素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

無知の自覚

2021年02月15日 | 日記
 「方丈記」を読み始めたきっかけは、NHKの「100分de名著」という番組。小林一彦さんの解説で4回シリーズ。
①知られざる災害文学 ②”負け組”長明の人生 ③捨ててつかんだ幸せ ④不安の時代の生き方 をテーマにコンパクトにまとめられていた。

 目から鱗が落ちる。という感覚は久しぶりだった。冒頭の「ゆく河の流れは絶えずして、しかも、もとの水にあらず。よどみに浮ぶうたかたは、かつ消え、かつ結びて、久しくとどまりたる例(ためし)なし、・・・」という牡蠣だしと三大随筆の一つ、無常がテーマなど受験のための浅薄な知識しか持ち合せていなかったことに気付かされた。

 時代背景、歩んだ人生などを知ることで言葉の裏にある深い意味が理解でき、時を越えて今を生きる自分に指針を与えてくれる。番組のテキストを元に大幅に加筆された本である。その最後に玄侑宗久さんが『「風流」の境地へ』という一文を寄稿している。それが又、心に沁みたので『無常という力~「方丈記」に学ぶ 心の在り方~』も購入した。原文・現代語訳が付いているので2冊をセットにして愛読。

 今年の目標で「百人一首」を取りあげているのも「何も知らなかった!」というのがある。今は、鎌倉右大臣、源実朝の歌を味わっているが、そこに藤原定家と鴨長明が関わってくるということに気付づ歴史や国語の授業だけではわからないものがある。とひとり楽しんでいる。

 無知であるということは、楽しみが多いということだ。
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