素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

岳参り

2021年02月06日 | 日記
 父は実家のある浜島の極楽寺(臨済宗南禅寺派)の檀家になっていた。浜島の実家には小学生の頃までは盆の時期に1週間ほど滞在していたが、大きくなるにつれて盆と年末に挨拶に行く程度になっていた。しきたりの強い漁師町という印象が強かった。かつて初盆供養で、”だんぼ”という行事を寺の前で偶然見かけた時は江戸時代にタイムスリップしたような錯覚を覚えた。横溝正史の世界に近いものがあった。
 
 父の葬儀の時でも浜島の人にとっては当たり前のことが、私にはまったくわからないということが身にしみた。意味不明の単語がポンと出てくるのである。”だんぼ”も初めて聞いた時はディズニーの小象が頭に浮かんだ。浜島の方言で「盆の迎え、送りに行う大念佛」のことである。今回は「たけまいり」という言葉をよく聞いた。今すぐのことではないだろうと{???」のままやり過ごしていた。

 父のことがひとまず落ち着いた2017(平成29)年3月初め、浜島の極楽寺の住職を訪ね”浜島のしきたり”について教えを乞うた。

★米代・・・寺へ寄進するお金で、年3回(8/7・秋彼岸中日・12/28)の分5,500円を一括して8月7日までに納める。(降り込み可)
 そして
★岳参り・・・伊勢と鳥羽の間にある朝熊山金剛證寺へ塔婆を立て、町内の遺族がまとまって参拝に出かける行事とのこと。
       「浜島は6月28日8時30分に出かけると決まっているが、どうしますか?」と訊ねられた。
       家の事情で、浜島の人たちと行くことは難しいと答えると、5/13~5/26の間に予定日(6/10~6/25であれば可)を極楽寺へ連絡しても
       らえれば金剛證寺に予約を入れておくとのこと。すごいネットワークだと感心した。 
       塔婆の値段も大きさによって違うが、浜島の人たちは5月10日に集まり話し合いをして決めるので一任してほしい。と頼まれた。
       去年と同じ5,8000円になるだろう。とのこと。
 岳参りは2017年6月17日(土)に弟と一緒に済ませた。父の塔婆も浜島の人たちと一緒に立てられていた。参道にはびっしりと塔婆が立ち独特の雰囲気を醸し出していたが、塔婆の値段を聞いていたせいか頭の中では算盤をはじいていた。
★初盆・・・浜島では初盆を迎える家が盆の行事を取り仕切ることになっているそうで、名簿に載せると一連の流れ(8/13の迎えだんぼ・14の施餓鬼・15の感謝法要・16の送りだんぼ)に関わらないといけないが私のように町外にいる者にとっては荷が重いということで名簿から外すことを了解してほしい。と言われた。ありがたい配慮である。
★仏壇、位牌、墓石への刻字は49日(3月26日)までに、お経をあげるので連絡してほしい。とのこと
★浜島では法事をしない時があることを頭に入れて予定を考える必要がある。と言われた時は驚いた。
  避けるべき時は ・1日と友引
          ・12/8~1/31の期間
 2月6日が命日の父にとってこの縛りは厳しい。日曜日に行いたい1周忌の候補、一番良い1月を外すとなると11/26、12/3、2/4の3つに絞られた。
母や弟と相談した結果、2018年2月4日(日)に決まった。

とむらいに伴う一連のしきたりには「???」となる部分もあるが、極楽寺の和尚に引導を託した父の遺志を大切にしたいと思う。「郷に入っては郷に従え」である。

 「自分の時は?」を考えないといけないなあと思うようになった。
   

 


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