄

***********

「帝都物語」の事実上の続編が「帝都大戦」
あの「加藤」を一作限りで終わりにするのは惜しい!
とばかりに作った?というわけではないでしょうが、
鉄塔の上にすっくと立つ姿を見たときは身震いがしました。

ターミネーターがなんじゃ。日本には加藤がいるぞ!

時代は移り第二次世界大戦、終戦時の帝都。

迎え撃つのは超能力者南果歩&加藤雅也

加藤雅也VS嶋田久作のカメハメハ大戦。
ワイヤービュンビュン使いまくりの戦いが繰り広げられます。

加藤雅也はセピアな画面に映えるいい男なので、
やられて血だらけになってもそれなりに絵になります。
ただ前作に比べるとちょっと小粒感が・・・

監督は「帝都物語」でプロデューサーやってた一瀬隆重
この方はリングやら呪怨やらD坂やら、団地妻やら
新しいところでは感染やら予言もプロデュースしてるんですね。

■人気ブログランキング参戦中よろしくお願いいたします