
今日も朝から大学の授業で、ゆっくり記事を書けません。
もったいぶるわけではありませんが、人間は宇宙の傑作か失敗作かという問いへの私の解答例はもう少し待って下さい。
授業は、前期でほんとうの自信とは何かとコスモロジーが終わり、後期、仏教の心理学・唯識の概説も終わったところです。
今年は残念ながらついてこられなくなった学生もかなりいますが、それにしてもついてくる学生はちゃんとついてきています。
今日は「無住処涅槃」という大乗仏教の目指す究極の境地の話をしました。
かなり高度な内容なのですが、大半の学生がしーんと聴き入ってくれました。
個人の人生の「目標」や「夢」ももちろんあったほうがいい。
しかしそれを超える、社会をよくしたいという「理想」というのがある。
そのためには自分の人生すべてを捧げてもいいという心を「志」という。
さらにもっとすごいのが、生きとし生けるものすべてが幸せになるまでは、あえて果てしなく生まれ変わり死に変わって輪廻し続けるという境地=無住処涅槃という大乗のコンセプトです。
そういうすごい話が大乗仏教にはあるんですね…と。
こんな今時受けそうもない話に聴き入っている彼らの様子を見ていると、聖徳太子や聖武天皇や行基…などの努力が千数百年をへて、伝わり実るかもしれないと、期待を抱かせられます。
「美しい日本」を創りたい若者はいる、いてほしいと思いながら、仕事を続けています。
*写真は鞍馬の紅葉
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菩薩の道ですね。仏になれる立場であるのに、あえて娑婆世界に踏みとどまって、衆生を救済する道を歩む。
大乗仏教って、壮大ですね!
若者に期待です(自分も含め
>りょうさん
若者にも、もちろんりょうさんにもはなはだ期待しています。
聖徳太子や聖武天皇が夢見た「美しい和の国日本」の若者たちですからね。
戦前のお国のために死んだ若者の美しい心と、戦後の鋭敏な批判精神を兼ね備えた世代、つまりコスモス・ジェネレーションは確実に創発しつつあると感じています。
今週は、明日、明後日とあと2回、無住処涅槃の授業をやります。
輪廻(それがあるかはともかくとして)の果てまで世界をよくするためにはたらき続けるというのは、イメージだけでもすごい。
いま若者(自分も含め
自分がネチネチ批判し続けている『完全自殺マニュアル』の著者の鶴見さんは、「社会のことなんかうそくさいことは語らず、自分の部屋の片づけとか、そんなちまちましたことを考え続けるのが正しいんだ」みたいなことを言っていて、思わず苦笑、です。しかしそういう生活感覚でいる人がけっこうほとんどなのかもしれません(ときに自分も)。
とりあえずどっちがトクか、という損得勘定でも、やっぱり前者のほうがカッコイイと思いました。
この日本さんの想いが多くの先人の方々を生み出されたのでしょうね。
いままた、日本さんの意志が表に出てきて日本の方向を示しておられるように感じます。
わたしは富山ですから、日本さんの富山の土地さんの意志を聞いて動きたいと思います。
奈良さんからの想い聞えました。ありがとうございました。
ウスイツカサ