素浪人旅日記

2009年3月31日に35年の教師生活を終え、無職の身となって歩む毎日の中で、心に浮かぶさまざまなことを綴っていきたい。

マスコミの質

2010年06月16日 | 日記
 カメルーン戦の勝利で盛り上がるのはわかるが、ここでマスコミの質の高さが必要ではないかと思う。サンケイスポーツ(6・16)にあったオシム氏のコメントを読んだが、示唆に富んでいると思う。

 日本代表前監督のイビチャ・オシム氏(69)が、14日のカメルーン戦で「スカパー!オフィシャルコメンテーター」として同局番組にオーストリアから生出演。決勝点を挙げたMF本田圭佑(24)を「勇敢だった」とたたえた一方で、「あすの1面が全部本田ということになれば、次戦は危ない」とも“予言”。独特の言い回しで19日のオランダ戦へ向け、しっかりとクギを刺した。

 喜びは隠せない。2年半前に生死の境から復活した老将が、14日午後8時前から生出演。15日午前2時過ぎからは特別テレビ会見にも臨み、6時間以上も、W杯、日本代表について熱弁を振るった。

 まずは「日本にもサッカーがあることを示せた」と、世界を驚かせた“番狂わせ”を祝福。「(強化試合の)イングランド戦でのミスを繰り返さなかった」と評価した。さらに、代表戦初の1トップで出場した本田の名を真っ先に挙げ、「専門外の役割を戦術面で見事にこなした。勇敢にプレーできた。その褒美としてあのゴールが生まれた」と絶賛した。

 それでもここからがオシム氏の真骨頂だ。「あすの(新聞)1面全部が本田ということになれば、次戦で日本は危ない」。チームの組織を重視する同氏だけに、浮かれ気味に“本田フィーバー”となることに、厳しくクギを刺した。

 本田の役割は「港における水先案内人のようなもの」という。ポスト役で攻守のリズムを作り、前線でのキープでDF陣の負担軽減にも貢献した。旧約聖書の有名な話に例え、「心配は、小柄なダビデの役を負った本田が舞い上がり、巨人のゴリアテになったかのように勘違いをしないかということ。ヒーローは全員」と締めくくった


 チームをつくっていく時に心がけていたのは、「得点も失点も全員の成果であり、責任である」という意識を徹底させることである。チーム力の安定は“失点の少なさ”であると思っている。5対4で勝つより1対0で勝つ方に価値を求める。中学年代では得点することに魅力を感じるのは仕方がない。

 そこで、GK,DFの大切さを意識的に語っていけないといけない。実際のところはすべてのポジション(役割り)が大切なのだが、MFは語らずとも魅力あるポジションになっている。GK,DFは失点にからむシーンで一番目立つので、「お前さえしっかりしていれば」的な見方をされやすい。プライドと勇気を持たさないと「やってられるか!」となりかねない。

 GKミスやDFのオウンゴールがあった時チームにどういう言葉をかけていくか?私は「最終的にはGKの所で失点したが、その前にシュートを打たれたことにも目を向けなければならない。また、その前につまらないパスミスで相手にボールを渡してしまったことや決定的な得点機をはずし相手に強力な反撃のパワーを与えてしまったかもしれない。オウンゴールは反応が鈍くてボールに触らなかったら生じない。結果としては残念だが過程においてはよく反応をしていったといえる。」というようなことを繰り返し伝えていった。また、得点に関してもフィニッシュの部分できちっと決めることの大切さは当然だが、それ以上に、そこまでのナイスプレーの積み上げに意識を向けることがチーム力向上にとっては大切である。

 監督や選手はその部分はよくわかっているように思う。むしろマスコミの方がヒーローを作り上げたり、敗因の責任を個人に負わせたりすることが多々ある。そのことがチームの和をこわしたり応援をしらけさせるということにつながっていく。サッカーは“連動する動き”を楽しむスポーツである。カメルーン戦とは違う状況でのオランダ戦。どういう先発メンバーでどう布陣をしくかが楽しみである。マスコミもそろそろ第1戦はリセットして、次のステップへの情報をしっかり伝えてほしい。                  
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする