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明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

再び「とつげきラーメン」を求めて 中野『寿楽』

2021年08月16日 | 中華食堂
昨年夏、中華チェーン『天下一』の「とつげきラーメン」について書いた。詳細はこちら





とつげきラーメンは、現存する天下一では代々木八幡店でしか提供しておらず、
天下一自体も店舗数を減らしているため、このまま「幻のメニュー」になってしまうのでは…と危惧したものである。
追記 数日後、代々木八幡店の閉店が判明!

該当記事に対し、「ねぎみそらーめん」と名乗る方から、以下のコメントが寄せられた。
(前略)中野駅南側のラーメン専科 寿楽に行きましたが、トツゲキラーメン有りました!
天下一から別れたラーメン専科なので、同じ系統かも知れませんね。


おおっ、ありがたい情報提供! ねぎみそらーめん様、ありがとうございます。
さっそく「中野 寿楽」で検索。確かに、メニューに「トツゲキラーメン」がある。
天下一と寿楽の関係は初耳だったが、さっそくお店に駆けつけた。

こちらが『寿楽』中野店の外観。看板には天下一でもよく見かけた、「ラーメン 餃子専科」の文字が。


お店の場所は、以前紹介した『中野大勝軒』の裏側あたり。
店の存在は知っていたが、年季の入った外観(言葉選んでるよ)が気になり、利用したことはなかった。
入口で消毒を済ませ、カウンター席に座る。厨房には、ベテラン風の職人がふたり。
酒類は販売休止時期だったため、いきなりトツゲキラーメン680円を注文。
麺類には+200円で「半チャーハン」(ご飯類には+200円で「半ラーメン」)が付けられるので、そちらもお願いした。
主なメニューは下記のとおり。こちらが麺類・ご飯類。下部分が切れちゃってゴメン。


こちらは裏面。定食類、一品料理、ドリンクなど。


ラーメン420円、最高値の定食でも800円と、全体的にお手頃価格だが、メニュー上部分には、さらに衝撃の一文が!


◎うれしいサービス 餃子2ヶ付き!
↑久々に最大文字で表記してみたが、餃子好きにとってはまさに◎=二重丸のサービスである。
この餃子は、すぐに出せるよう、まとめて焼いたものを専用鉄板の上で保温しており、
トツゲキラーメンや半チャーハン、さらにお新香と一緒のお盆で提供された。


餃子は、味やサイズは普通で、焼き置きらしいフニャッとした歯触り。まあ、無料だしね。


半チャーハンは、本当に半分くらいのサイズ。焼豚ではなくハムを使用し、ほんのり化学調味料の味。


ただ、ご飯はちょうどいい硬さに炒められており、具材との混ざり具合も最高。いいチャーハンである。
そして、お目当てのトツゲキラーメンのアップがこちら。


餃子の中身を玉子でとじたものを、塩ラーメンと合わせるのが、私が知っている天下一の「とつげきラーメン」だが、
寿楽さんでは、肉団子状に丸めた生のひき肉を、ニラと玉ねぎと一緒にスープで煮込み、最後に溶き玉子を加えていた。
鷹の爪も入るスープは、オレンジ色でちょいピリ辛。川崎発祥の「ニュータンタン麺」みたい。


原材料は類似しているが、完成形がやや異なっている寿楽風とつげきラーメン。
途中でサービス餃子のひとつを投入し、天下一スタイルとの融合を試みたが、特に意味なし(笑)。


お通し餃子が気に入ったので、酒類が解禁になったらまた来ようと決めた。

再訪したのは、一時的に酒類提供がOKだった、7月上旬。
さっそく「瓶ビール」450円と、大好きな「肉と玉子とキクラゲ炒め」の単品をオーダー。
すぐにビール中ビンと、サービス餃子2個がやってくる。これだけで1本飲んじゃう客もいそうだ。


まもなく、チャーハンと同様に手際よく炒められた、KTI=キクラゲ玉子炒めが登場。


上記画像だとキクラゲが多めに見えるが、実際は肉と玉子もバランスよく組み合わされていた。
食べてみると、どの食材も最適な状態に炒められており、濃い味のタレとしっかり絡む。
先客が頼んだ、「肉と野菜のカレー炒め」もウマそうだったし、寿楽さんは炒め物がオススメかもしれない。

ビールをお替わりするタイミングで、餃子も追加。当然サービスの方ではなく、メニューに載ってる「餃子」の方だ。
すると、サービス餃子を保温している鉄板とは別の鉄板で、新しい餃子を焼き始めてくれた。
さすがに有料の餃子は、焼き置きをそのまま出すような仕打ちはしないよね。
しばらくして、単品餃子がやってきた。1人前6個で400円。


冷めたサービス餃子を食べている、周囲の客に見せびらかすように頬張ってやったが、多分誰も見ていない(泣)。

飲み食いしてお腹いっぱいになってきたので、締めることに。
醤油味のスープを欲したので、「ワンタンメン」を選択。これで580円とは、昭和価格だよね。


具材はチャーシュー、メンマ、ノリ、ほうれん草、ネギ、そしてワンタン。
特筆したいのが、ひき肉がどのワンタンにも入っていること。


昭和の時代は、皮から肉がこぼれ落ちた、「具なしワンタン」が主流だったのに。 ※あくまで個人の感想です
懐かしい醤油味のスープは少し残したが、あとは全部食べ切り、大満足で「ごちそう様です」。

トツゲキラーメンを食べることはできたし、サービス餃子も寿楽飲みも体験した。
けれども、最初の方で触れた「天下一と寿楽の関係」は、まだ謎のままである。
気になるならば、聞けばいい。というワケでつい最近、3度目の訪問を果たした。

酒類提供禁止期間ゆえ、この日は食事のみ。ご飯メニューから「スタミナ丼」680円をお願いしてみた。
まずはお肉だけを炒め、ニラは炒めず油通しし、タレをかけて卵黄を乗せ…スタミナ丼が完成。
お新香とスープ、そしてサービス餃子も当然付いてくる。


スタミナ丼の器も大きいし、これで680円は安すぎるでしょ。


食べてみると、いわゆる「すた丼の店」とは異なり、ニンニク風味はせず、甘じょっぱいタレの味が主体。
愛しの黄身ちゃんを崩し、肉やご飯などと絡めて、レンゲで一気にかき込めば…昇天するほどウマい。
ポイントは、ニラの存在感。炒めていないから、シャキッとした歯応えが残っている。
全部たいらげ、しっかりスタミナが付いたところでお会計。そして、職人さんに取材…というか雑談。

「あの、ここ寿楽さんって、天下一ってチェーンと関係あるんですか?」という私の質問に対し、
店主と思われる方の職人さんが、「イヤ、あそことは関係ない。全然別ですよ」とご回答いただいた。
寿楽という店舗はいくつかあるが、中野店はとりあえず、天下一とは無関係らしい。
職人さんが引き続き、いろいろ語ってくれたので、喜んで耳を傾けることに。
「寿楽も昔は都内に20店舗くらいあったんだけど。今は5~6店くらいかな。やっぱり人材がいなくてね…」
労働時間も長いし、夏は暑くて大変ですからね、と私が相槌を打つと、
「そうそう、昔はこんなに暑くなかったけど、最近は厨房にいられない」
確かに、強い火力での炒め物や、麺を茹でる大量の熱湯などにより、真夏の中華厨房は地獄と化す。
「毎年、夏になると体調を崩す」と嘆く職人さんに、まだまだ元気そうに見えますよ、と返答したら、
「まあオレの場合、夏場は(酒を)飲みすぎるのが原因だけど」と告白し、ガハハハと笑い始めた。
私もつられて笑い、「また来ますんで、どうかお元気で!」と告げて退散した。

近年、「街中華」と呼ばれる食堂がどんどん減っている。最大の理由は後継者問題であり、
次が廉価チェーンやコンビニなど、ライバル店の台頭による売上減だと私は考えていたが、
実は最近の日本の猛暑も、理由のひとつかもしれない。
寿楽さんも大変だろうが、店主らしき方が元気に酒飲んでるみたいだから(笑)、しばらく安泰であろう。
緊急事態宣言が明けたら、また【寿楽飲み】を復活させるつもりだし、
今回ブログの主題でもあった、「とつげきラーメン」探索の旅も再開予定だ。
どうやら、埼玉の寿楽にも「とつげきラーメン」があるらしいし、『天下一』と『寿楽』の関係についても知りたい。
拙ブログでは引き続き、とつげきラーメン及び天下一チェーンの情報を、お待ちしております。



中華料理 寿楽
東京都中野区中野3-32-10
JR中野駅から徒歩約4分、地下鉄新中野駅からも徒歩圏内
営業時間 11時~22時、土日祝は21時まで 最近は20時閉店
定休日 年末年始ほか、ごくごくたまに不定休
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太太が作り旦那が運ぶ中華食堂 西立川『銀星』

2021年08月06日 | 中華食堂
今も続けている、【近所の飲食店を巡る(ただし、近所=徒歩60分圏内)】シリーズ。
さすがにこの時期は、60分歩くのはしんどいので、近場のお店に入店するケースが増える。
ただ、立川駅周辺の飲食店は、安くもなくウマくもなく、そのくせ店員の態度が悪い店が多い。
店員のレベルが低い最大の理由はおそらく、立川の伝統である客層の悪さ(苦笑)。
チンピラ、ヤンキー、泥酔者、競輪ファンに競馬ファン…確かに、まともに接客するのがバカらしくなるよな。
とにかく、駅周辺はダメ店員&ダメ客の店ばかり(やや誇張)だが、少し歩けば『らんぶる』さんのような良店も存在する。
今回紹介するのも、立川駅からはちょっと歩いたところにある『銀星』さん。
「ちょっと」と言いつつ、歩くと25分ほどかかるが、青梅線の西立川駅からは4~5分で着くよ。


入ってみたところ、他にはない料理や調味料が楽しめたので、その後も何度か通っている。
こちらのお店、以前はおそばやうどんも提供していたそうだが、現在のメニューは、ほぼ中華料理のみ。

※卓上メニューの表面

初訪問時、お店のおじちゃんにうどんの有無をたずねたところ、「私が体調を崩してから、やめたんです」とのこと。
うどん好きとしては残念だが、餃子や中華も同じくらい好きなので問題ナシ。
当時は酒類提供OKだったので、まずは「キリンビール中ビン」500円と、「焼餃子」400円をオーダー。
すぐにおじちゃん…というか旦那さんが、客席からは見えない奥の厨房にいる、現料理長(?)に注文を通す。
現在は彼がホール担当で、調理担当は中国出身の奥様らしい。一般的な中華食堂とは男女逆なのが面白い。
なお、今回のブログタイトルの「太太」とは、中国語で「奥様」という意味である。

数分後、無料お通しのポテトサラダに、餃子用のラー油と黒酢が運ばれてきた。


読めない漢字がいくつも記されている、黒酢は当然中国産、ラー油はおそらくお店特製。
卓上には市販のラー油も置いてあるが、香りも辛さも明らかに別モノ


ピーナッツらしき豆が入っているのが特徴。 なお、お皿の「一心楼」の屋号は謎。
今調べたら、お店の間近に「一心楼ビル」という建物があるようだが、過去に同名の中華屋さんがあったのかな。
ポテトサラダで1本飲み終わり、2本目の途中でようやく、餃子が焼き上がった。


立派な羽根を付けるのに、時間を要したのであろう。個々の大きさは普通であった。


手作りと思われる餃子は、強烈なインパクトはないものの、さっきのラー油を付けると格段にウマくなる。
個人的には苦手な黒酢だが、ちょびっと垂らしてみたら、ラー油や餃子の味を引き立たせる。
次に頼んだのは、ホワイトボードに書かれた日替わり定食から、「肉とチンゲン菜炒め」のオカズだけを注文。
ありそうで滅多にない料理だが、こちらはすぐに出てきた。女性料理長、手際がいいね。


シャキッと火が通ったチンゲン菜と、豚肉やキクラゲとの歯応えの違いが楽しめる。
チンゲン菜はビタミン豊富で、高血圧予防になるカリウムも多い。いい注文だ、と自画自賛。
そこでやめておけばいいのに、シメのお食事を追加。高血圧には禁物のカロリー過多である。
「麻婆ラーメン」とで悩んだが、「担々麺」をチョイス。お値段はどちらも800円。
出てきたのは、予想とは異なるビジュアルであった。


具材はひき肉とチンゲン菜などの青菜のみ、というのが一般的な担々麺だと思うが、
こちらはモヤシ、ニラ、人参も入っている。鷹の爪も見え隠れするが、辛さは控えめ。
あと、縮れた麺の食感がイイ! この麺ならどんなスープでも合うだろう。


途中で、例の自家製ラー油を入れると、辛味とコクが増す。これを使うため、麻婆ラーメンと迷ったのだ。


まだ食べたことはないけど、このラー油は麻婆豆腐とも、絶対にマッチするはず。
スープもほぼ飲み干し、すっかり満腹になったところで「ごちそう様です」。
旦那さんに「また来ます」と告げて退散。奥様は、とうとう一度も客席に顔を見せなかった。
接客と調理の役割分担が決まっているのかもしれないが、ちょっとさみしい。
余談だが、お店に入ると左側の壁には、日本地図が描かれたカレンダーを掲示してある。
一方右側には、奥様の故郷である中華人民共和国の地図が貼ってあるのだが、中国の方が何倍もデカい
地図の大きさと同様、旦那さんに代わって料理長になったから、奥さん自身の態度もデカいのでは…
というのが誤解だったことは後日判明する。

料理自体は良かったので、銀星さんにはその後も、飲み&食事に何度か利用している。
餃子類を頼むと、例のラー油が付いてくるので、「水餃子」を頼み、お通しの冷奴にも使ってみたりして。


辛さがほどよい、この「ピーナッツ入りラー油」、瓶詰して売ってほしいよ。
「水餃子」は、焼餃子よりやや小さめサイズで300円。


モチモチした皮の中身は、ほぼお肉のみ。酸味が苦手な私でも、ラー油より黒酢の方が合うと感じた。
点心類はハズレがなさそうだと思い、別の日には「春巻」450円も頼んでみた。


餃子は両方とも手作りだろうけど、春巻はどうかな? 銀星さんにしては独自性が見当たらなかったし。
この日のシメには、ワンタンを注文したので、銀星の点心メニューはほぼ制覇。
シメは「ワンタン」単品700円ではなく、壁に貼られた「今日のおすすめ」から、


「ミニワンタンとチャーハン」…を頼んだ数分後に、「ミニワンタンと玉子丼」に変更。
中華風の玉子丼に、なんだか興味をそそられたので。
メニューにはない、天津丼に似たヤツかな、と想像していたところで、セットが登場。


ワンタンは、ミニではなくハーフに値する量。ちゃんとお肉の入ったワンタンに、飾り切りされたカマボコなどが加わる。


醤油ラーメン風のスープはやや薄味。振り返ってみると、こちらの料理は、どれも味付けが濃くない。
そして、フタをされたまま提供された玉子丼は…おなじみの和風スタイルであった。


食べてみると、そばツユのような和風の味付けで、具材は玉子と玉ねぎ長ねぎに青ノリ少々と、いたって普通。
実は銀星さん、メニューには「玉子丼」や「カツ丼」など、以前のおそば提供時代の商品も残っている。
調理法は当然、旦那さんが奥様に伝授したのを、アレンジせずにそのまま出しているのだろう。
日中友好(夫婦なので当然だが)に感激しながら、ガツガツ・ズルズルと一気にたいらげ、
いつものように旦那さん相手に会計をしていると、奥様が厨房から出てきて私に会釈した。
初めて見た女性料理長は、笑顔の素敵な方であり、旦那さんとはかなり、年の差があるように見えた。
言葉も文化も異なる地で、年上の旦那さんが病で倒れたときは、彼女も相当ショックだったはず。
それでも、夫やお店を見捨てて帰国することもなく、新料理長として厨房を守ってきた奥様は、実に立派な方である。
料理の味付けが濃厚すぎないのも、旦那さんの好みや体調に合わせているのかもしれない。

さらに後日、私の大好きな「五目ラーメン」750円を食べたときのこと。


先述した縮れ麺や飾り切りカマボコ、そして野菜に玉子にチャーシューと、豊富な具材に舌鼓を打ち、
いつものようにお会計を済ませたところ、入口ドアがすでに閉まっている。
その際、厨房を通って裏口から出てくれという指示に従い、初めて厨房内をチラ見したところ、
まな板には、仕込み作業中のチャーシュー(ウマそう!)など、いくつかの食材が並んでいた。
豊富なメニューの大半を、奥様ひとりで仕込むのだから、厨房からは出られないのも当然。
接客をしないことや地図の大きさから、態度がデカいなどと勝手に誤解していた、自分の浅はかさを猛省している。
太太こと奥様、銀星さんの厨房を守ってくれてありがとうございます
さっきも書いたが、日中友好を象徴する食堂兼居酒屋として、銀星さんには今後も通わせていただく。
機会があったら、メニューに載ってない、キクラゲ玉子炒めとか作ってもらいたいな。



銀星(ぎんせい)
立川市富士見町1-33-9
JR西立川駅から徒歩約3分、立川駅からは約24分
営業時間 最近はたぶん11時~15時、17時~20時 以前は21時までやってた
定休日 火曜
※餃子などテイクアウトメニューあり
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懐かしの「どさんこ」で食べる その2 府中『どさん娘』

2021年07月22日 | 中華食堂
かつては至る所に存在した、札幌ラーメンのチェーン店『どさん子』
1号店のオープンは1967(昭和42)年。すぐに話題となり、4年後には早くも500店に。
本州では珍しい、味噌ラーメンを出すお店が人気を集めたのは当然で、10年後には早くも1000店舗を突破!
ただ、大成功したことで、「現場で働くオレたちが、もっと儲かるよう、自分たちで(経営を)やろう!」と、
日本プロレス時代のアントニオ猪木(←わかりやすくない例え)のような、野心家たちの独立・裏切り(?)を招き、
『どさん子』は『どさん娘』『どさん子大将』と3つのグループに分派。
さらにその後は、ファミレス、コンビニ、ファストフードら競合店の隆盛により衰退。
現在では、どのグループもあまり見かけなくなったが、それでも全国各地に店舗が残っている模様。
今も続いているお店は、ファミレスらとの過酷な争いを生き残った、実力店と判断していいだろう。
以上、どさんこチェーンの歴史について、簡潔かつ乱雑(苦笑)にまとめてみた。乱雑じゃダメか。

拙ブログでは以前、どさん子HPでは多摩地区唯一の店舗となる、『どさん子西武柳沢店』を紹介した。
今回は独立組のどさん娘から、これまた多摩地区では唯一と思われる『どさん娘 府中寿町店』をリポート。


なお、前にも述べたが、どさん娘の読みは「どさんこ」ではなく「どさんむすめ」である。
『餃子の王将』と『大阪王将』の関係と同様、本家との裁判に負けたのが理由らしい。
お店の場所は、府中市民球場の近く。つい先日、母校野球部の試合(春季都大会決勝戦)観戦後に初訪問した。
入店すると「いらっしゃい」というおじちゃんの元気な声。厨房の奥にはおばちゃんの姿も。ご夫婦かな?
すでにお伝えしたように、日大三がボロ負けしたので、ヤケ酒代わりに「ビール」中瓶500円をオーダー。


お通しのメンマと好物の「餃子」350円で、ビールと一緒に敗戦の涙(?)をグイっと呑み干す。


餃子は小ぶりだが、しっかりと味が付いており、ビールに合うタイプだ。
ビールをお替わりし、その後シメのラーメン+カレーセットを追加。
商品名は「ヤングマンセット」。若くもないのに、西城秀樹さんのファンなので、つい頼んでしまった。


麺類は塩、醤油、ざるそば風(つけ麺)も選択できるが、どさんこ系列なら当然「みそ」だろう。


これにミニカレー、お新香、サラダがついて850円は、なかなかお得である。


表記こそ「ミニカレー」だが、実際は「ハーフカレー」程度の量はある。
ただしみそラーメンは、隣のおっさん客が食べているのと比較すると、通常よりひと回り小さい。3/4くらいか?


塩分多めのスープと中細麺、そしてメンマにモヤシにキャベツ少々。ひき肉やチャーシューがないのは残念。
次回はセット仕様ではない、普通のラーメンを食べようと決意し、お会計&退散。

他にも気になるメニューがいくつかあったので、数日後に早くも再訪。
前回もそうだったが、常連らしい客がテーブル席で、ビールや焼酎ボトルで、酒宴を楽しんでいる。
近所の方々にとってこちらは、食堂でもあり居酒屋でもあるのだろう。
実際、店舗裏側には下記の看板があった。「2階座敷席」とは、明らかに飲み客を歓迎している!


この時勢では難しいけど、いつかは座敷席で「どさん娘宴会」をやりたいね。
もちろん、相手側の了承があれば、「どさん娘合コン」でもOKだ(←いいトシこいて…)。
余計な願望はさておき、この日の私が注文したのは、ビールと「シューマイ」350円に、


「焼き肉」単品600円。メシが欲しくなるビジュアルである。


シューマイは既製品のようだったが、ちゃんと注文後に蒸していた。
一方の焼き肉は、おそらく「焼肉定食」(※表記ママ)800円のオカズと同内容だと思われるが、
甘じょっぱいタレが豚肉・玉ねぎと絡み、さらに焦げたような香ばしさが重なり合い、実にウマい!
家庭的なようでプロにしか出せない、これぞ「食堂の焼肉」だ!
昔はいくらでもあった、こういう焼肉定食を食べられる店が、今ではすぐには浮かばない。
「どさんこ」だけでなく大衆食堂も、ファミレス、コンビニ、ファストフードに駆逐されたと思うと悔しいね。

ビールを飲み干し、この日のシメとして「塩ラーメン」600円+バター50円をオーダー。


やはり、前回のヤングマンセットの味噌ラーメンと異なり、ちゃんとチャーシューが入っている。
横アングルがこちら。セットラーメンより丼サイズが大きい…というか、一般的なお店よりデカいではないか。


たっぷりのスープに沈んだ麺と、もやし、コーン、キャベツなどの具材をすくっていく。
塩バター風味のスープも当然おいしいが、焼き肉やビールでお腹イッパイなので、一向に減らない。
飲んだあとは、セットのラーメンくらいが適量かもしれない。結局、スープは少し残し、他はなんとか食べ切った。
なお、どさん娘はチャーシューが意外とウマいことを報告しておく。
失礼ながら、いかんせんオールドスタイルのお店なので、昭和時代のラーメン屋のように、
味もなくパサパサのチャーシューが出てくると思っていたので、いい意味で期待を裏切られた。

実はこの日、「手作りハンバーグ」を頼んだのだが、あいにくの品切れで、変更したのが「焼き肉」であった。
ラーメン屋さんでハンバーグ、しかも自家製。なんだか気になるではないか。
食事中、おじちゃんが玉ねぎを数個、厨房の奥から運んできた。ハンバーグの仕込みに使うらしい。
では次回こそハンバーグを…と心に決め、この日は退散。

そしてつい最近、もうひとつ気になっていたメニューがあったので、3度目の訪問。
いつものおじちゃんに「手作りハンバーグ単品」650円を注文。
4度目の緊急事態宣言が出たため、小声で「ビールはやってません…よね?」と無理を承知でたずねてみたが、
「ごめんなさい、今はダメなんですよ」と謝られてしまった。イヤイヤ、謝るのはこっちですよ!
こっそり酒を出している中華屋さんを知っていたので、つい期待してしまった私が悪い。
※上記中華店は、過去にこのブログで紹介した店ではありません

酒類提供禁止のため、いつもいる酔客の姿もなく、しばらくの間、客は私ひとり。
店内にはTVも有線などのBGMもなく、静寂だけが漂う。やかましいのはイヤだけど、静かすぎるのも困るね。
その後、何人か食事客が来店し、注文したハンバーグが、野菜用ドレッシングとともに運ばれてきた。


ハンバーグもソースも間違いなく自家製。ハンバーグは柔らかく家庭的な味。
ソースは、見てのとおりケチャップの割合が多く酸っぱい。酸味に弱い私にはツラかった。
こちらには「カツカレー」や「コロッケカレー」もあるが、ソースなしの「ハンバーグカレー」もイケると思う。
そして、もうひとつの気になっていたメニューとは、「白みそラーメン」750円。


こちら、普通の「みそラーメン」は600円で、塩、醤油、カレー、ざるそば風も同額。
150円高いこの商品に惹かれた理由は、壁メニューの説明にあった「幅広平打麺」の5文字!
最近自分が、一橋学園駅近くにある『むぎきり』のうどんのような、平打ち麺が好きだということに気付いた。
ハシで麺をすくってみると、おおっ、いかにも舌触りの良さそうな平打ち麺!


最初はちょっと硬かったけど、ハンバーグの野菜などを食べている間に、私好みの硬さになった。
ただ、白みそ使用のスープは、かなりしょっぱい。ワカメも入っているので、まるで味噌汁みたいであった。
あと、しつこいけどチャーシューがウマい。柔らかさも肉の旨味もちょうどいい。
次回は「チャーシュー」単品700円で飲むか、酒提供がNGならチャーシュー麺850円だな。麺はもちろん幅広平打麺で!
会計時、おじちゃんに確認してみたが、+150円で麺変更を承るとのこと。皆さんもぜひお試しあれ!
今夏の大会、日大三が試合するのは八王子球場と東京ドームだけだが(ドームは準決勝以降)、
もし今度、府中球場で試合があったら、帰りの祝賀会は、どさん娘さんでやるつもりだ。

懐かしの「どさんこ」シリーズ、残るは『どさん子大将』のみ。
私が住む多摩地区には店舗がないようなので、だいぶ先のことになりそうだ。



どさん娘 府中寿町店
東京都府中市寿町3-4-1
京王線府中駅より徒歩約5分 JR北府中駅から徒歩約9分、分倍河原や府中本町からも20分以内で行ける
営業時間 現在は11時半~14時、18時~20時 普段は22時まで
定休日 日曜、年末年始
※夜営業は、18時ちょっと前から開いている場合もある
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名峰がルーツの優良店 所沢『早池峰亭』

2021年05月21日 | 中華食堂
今から30年ほど前、私がまだ中央競馬の熱心なファンだった頃、ハヤチネという牝馬がいた。
主に活躍したのは900万下条件。今でいう1000万下…じゃなくて、2勝クラスっていうのか。
当時でも珍しいカタカナ4文字の馬名と、直線一気の追込みという競走スタイルが印象に残り、
GⅠなどの大レースには無縁だったものの、私を含む一部マニアが注目した、名脇役であった。
レースでは毎回、道中最後方をトボトボと追走しながら、直線に入ると急にエンジンがかかり、
外から一気に差脚を伸ばし、ライバルたちを次々と抜き去り、ゴールへ駆け抜ける。
ただし、すでに3頭ほどが先にゴールしており(笑)、掲示板には乗るも勝利には至らず。当然、馬券もハズレである。
追い込むも届かず4~5着という競走を繰り返した彼女は、結局900万下を卒業できぬまま引退。
産駒にも恵まれず、競馬史に名を残すことはできなかったが、私にとってハヤチネはそれでも、
同期のオグリキャップやスーパークリークといった、当時の名馬たちと同様、忘れられぬ競走馬である。

ハヤチネという馬名の由来は、日本百名山にも選ばれている、岩手県の早池峰山だと最近気づいた。
この早池峰山近辺で生まれた方が営んでいるのが、今回のテーマである、所沢の中華食堂『早池峰亭』だ。


お店は、プロぺ通りを突っ切り、ちょっと進んだ先にあり、創業は1972(昭和47)年だから、来年で50周年になる。
最近は更新されていないがHPもあり、「ハヤチネ」と店名をカタカナ表記している。店主もあの馬のファンだったのかな?
私がこの店を知ったのは、だいぶ前に紹介した、鈴木隆祐さんの著書「愛しの街場中華」にて。


尊敬する鈴木先生が絶賛していたので、数年前のある日、友人と『百味』で飲んだあとに寄ってみた。
店内はカウンター席やテーブル席の他、中華飯店らしい円卓もある。床も卓上もべたつくことなく、清潔であった。
従業員はベテランの男性が3人。頑固職人風の見た目に反し、どの方も温和な応対をしてくれたのも気に入った。

ドリンク類はビール、焼酎類、日本酒に紹興酒と、中華食堂ではおなじみのラインナップ。
料理メニューはやはり、昭和の時代から続いているだけあって、麺類、ご飯類、一品料理に日替わりと、実に豊富。
まずは瓶ビール570円(現在の価格、以下同)を注文すると、お通しとして、ワカメの酢の物が出てきた。


手の込んだ一品で、飲み客を歓迎しているのが伝わってくる、いいお通しである。
注文したのは、どちらも手作りの「ギョウザ」440円に「シュウマイ」440円、日替わりの「玉子とホーレン草炒め」単品。
単品価格は不明だが、定食だと820円なので、「ライス」280円抜きで540円くらいと推測。
まずは玉子とホーレン草炒めが登場。『餃子の王将』が期間限定で出す、「ポパイ」という料理に似ているね。


ホーレン草と玉子の相性もさることながら、豚肉と玉ねぎの歯応えがいい。さすがは約50年続く中華食堂だ。
続いては横に長い、珍しい形状のギョウザが登場。均一の焼き色がイイネ!


その直後、千切りキャベツが添えられた、シュウマイも蒸し上がった。


この焼売が、なかなかのビッグサイズで、大きさが伝わるよう横アングル画像も載せたが…それでもわかりづらいか。


餃子のアンは、野菜多めで旨味もしっかりついており、醤油などの調味料がなくても美味しい。
一方の焼売は、しっかり練り込んだと思われる豚肉が、ジューシィかつ甘口で、ありがちな肉臭さなど微塵もなし。
双方ともウマかったし、ビールのツマミにも最適であったが、わずかな差だけど焼売に軍配を上げたい。
「餃子の大将」を自称し、餃子を愛してやまない私だが、早池峰亭さんの焼売には感激させられた

その後はちょっと間隔が空き、またまた『百味』だか『くるま』で飲んだ帰りに、友人と再訪。
この日は「ウーロンハイ」450円を1杯と、おつまみとして黒板の日替わりメニューから、


「青椒肉絲(牛肉ピーマン炒め)」の単品、推定590円をオーダー。お通しは「冷奴」であった。


しばらくして、青椒肉絲がやってきた。まさに(牛肉ピーマン炒め)というメニューの記載通りの一品だ。


竹の子は入ってないが、これがハヤチネ式(←個人的に、カタカナ表記の方が好き)なのだろう。
味付けが濃厚で、もう1杯ウーハイを飲みたくなったが、すでに結構飲んでいたので我慢し、シメの食事に。
友人は彼の好物である、熱々あんかけが乗る醤油ベースの「広東メン」760円、


私は、メニューブックで“当店自慢”とオススメしていた、塩味ベースの「五目そば」760円を選択。


実際の商品はこちら。見本の写真と同様、なかなかの具だくさんである。


各種野菜などの具材から旨味が溶け出し、やや濁った塩味のスープが、飲んだカラダにジワジワと浸透する。
あと、自家製と思われるハヤチネ・チャーシューが、思わず撮影しちゃうほどウマい。※なのにヘタな写真で失礼


友人からひと口もらった広東メンもウマかったし、なにを食べてもハズレのないお店である。
結局、他の店で飲み食いしたあとだったのに、スープまで全部飲み干してしまった。

それからいろいろあり、東京では3度目の緊急事態宣言が発令され、
埼玉でもまん延防止ナンタラで、さいたま市や川越市、そして所沢市などでは、酒類の販売中止が要請された。
この時期、私用(飲酒ではない)で所沢に来たので、3度目の訪問をさせてもらった。
ハヤチネさんも、普段は店頭に置いてある「紹興酒」など酒メニューの看板を出さず、ノンアル営業に徹していた。
久々に入店したら、いつもと同じベテラン職人がふたり。もうひとりは出前かな?
そう、ハヤチネさんは昔ながらの中華屋さんなので、近隣に出前もしているのである。立川市は…さすがにムリか。
相変わらず、客席の床やテーブルは清掃が行き届いており、厨房内の壁やダクトも、ピカピカに磨かれていた。
来店客は減っているのだろうが、きちんと手抜きなく、迎え入れる体制を整えている。これぞプロだ

この日、私が注文したのは、前回気になったチャーシューが主体の料理「チャーシュー丼」820円と、
餃子と焼売が満足できたので、同じく点心メニューの「ワンタン」490円。
ほぼ同時に両者が到着。ワンタンは、真っ黒な醤油スープの中に、計10個の雲吞が泳いでいる。


すべて肉が詰まっており、しかも「ワンタンメンの麺抜き」なので、ちゃんとメンマまで入っている。


ご飯類のお供に、そして酒のツマミにもなる、いいメニューであった。
チャーシュー丼の付け合わせは、お新香とスープの代用品(ワンタンを頼んだので)の野菜サラダ。


ラーメン用の丼にご飯をよそり、刻み海苔を乗せ、その上にチャーシュー5枚。
シンプルな構成だが、先述したようにチャーシュー自体がウマいし、タレが浸みこんだメシが、これまた絶品。
白菜漬けとサラダ、さらに途中で飲むワンタンの醤油スープも、いい口直しになる。
しかも、ワンタンを半分以上食べ終えたところで、メンマだけでなくチャーシューも入っていたことを発見!


終盤のボーナス(?)に気分が良くなり、今回もご飯もスープも残さず食べ切ってしまった。
初めてシラフで食べたが、ハヤチネ料理は、やっぱりウマかったよ。

冒頭で触れた競走馬のハヤチネは、追い込んでも届かぬ、ひと息足りないレースばかりであったが、
所沢の中華食堂ハヤチネは、濃すぎず薄すぎず、ちょうどいい塩梅の料理ばかりである。
味だけでなく、接客面も衛生面も問題ない。末永く続いてほしい貴重な中華食堂である。
脇役だったハヤチネ号を、こうして30年たっても覚えている人間がいるように、
早池峰亭さんは、近隣住民を中心に、未来永劫語り継がれるのは間違いない。

追記1 今回のブログタイトル、当初は「直線一気の追込み」だったが、早池峰亭さんと重ならないので変更
追記2 競走馬のハヤチネについても、そのうち書かせていただく→書きました



早池峰亭
埼玉県所沢市東町7-4
西武線所沢駅より徒歩約8分 
営業時間 11時~22時 現在は20時閉店
定休日 水曜
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心もお腹も満たされる「お母さん中華食堂」 神楽坂『五芳斉』

2021年01月06日 | 中華食堂
昨年末、ちょっとイヤなニュースを目にした。
どこかの女子高生たちが「『ファミリーマート』の“お母さん食堂”の名称変更を願い、署名運動をしている」らしいのだ。
該当HPを見てみたら、「食事を作るのはお母さんだけですか?」「性別によって役割を決めつけることがない社会にしたい!」
という見出しのあと、説明文が長々と続いていたが、そっちは読んでないし、読む気にもならない。
男女平等は確かに大事だが、メーカーに悪意はないし、名称変更まで要求するのはやりすぎだろう。
こいつらの言い分によれば、『不二家』の“ミルキーはママの味”も「ママだけじゃありません!」となるし、
「ステラおばさんのクッキー」「カントリーマアム」「おばあちゃんのぽたぽた焼き」といった、
すっかり世間に定着した商品の名前も、変更しなきゃいけなくなる。まったくバカバカしい。
メーカー側も、こんな的外れな抗議運動には、絶対に屈しないでもらいたい
今回のタイトルは、そんなバカJK(言い過ぎか)に逆らうべく、あえて「お母さん中華食堂」にしてみた。

神楽坂の『五芳斉』さんは、今年で創業71年目を迎えた老舗中華食堂だ。
数年前、旦那さんがお亡くなりになって以降は、奥様が新店主となり、味を守っていらっしゃる。
初訪問したのは一昨年の夏。日雇い労働で飯田橋エリアに派遣された際、昼メシを食べる店を散策していたところ、
こちらの店頭の貼り紙に「本日のサービスメニュー ワンタンメン550円」とあり、吸い寄せられるように入店。
店内のメニューでも、「温玉付 半焼肉丼+200円」という素晴らしい商品を発見したので、併せて注文。
なお、価格は当時のもので、現在は変わっているかもしれない(以下同)。
厨房では店主らしき女性が、腕を振るっており、接客担当の女性がたまにサポートしている。
数分後、「お待たせしました」という声とともに、登場したのがこちら。


真っ黒な醤油スープに、チャーシュー2枚にナルトなどが乗る「ワンタンメン」に、


半分サイズでもじゅうぶんなボリュームで、さらに温泉玉子もつく「半焼肉丼」。これで合計750円とはお得だ!


まずはワンタンメンのスープをズズッと。おお、色こそ黒いけれど、塩分はそんなにキツくない。
さっきの画像では隠れていた、ワンタンもご覧のとおり、たっぷり入っている。


昭和の中華屋さんにありがちな具ナシではなく(笑)、どのワンタンにもお肉が入ってた。
麺は懐かしい中細タイプ。スープの色で、徐々に黒く染まっていくのが面白い。


一方の焼肉丼は、甘じょっばい味付けのお肉に、途中で崩した玉子ちゃんを絡め、ガツガツとたいらげたよ。


全部食べ終わると、すっかり満腹になったので、ちょいとひと休み…したいところだったが、
こちらのお店から派遣先の会社には、往復で40分ほどかかるが、昼休みは60分しかないので、
あわててお会計を済ませ、退店後は早歩きで戻ることに。なんとかギリギリ間に合ったけどね。
実は私、社会のルールは守らないけど(例:労働、納税)、時間だけはちゃんと守るのだ。

数日後、早歩きで五芳斉さんに向かい、今回は「鶏唐揚げとコロッケ ライス付」680円に、
+50円で「とん汁」「半ラーメン」「ワンタン」のどれかが付け足せるので、前回気に入ったワンタンを選択。
失礼ながら、ランチタイムゆえコロッケなどは揚げ置きで、すぐに出てくるかと思っていたが、
ちゃんと注文を受けてから揚げ始めているようで、先にご飯とワンタンが来てからも、なかなかメインが到着しない。


上記のワンタン単品にも、チャーシューやナルトが入っていたのがうれしい。
数分後にようやく、揚げたての唐揚げ&コロッケが完成。先述のように時間がないので、ガツガツと食べまくる。


正直、揚げ物類の味は平凡だったが、やはり、黒い醤油スープとワンタンはウマかった。
いずれにしても、今回も730円というお値段以上に満足できるランチであった。
退店後、この日は早歩きどころか走って帰社。仕事はテキトーだけど時間だけは守るぜ(←仕事もちゃんとやれ)。

3度目の訪問では、醤油味以外のスープも試してみたかったので、「味噌チャーシュー麺」950円を注文。
例のごとく、お母さん店主が厨房で調理を開始。訪問したのが13時半頃と、ランチのピークは過ぎており、
店内の先客にはすべて料理が行き渡っていたので、早く出てくるかと思いきや…またもやなかなか完成せず。
数分後、味噌チャーシュー麺がようやく登場。しまった、予想していたより量が多い(苦笑)。


横からのアングルがこちら。野菜を炒める「サッポロ」スタイルだったらしく、中央にはモヤシがてんこ盛り。


なるほど、これでは時間がかかるはずだ…と、納得すると同時にハシを持ち、丼に挑む。
味噌スープはほんのり甘さを感じる、私の好きな「やさしめ」テイスト。
全部で5枚盛られた焼豚も美味しく、チャーシュー麺にしたのは正解だった。
上記写真では玉子半分とメンマくらいしか確認できないだろうが、具材には炒めた人参や玉ねぎも入っている。
だが、それら以上にモヤシが、『ラーメン二郎』のように多く、食べても食べても減らない。
結局、麺はたいらげたものの、モヤシ少々とスープが残っていたが、時間がないので退散。
この日のお会計は、厨房から出てきたお母さんが対応し、「遅くなってごめんなさいねー」と声をかけてくれた。
「いえいえとんでもない」と返答しお店を出る。と同時に、いいトシこいて路上をダッシュ。
結局今回も、走って帰社するハメに。途中、信号無視をしたかもしれない。
交通ルールは守らないけど時間は守るぞ…イヤ、さすがに信号無視を公言しちゃダメだ。反省。

その後、私は日雇いをやめ、さらにコロナ禍もあり、お店に足が遠のいた。
昨年10月、久々に神楽坂を訪れ、『MARIO』さんでお食事をしたあと、立ち寄ってみることに。
近日中に、東京の飲食店は20時閉店を要請されるが、五芳斉さんはこのときすでに、19時半閉店になっていた。


この日、私が訪れたときは閉店時間ギリギリで、先客はすでにゼロ。
店員さんもお母さんのみだったが、「まだ大丈夫ですからどうぞ」と招き入れてくれた。
入店させてくれたご厚意に応えるべく、たくさん注文したいのだが、いかんせん、オムレツナポリタンを食べたあとだ(泣)。

※『MARIO』さんの「ふわふわオムレツのナポリタン」

なので注文したのは、「びんビール」600円と、この日のお目当てだった「とん汁」250円、
この組み合わせだけでは変なので「アジフライ定食のオカズだけ、ってできますか?」とお願いしてみた。
「できますよ」と了解してくれたお母さんが、ビールとお通しを持ってきて、すぐに厨房に向かう。


お通しは、私の大好きなネギメンマチャーシュー。お腹と時間に余裕があったら、これだけでビールが1本飲める。
しばらくして、いかにも手作りらしい、具だくさんのとん汁が登場。


最初の方で記したように、五芳斉さんは現在、お母さんが亡き旦那さんの跡を継ぎ、店主兼料理長を務めている。
ひとり調理ゆえ、効率を考え「餃子」などいくつかの料理をやめたそうだが、替わりに新メニューとして加わったのが、
中華食堂では珍しい、自家製「とん汁」であった。
実は私、大根が苦手で、こちらでも定食のとん汁をワンタンに変更したりしていたが、
現店主の自信作ならば食べてみよう、イヤ、食べるべきだろうと意を決し、この日頼んでみたのだ。

具材は豚肉、玉ねぎ、人参、ゴボウ、油揚げ、こんにゃく、しめじ、そして大根。


お味噌、野菜、豚肉がそれぞれ、ケンカせずにまとまり、使い古された表現ではあるが、
これぞ「おふくろの味」! 今回はあえて「お母さん中華食堂の味」と呼ばせていただく。
また、油揚げのおかげで、ある程度時間がたっても熱々なのもありがたい。

続いて、「アジフライ定食のおかずだけ」が登場。お会計から逆算したら400円。


大ぶりサイズのアジがふたつで、この価格は安い。調べたら単品は1枚250円だった。
閉店時間が迫り、あわてて食べ進める私に、お母さんから「急がなくて結構ですよ」と声がかかる
「イヤ、もうすぐ閉店時間なので…」と、【時間を厳守するマジメな客】をアピールにする私に対し、
「まだ私も、片づけなどやることがありますし、時間は気にせずゆっくりしていってください」だって。
普段、「早く帰れ」と追い払われることはあっても(笑)、その逆は珍しい。
店主のやさしさに、お腹だけでなく、胸もイッパイになった
なんとか食べ切ったときは、少し閉店時間を過ぎてしまっていた。繰り返しになるが、とん汁は最後まで温かかった。
お会計で「今度はもっと早い時間に来ます」とお母さん店主に告げて退散。
満腹で、ズボンのファスナーが閉まらない状態のため(恥)、帰路は神楽坂をゆっくりと下った。

以上のように、私が五芳斉さんを訪問したときは、毎回時間に追われていた。
約束したように、次回は「もっと早い時間に」入店し、お酒と料理をゆっくり楽しみたいと思っている。
とん汁とワンタンの双方を注文したいが、汁ものダブルは変かね。
変といえば、お店の斜め向かいに、ちょっと気になる店舗が存在する。


『ろくでもない喰いもの屋 くま』。B級グルメマニアの心をくすぐる屋号ではないか。
五芳斉さん共々、近いうちに行ってみたいお店だよ。



五芳斉(ごほうさい)
東京都新宿区榎町41
地下鉄神楽坂駅から徒歩約5分、江戸川橋駅から徒歩約10分、飯田橋駅から徒歩約20分、
早稲田駅、牛込神楽坂駅、牛込柳町駅からもそれぞれ徒歩圏内
営業時間 11時~15時、17時半~19時半
定休日 土日祝日、年末年始など
※閉店時間ギリギリの入店はやめましょう
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アウェイでも通ってしまうハイカロリー食堂 国分寺『淡淡』

2020年12月25日 | 中華食堂
コロナ騒動を一瞬でも忘れたい、華やかで胸躍るクリスマスの日。
それなのに、拙ブログはハイカロリー食堂の紹介(苦笑)。昨年はペヤングについて語っていたし。
お店は、国分寺にある『淡淡』さん。ガッツリめしの食堂として、地元の腹ペコ学生やガテン系職人、
はたまた近隣に住むメタボ親父(私だ)たちから、長年支持されている食堂である。

場所は、駅北口を出て東へ向かい、濃厚家系ラーメン店『武道家』さんを過ぎたちょっと先。
餃子酒場『谷信』さんと同じ建物(ホテル)の1階部分に、店舗がある。
名物は「肉あんかけチャーハン」や「焼肉丼エッグ」。ご飯の量も一般的なお店より多い。


目玉焼きが乗る焼肉丼エッグは、過去に食べたことがあるので、最近の写真はない。
代わりに、2年ほど前に登場した、「焼肉丼スクランブルエッグマヨ」720円の画像を掲載する。


おそらく、目玉焼きバージョンと味付けや使用食材は同じだと思う。
マヨネーズのかかった炒り玉子の下には、濃いタレで味付けされた豚焼き肉。
あの「すた丼」でさえ、少しはネギが入るのに、こちらは本当に肉だけ。


無論、生野菜サラダなども付かない、潔い男メシである。それが原因か、女性客はほぼ来ない
淡淡さんは、飲んだあとのシメには少々(かなり、か)重いので、数年に一度利用するのみだったが、
最近は、西武線で隣駅の一橋学園『なにや』さんで、チャーシューを購入した帰りに、ランチで利用することが増えた。

※何度でも書くが、なにやさんのチャーシューはべらぼうにウマい

先日は、もうひとつの名物である「肉あんかけチャーハン」+チーズ870円を頼んでみた。


横からのアングルはこちら。わかりづらいが、結構な大盛である。


さっきの肉+玉子+マヨに負けず劣らない、「肉+チャーハン+チーズ」というわんぱくな組み合わせ。


ひき肉は、濃い味のタレで味付けされており、チーズと合わされば見た目どおりの超こってりメシだ。
そんな濃厚メシの口直しに…ならないのが付け合わせのスープ。
ラーメン用スープの流用だと思われるが、ご覧のように、油が浮いたぎっとりタイプ。


肉&チーズ、そして下部のチャーハンもしょっぱいのに、ギトギトのスープでトドメを刺される
食事中も食後も、異様にノドが渇いたため、セルフサービスの飲料水を飲みまくった。

その次の訪問は、13時過ぎの入店でランチタイムのピークを過ぎていたため、
「ビール」530円と「ギョーザ」300円を注文し、得意の昼酒を楽しんだ。


ビールは中瓶、餃子は1人前6個。この日は焼き色がやや薄いが、300円とは良心的価格。
そういえば、最初の方で載せた、焼肉丼など名物メニューの裏面も、ここで紹介しておく。


「タンタンラーメン」とは担々麺ではなく、お店の屋号から名付けたもので、ネギラーメンみたいな商品だった記憶がある。
「ラーメン」単品がなかったり(昔はあった)、トッピングの先頭が「マヨネーズ」30円なのも面白い。
餃子を食べ終わりそうな頃、シメとして「四川風焼きそば」650円を追加オーダー。


キャベツ、モヤシ、ニラなどの野菜に豚肉少々を細麺と絡め、ピリ辛調味料で味つけしてある。
シメにもビールのツマミにもなる料理で、我ながらいいチョイスだった。

そして本日、なにやさんでチャーシューを購入した帰りに、久々にランチで利用。
注文したのは「チャーハン+ラーメン」690円。いまどき、ラーメンだけでも700円超えが当然なので、破格である。
あと、クリスマスでもW炭水化物を選ぶ自分が、実に男らしいと思う。
この日は、いつもいるバイト君が不在で、忙しいランチタイムにもかかわらず店主のひとり営業。
あのバイトめ、クリスマスだからって店をサボって、彼女とイチャついてやがるな(※あくまで、私個人の推測です)。
店主はチャーハンなど大量の炒め物の合間に、会計、配膳、食器洗浄までやるハメになり、少々気の毒だった。
客足が絶えぬ中、店主は5~6人分のチャーハンや麺類を一気に作り、テキパキと配膳。
こちらがその、「チャーハン&ラーメン」だ。


実はチャーハンだけ先に来たので、上記画像は、ひと口食べたあとラーメンと一緒に撮影したものである。


淡淡さんでは「半チャーハン」にあたる量だが、一般的なお店の並と、あまり変わらない量である。
具材は玉子、ネギ、チャーシュー、そしてメンマを細かく刻んだものも混ざっている。
チャーハンは過去にも何度か食べたことがあり、味が濃いのは知っていたが、
店主の孤軍奮闘だったこの日は、時折、メチャクチャしょっぱい部分があったりした。
まあ、その部分は「当たり」だと思うことにして(?)、ムシャムシャ食べ進めたけどね。
その代わり、ご飯はパラパラで「これぞチャーハン」とうなる好仕上がり。さすがはプロである。

一方こちらは、現在はメニューにないラーメン単品。茹でた白菜が入るのは珍しい。


白菜の他はモヤシ、メンマ、ネギでチャーシューは見当たらず。まあ、お得価格のセットだし文句はいえない。
スープにはたっぷりの背脂が浮いているものの、塩分自体は控えめ。
ただし、しょっぱいチャーハンで普段以上にバカ舌になっていたため、本当に「塩分控えめ」なのかは自信なし。
ひとり営業で大変そうな店主の、ちょっと手が空いたスキを見計らい、お会計をお願い。
「ごちそうさまです」と挨拶して退店したが、「メリークリスマス!」とでも告げればよかったかな。
「うるせえ、今はそれどころじゃねえ!」って怒られそうだけど(笑)。

繰り返しになるが、こちらのランチタイムは、最近は男性店主とバイトらしき若い店員のふたり回し。
店主は終始、忙しそうに鍋を振っているが、注文など最低限の受け答えはしてくれるし、
さっき書いたように「うるせえ!」などと怒鳴ったことは当然ない。また、接客担当のバイト君も愛想は悪くない。
では、なぜ今回のブログタイトルに「アウェイ」の文字を入れたかといえば、
淡淡さんは早稲田実業の近所であり、野球部御用達らしいから、である。

長くなるので省略するが、日大三高野球部の大ファンとしては、早実野球部はどうしても許せない存在である。
世間のイメージはともかく、早実野球部は以前、三高との試合で何度か、アンフェアなプレイを仕掛けてきたのでね。
くわしくは、小林信也氏の著書「高校野球が危ない!」を読んでいただきたい。
小林氏は、カツラ愛用者なのが残念だが(←余計なコトを書くな)、尊敬するライターのひとりである。

幸か不幸か、私自身は早実野球部の連中と店内で遭遇したことはない。
だがしかし、淡淡さんには厨房を囲むカウンター席と、厨房から離れたテーブル席があり、
うっかりテーブル席に座らされると、下記画像のような早実野球部のペナントや、


歴代OBのサイン色紙が飾ってあるのを目の当たりにしなくてはならない。

※別の位置に、ハンカチ王子のもあったけど、あえて撮影せず

これは要するに、阪神ファンが巨人軍のグッズを眺めながら、メシを喰うようなモンである。屈辱!
ただ、こちらの安くて味濃くてハイカロリーなメシは、その屈辱を耐え忍んででも食べる価値があるのも事実。
なので私は今後も、なるべくカウンター席が空いているときを狙い、淡淡さんでメシを喰うつもりだ。
今度もしテーブル席になったら、こっそり三高ペナントとすり替えよう…というのは怒られるのでやめておく。
そもそも、国分寺の飲食店では、早実野球部のサイン・ペナントの掲示率は高いので、イラ立っても仕方ないのだが。

むしろイラ立ったのは、先日の秋季東京都大会の三高野球部の試合ぶりだ。
決勝まで進出したのはいいけれど、よりによってあんな結果になるとは…(嘆)。
日大三の試合については、近日中に振り返る予定である。



淡淡
東京都国分寺市本町2-4-5 千成ホテル「味の名店街」フロア内
国分寺駅北口から徒歩約3分
営業時間 11時~14時半、18時?~21時?
定休日 日、祝ほか不定休
※上記の夜の営業時間は推定です
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カップ麺を出す中華食堂!? 高尾『リバティ』

2020年10月22日 | 中華食堂

昨年、母校野球部の試合を観戦するため、八王子球場に足を運んだ。
母校は快勝し、試合後は一緒に観戦した先輩と、西八王子駅近くのチェーン系居酒屋で祝杯。
いかにもチェーン店らしい、クオリティの低い接客と料理(案の定、すでに閉店した模様)に不満を抱き、
ひたすら安い酒をがぶ飲みし、結構酔っぱらったところでお会計。
先輩は帰宅したが、ろくにツマミを喰わず腹が減っていた私は、近くの中華食堂でメシを喰うことにした。
そのお店の名前は『リバティ』。西八王子駅から高尾方面へ、てくてく歩いていくと見つかる。


こちらお店を知ったのは、多摩地区のラーメン店を紹介している有名ブログにて。
そのブロガーが掲載したメニュー表に、ちよっと興味を引く商品があったのだ。
まずはメニュー表を掲載。初訪問以降、消費税率引き上げやコロナ禍もあったが、現在もこの価格を維持なさってる。


上記が麺類で、こちらはご飯ものや単品料理など。


メニュー表の上部分に、横山弁護士引っ越せおばさんの画像があるのも気になるが、


私が、先述のブログで注目したのは、表の一番下にあったメニュー。


セットにすると カップラーメン付で 150円増し!
要するに、ご飯ものに+150円でカップラーメンが付いてくるという、衝撃のセットなのである。
山小屋や海の家、あるいは私の人生初バイトである雀荘(←初バイトがここかよ)などでは、
カップ麺を提供することはあるが、中華食堂で出すとはビックリだ。

店内はカウンター席のみで、店主男性のひとり営業。
すでに酩酊していたくせに、びんビール500円と「餃子」450円を注文。
待っている間、多数の漫画が設置されたコーナーから、昔懐かしい「ビー・バップ・ハイスクール」を拝借。
このあたりは、いわゆる昔ヤンチャだった人種が多く、他の客にナメられないよう、この漫画を選択したのだが、
そもそも、いいトシこいて「ビーバップ」を読んでいる方が、かえってみっともない気がする。
まずはビールが提供され、しばらくすると餃子が焼き上がった。やや大ぶりサイズが5個。


正直、ビールのせいで酩酊から泥酔モードに突入したため、具材などはあまり覚えていないが、おいしかったことは保証する。
酔ってはいるけど、カップ麺の正体を確認すべく、「スタミナ丼」と「カップラーメンのセット」850+150円を追加注文。
日清「カップヌードル」か、それとも安っぽいマイナー商品か…不安と期待(?)の中、出てきたのがこちら。


カップラーメン=マグカップに入った自家製ミニラーメンであった。
考えてみれば、プロの中華屋さんが、カップ麺を出すはずないよな。
カップラーメンは、醤油スープに、ネギとモヤシと刻んだ肉に麺。読んでいたビーバップと一緒に記念撮影。


スタミナ丼は、肉多めの肉野菜炒めを、濃口のタレで味付けたものがたっぷりと盛られている。


写真がヘタでわからないだろうが、ご飯も具材もかなり多い。なので、咀嚼しているうちに、どんどん酔いが回ってきた。
酔って記憶をなくす前にと、先にお会計を済ませた。それぐらい、泥酔していたのだ。
時間はかかったが、大盛のスタ丼も、付属のカップ麺も、なんとか食べ終えた。
「すみません…お会計…」という私に、「もういただいてますよ」と笑顔で応じてくれる店主に、
「ああ、そうでしたね、すみません」と謝りながら退散。この日の私、酔いすぎだ。
さっき書いたように、店主も昔はワルかったかもしれないが(失礼)、丁寧な調理と応対をしてくれ、好感が持てた。
帰りも西八王子駅まで歩き、中央線に乗り込んだ途端に爆睡。西八王子から立川は約14分の距離だが、
当然のように寝過ごしてしまい、気づいたときは新宿。乗車から約1時間経過していた(泣)。

リバティのカップ麺(←この表現は誤解を招くか)の謎は解けたが、他にもウマそうなメニューがあったので、
最近もちょくちょく通っている。なお、さきほどは「西八王子駅から歩いてすぐ」のような記述をしたが、
それは大きな間違いで、シラフで歩いても26分かかった
帰りに高尾駅へ歩いてみたら約10分で着いたので、JR利用者はそちらのルートを推奨する。 ※一番近いのは京王線の狭間駅
最近はコロナ対策で、客席の間にアクリル板が設置されている。値段が変わってないのは先述のとおり。
以下で、最近食べたメニューを紹介していく。なお、繰り返すが撮影の技術が未熟なゆえ、
実際の料理は、画像よりもだいぶ多いと解釈していただきたい。

こちらは、カップではなく、丼に入った「チャーシューメン」880円。


カップラーメンのときは気づかなかった、背脂がたっぷりと入る、私好みのビジュアルだ。
大量の背脂の割には、スープ自体はそれほど濃くなく、むしろあっさりした味わい。
チャーシューの下に隠れた麺は、自家製のストレート。これが妙に量が多く、啜っても啜っても減らない。


チャーシューはもちろん美味しいし、食べ終えたあとは相当な満足感が得られる。
続いては、ビールのおつまみに頼んだ「とりとピーマン炒め」750円。


鶏肉、ピーマン、タケノコと、チンジャオロースに似た食材構成で、炒め具合や味付けも絶妙。
しかも、実はこのお皿がかなり大きく、『餃子の王将』で出す一品料理の1.5~2倍の量がありそう。
リバティさんは全体的に大盛りなので、ひとり酒には向かないかもしれない。

先日は「おつまみ唐揚」450円をオーダー。値段が手頃だしネーミングからも、そんなに多くないだろうと予測。
で、出てきたのがこちら。甘酸っぱいタレと刻みネギがかかるユーリンチー風…というか、やっぱり多い!


『日高屋』にも「おつまみ唐揚げ」というメニューがあり、これは普通サイズの唐揚げが3個(240円)。
一方、リバティさんのは、さっきの「とりピーマン」と同じサイズの鶏肉を流用していると思われ、
一般的なサイズより小さいが、おそらく30個分くらい使用している。推定、日高屋の唐揚げ10個分である。
ビールが3~4本空いてしまいそうな量だが、最近は飲んだあと食べられなくなっているので自重。
この日のシメは、お店の屋号がついた「リバティメン」830円。店主に「辛いですよ」と念を押された。
しばらくして、カップラーメンとは比較にならず、チャーシューメンよりもデカい丼がやってきたではないか。


汁なしタイプなので、例のマグカップに入ったスープがついてきた。
上からのアングルがこちら。人参、ニラ、玉ねぎ、シイタケ、豚肉を炒めたものに、刻み海苔が添えられる。


丼に顔を近づけてると、唐辛子を炒めたような辛い匂いがする。食べてみると、結構しんどいレベルの辛口だった。
だが、麺がかなり多いので、ちょっとの具材+たっぷり麺で食べ進めることが可能なのだが、今回もやはり麺が減らない。
チャーシューメンの倍、麺を2玉(普通の店の3倍に該当)使っているのでは? 丼がデカいワケだ。
マグカップスープに麺を付けたり、さっきのおつまみ唐揚を具材に加えたりして、なんとか全部食べ切った。
麺類は+100円(ご飯ものは+50円)で大盛りになるそうだが、私には絶対無理。

最後に紹介するのは、デザートの「杏仁どうふ」200円。ここでもマグカップが大活躍だ。


生クリームが注がれた杏仁豆腐で、油っこい料理の口直しに最適。値段が安いのもありがたいよ。

以上、リバティさんの料理をいくつか紹介してきたが、どれも味ヨシ量ヨシの逸品揃いである。
少なくとも、「カップ麺を出す変な店」という印象は薄れたはず…そんな失礼な印象を抱いていたのは私だけか。
店主は炒め物が得意なようなので、次回は「チャーハン」を食べたいが、「上海ヤキソバ」も気になるね。

そういえば、今月18日(前日が雨天で延期のため)から、秋季東京都高校野球の本大会が開幕。
我が母校日大三は、初戦を13-3(3点も取られるなよ…)で勝ち上がり、2回戦・ベスト32に進出。
次戦は今度の土曜24日、八王子球場で行われる予定なので、帰りに寄ってみようかな。
リバティさんも三高野球部と同様、末永く応援していきたいお店である



中華そば リバティ
東京都八王子市東浅川町528-7
JR高尾駅から徒歩約10分、西八王子駅からは約26分、八王子市民球場からは約36分 京王線狭間駅からは推定約5分
営業時間 11時半~14時、17時~23時
定休日 水曜、その他不定休あり
※夜の営業時間は、店主に教えてもらったので間違いないです


※※残念ながら、閉店なさった模様です
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懐かしの「どさんこ」で食べる 西武柳沢『どさん子』

2020年09月20日 | 中華食堂
以前、つけ麺大王出身の早稲田『大王ラーメン』を紹介したとき、
“つけ麺大王とは、『どさん子(娘)』と並ぶ「昭和の懐かしラーメンチェーン」の一角で…”と記したのだが、
実は私、どさん子については近年まで、「昔、そういう名前の店があちこちにあった」程度の知識しかなかった。

私の地元・立川市にも、今から40年以上前、現在ウインズがあるあたりに、店舗があった記憶がうっすらとある。
だが、私はそのお店に入ったことはなく、唯一の利用が、やはり今はもうない神奈川県相模原市の淵野辺店。
高校時代、淵野辺が我が母校・日大三の最寄り駅だった関係で、同級生3人でたまたま立ち寄ったのだ。
この数時間前、3人のうちひとりが、クラスの女子に交際を申し込むも玉砕してしまったため、
どさん子ラーメンを食べながら、「ほら、ラーメン喰って元気出せよ」と、私と友人で彼を慰めたのだ。
内心ではふたりとも「ヒヒヒ…ざまあみやがれ(笑)」だったのだが。
ちなみに、そのとき食べた味噌ラーメンは、しょっぱくて全然ウマくなかった記憶しかない。

さて、そのどさん子グループは、『どさん子』『どさん娘』『どさん子大将』の三派がある。
どうやら、元はみんな一緒だったのだが、いろいろあって分かれたらしい。その後、さらにいろいろあって、
どさん娘はどさんこではなく、「どさんむすめ」と読ませるようになったらしい。それは知らなかった!
私がのけぞるほど驚いた(←昭和の表現)上記情報、みなさんの感想はいかがだろうが。
1.知っていた 2.知らなかった 3.どうでもいい  
…まあ、集計するまでもなく、99%の方が3を選択するだろうが。
先述した立川南口と淵野辺の店は、子か娘か記憶なし。だいぶ昔のことなので、ネット検索してもヒットせず。
ちなみに立川駅の北口、現在の泉体育館の近くに、かつて『どさん子大将』があったそうだ。

最近はすっかり見かけなくなった、本家『札幌ラーメン どさん子』。HPで調べたところ、都内の現存店舗は9店。
他にフランチャイズもあるのだろうが、9店舗とは少ないね。内訳は、7店が23区内にあり、
残るふたつが、西東京市の西武柳沢と新島。多摩に1店舗しかないことと、新島に支店があることにビックリ。 
淵野辺店の記憶はほとんどないので、初めてのどさん子を味わうべく、西武柳沢に向かった。

西武新宿線に乗り、人生で初めて下車した西武柳沢駅。
駅前で最初に見た光景が、シャッターの下りた建物の数々。日曜日とはいえ、18時台にこれはさみしい。


お目当ての『どさん子 柳沢店』はすぐに見つかった。


店内はL字カウンター席のみ。厨房には、息の合ったおじちゃん店員がふたり。
卓上メニューはこちら。麺類の一番先頭(右端)はやはり、お店自慢の「札幌みそラーメン」だ。


この他、チャーハンや各種定食、さらに麺類+ご飯もののお得なセットもある。
まずは、ビール中びん640円に、“おすすめ品”の「柳沢餃子」350円と「えび餃子」420円を注文。
まずはベーシックな柳沢餃子。中身は肉多めで、ややパサついている。
    
※右の画像はクリックで拡大

一方のえび餃子は、「エビカツ」の中身に野菜を加えたようなタイプ。私はこっちの方が好き。
    

どちらも味は淡泊なので、卓上の醤油や、おろしニンニクを加えた方がよさそうだ。
ビールを2本飲み終えシメをオーダー。どさん子自慢の「みそラーメン」にするべきだろうが、
私の注文は「コーンスープラーメン」620円。味噌汁よりコーンスープが好きなのでつい…。
出てきたのがこちら。見た目は確かにコーンスープだ。


まずはレンゲでスープをひと口…おおっ、なかなかウマいぞ!
コーンの甘味と加えられた塩分、それにスープの旨味が加わり、違和感のない商品に仕上がっている。
麺は、札幌ラーメンらしく、黄色くて縮れているヤツを想像したが、普通の中細麺だった。


具材にメンマやチャーシューはなく、コーンと人参とグリンピース。あと缶パセリかな。
冷凍食品のミックスベジタブルっぽい具材に、自家製とは思えぬコーンスープ、
さらに麺も平凡なのだが、基本のスープがいいのか、全体的にうまくまとまっている。
なるほど、このスープならどんな味でも合いそう。当然、味噌を溶いてもウマいはずだ。

コロナ騒動のせいで数ヶ月間隔が空いたが、再び西武線に乗りどさん子へ。
それぞれの席の間には、密にならないようプラスチックの衝立が設置してあった。
ただ、これは可動式らしく、客が勝手に動かしたのか、右端の席だけ異様に狭くなっていた(苦笑)。
この日は、ホワイトボードに記載してあった「角煮」370円でビールを飲んだ。


上の白髪ネギをよけたのがこちら。ラーメンのトッピングや定食にもなる角煮は、なかなかウマかった。


ハシゴする予定なので、酒はやめてシメのお食事。ハシゴするのにメシを喰うなって?
この日の注文は今度こそ、どさん子自慢の「札幌みそラーメン」…ではなく、


上記は「札幌カレーラーメン」670円であった。味噌汁よりカレーソースが好きなのでつい…。
具材はコーン、もやし、メンマ、ワカメ、ネギに、スープに沈んでいるひき肉が少々。
さらに、いつものように、残った角煮がゲスト参加。よく見ると、カレーのせいでスープが黄色いでしょ。


ひと口めは意外と辛いが、クセになる味わい。モヤシと一緒に、ズズッと麺をすする。
麺だけでなく、ベースのスープも、おそらくコーンスープラーメンと同じ。
カレーに負けず、むしろ辛味や香りを引き立てている。さっきも書いたけど、基本のスープがいいね!
気付けば、麺や具材だけでなく、カレースープも全部飲み干していた。
失礼ながら、実際に食べるまでは、時代遅れのラーメンを出しているのではと疑っていたが、
どさん子は、今食べてもイケる
むしろ、飲んだあとや、最近の濃厚ラーメンが苦手な方には、ぴったりのテイストかも。

退店後、西武柳沢駅の上りホームから、どさん子のすぐ隣の店舗を撮影。


看板は「やきとり かっぱ屋」のままだが、現在は『台湾小料理屋 美華』らしい。
だが、店内からはスナックのように、おっさんが歌うカラオケが思いっきり漏れており、もはやナニがナンだか(笑)。
駅前はさみしく隣店は怪しく(失礼!)、好立地とはいえないけれど、どさん子柳沢店様、今後も頑張ってください。
次回は必ず、写真の「札幌みそラーメン」をいただきますので!

※どさん子HPから借りてきた

あと【どさんこ巡りシリーズ】、いつか第2弾を、『どさん娘』か『どさん子大将』でやる予定なのでよろしく。



どさん子 柳沢店
東京都西東京市保谷町3-11-4
西武新宿線西武柳沢駅より徒歩約40秒
営業時間 11時半~15時半、17時半~21時
定休日 木曜
※営業時間は訪店時(8月下旬)のもの
※どさん子HPのメニューとはだいぶ異なっています


追記 残念ながら、2022年1月9日で閉店なさったようです
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幻の逸品「とつげきラーメン」 代々木八幡『天下一』

2020年07月05日 | 中華食堂
タイトルの「とつげきラーメン」の前に、『天下一』というお店について説明しておく。
天下一とは、マニアが通うような店ではないが、そこそこメジャーなラーメンチェーンであり、
拙ブログで何度も取り上げた、こってりラーメンでおなじみ『天下一品』と似た名前だが、別グループである。

※2ヶ月前、久々に地元立川店で食べた、「サービス定食・コーン増し」

最盛時は、天下一とは異なる屋号のお店を展開したり、他のグループも傘下に入れるなど勢力を拡大。
以前、この記事の冒頭でちょっと触れた、ラーメン評論家の石神秀幸が監修したガイドブック内の座談会では、
「関東のラーメン店のトップは、実は天下一グループかも」と語られている。
現在は、『すき家』で有名なゼンショーグループに入ったようだが、HPによると、
いまも『天下一』の屋号で営業している、ゼンショー直営店はわずか5店舗。しかもメニューなどは一切掲載しておらず、
やむなく、サイト下記の「天下一公式サイト」をクリックすると、別の屋号のラーメン店に飛ばされる手抜きぶり。
アンチすき家の私にとって、ますますゼンショーが嫌いになる、ヒドイ扱いである。

私が天下一を知ったのは、今から30年ほど前。
幡ヶ谷駅前の居酒屋で飲んだあと、近くにあった幡ヶ谷店に入ったのが最初で、その後も何度か飲みのシメに利用。
以降も人形町(閉店)、新橋、門前仲町、飯田橋、代々木などの支店にも足を運んでおり、
ちゃんと数えたわけではないが、天下一には通算70回以上訪問していると思う。

以下で、天下一の主な特徴を上げる。メニューや価格は各店舗で異なるが、下記については私が知る限り共通のはず。
○メニューが豊富で、ラーメン店というか中華食堂
麺類だけでも醤油、味噌、塩、担々、つけ麺、焼きそばと多彩。ご飯ものや定食などのメニューも揃っている。
○全体的にボリューミーで味濃いめ
大部分の料理が、量も味つけも若者・肉体労働者向けであり、シラフで食べたらキツかった。
○麺類を注文すると、半ライスがサービス
今でこそ、家系ラーメンなどでよく見かけるサービスだが、どの時間帯でもご飯が付く店は、30年前は希少であった。
○焼餃子がジャンボサイズで、「半餃子」というメニューがある
私が通っていた頃の幡ヶ谷店は、餃子1人前=「大餃子」が6個500円、「半餃子」は3個280円だった記憶がある。
○「ホンコンラーメン」というメニューがある
具のない醤油ラーメンの上に、豚肉とキャベツを甘じょっばいタレで炒めたものと、目玉焼きが乗る、
要するに「ホイコーローラーメン」である。参考画像として、飯田橋『えぞ松』の「回鍋肉玉麺」を掲載。


他にも、「ラーメン餃子専科」の看板、深夜0時までの営業なども挙げられるが、これらは幡ヶ谷など一部限定であった。
そしてもうひとつ、私が勝手に全店共通だと思っていたのが、
○「とつげきラーメン」というメニューがある、だ。
私がとつげきラーメンを食べた記憶のある店は、幡ヶ谷と新橋、そして今回紹介する代々木八幡店のみ。
ただし、幡ヶ谷店は数年前に閉店し、新橋店は今は提供しておらず、代々木八幡店が最後の砦となる。
なお、代々木八幡店はゼンショーHPに載っていないので、どうやら無関係の模様。

昨年の今頃、久々に新橋店に入ってみたところ、とつげきラーメンがメニューから消え、
さらに餃子が690円に値上げしていた(物価的にはおかしくないが…)のにショックを受け、
数日後に代々木八幡店を初訪問。JR代々木駅から徒歩で向かったら、予想以上に遠くて疲労困憊(苦笑)。
ノドが渇いたのでまずは生ビール450円、そして大餃子=こちらの名称では「ジャンボ餃子」を注文。
こちらが料理メニューの一部。そうそう、6個450円くらいが天下一餃子の価格だよ。

※チンジャオロースが意外と高い

しばらくして、餃子が焼き上がった。ひと口では食べ切れない大きめサイズだ。


中身はこんな感じ。野菜多めのオーソドックスなタイプ。


大きさ比較のため、爪楊枝も置いてみたが、あまり意味ないかね。
なお、麺類メニューはご覧のとおり。先述したように、バリエーション豊富でしょ。


真ん中のやや下にホンコンラーメン、そして右の上から2番目に、とつげきラーメンの表記がある。


ここまであえて明かさなかった、幻の逸品こと「とつげきラーメン」の正体とは、
「餃子の具 玉子とじスープ」ラーメンのことであった!
書いてしまえば簡単だけど、一般的な中華食堂では、まず見かけないメニューだよね。
メニュー表の説明に補足すると、スープは塩味で、メンマやチャーシューなどの具材はなし。
餃子の中身(肉・ニラ・キャベツなど)だけをふわふわ玉子でとじ、塩スープに泳がせる。
私が若い頃は、天ぷらソバに天ぷらを追加するかのこどく(前回日記参照)
とつげきラーメンに半餃子or大餃子を追加し、無料のご飯と一緒にガツガツ食うのが常であった。

生ビールを2杯飲み干し、3杯目と同時のタイミングで、久々となる「とつげきラーメン」700円をオーダー。


正直、見た目はハデではないし、いわゆる「インスタ映え」とは対極な料理である。
いざ食べてみたところ、「ホラ、やっぱりおいしい……けど何かが違う!」と感じた。
まず、スープに浮かぶ溶き玉子が少ない。おそらく、玉子の溶液を、中華のお玉で1回すくっただけでは? 


幡ヶ谷店は倍のお玉2回分はあったはず。玉子好きとしてはやはり、もうちょっと欲しい。
もうひとつの理由として、塩スープが進化している
以前の化学調味料丸出しのスープから、魚介ダシ(貝のダシも?)の効いた、良質なスープに変わっていたのだ。
最近の流行に合わせたのだろうが、個人的には、以前の下品な味の方が好きだったな。
だいたい、餃子の中身を玉子でとじて麺に乗せるなんて、上品とはいえない調理法だしね。
最後は、いつもやったように、余った餃子も仲間入りさせ、全部食べ切った。


過去の記憶とはやや異なったが、天下一さんは餃子自体のクオリティが高いので、結局は満足してしまうのであった。
とにかく私は、この「とつげきラーメン」という料理が好きで、『餃子のO将』でのバイト時代には、まかないで自作したことも。
ただ、O将の餃子にはラードがたっぷり含まれているため、完成品は舌が焼けるほど熱々であった。
数年前には自宅でも、とつげきラーメン(サッポロ一番 塩らーめん使用)を自作し、ガラケーで撮影。


見た目はよろしくないけど、サッポロ一番独特のチープな麺と餃子がマッチして、そこそこ美味しかったよ。

なお、私が知る限り、天下一の店舗で餃子がもっとも安いのは、飯田橋店だと思われる。


上記画像の撮影当時で6個290円、現在でも300円らしい。この大きさでは破格でしょ。
ちなみに飯田橋店は、数年前には年頭の1月2日にも営業しており、驚くことにランチサービスまで実施していた。
下記の「味噌バターコーン+半チャーハン」で590円。ひょっとして、前日の元日も営業していたかも?

※味は価格相応

そんな飯田橋店、そしてとつげきラーメン最後の砦である代々木八幡店も、
今日「食べログ」を見たら、どちらのお店も掲載保留=閉店の疑いありとなっている。
まさかと思い、代々木八幡店に電話してみたところ、「お客様の都合で、通話ができなくなっております…」の案内が。
とつげきラーメンは、本当の意味で「幻の逸品」になってしまうのか!? 

追記 9月5日に食べログを再確認したところ、代々木八幡店も飯田橋店も、掲載保留の表示が消えていたのでひと安心。


追記2 代々木八幡店は残念ながら、2021年8月28日で閉店しました


天下一 代々木八幡店
東京都渋谷区富ヶ谷1-53-3
小田急線代々木八幡駅、地下鉄代々木公園駅より、それぞれ徒歩約1分 JR代々木駅からは徒歩約36分…
営業時間11時~0時
定休日 不定休
※飯田橋店の住所は東京都新宿区揚場町1-13
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100周年、そしてその先も。 立川『四つ角飯店』-後編-

2020年04月24日 | 中華食堂
前回に引き続き、私の地元立川の老舗中華食堂『四つ角飯店』さんを紹介。
今回は移転前、本当に四つ角にあった旧店舗時代を振り返ってみる。後編が過去というのも妙だが、許しておくれ。
移転前の営業は2013年1月末まで。営業最終週は、大行列ができていた。

私が初めて四つ角飯店さんの存在を知ったのは、小学生になったばかりの頃。
母親との買い物帰り、たまたまお店の前を通りかかり、お土産餃子を買ってもらった、と記憶している。
当時は1人前200円で、現在と同様、5の付く日は半額の100円だった。
その後も、何度か夕飯のオカズとして餃子を買ってもらったり、成長した頃には、ひとりでお店に行ったことも。
訪問するのはもちろん餃子半額の日で、注文するのは餃子2人前とライス、以上!
ライスの値段は覚えていないが、確か100~150円くらいだったはずで、お会計は300~350円となる。
母親からメシ代として500円もらい、お釣りをちょろまかすのが常であった。

その後は、市外で遊ぶことが増え、社会人になってからはラーメン屋を巡るようになり、利用回数が減少。
四つ角飯店さんだけでなく、中華食堂にはあまり興味を示さなかった、あの頃の自分を叱ってやりたい。
再び、通うようになったのは、サラリーマン生活に見切りをつけ(会社に見切りをつけられた、ともいえる)、
フリージャーナリストというか無職に転身した、21世紀の初頭から。食堂で飲む楽しさを知ったのも、この頃だ。
仕事はないしお金もないが、ヒマはある。そんな私をいつでも温かく(?)迎え入れ、昼酒とメシを提供してくれたのが、
基本年中無休、さらに中休みナシの四つ角飯店さんだったのだ。
前編でも書いたが、ちょうどこの頃、立川駅周辺の開発が進み、私の望まぬ方向に進んでいく街の風景に反し、
ガキの頃と変わらぬ渋い外観で、四つ角にたたずんでいる、こちらのお店が、たまらなく愛おしかった。

昔は、撮影する習慣がなかったため、私が保持している旧店舗の画像は下記の旧ガラケーで撮影したものだけ。

※手前のおばちゃんが通り過ぎてから撮影すればいいのに…

見づらいだろうが、看板には「1日1食中華食」「餃子の日 毎月5日15日25日」と、現店舗に引き継がれたコピーが躍り、
「謝謝」の文字が入ったのれんがある入口の右側には、「餃子」ののれんが舞う、テイクアウト専用窓口があり、
お持ち帰り餃子を求める客の行列が、画像の外まで続いている。ちなみにこの日は、12月25日だった。
年内最後の5の付く日=半額とはいえ、クリスマスに餃子で行列!?
実は、客の一部はクリスマスではなく、年末年始のために、生餃子を大量(20~50人前)に買い込んだようだ。
撮影直前まで、彼らの買い物や会話を、間近で見聞きしていたのだから間違いない(←お前も並んでたんじゃねえか)。

入口脇に持ち帰り用窓口があり、そのすぐそばに餃子の焼き場があるのは、旧店舗も現店舗も共通。
ただし、現店舗は厨房内に焼き場があるのに対し、旧店舗は、厨房が店内奥にあり、餃子焼き場は独立していた。
結果的に、換気が不十分で、客席にも油が飛び散るため、床や壁は結構ベタベタであった。
マズいことに、「ほぼ年中無休・中休みナシ」なので、正直、清掃も行き届いてなかったはず。
さきほど「昔と変わらぬ渋い外観」と記したが、要するに、店内外ともにキッタナイお店だったのである。
ただ、そのキタナさというか乱雑さが、居心地の良さを醸し出していたともいえる。※あくまで個人の意見です

ここで、ちょっと話題を変えて。かつて存在した従業員について。
5の付く日はとにかく餃子の消費量が多く、店員さんたちが休む間もなく餃子を包んでいるのは、今も昔も一緒。
だが、旧店舗時代は、ベテラン店員が瓶ビールを飲みながら餃子を作成しており、
自分だけでなく、若いバイト店員たちの分までグラスを用意し、「いいから飲め飲め」と注いで回っていた。
繰り返すが、こちらのお店に中休みはなく、客(=私)の前で行われていた行為である。

創業昭和2年の老舗ゆえ、以前はこの店員だけでなく、後述する店主よりも年長と思われる方が数名働いていたが、
中には残念ながら、「昭和の悪しき時代の飲食店」を体現する、勤務態度の店員もいた。
厨房で、くわえタバコのまま中華鍋を振る職人、なんてのはマシな方。
あるとき、私が入店したところ、瓶ビールと飲みかけのグラスを前に、すでに赤ら顔の先客と目が合った。
そいつは、私に向かってなぜか「いらっしゃい」と声をかけてきたが、メンドーな酔っぱらいかと思い無視。
ホールの店員さんも、他の客の応対をしていて私に気づかず、空いている席に勝手に座って待っていたところ、
さっきの酔っぱらいが席を立ち、厨房の方から水の入ったグラスを持ってきて、私の席に置き、
「ご注文が決まったら呼んでください」だと。オメエ店員だったのかよ!
客席での休憩も、賄いを食べるのも仕方ないとして、賄いがビール、それも酩酊するほど飲むのはいかがなものか(笑)。

しかし、一番マズかったのは、リーダー格の店員。接客はさほど問題ないが、アイドルタイムは常にしゃべり続けている。
当然、部外者である私が客席にいても、一切気にせず、だ。あるときは休憩時間に近所の雀荘で遊んでいたらしく、
「いや~参った参った。5万切って8万待ちのリーチかけたんだけど、出ねぇでやんの。ガハハハハ」だと。
どんな手役だがわからんが、彼がやったのは、しょーもない引っ掛け手である(麻雀知らない人、ゴメン)。
さらに別の日は「おい、今日19時から4名、席予約な」と業務連絡…と思いきや、そのあとがイカン。
「ホラ、この前来た女4人組。あいつらまた来るんだよ。しっかしなあ、普通4人いりゃあ、ひとりくらいはカワイイのがいるのに、アイツら全員中の下…いや、下の下の下でゲゲゲの鬼太郎だな。ガハハハハ…(以下、延々と続くが略)」
これね、文字にするとイマイチだろうけど、生ライブ(笑)で聞いた私には、メチャクチャ面白かったんだよ。
リーダーの「いかにもおっさん」的な声と口調での、流れるような客の悪口の組み合わせが絶妙でね。
口に含んでいたビールを、つい吹き出しちゃった。それを見たリーダーも、客の私にウケたからか、嬉しそうな顔しやがんの。
飲食店の店員が、客の悪口を吹聴するなんてご法度だが、面白かったのでヨシ。※あくまで個人の意見です
なお、上記で説明してきたダメ店員たちは、移転後はほぼ姿を消した…あ、ひとりだけ残っているか(笑)。
まるで、香港映画に出てくる場末の飯屋のような、乱雑な店内にいかがわしい店員。
そんな移転前の店舗は、今思えば実に魅力的だった。※しつこいけれど、あくまで個人の意見です

ここで、そんな四つ角飯店を長年支えてきた、店主である高橋淳さんの画像を掲載。


2011年、アスペクト発行「餃子グルメ パーフェクトガイド」より。四つ角飯店が載っていたので買ってしまった。
写真左側には、「三代目店長の高橋さん。日本一の呼び声も高い。」との解説がある。
実際は高橋さんは四代目で、日本一とは、「中華料理技術コンテスト 餃子の部」で金賞を獲得したことを指しているようだ。
この中華料理技術コンテスト、一応検索してみたが、それほど大規模な組織ではない。
以前紹介した、茗荷谷『札幌軒』の「全国丼グランプリ」と似たような団体なのかな。
ただし、四つ角飯店さんの餃子は、いつ見ても美しい形状をしており、金賞獲得に異論はない。

今さらだが、ここで旧店舗時代にガラケーで撮影した料理の画像を紹介する。画質の悪さはカンベン。
まずは、現在はメニューにないつけ麺。正式名は「肉つけめん」だが、そんなに肉は多くない気も。


値段は覚えてないが、「普通のラーメンを麺とスープに分けただけなのに、ラーメンより200円上乗せ」だった記憶がある。
続いて、こちらも現在はメニューにない「オムライス」850円(税抜)。奥に見えるのは「餃子」と「水餃子」だ。


オムライスはウマかったので、なくなったのは残念。「天津飯」があるし頼む人は少ないのかな。
そしてこちらは、お店自慢の「餃子」を2人前。焼き色が揃っているのは、さすがは「金賞」獲得商品。


気のせいかもしれないが、この頃の餃子の方が、今よりも野菜の旨味が強く、ウマかった印象があるのだが。

冒頭でも触れたが、旧店舗閉店の直前は連日、長~い行列ができていた。
廃業ではなく、あくまで一時休業なのだから、並ぶことねえのに…と思っていた私だが、
「近隣で再開予定」から、1年以上経過しても復活の気配がなく、このまま滅亡か、と心配し始めたある日。
飲んだ帰りの深夜0時過ぎ、立川市の某ラーメン店で食事をしていたら、酔ったおっさん客の団体が来店し、
ラーメンとサイドメニューのご飯ものをガツガツと食べていた。そのうちのひとりが、高橋店主だったわけで。
店主、飲んだあとのラーメン+ライスは、身体に悪いですよ(←お前が言うか)。
すかさず「お食事中すみません、四つ角飯店の方ですよね」と声をかけ、「再開はいつですか?」とたずねたところ、
「来月に再開します。場所はこちらです」と、新店舗の住所が記載された、高橋さんの名刺をいただいた。
「ありがとうございます。必ず行きます!」と伝えてその場は別れ、新店舗で再び挨拶させていただき、
「以前よりメニューは減った(先述のオムライスなど)けど、その分、今のメニューに原価をかけている」こと、
「餃子は、季節によって野菜の配合を変えている」ことなどを教えてもらった。味が変わったと感じたのはそれが理由かな。

現在は若い店員さんが増えたが、高橋さんが不在でも、皆さん飲酒などせず、マジメに働いている。
お店も清潔で、お店の雰囲気は明らかに、現在の方が良くなっている。私個人の好みはともかく(苦笑)。
店内の様子はこんな感じ。カウンター席はないため、ひとり客でもテーブルに案内される。


夜は大勢で飲む団体客も多く、通常ならもっと混雑していて、こんな撮影はできない。早く収束・終息してほしいね。
せっかくなので、現在の料理も紹介。ガラケー写真ばかりでは申し訳ないので。
こちらは「肉と玉子の炒め」780円。私の大好きなKTI=きくらげ玉子炒めだ。


ピーマンも大きいが、豚肉は特にデカい。まるで焼肉定食のお肉だ。


KTIは旧店舗で食べたことがあるはずだが、今回の方が明らかに満足度が高い。少しずつ進化しているのだろう。
シメは初めて食べる「広東麺」880円。とろみのある熱々あんかけスープで舌をヤケドしないよう、慎重に食べていく。


具材はキャベツ、豚肉、きくらげ、人参、チンゲン菜にエビ、うずら。


醤油ベースのスープと、豊富な具材の旨味が重なり、なかなかおいしい。
意外とキャベツが多かったため、お腹いっぱいになったが、汁を少々残したのみで、ほぼたいらげた。
次回は、ちょっと気になった「汁なし担々麺」を食べてみよう。汁なしだからテイクアウトもOKかもね。

多少の空白はあるが、私の人生でもっとも長い間通い続けている飲食店。それが四つ角飯店さんだ。
立川の街を見守り続けて90余年。2027年には創業100周年を迎える
無論、その後も110年、120年、150年…とお店は続いていくはず。イヤ、続いてもらわなくては困る。
私はたぶん、あと80年くらいしか生きられないが(?)、死ぬ間際も、ここの餃子で一杯やれたらいいな、と思う。



四つ角飯店
東京都立川市曙町1-16-5 (旧店舗は立川市曙町2-2-17)
JR立川駅から徒歩約3分半
営業時間 月~金 11時~23時 土日祝は22時まで ラストオーダーはそれぞれ30分前
定休日 元日、ほか不定休
※日野にも同屋号のお店あり


※2020年4月以降は、しばらく11~20時営業(酒類は19時ラスト)、
日曜は定休、あるいは早じまいの可能性がありそうです
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