鮎川俊介の「幕末・明治の日本を歩く」

渡辺崋山や中江兆民を中心に、幕末・明治の日本を旅行記や古写真、研究書などをもとにして歩き、その取材旅行の報告を行います。

2013.11月取材旅行「桐生~山之神~木崎」 その最終回

2013-12-17 05:45:45 | Weblog
私が『毛武游記図巻』(天保2年)の全てを観たのは、『渡辺崋山と弟子たち』(田原市博物館)においてです。第一図から第十六図まで、全部で16のスケッチからなるもの。第十二図は「尾島」であり、第十三図は阿左美の「生品森」、第十四図は「赤岩」で第十五図は「前小屋渡」というように、旅の行程順にスケッチが並んでいるわけではありません。崋山はこれ以外にも旅先でさまざまなスケッチを描いていることは、『毛武游記』の原本(コピー)から分かるところ。そのスケッチを、私は桐生駅での『渡辺崋山写真展』で見ることができました。天保2年(1831年)10月29日(旧暦)の前小屋天神書画会の旅に限れば、「法篋印塔」(ほうきょういんとう・牛の塔)と「前小屋天神図」がそれ。では、第十六図はどこなのか。これは第十二図からあとのスケッチの中で、唯一、どこを描いたものかの書き入れがありません。 . . . 本文を読む