素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

政治はむずかしい

2010年11月23日 | 日記
 尖閣問題の時も感じたが、今回の北朝鮮による韓国への砲撃を見ると国際政治の複雑さと困難さを痛切に感じる。塩野七生さんの本を読んでいるが2000年以上の間人間は同じことを繰り返しているのではないかと何ともいえぬむなしさを感じる。「戦争の大義について」という一文のがある。

 もしも、誰でも納得できる客観的な基準にもとづいた大義が存在するならば、人類はとうの昔に戦争という悪から解放されていたはずである。そうでないのは、もとからして大義なるものが存在しないからなのだ。

 いや、ある。だがそれが、当事者の双方ともが自分たちにはあると言えるところが、問題をややこしくしているのである。それは、大義とは、客観的ではなくて主観的である場合はなはだ多し、という性質をもつからだろう。
 


 いかにむなしさを感じても隠棲生活をするわけにはいかない。現実に起きることを直視しつつ生きていかなければならない。今回の事件で朝鮮学校への無償化手続き凍結という話も出てきているようだが、国際政治とは切り離してほしいと思っている。政治にふりまわされた個人の問題はいやというほど見聞きしてきたと思う。凍結が国際政治(対北朝鮮)の上では何の意味も持たない、自己満足のみの行いであるように思う。

 大義などはないのだ。といって、新秩序をつくる力は持っていない。この現実を見極めれば、やれることは限られてくる。他の国が大義と言おうが日本だけは心中でせせら笑い、それでいながら冷徹に国益を考え、その線で行動することだけである。
コメント
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