素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

50歳代の新任が3人も

2010年04月06日 | 日記
 交野市の小学校は今日が入学式。真新しい服を着て、両親に手をひかれて登校する新入生の姿に桜はよく似合う。私の家の裏の方は現職の小学校教諭。今朝の会話。
  
  「今日、交野や枚方の小学校は入学式やね」   『私のとこは昨日でした。市によって少し違うんですね』
  「みたいやね。学校のほうも若返ったでしょう」   『はい。私らの年代は学年に一人ぐらいになりました。』
  「前とは逆転やね」   『そうですね。でも聞いてくださいよ。私の学校、50歳代の新任が3人来たんですよ』

  「ええ!まったくの新任?」  『男の人は56歳。少し講師の経験はあるみたいです。』
  「56歳とはすごいなぁ」  『最初の挨拶で、あと4年で退職です。と言いました。まるでギャグでしょう』
   「一人でもすごいのに、あと二人?」  『53,4の女の方で、4年ほど勤めて結婚してやめて専業主婦していた人たちです』

  「体力、持つのかな?思っているよりも雑用も多く、肉体労働やからな」
  『私らみたいに長くやっていると ある程度 口だけでさばけるけど。経験がないとね』

   「新任担当教諭はつくんやね?」  『ハ~イ ひとまわりも若いのが。やりにくいでしょうね』
   「どうせ入れるのなら30代後半から40代前半の人がほしいよね」  『すっごく今、年齢バランスが悪くなってきています』
   「講師のストックも少ないから大変みたいやね」  『病気になったら代わりがいない。これから産休、育休が増えるのにどうなるんやろ?』
    
  「世の中、就職難で困っている人も多いのに、もう少しうまく考えられないのかな?」  『声かかるんと違います?』
   「2~3回あったけど、私はハッキリしてるから。だいたい退職した人間をあてにし過ぎているのと違うかな?」

   『私のとこ、講師でも校長先生で退職した人も来るんですよ』
    「これもまたすごいね」 『それはそれで やりにくいんですよね』


 ほんの2~3分間の会話でしたが、目が醒めました逆に考えると、従来あった年齢枠をはずして、20歳代の若者を不採用にしてまで50歳代の人を採用するということは、教員志望者の質の低下が起きているのかもしれない。

 昨日の新聞に、“富良野塾26年の歴史に幕”という記事があった。脚本家、演出家である倉本聰さん(75)が主宰し、俳優や脚本家を養成してきた演劇の私塾を4日に閉塾した。ということ。閉塾を決意するにいたった倉本さんのコメント。

 『年々応募してくる若者の質が低くなってきた。覚悟も教養もないまま、受け身で教わろうという態度が目立ってきた』

 演劇同様、教育現場も経験を重ねてきても、こうすればこうなるという定石はない。4月に幕があがると、試行錯誤しながらベストを目指して日々の実践を積み上げていくほかない。ベテランは経験の上に安住しないでもがいてほしいし、若い人はその姿から学んでほしい。     
   
  
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