日本を〈緑の福祉国家〉にしよう!

2006年04月24日 | 持続可能な社会



 昨日は、若者たちの手を借りて、サングラハ教育・心理研究所の会報『サングラハ』第86号の発送をしました。

 そして、発送が終わった後で、ミーティングを行ないました。

 この授業でお伝えしているようなコスモロジーを、どうすればもっとたくさんの人に伝えることができるか、そのための機関としての研究所をどうしたら経済的に確立できるか、そのことによって日本全体をよりよい方向に変えることにどう貢献できるかなど、テーマは重く真剣なものでしたが、終始笑いでいっぱいの楽しい雰囲気で徹底的に討論することができました。

 そのための企画の一つとして、研究所の会員であり、会報に連載してくださっている前国立環境研究所所長・東京大学医学部名誉教授の大井玄先生(内諾済)、最近お目にかかったばかりの『スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」』(朝日選書)の著者、小澤徳太郎先生(これから交渉)と筆者の3人、もしくはもうお1人くらいに加わっていただいて、「日本を〈緑の福祉国家〉にしよう!――本当に持続可能な社会を実現するための条件」(仮題)というふうなシンポジウムはどうだろう、という提案をしましたが、ぜひやろうと盛り上りました。

 (企画がまとまったら、またこのブログやサングラハのHPでお知らせします。ご期待ください。)

 その他のことについても、若者諸君は、課題に向けて、決心を新たにしてくれたようです。

 東海道線上りの最終ぎりぎりまで話し合って、家に帰り着いたのは12時過ぎでした(それでもミーティング・ルームを藤沢にしたお陰で、東京での講座よりは1時間以上早く帰れて、還暦まじかの私には助かります)。

 帰って郵便ポストを開けると、会員の甘蔗珠恵子さんの『まだ、まにあうのなら――私の書いた いちばん長い手紙』増補新版(地湧社)と知人の尾崎真奈美さんの『ウィルバー・メッセージ 奇跡の起こし方――みんなつながっていて だれもが正しいんだよ!』(グラフ社)が届いていました。

 前者は「原発はいらない。みんなが気づけば、まだ、まにあう」、後者は「いじめも戦争もなくなるよ、ほんとうに」という、熱いメッセージの本です。

 ネット受講生のみなさん、ぜひ、読んでみてください

 もしかしたら日本も、長い長いあきらめやたかをくくるという停滞の後で、ようやくよりよい社会の実現に向かうほかない、そしてそれは不可能ではない、とみんなが動き始めているのかもしれない、という期待を感じています。

 私も、ちょうど、会報の「学びのことば」というコラムで、以下のようなメッセージを発信したところでした。



  それゆえに、若者よ、国土清浄を欲する菩薩は、自分の心を治め浄めることにつとめるべきである。

  なんとなれば、どのように菩薩の心が浄らかであるかに従って、仏国土の清浄があるからである。 (長尾雅人訳『維摩経』中公文庫より)


  漢訳書き下し

  是の故に宝積(ほうしゃく)、若し、菩薩浄土を得んと欲せば、当に其の心を浄むべし。

  其の心浄きに従って則ち仏土浄し。


 今日本では(そして世界全体でも)、見聞きすればするほど、腹が立ったり、悲しくなったり、気が重くなったり、心が暗くなるようなことが頻発しています。

 このまま行くと、「不幸な人だらけの国・ニッポン」になるのではないかと危惧します。

 「どうしてこんな国になってしまったんだろう?」という疑問形の嘆声をあげる方も多いでしょう。

 また、そこであきらめてしまう人も多いのですが、サングラハに関わってくださる方たちは、あきらめないで、「どうしたらこの国をよくすることができるだろう」と考えておられると思います。

 そして、「国をよくする出発点は自分の心をよくすることだ」という点については、合意してくださっているでしょう。

 いい心・英知のある国民とその代表としてのリーダーがいなければ、国はよくなりません。

 もっといい国にしたいのなら、まず自分の心をよくすることです。

 そして、リーダーの心をよくすることです。

さらに、リーダーの心があまりよくないようなら、少しでもましな心を持った人間が代わってリーダーになるべきです。

 聖徳太子以来(太子は『維摩経義疏』を書いたとされます)、日本は建前としては菩薩がリーダーになるべき国です(拙著『聖徳太子『十七条憲法』を読む――日本の理想』大法輪閣、参照)。

 日本のリーダーは菩薩であるべきだ、と言い換えてもいいでしょう。

 優れたリーダーのいる国は、優れた国になりえます。

 そして今「優れた国」とは、何よりも経済と福祉と環境のバランスのとれた「真に持続可能な国家」を意味する、と私は考えます。

 最近、『スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」』(小澤徳太郎、朝日選書)という本を読んで、衝撃でした。

 どうも、スウェーデンは計画的に着々と「持続可能な国家」の確立に歩を進めているようです。

 そしてそれを可能にしているのは、賢明な国民と賢明なリーダー(財界人も含む)の協力体制であるようです。

 戦後、ひたすら経済偏重で来た日本と、経済と福祉のバランスを考え、さらに環境とのバランスも可能な社会を現実に構築しつつあるスウェーデンの差は、英知・賢明さの違いだと思います。

 しかし、もともと「菩薩」という理想を持っている国日本ですから、その差を埋めることは不可能ではないと思います。

 経済偏重を脱して、バランスのよさ・真に持続可能な国家の構築という点でこそ、ぜひ、「追いつき追い越」したいものです。

 ガンバレ! ニッポン! ガンバレ! 私たち!



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6 コメント

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奇跡の起こし方 (アンナ)
2006-04-24 19:54:33
岡野先生

一生かかっても、もう読めないほどの本があるのに、また増やしちゃってごめんなさい。

この本は、岡野先生の教えを私流に乙女チックに書いたものです。

イラストも自分でかいたから、すごく愛着があります。

星の子の皆様、コメントいただけたらすごくうれしいです。



尾崎真奈美
返信する
Unknown (わこ)
2006-04-24 21:03:49
ガンバレ!私たち!

がんばる!私!!



『スウェーデンに学ぶ「持続可能な社会」』

私も読んでみようと思います。

ぜったい日本をよくしたい!!です。

返信する
ワクワクです。 (ベニクラゲ)
2006-04-24 22:57:28
一人一人の気持ちで世の中がよくなる。世の中よくしたいなぁ~。まずは自分からなんすね。
返信する
いい国にするぞ!! (しゅとう)
2006-04-26 00:03:47
こんちは。

「緑の福祉国家にしたい」とのこと。

小澤先生ともつながりができたようで、良かったですね!



僕は、自分の兄とも何年も話してないし、職場でもなんだか人間関係に悩み、

じーちゃんばーちゃんの介護の問題で、

自分のお父さんの兄弟もうまくいっていないところを見ながら

「仲良くするってむずかしいなー」と思いつつ、

「この国を変えていけるかなー」と後ろ向き。



でも今度、別府市長選挙に31歳の若さで長野くんが立候補しました。

(何度か話した事があるんですけど)

彼は「別府を変えてみせる」と意気込んでいます。

こういう姿を見ながら、とても難しいがやっぱり僕は

「日本をいい国にしたいのだ」と思います。

シンポジウム、これからの展開が楽しみですね。
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やりましょう! (りょう)
2006-04-26 11:27:05
シンポジウム、ぜひ実現しましょう!

そのための最大限の努力は惜しまないつもりです!

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改めて (りょう)
2006-04-28 22:43:33
是の故に宝積(ほうしゃく)、若し、菩薩浄土を得んと欲せば、当に其の心を浄むべし。



  其の心浄きに従って則ち仏土浄し。



維摩経のこの箇所、感動的に美しいですね!



改めて読んで感動しました。



素敵な経文をご紹介くださいましてありがとうございます。
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