素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

第61回紅白歌合戦出場者発表

2010年11月24日 | 日記
今年の出場者の中で目を引いたのは“クミコ”初出場とは思わなかった。厚生年金ホール、フェスティバルホール、シアター・ドラマシティであったコンサートに行ったが、魅力のある人である。

 *言葉(日本語)を大切にしている  
 *話している時の声と歌っている声とのギャップがいい。
 *エッセイも書いているが、視点に共感が持てる

クミコ 『INORI ~祈り~』 2010/08/24


 薬包で折り鶴を折るこの歌を聴いていると、小学2年生の時、急性腎う炎で1ヶ月入院していた時のことを思い出す。母も祖母も働いていたので、当時で80歳の曾祖母が病院に泊り込みで付き添ってくれた。運動と塩分を禁じられた生活はとても味気なく退屈であった。その時、曾祖母が教えてくれたのが薬包で折る“奴さん”。薬を飲むたびにつくって窓際に並べていった。

 隣室からは、おじいさんのうめき声がよく聞こえ、壁穴からのぞこうとしてよくしかられたものだ。ある日を境に声がしなくなり、おじいさんの“死”を悟った。人間の死というものを初めて意識した時だと思う。

 塩分抜きの食事は苦痛であった。さしみも醤油ではなく酢につけて食べた。この時の体験は貴重であったと思う。食べ物に関する適応力がついたのと同時に制限なく何でも食べることができることの有り難さも身にしみて感じた。健康へのこだわりの原点である。

コメント
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