INSIDE SORAMAME

私の頭の中のキオクを綴っていくつもりです・・

キロクのカケラたち(6)

2009年06月01日 |    ┣ チラシとキロク
(つづき)
西鉄バスのサイトの過去の「ダイヤ改正情報」を保存したものを紹介しているこのシリーズ
六回目は、1999年(平成11年)7月1日の改正を前にしたニュースリリースである。

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平成11年5月24日
福岡都心部で試行的に乗合バス運賃100円エリア設定
 
西日本鉄道(株)では、平成11年7月1日(木)から、西鉄福岡駅とJR博多駅の間の福博都心エリア内の乗合バス運賃を試行的に100円にいたします。
福岡都心部は相次ぐ大型商業施設等の開業と高速道路をはじめとする高速交通ネットワークの整備等により、来街者数は年々増加し、平成9年の買い物レジャー目的の来街者数は1日平均で約18万人、さらに各集客施設を回遊するお客様は1日のべ約35万人にものぼっています(福岡大学経済学部斉藤研究室・(株)西鉄エージェンシー調査)。
特に西鉄福岡駅とJR博多駅を結ぶ福博都心エリア内には、百貨店や天神ソラリア、アクロス福岡、博多リバレイン、キャナルシティ博多、ホテルなどの商業・文化施設が集中し、施設間を回遊する人の数は年々増大しています。
今回、これらの施設を網羅したエリア内の乗合バス運賃を100円に設定することで、バス利用の促進と都心部における回遊性の向上を図ってまいります。
また、回遊性をより高めるため、乗合バス運賃100円エリアの設定にあわせて、エリア内の主要集客施設を結ぶ「100円循環バス」を新設いたします。
エリア内を5分間隔で運行するとともに、バスの方向幕や停留所等の表示についても、地理に不案内なお客様やマイカーでお越しのお客様も気軽にご利用できるような、わかりやすく便利なバスをつくっていきたいと考えています。
運賃が100円のバスは全国でもいくつか事例がありますが、福博都心エリアのような輸送需要の大きい都心部内の乗合バス運賃を一律100円とする事例は初めてです。
詳細は下記のとおりです。
 
    記
 
乗合バス運賃100円エリア設定について

試行予定期間
 平成11年7月1日(木)~平成12年3月31日(金)
適用地域
 西鉄福岡駅~JR博多駅間の福博都心エリア…渡辺通り・昭和通り・大博通り・住吉通りに囲まれたエリア(規模 約1.5㎞四方)
内容
 適用地域内でのバス運賃を一律100円(小人・割引運賃は50円)とし、お客様が気軽にご利用いただける環境をつくりバス利用者増を図ります。
 なお、適用地域外についてはこれまで通りの運賃とします。
対象
 現金、バスカード、よかネットカードのお客様 ※定期運賃については従来通りです。

期待される効果
 (1) 近距離バス運賃の割高感解消によるバス利用の拡大
 (2) 公共交通機関の利用を促進することにより、慢性的な交通渋滞の緩和や交通事故、違法駐車の減少
 (3) マイカーを100円バスエリア付近に駐車し、バスで移動する「パークアンドバスライド」の促進

運航路線数
 合計64路線 3番 脇山線、80、85番 福博循環、300番 シーサイドももち線など
 
100円循環バス運行計画について

運行開始
 平成11年7月1日(木)予定
運行区間
 JR博多駅~キャナルシティ博多~天神~博多リバレイン~JR博多駅(営業キロ:5.4キロ 1周30分程度)
運行時間
 天神 (月~金)8:00~20:00 (土日祝)9:30~18:30
 博多駅(月~金)7:45~19:45 (土日祝)9:15~18:15

運行本数
 内回り、外回りそれぞれ下記のとおり(5分間隔で運行)
 (月~金)150本 (土日祝) 111本

その他
  (1) 地理に不案内なお客様にも安心してご利用いただけるよう、行先表示やバス車体に循環バスであることを明示します。
  (2) ルート上のバス停留所にも分かりやすい表示を施します。
  (3) 女性バス運転士を重点的に配置します。
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「100円バス」ができたのはほんのつい最近のことだと思っていたが、登場からもう10年が経とうとしている。

「100円バス」の柱は、
・福岡都心部(天神-渡辺通一丁目-博多駅-蔵本-天神に囲まれたエリア内)の全ての路線バスの運賃を100円に下げることと、
・そのエリア内を走る新たな「循環バス」を新設すること
の二つであった。

当初は9ケ月間の試行(今風に言えば社会実験?)であったが、ご存知の通り、現在もこの施策は健在であり、利用者の間にも浸透している。
「薬院駅前」の100円エリアへの編入、「駅から100円・駅まで100円」の実施、100円循環バスの停留所へのナンバリング…などは、その後順次行われてきたことである。

「100円循環バス」についてみると、新設時と比較した現在の運行本数は、平日約20%減、土日祝日で約20%増となっている。
当初は、「2周」が基本であったので、2本に1本は博多駅を跨いで運行されていたが、現在は全便「博多駅」発着の「1周」となっているため、外回り、内回りともに、博多駅に近づくにつれ、「循環バス」という印象はかなり薄くなってしまう。

以前、「85番 福博循環線」を廃止したのは、都心部100円エリアを設定するにあたり邪魔になったからでは?と書いたことがあった。
しかし、このリリースをみてみると、エリア内を通る路線の例示のところに「80、85番 福博循環」と書いてあり、100円エリア設定時にはまだ廃止されていなかったようである。
たしかに、福博循環線の末期は全て千鳥橋を起終点にしていたので、100円エリアを設定したとしても、一度エリアから出て再びエリア内に入るというケースを想定する必要はない訳で、私の見解は誤っていたようだ。

リリースの最後の「その他」の部分の(1)に、「行先表示やバス車体に循環バスであることを明示します」とあるが、「行先表示」はLED化に伴い、方向幕の時代に比べて「100円循環バス」であることが目立たなくなってきた、
同様に「バス車体」のほうも、一般の路線バスが100円循環バスの運用に入っていることから、車体を見て判断するということもほぼできなくなっている。
このあたり、初心をもう一度思い出してもらいたいものである。
(2)は停留所に番号を付けるなどの工夫を行っているものの、前に書いたように、現状は博多駅に近づけば近づくほど「循環」ではなくなる訳で、例えば博多駅方面行きの「駅前一丁目」のバス停を「100円循環バスの停留所」としてアピールすることは逆に不親切のような気もする。
以前のように博多駅を跨ぐものもある程度運行して、「どこから見ても循環」という体裁をとってほしいものである。
(3)は、今は逆にこういうことは書けないかな…?

創立100周年と100円バス10周年を記念して、「100円循環バス」の愛称募集なんてやらないかな?
(つづく)

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