INSIDE SORAMAME

私の頭の中のキオクを綴っていくつもりです・・

近い遺産(21)

2009年06月15日 |    ┣ 近い遺産
(つづき)
福岡市博多区の「堅粕一丁目」バス停。

行先として貼られている「15番」の「千鳥橋行き」と「ゆめタウン博多行き」の下に隠れている「85」と「橋」の文字が少しだけ見える。
「85」とは、「85番 福博循環線」、「橋」とは「千鳥橋」のことである。

85番」の末期は、千鳥橋を起点とする1周運行だったので、ここから、千鳥橋を超えて博多ふ頭入口→天神方面に行くことはできなかった。
しかし、「85番」が千鳥橋を跨いで運行しなくなり、さらには「85番」や「80番」自体が廃止された後も、県庁九大病院前→千代町においては「博多駅、石城町方面へお越しの方は次でお乗換えです」という車内アナウンスを一部のバスで聞くことができた。
いいかげんといえばいいかげんなのだが、見方をかえれば、市内電車から受け継がれる「85番」の存在感や影響力の大きさを示していたということができるのかもしれない。

なお、「堅粕一丁目」バス停前の道路には、今回廃止となった「41番」の吉塚営業所系統が走っていたが、このバス停には停車していなかった。
同様に「41番」は「駅前一丁目」にも停車せず、ちょっとした「快速気分」を味わえる路線でもあった。
(つづく)
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シューテングスター(30)

2009年06月14日 |    ┣ シューテングスター
(つづき)
福岡市東区の「香椎パークポート」バス停。
23-2番」の終点となっている。

一応「香椎」という名は付いているものの、香椎駅香椎交差点、香椎参道など、いわゆる「香椎」地区からはかなり離れている(直線距離でも2㎞以上)。
このバス停に到着するバスは平日と土曜日に一日2本だけで、平日が7時41分と8時47分、土曜日は7時43分と8時43分である。
一方、このバス停から出るバスも平日と土曜日に一日2本だけで、平日が17時20分と18時20分、土曜が17時22分と18時20分である。
「香椎」という表記を見て、「香椎地区に行く」と思って乗車してここで降ろされた人がいたとしたら、かなり悲劇である(多分、途中で気付くとは思うけど…)。

また、香椎地区のメインの路線である「23番」をベースとした「23-2番」を付けていることから、「23」という数字を見て「香椎に行く」と考える人がいないとも言い切れない。
主に福岡市中心部~香椎地区を結ぶ「23番」は、「1番」や「62番」と同様、時が経つにつれ経由地や行先が複雑化したことから、「22番」「27番」などに分割されたという経緯がある(ただし、現在でも複雑な部分はあるが)。
それでもなお、香椎とはほとんど関係がない場所を通るパークポート行きに「23番」をベースとした番号を付けた背景には、古くからの「23番」に対する「本線意識」のようなものがある気がする。
「新宮緑ケ浜行き」が「26番」ではなく「23番」なのも、そのような「本線意識」が作用していると考えられる。
ちなみに、「空港通り経由の上宇美行き」が「33番」ではなく「32番」であるのも、「33番」に対する「32番」の(相対的な)「本線意識」という言葉で説明できると思う。
以前の記事にて"西鉄バスの行先番号は、単なる「番号」ではなく、その数字が持つ意味を直接・間接に伝えている「名前」的な側面が多分にあって、それが面白いなぁと思う"と書いたのだが、利用者の立場にたってみると、その「名前」的な側面が、ややもすると「わかりにくさ」につながってまうということは常に意識しておく必要がありそうである。

そういえば、「香椎パークポート行き」ができた当初、方向幕の行先表示の下には「KASHII PAKU POTO」と表示されていた。
「それはあんまりだろう」と思っていたら、いつのまにか「KASHII PARK PORT」に修正され、現在のLEDの行先表示でもそのように表示されている。

この「香椎パークポート」からは、アイランドシティ方面に道路がつながっていることから、ここから先にバス路線が延びる蓋然性は高いと思われる。
ただ、この付近一帯の道路は一般の道路とは管理者が異なる港湾道路であり、「港湾施設の利用者のための道路」という建前があることから、ここを通り抜けるような路線の開設は難しいという事情が、もしかしたらあるのかもしれない(←あくまで想像)。

「香椎」は、福岡市の東の副都心として位置づけられているが、西の副都心「西新」、南の副都心「大橋」と比較して、その地名でカバーするエリアがとても広いという特色がある(それは海側だけでなく山側も)。
これをテーマにしてひとつの研究ができそうである(誰が喜ぶのかはわからないれど…)。
(つづく)
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エンギモノ(18)

2009年06月13日 |   ┣ お宝と縁起物
(つづき)
福岡県須恵町の「一番田」のバス停。

「一番だ!」ではなく「一番田」である。
ちなみに、アンパンマンに出てくる「クリームパンダ」は「パンダ」ではなく「パンだ!」らしい。

行先案内の部分には「36 天神」と「37 福岡空港」とあるが、「37番」は現在ここには通っていない。
この「37番」は、「佐谷~上須恵口~一番田~赤坂~須恵役場~新生~志免~月隈団地~福岡空港前」を走っていたものであり、後に「37-2番」となり、その後上須恵口~須恵役場間が直通となって一番田を通らなくなり、それから空港ローカルの「4番」に改称され、さらに空港ローカルの「5番」と統合されて亀山経由に変更される…という流転の歴史をたどっている。

「37-2番」が一番田を通らなくなった際、「37-3番」(現在のローカル「3番」)が「宇美営業所~新原~上須恵口~一番田~赤坂~四王田団地~志免体育館前~片峰~東平尾公園入口~福岡空港前」というルートで運行を開始し、現在ではこっちが一番田から福岡空港駅への足となっている。

こう考えると「37 福岡空港」というのは、何世代も前の話だということになる。
もともとの「37番」は、今回廃止となる「41番」の吉塚営業所系統にも関連がある路線なのだが、現在に至るまでかなりいろんなところを走っている。

このところ、免許維持路線の廃止それに関連する話題を集中的に書いてきたが、免許維持路線に関してはみなさんの思い入れも強いようで、6月10日のアクセス数は、1877PV、365IP、gooブログ中1725位と、今年の春のダイヤ改正時を上回り(おそらく)過去最高を記録した。
いとしい免許維持路線たちの廃止はたしかに切ないのだが、その思いをみなさんと共有しているようでどこか心強くもある。
(つづく)
コメント (3)
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2009年6月20日ダイヤ改正など(3)

2009年06月12日 |   ┣ ダイヤ改正2009
(つづき)
今回廃止となる「野芥二丁目」バス停について書こうと思うのだが、残念ながら廃止までに現地に行く時間がなさそうなので、画像は車内の「お知らせ」で代用させていただくことにする。
書いていくうちにいろんなことを思い出して、このあといつも以上に話があちこち飛ぶのでご容赦を。

現在、「野芥二丁目」を通る土曜夜に一本だけの免許維持路線「無番 四箇田団地→福大病院」は、「一週間に一本だけ」になる前は概ね90分間隔で運行されていた(90分間隔になる前は約60分間隔)。
もともとは「12番 福大線」の複数の行先(福大前、片江営業所、福大病院、西油山ハイツ、早良高校など)の中の一つとして「四箇田団地行き」があったのだが、福大病院から西側に行くものの廃止(通学用の早良高校行きを除く)の際に「四箇田団地~野芥~福大病院~片江営業所」という区間便として残ったものである(のちに片江営業所まで行かなくなり福大病院までに短縮)。
この区間便は基本的には「無番」なのだが、初期の頃は「12番」を掲げるものがあったり、「方面色」もオレンジ色だったりブルーだったりで、結構いいかげんだった印象がある。

「12番」に「四箇田団地行き」ができたのはそこまで古くはなく、おそらく1986年頃だと思う(十分古いか…)。
中学一年生の頃、「九重キャンプ」という学校行事の帰りの貸切バスの中から、県道大野城二丈線の西行きに「野芥」の新たなバス停が建っているのを目撃し、帰宅後疲れも忘れて急いで自転車で確認しに行った記憶がある。
現在は、急いで確認しに行った「野芥」のバス停には梅林方面から来た「114番」などが停車しているが、以前は梅林方面から来て野芥三丁目方面へ向かう便(「12番」「14番」の西油山ハイツ行きなど)は野芥交差点を曲がった後、早良街道上にあった乗り場に停車していた。
早良街道南行き上に「12番」「14番」の専用乗り場ができるさらに前は、県道大野城二丈線上(前述の「急いで確認しに行った場所」)に停車していたのだが、その当時そこにはバス停の標柱はなかった。
標柱のないところにもバスが停まることがある」という事実を、私が初めて知った場所でもあった(その頃は、ひとつ前の「西梅林」は「市牟田池」、さらにひとつ前の「東梅林」は単に「梅林」という名称だった)。

なお、私が幼い頃は「野芥」から南、「早良妙見口」までの間にはバス停がなかった。
野芥三丁目」「野芥四丁目」ができたのは今から30年ちょっと前のことだと思う。
「野芥三丁目」の南で新道と旧道に分岐して、現在は新道のほうが「早良妙見西口」、旧道のほうが「早良妙見東口」となっているが、以前はどちらも「早良妙見口」であった。
「早良妙見口(早良妙見東口)」にはバスの折り返し場があり、幼い頃は好きなスポットであった。
「西口」と「東口」の間に「早良妙見」に相当するものが見当たらず、永らく疑問だったのだが、「早良妙見」とは、「早良妙見東口」から南東方向に坂を登った「西油山ハイツ」のさらに先にある寺院「徳栄寺」のことを指すようである(付近には妙見滝という滝や、地図にはあまり出てこないが妙見山という山もあり)。
ということは、「早良妙見西口」「早良妙見東口」という名称は本来適切ではなく(「姪浜駅東」を「姪浜東駅」とするようなものである)、「早良妙見口西」「早良妙見口東」でないといけないはずなのだが、おそらくそういうことは何も考えずに、「西口」「東口」という「語感の良さ」を優先して名前を付けたものと思われる(たしかに「早良妙見東口」は、七五調のリズムで心地よい)。
ただし、あくまでこれらは私の推定であり、「西口」と「東口」の間に、目立たないながらも「妙見」に相当するものがある可能性もある。

「野芥」のひとつ北、「野芥一丁目」は以前は「農協前」という名称で、その次は「干隈」であり、「城南郵便局前(当初は干隈郵便局前)」も(私の中では)意外に新しい。
地下鉄野芥駅の最寄りバス停が「野芥一丁目」ではなく「農協前」だったら、それはそれで面白かったかもしれない。

「野芥二丁目」(当初は「西脇」という名称)に初めてバスが通ったのは、当初は北側の「歯科大通り」を経由していた「3番」の歯科大行きが、経路を南側にシフトして野芥~田隈小学校前~田隈新町経由となったときである。
「歯科大通り」には、「3番」がなくなってしばらくして(1987年頃?)、「209番」が走りだしたが(田隈四角~田隈新町間)、これもまた廃止となっており、「歯科大通り」を通るバス路線は「二度死んだ」ことになる。
この先、さらなる復活はあるだろうか?

以前、「多くのバスが通る2つの道路に挟まれた地域は、相対的に本数が減る傾向にある」と書いたことがあったが、「野芥二丁目」の廃止で、その傾向がさらに強まった。
藤崎~金武方面の「2番エリア」と、西新荒江脇山方面の「3番エリア」をつなぐラインは、「四箇田団地入口(もしくは四箇)←→重留」から「原←→荒江四角」まで何もないという状態になってしまい、「横の移動」がほとんどできない(「賀茂一丁目←…→星の原団地」は実質的につながっているのかもしれないけど)。
バスの代わりに、地下鉄七隈線が「横の移動」を助けているとみることもでき、「役割分担だ」といってしまえばそれまでなのだが、バス路線単独で見ると「ネットワーク」崩壊がさらに進むことになり、残念な限りである。
なお、都市計画道路長尾橋本線のうち、原往還付近←→飯倉二丁目間の拡幅事業がようやく動き出したので、将来はこの区間にバスが走る日が来るかもしれない。
(つづくかも)
コメント (8)
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2009年6月20日ダイヤ改正など(2)

2009年06月11日 |   ┣ ダイヤ改正2009
(つづき)
「41番」の吉塚営業所系統の廃止により、この「吉塚新川」(福岡市博多区)のバス停も廃止となる。

「41番」の吉塚営業所系統は、先代の「50番」の流れを汲む路線であった。
「50番」は「雑餉隈営業所~麦野~板付~堅粕~隣保館前~祇園町~蔵本~昭和通り~天神」というルートで、博多駅にかなり近いところまで行くにもかかわらず博多駅を通らないという、かなり思わせぶり(?)な路線であり、おそらく、現在の位置に移転する前の博多駅を経由していた路線の名残なのではないかと推測される。
ほかにも「見上前」(現在の西月隈三丁目)を起終点とするものがあったと思うが、私が物心ついたときは、既に全部合わせても一日数本という状態であった。

なお、「50番」には「雑餉隈営業所~南八幡町~井尻~大橋~平尾~検察庁前(現在の法務局前)~昭和通り~天神」という系統もあり、かつては雑餉隈営業所を起点として循環運行を行っていたらしい。

前者の「50番」はその後、「41番」「43番」と歩調を合わせ明治通り経由となり、番号も「41-1番」となった。
「41-1番」の遺産は、天神協和ビル前で見ることができる。

そして、「41-1番」が廃止される際(「41番」「43番」の博多駅~天神方面の廃止後も「41-1番」だけが細々と天神まで来ていた)、「板付方面から博多駅に行く利用者の取りこぼしを解消して、なおかつ、隣保館前付近の利便性を維持する」という目的だったのかは定かではないが、この「41番」の吉塚営業所系統(雑餉隈営業所~麦野~板付~博多駅~祇園町~緑橋~隣保館前~吉塚新川~妙見~吉塚営業所)が運行を開始した。

なお、かつてはこの「吉塚新川」の付近(博多青松高校~パピヨンプラザあたり)に日本専売公社(現在の日本たばこ産業)の工場があり、隣保館前~妙見間の道路はなかった。
隣保館前~妙見間の道路ができた際に、先代の「33番」が、まずここを通るようになった。
「33番」は「博多駅~祇園町~緑橋~隣保館前~吉塚新川~妙見~二又瀬~〔~南里~宇美営業所〕〔~福岡空港前~金隈〕」というルートで運行されており、当時は「南里」も「広義の終点」であった。
「33番」と「41番」が併存していた時代もあったと思う。
ちなみに、隣保館前~妙見間の道路ができる前は、先々代の「37番」が、南東側の県道馬出上南町線を通って堅粕~道頓堀をつないでいた。

他の免許維持路線とは違い、「41番」の吉塚営業所系統は平日と土曜日に2往復走っており(先日の記事で「平日2往復だけ」と書いていたが、土曜日も走っていました。申し訳ありません)、吉塚・堅粕地区、及び旧3号線沿線地区から博多区役所への連絡という意味合いもあるのではないかと個人的には思っていた。
昔の博多駅の時代まで遡ることができる由緒ある路線(←私の勝手な推測ではあるが…)が今回廃止になってしまうと思うと寂しいものがある。
隣保館前~妙見間の道路には、「回送」のバスはたくさん走っているので、「41番」で効率が悪いというのなら、何か他の路線でこの区間の輸送を引き継ぐこともできたのではないだろうか。
(つづくかも)
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素顔のままで(4)

2009年06月10日 |    ┣ 素顔のままで
(つづき)
福岡県糟屋郡粕屋町の「仲原購買店前」バス停。

「購買店」とは、このバス停のそばにある「ライフショップいけだ」のことだと思われるが、この写真を撮った時は開いていなかった。
スーパーやコンビニなどの業態が登場するまで、「購買店」は地域の中心だったのかもしれない。
ということは、当時であれば「素顔のままで」で取り上げるバス停ではなかったということだろうか。

ちなみにこのバス停の名称は、バス停では「仲原購買店前」となっているが、西鉄のサイトの時刻検索上は「購買店前」であった。
私の認識としては、昔は「購買店前」という抽象的な名前だったのが、いつの頃からか「仲原購買店前」に変わってやや具体化したと思っていたのだが、どうやら違うようだ。

ここには福岡市中心部から粕屋町~須恵町~宇美町に至る「36番」が走っており、かつては、「36番」に「購買店前」を終点とするものもあった。
「36番」は、郊外部においてはとにかくよく曲がる路線であり、予備知識や土地勘のない人が乗ると、方向感覚を完全に失ってしまいそうである。
(つづく)
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2009年6月20日ダイヤ改正など(1)

2009年06月09日 |   ┣ ダイヤ改正2009
先日の記事で、免許維持路線「無番 土井→上脇田」の廃止をお伝えしたが、これ以外にも、たくさんの免許維持路線が同時に廃止されることがわかった(コメントでも情報をいただきました。ありがとうございます)。
他に廃止される路線は以下の通り。

・土曜日一本だけの「無番 四箇田団地→福大病院」
・「41番」のうち、平日2往復だけの吉塚営業所系統
・土曜日一本だけの「無番 中央ふ頭→千鳥橋」
・日曜祝日一本だけの「63番 博多ふ頭→扇町」

これに伴い、上記各路線のみが停車していた「野芥二丁目」「隣保館前」「吉塚新川」「深井」「工場団地入口」「谷蟹」のバス停は廃止となる。
また、「田隈小学校前」「妙見」「築港口」「市民会館前」「沖学園前」については、免許維持路線のみが停車していたバス停がなくなる。

野芥二丁目」にバスがはじめて通ったときのこと、現在「41番」の吉塚営業所系統のみが通る区間のことなどについても、過去の関連する話題の際に触れている。

今回の廃止はダイヤ改正に合わせて行われるものではなく、免許維持路線だけを「狙い撃ち」するものであり、対象エリアが広い割には影響を受ける人がほとんどいないという珍しい改正といえそうだ。
営業所単位の意向というよりは、「会社の方針」という感じである。
そういえば、規制緩和か何かで、以前よりは路線の改廃が行いやすくなったと聞いたことがある。
週一本とはいえ免許維持路線を走らせるコストと、仮に再び復活させる際のコスト(復活する確率も含めて)とを比較した際に、前者のコストが看過できないものになってきたということなのかもしれない。

なお今回、土曜日に一本だけの「佐谷→宇美営業所」「501番の田隈新町経由」「2-9番の四箇田団地発」や、平日一往復だけの「300番の駅東ランプ経由」「38番」、平日一本だけの「四箇田団地→四箇田団地入口→金武営業所」などは廃止にはならないようである(あくまで公式発表上)。
「300番」や「38番」には固定客がいるようだが、その他は???という感じである。

免許維持路線としては有名すぎるから「取り上げるのは別にいつでもいいか」と思っていた那の津通り上の「市民会館前」をふと先日取り上げてみたくなったり、粕屋町の「谷蟹」に立ち寄ってみたくなったりしたのは、ある種の「虫の知らせ」だったようである。
(つづくかも)
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愛をください(15)

2009年06月08日 |    ┣ 愛をください
(つづき)
キリン」「」「」「」「」「鹿」「」「」「」「なまず」「」「」「」「」に引き続き、福岡県糟屋郡粕屋町に居る「蟹」。

バス停や近くの信号のプレートには「谷がに」と書いてあるが、以前は「谷蟹」であり、西鉄のサイトの時刻検索上は現在も「谷蟹」である。

ただしこの「蟹」、まもなくこのZOOを去ってしまう。
このバス停に日曜祝日に一日一本だけ走っている免許維持路線「無番 土井→上脇田線」の廃止がついに発表されたためだ。

「6月21日(日)より、当バス停を廃止いたします」と書いてあるが、6月21日の前の週である14日の日曜日まで走るのだろうか、それとも、21日にバスが通った後をもって廃止なのだろうか。
おそらく前者のような感じはするが、これだと15日には既に廃止なのでは?などと考えてしまう。
「これまで、永らくのご利用、ご愛顧をいただきまして、誠にありがとうございました。」とあるが、ここまで愛のこもっていない文章も貴重である(笑)。
「なお、廃止にともなう定期券の払い戻しは、最寄りの定期券発売窓口にて承ります。」…この区間をもし定期券で利用していた人がいたのなら、何らかの表彰をしてほしいものだ。
また、「その他廃止になるバス停」として「工業団地入口」とあるが、正しくは「工場団地入口」であり、ここにも「どうでもよさ」が漂っている。

この路線にとっての「最後の花道」は、今年のゴールデンウィークだったといえるかもしれない。

今年の4月、香椎ローカルの「2番」が廃止になった際、香椎~産業大学南口間に免許維持路線を走らせる措置がとられなかったのを見て、免許維持路線の行く末に関して何か嫌な予感みたいなものはあったのだが、こんなに早く終焉を迎える日がやってくるとは思ってもみなかった。
この他の「一週間に一本だけ」路線たちも、さらにかなり厳しい状況にたたされたといえそうである。
(つづく)
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キロクのカケラたち(7)

2009年06月07日 |    ┣ チラシとキロク
(つづき)
西鉄バスのサイトの過去の「ダイヤ改正情報」を保存したものを紹介しているこのシリーズ
七回目は、1998年(平成10年)8月1日の改正である。

----------------------------
1998.8.1(土)改正
【福岡地区ダイヤ改正】

1.太宰府循環線・星ヶ丘線
(1)バス停留所新設及び時刻の変更
・「いきいき情報センター前」・「五条口」を西鉄五条駅と五条台公民館前の間に新設
・星ヶ丘線は五条台口には停車しない(運行時刻変更なし)

2.宇美(営)・雑餉隈(営)・二日市交通・関係路線
(1)停留所新設と名称変更
*バス停新設
・「深町」を田冨と下宇美入口の間に新設
・「四王寺坂入口」を大谷と栄町の間に新設
*バス停名称変更
・四王寺坂入口を「早見」に変更
・井野を「ひばりヶ丘入口」に変更
・警察入口を「宇美町役場入口」に変更
・新町一丁目を「東比恵二丁目」に変更
・新町二丁目を「東比恵一丁目」に変更
----------------------------

「五条口」と書いてあるのは「五条台口」の誤りのようだ。
そういえば、試験勉強で各地を渡り歩いていた頃は、「いきいき情報センター」内の喫茶店も訪れたことがあったな(今もあるかな?)。

停留所の新設と名称変更が同時に行われたことにより、結果として「四王寺坂入口」は、県道飯塚大野城線から県道福岡太宰府線までかなり長い距離を移動したことになる。
「入口」という接尾辞がいかに便利で、かつ、いかに曖昧かということを表している事例かもしれない。

そういえば、子供の頃に私が初めて買ってもらった福岡都市圏の地図には、「井野」にバス路線がひかれていた。
ひばりが丘」はまだない頃なので、かつては、「34番」などに「井野行き」があったのかもしれない。

また、「警察入口」という抽象的な名称がこのときに消え、「宇美町役場入口」に変わっている。
そういえば、現在の「薬院交番前」は、かつては「派出所前」という名称だった。

博多区の東光町~比恵間のバス停は、町名が変わってもずっと「新町一丁目」「新町二丁目」のままだったが、このときようやく改称された。
一方、南区の「神田町一丁目」は今も変わらずである。
そういえば、かつては百年橋通りの東比恵交差点~瑞穂交差点に「比恵第一」「比恵第二」のバス停があり、「63番」の堅粕経由のバスが停車していた。
今考えると、旧3号線上に「比恵」があるにもかかわらず、「比恵第一」「比恵第二」という名称はおかしい…。

今回は「そういえば」が多くなってしまった(総入れ歯ではない)。
(つづく)
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エンギモノ(17)

2009年06月06日 |   ┣ お宝と縁起物
(つづき)
福岡県飯塚市の「幸袋公民館」のバス停。
幸せがいっぱい詰まっているような感じである。

このバス停には、飯塚地区の「1番」と「20番」が停車する。
このバス停がある国道200号(旧道)には、以前は「飯塚~直方~黒崎~小倉」の急行バスも走っていたが、現在その急行は「直方~黒崎間」のみの運行となっている。

国道200号直方バイパスも開通し、飯塚から黒崎方面は新道のみでほぼつながったので、この旧道が国道であり続ける意味があるのかはやや疑問だが、長崎街道のルートを今に伝えるという点では、意味があるのかもしれない。
(つづく)
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シューテングスター(29)

2009年06月05日 |    ┣ シューテングスター
(つづき)
北九州市八幡東区の「八幡東ニュータウン第一」バス停。
タイムリーヒット」として、8月1日に取り上げてもよかったのだが…。

現在はここから「76番」が、七条、下到津、厚生年金会館、魚町経由で砂津まで運行されている。
バス停には「田野浦」の文字があるが、現在は田野浦までは運行されていない。
また、「76番」となる前は「75番」を名乗っていた。
八幡東ニュータウンに最初に乗り入れたのは「20番」であり、三萩野経由で砂津まで運行されていたが、その後、比較的短い期間内に経路や番号がいろいろと変わっている。
都心部から先の行先との組み合わせで、やってくるバスがいろいろと変わるというのは、以前取り上げた福岡地区の月見町や板付団地(板付七丁目)などともやや似たところがある(ただ、八幡東ニュータウンの場合は小倉都心部までの経路も変わっているので全く同じという訳ではないが)。

また、当初乗り入れていた「20番」は、もともと「福岡~赤間~黒崎~小倉~門司」を結んでいた路線に付いていた番号であるが(超長距路線の頃のことはリアルタイムでは知りません。現在でも「20番」は赤間~海老津~遠賀川駅間にわずかに残存)、それが小倉都心部に来なくなってから都心部内で完結する全く新しい路線の番号として使われたという点では、これまた以前取り上げた福岡地区の「40番」と似たところがある。

「八幡東ニュータウン第一」行きのバスは、LEDの行先表示では「八幡東ニュータウン」、時刻表では「八幡東NT第一」と表記されている。
方向幕ほど字を盛り込めないLEDにおいて、この9文字は長いよなぁと思う。
また、時刻表のほうも、全ての人には意味が伝わらない
実際、バス停でバスを待っているおばさんから「NTって何かね?」と聞かれたこともある。
LEDの行先表示が主流となった現在、長い名前のバス停のうち特に終点などについては、積極的に字数を削っていくことを考えるべきではないだろうか(「八幡東ニュータウン第一」は「清田南」とか「清田四丁目」など)。
先日のダイヤ改正で「戸畑渡場」行きの多くが「八幡製鉄所総合センター」までの運行に短縮となったが、これも長すぎだと思う。
「27番」「28番」など、経由地のスペースがいくらあっても足りないような路線の終点が、さらにこんなに長い文字数というのは、これによって削られてしまう他の情報たちがとてももったいない気がする。
「戸畑渡場口」とか、少し離れているものの「戸畑営業所」などでも特に問題はないような気がするのだが…。
(つづく)
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続・一週間に一本だけ(6)

2009年06月04日 |    ┣ 一週間に一本だけ
(つづき)
福岡市中央区の「市民会館前」のバス停。

ここから、福岡市民会館と須崎公園を挟んで南側にある県道後野福岡線(市内電車が走っていた通り)上の「市民会館前」のほうには、天神と博多ふ頭中央ふ頭方面を結ぶ路線などが多数停車するのだが、那の津通り上にあるこのバス停には、日曜祝日の早朝に一本だけ「63番 扇町行き」が停車するのみである。

以前はすべての「63番」がこちらを経由していたが、天神北~博多ふ頭入口間でルートを分散させるよりは、ひとつにまとめてフリークエンシーを高めたほうがよいという判断からか、南側の県道経由に集約された。
都心部でルートの分散を避けて集約させた結果、バス空白地ができてしまったという点では、北九州市小倉北区の「萩崎町」にも共通するものがあると思う。

この「市民会館前」は、数ある西鉄バスの免許維持路線の中でも、もっとも都会にあり、ある意味もっとも有名な「一週間に一本だけ」のバス停と言えるかもしれない。
照明や「天神まで100円」のプレートなど、一週間に一本だけしかバスが来ないバス停としてはかなりの好待遇である。
バス停の路線図には「日祝1便のみ運行」との注意書きがあったが、例えば地理に不案内の人がバス停を探してさんざん歩きまわった挙句、ようやく見つけてたどりついたバス停がここだったらかなり悲しいものがある。
「日祝1便のみ運行」と注意書きするくらいなら、付近のバス乗り場(「那の津口」や、本数が多いほうの「市民会館前」)を案内したほうがよいのではないだろうか。
また、日曜祝日の早朝にひっそりと運行しているのは、なるべく目立たないようにして間違って乗ってくる人を減らそうとする意図があるのだろうから、バス停のほうも豊前市バスのような簡素なものにしてしまったほうが逆に親切のような気もする。

ちなみに、ここを通る「63番 扇町行き」は、終点の間際で「美野島南公園前~沖学園前~東光寺間」というもう一つの免許維持区間を通るという、かなり重要な任務を背負った路線となっている。
(つづく)
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素顔のままで(3)

2009年06月03日 |    ┣ 素顔のままで
(つづき)
福岡市南区の「三月田公園前」のバス停。

もともとは「高宮公民館前」という名称だったと思う(もしかしたら名前が違うかもしれないが、改称されたことは確か)。
改称されたということは、公民館がなくなったということなのだろうか。

このバス停を通ると、改称するときの「ドラマ」を勝手に想像してしまう。

このバス停は、高宮一丁目と高宮二丁目の境界の道路上にあるけど、「高宮二丁目」というバス停は高宮通り上に既にあるので、「高宮一丁目」にするか?
でも、相対的に裏道にあるバス停に新たに「一丁目」はいかがなものかな…。
では、ひとつ道を入ったところにある公園から名前を付けようか。
でも、ひとつ道を入るからといって「~公園入口」と、「入口」を付けて位置関係を詳しく説明するほどの施設でもないよな…。

などという議論があったかは知らないが、「三月田公園前」という名称は、どこか絶妙なバランスの上に成り立っている気がするのである(勝手な想像なので、事実は全く違うかもしれません)。

ここには「55番」のバスが、「桧原営業所~松本池~長住六丁目~長住三丁目~平和二丁目~三月田公園前~那の川~渡辺通一丁目~天神~中央埠頭」というルートで運行しており、途中、長丘二丁目~平和二丁目のあたりでは、市街地にある「峠道」を体験できる。
もともとは、桧原営業所~長住六丁目間は松本池経由ではなく、「96番」やかつての「52番」同様、自動車免許試験場経由であった。
また、天神から中央ふ頭に延長された時のことについては以前取り上げた。

ちなみに、この「55番」ができるまでは、別の「55番」が、「桧原営業所~自動車免許試験場~長住三丁目~野間四角~清水町~西鉄大橋駅~三宅本町~老司~老司団地」というルートで運行されていたが、新たな「55番」ができるのを機に、もとの「55番」は「区役所55番」と改番された。
「区役所55番」は、その後「区役所2番」となり、現在は「区2番」(読みは「くのにばん」。ただし時刻検索上は単に「2番」)として運行されている(大橋駅~老司団地間は廃止され、現在はローカル線「4番」がその代替をしている)。

「55番」ができた当初は、ひとつ都心側の「高宮中学校前」のバス停はなく、日赤通りから高宮の住宅地に一気に「ワープ」する感じがたまらなく心地よかった。
(つづく)
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タイムリーヒット(1)

2009年06月02日 |   ┣ タイムリーヒット
6月2日の記事ということで福岡市中央区の「六本松二丁目」を取り上げてみる。

このバス停には「96番」のバスが「藤崎~西新四丁目~六本松二丁目~笹丘~島廻橋~長住三丁目~自動車免許試験場~柏原~桧原営業所」というルートで運行されている。
この「96番」はもともとは「11番」を名乗っていたが、国鉄筑肥線廃止時に新設された三つの代替路線のうちのひとつ(昭代三丁目~六本松~城南線~博多駅。その後、藤崎中央ふ頭まで延長)に番号を譲って、「96番」となった。

この「96番」のルートは、友泉団地交差点~六本松西交差点間の道路が開通して油山観光道路が全通したのに伴い「13番」「16番」などとともに樋井川沿いの県道経由から油山観光道路経由に変わった以外、長年ほとんど変わっていない(考えてみれば、観光道路全通前までは、樋井川沿いの県道のうち別府団地~友泉第二〔現在の友丘〕間には「11番」「12番」「13番」が連番で走っていたということになる)。
「94番」の終点が西新パレス前から福岡タワー南口に延びたり、「95番」の終点が藤崎から福岡タワー南口に変更になったりと、「96番」の仲間的な路線が地味ながらも時代についていこうとしているのとは対照的である。
ただし「96番」も、この六本松二丁目経由ではなく城南区役所経由の「区役所96番」という路線がほんの一時期走っていたことがあったが(たしか一日一本)、これもすぐになくなってしまった。

南区の「井尻」が「井尻六ツ角」に改称される際、地名の下に何も付かないバス停と、下にコトバが付くバス停との「格」の違いみたいなことを書いたが、ここ「六本松」は、早良区の「」とともにその好例である。

「96番」は、この付近を走るバスの中では例外的に、国道202号と城南線とが交差する「六本松」の交差点(バス路線と市内電車が交差していた交差点)を通らないことから、「六本松」のバス停と位置的に近いにもかかわらず「六本松」とはせずに「六本松二丁目」という名前にしているということなのかもしれない。
「渡辺通一丁目」などとは異なり、「六本松」のバス停は、交差点の西側のみにしかなく、バス停としての「六本松」の「重心」は、六本松の交差「点」よりもかなり西側に移っていると思われる(地下鉄七隈線六本松駅の開業で、重心移動がさらに強くなった感あり)ことから、この「六本松二丁目」についても単に「六本松」としてしまっても特に問題ないような気がする。
ただ、方向幕の時代から「96番」の経由地は、「六本松二丁目」と表記している場合もあれば単に「六本松」と表記している場合もあり(現在のLEDでは「六本松二丁目」と表記されている)、「別にどっちだっていい」という感じなのも確かであり、何十年も使われている名称を今さら変えても無用の混乱を引き起こすだけなのかもしれない。

かつて、「90番台」の成り立ちについて、「旧西区の区役所連絡バス」だと書いたことがあるが、早良区の区域で「96番」でなければ藤崎(早良区役所)に行けないという場所はないことから、この「96番」は、現時点ではそのような役割は担っていない。

ちなみに6月3日の記事は「六本松三丁目」ではないのであしからず…。
(つづく)
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キロクのカケラたち(6)

2009年06月01日 |    ┣ チラシとキロク
(つづき)
西鉄バスのサイトの過去の「ダイヤ改正情報」を保存したものを紹介しているこのシリーズ
六回目は、1999年(平成11年)7月1日の改正を前にしたニュースリリースである。

----------------------------
平成11年5月24日
福岡都心部で試行的に乗合バス運賃100円エリア設定
 
西日本鉄道(株)では、平成11年7月1日(木)から、西鉄福岡駅とJR博多駅の間の福博都心エリア内の乗合バス運賃を試行的に100円にいたします。
福岡都心部は相次ぐ大型商業施設等の開業と高速道路をはじめとする高速交通ネットワークの整備等により、来街者数は年々増加し、平成9年の買い物レジャー目的の来街者数は1日平均で約18万人、さらに各集客施設を回遊するお客様は1日のべ約35万人にものぼっています(福岡大学経済学部斉藤研究室・(株)西鉄エージェンシー調査)。
特に西鉄福岡駅とJR博多駅を結ぶ福博都心エリア内には、百貨店や天神ソラリア、アクロス福岡、博多リバレイン、キャナルシティ博多、ホテルなどの商業・文化施設が集中し、施設間を回遊する人の数は年々増大しています。
今回、これらの施設を網羅したエリア内の乗合バス運賃を100円に設定することで、バス利用の促進と都心部における回遊性の向上を図ってまいります。
また、回遊性をより高めるため、乗合バス運賃100円エリアの設定にあわせて、エリア内の主要集客施設を結ぶ「100円循環バス」を新設いたします。
エリア内を5分間隔で運行するとともに、バスの方向幕や停留所等の表示についても、地理に不案内なお客様やマイカーでお越しのお客様も気軽にご利用できるような、わかりやすく便利なバスをつくっていきたいと考えています。
運賃が100円のバスは全国でもいくつか事例がありますが、福博都心エリアのような輸送需要の大きい都心部内の乗合バス運賃を一律100円とする事例は初めてです。
詳細は下記のとおりです。
 
    記
 
乗合バス運賃100円エリア設定について

試行予定期間
 平成11年7月1日(木)~平成12年3月31日(金)
適用地域
 西鉄福岡駅~JR博多駅間の福博都心エリア…渡辺通り・昭和通り・大博通り・住吉通りに囲まれたエリア(規模 約1.5㎞四方)
内容
 適用地域内でのバス運賃を一律100円(小人・割引運賃は50円)とし、お客様が気軽にご利用いただける環境をつくりバス利用者増を図ります。
 なお、適用地域外についてはこれまで通りの運賃とします。
対象
 現金、バスカード、よかネットカードのお客様 ※定期運賃については従来通りです。

期待される効果
 (1) 近距離バス運賃の割高感解消によるバス利用の拡大
 (2) 公共交通機関の利用を促進することにより、慢性的な交通渋滞の緩和や交通事故、違法駐車の減少
 (3) マイカーを100円バスエリア付近に駐車し、バスで移動する「パークアンドバスライド」の促進

運航路線数
 合計64路線 3番 脇山線、80、85番 福博循環、300番 シーサイドももち線など
 
100円循環バス運行計画について

運行開始
 平成11年7月1日(木)予定
運行区間
 JR博多駅~キャナルシティ博多~天神~博多リバレイン~JR博多駅(営業キロ:5.4キロ 1周30分程度)
運行時間
 天神 (月~金)8:00~20:00 (土日祝)9:30~18:30
 博多駅(月~金)7:45~19:45 (土日祝)9:15~18:15

運行本数
 内回り、外回りそれぞれ下記のとおり(5分間隔で運行)
 (月~金)150本 (土日祝) 111本

その他
  (1) 地理に不案内なお客様にも安心してご利用いただけるよう、行先表示やバス車体に循環バスであることを明示します。
  (2) ルート上のバス停留所にも分かりやすい表示を施します。
  (3) 女性バス運転士を重点的に配置します。
----------------------------

「100円バス」ができたのはほんのつい最近のことだと思っていたが、登場からもう10年が経とうとしている。

「100円バス」の柱は、
・福岡都心部(天神-渡辺通一丁目-博多駅-蔵本-天神に囲まれたエリア内)の全ての路線バスの運賃を100円に下げることと、
・そのエリア内を走る新たな「循環バス」を新設すること
の二つであった。

当初は9ケ月間の試行(今風に言えば社会実験?)であったが、ご存知の通り、現在もこの施策は健在であり、利用者の間にも浸透している。
「薬院駅前」の100円エリアへの編入、「駅から100円・駅まで100円」の実施、100円循環バスの停留所へのナンバリング…などは、その後順次行われてきたことである。

「100円循環バス」についてみると、新設時と比較した現在の運行本数は、平日約20%減、土日祝日で約20%増となっている。
当初は、「2周」が基本であったので、2本に1本は博多駅を跨いで運行されていたが、現在は全便「博多駅」発着の「1周」となっているため、外回り、内回りともに、博多駅に近づくにつれ、「循環バス」という印象はかなり薄くなってしまう。

以前、「85番 福博循環線」を廃止したのは、都心部100円エリアを設定するにあたり邪魔になったからでは?と書いたことがあった。
しかし、このリリースをみてみると、エリア内を通る路線の例示のところに「80、85番 福博循環」と書いてあり、100円エリア設定時にはまだ廃止されていなかったようである。
たしかに、福博循環線の末期は全て千鳥橋を起終点にしていたので、100円エリアを設定したとしても、一度エリアから出て再びエリア内に入るというケースを想定する必要はない訳で、私の見解は誤っていたようだ。

リリースの最後の「その他」の部分の(1)に、「行先表示やバス車体に循環バスであることを明示します」とあるが、「行先表示」はLED化に伴い、方向幕の時代に比べて「100円循環バス」であることが目立たなくなってきた、
同様に「バス車体」のほうも、一般の路線バスが100円循環バスの運用に入っていることから、車体を見て判断するということもほぼできなくなっている。
このあたり、初心をもう一度思い出してもらいたいものである。
(2)は停留所に番号を付けるなどの工夫を行っているものの、前に書いたように、現状は博多駅に近づけば近づくほど「循環」ではなくなる訳で、例えば博多駅方面行きの「駅前一丁目」のバス停を「100円循環バスの停留所」としてアピールすることは逆に不親切のような気もする。
以前のように博多駅を跨ぐものもある程度運行して、「どこから見ても循環」という体裁をとってほしいものである。
(3)は、今は逆にこういうことは書けないかな…?

創立100周年と100円バス10周年を記念して、「100円循環バス」の愛称募集なんてやらないかな?
(つづく)
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