明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

心もお腹も満たされる「お母さん中華食堂」 神楽坂『五芳斉』

2021年01月06日 | 中華食堂
昨年末、ちょっとイヤなニュースを目にした。
どこかの女子高生たちが「『ファミリーマート』の“お母さん食堂”の名称変更を願い、署名運動をしている」らしいのだ。
該当HPを見てみたら、「食事を作るのはお母さんだけですか?」「性別によって役割を決めつけることがない社会にしたい!」
という見出しのあと、説明文が長々と続いていたが、そっちは読んでないし、読む気にもならない。
男女平等は確かに大事だが、メーカーに悪意はないし、名称変更まで要求するのはやりすぎだろう。
こいつらの言い分によれば、『不二家』の“ミルキーはママの味”も「ママだけじゃありません!」となるし、
「ステラおばさんのクッキー」「カントリーマアム」「おばあちゃんのぽたぽた焼き」といった、
すっかり世間に定着した商品の名前も、変更しなきゃいけなくなる。まったくバカバカしい。
メーカー側も、こんな的外れな抗議運動には、絶対に屈しないでもらいたい
今回のタイトルは、そんなバカJK(言い過ぎか)に逆らうべく、あえて「お母さん中華食堂」にしてみた。

神楽坂の『五芳斉』さんは、今年で創業71年目を迎えた老舗中華食堂だ。
数年前、旦那さんがお亡くなりになって以降は、奥様が新店主となり、味を守っていらっしゃる。
初訪問したのは一昨年の夏。日雇い労働で飯田橋エリアに派遣された際、昼メシを食べる店を散策していたところ、
こちらの店頭の貼り紙に「本日のサービスメニュー ワンタンメン550円」とあり、吸い寄せられるように入店。
店内のメニューでも、「温玉付 半焼肉丼+200円」という素晴らしい商品を発見したので、併せて注文。
なお、価格は当時のもので、現在は変わっているかもしれない(以下同)。
厨房では店主らしき女性が、腕を振るっており、接客担当の女性がたまにサポートしている。
数分後、「お待たせしました」という声とともに、登場したのがこちら。


真っ黒な醤油スープに、チャーシュー2枚にナルトなどが乗る「ワンタンメン」に、


半分サイズでもじゅうぶんなボリュームで、さらに温泉玉子もつく「半焼肉丼」。これで合計750円とはお得だ!


まずはワンタンメンのスープをズズッと。おお、色こそ黒いけれど、塩分はそんなにキツくない。
さっきの画像では隠れていた、ワンタンもご覧のとおり、たっぷり入っている。


昭和の中華屋さんにありがちな具ナシではなく(笑)、どのワンタンにもお肉が入ってた。
麺は懐かしい中細タイプ。スープの色で、徐々に黒く染まっていくのが面白い。


一方の焼肉丼は、甘じょっばい味付けのお肉に、途中で崩した玉子ちゃんを絡め、ガツガツとたいらげたよ。


全部食べ終わると、すっかり満腹になったので、ちょいとひと休み…したいところだったが、
こちらのお店から派遣先の会社には、往復で40分ほどかかるが、昼休みは60分しかないので、
あわててお会計を済ませ、退店後は早歩きで戻ることに。なんとかギリギリ間に合ったけどね。
実は私、社会のルールは守らないけど(例:労働、納税)、時間だけはちゃんと守るのだ。

数日後、早歩きで五芳斉さんに向かい、今回は「鶏唐揚げとコロッケ ライス付」680円に、
+50円で「とん汁」「半ラーメン」「ワンタン」のどれかが付け足せるので、前回気に入ったワンタンを選択。
失礼ながら、ランチタイムゆえコロッケなどは揚げ置きで、すぐに出てくるかと思っていたが、
ちゃんと注文を受けてから揚げ始めているようで、先にご飯とワンタンが来てからも、なかなかメインが到着しない。


上記のワンタン単品にも、チャーシューやナルトが入っていたのがうれしい。
数分後にようやく、揚げたての唐揚げ&コロッケが完成。先述のように時間がないので、ガツガツと食べまくる。


正直、揚げ物類の味は平凡だったが、やはり、黒い醤油スープとワンタンはウマかった。
いずれにしても、今回も730円というお値段以上に満足できるランチであった。
退店後、この日は早歩きどころか走って帰社。仕事はテキトーだけど時間だけは守るぜ(←仕事もちゃんとやれ)。

3度目の訪問では、醤油味以外のスープも試してみたかったので、「味噌チャーシュー麺」950円を注文。
例のごとく、お母さん店主が厨房で調理を開始。訪問したのが13時半頃と、ランチのピークは過ぎており、
店内の先客にはすべて料理が行き渡っていたので、早く出てくるかと思いきや…またもやなかなか完成せず。
数分後、味噌チャーシュー麺がようやく登場。しまった、予想していたより量が多い(苦笑)。


横からのアングルがこちら。野菜を炒める「サッポロ」スタイルだったらしく、中央にはモヤシがてんこ盛り。


なるほど、これでは時間がかかるはずだ…と、納得すると同時にハシを持ち、丼に挑む。
味噌スープはほんのり甘さを感じる、私の好きな「やさしめ」テイスト。
全部で5枚盛られた焼豚も美味しく、チャーシュー麺にしたのは正解だった。
上記写真では玉子半分とメンマくらいしか確認できないだろうが、具材には炒めた人参や玉ねぎも入っている。
だが、それら以上にモヤシが、『ラーメン二郎』のように多く、食べても食べても減らない。
結局、麺はたいらげたものの、モヤシ少々とスープが残っていたが、時間がないので退散。
この日のお会計は、厨房から出てきたお母さんが対応し、「遅くなってごめんなさいねー」と声をかけてくれた。
「いえいえとんでもない」と返答しお店を出る。と同時に、いいトシこいて路上をダッシュ。
結局今回も、走って帰社するハメに。途中、信号無視をしたかもしれない。
交通ルールは守らないけど時間は守るぞ…イヤ、さすがに信号無視を公言しちゃダメだ。反省。

その後、私は日雇いをやめ、さらにコロナ禍もあり、お店に足が遠のいた。
昨年10月、久々に神楽坂を訪れ、『MARIO』さんでお食事をしたあと、立ち寄ってみることに。
近日中に、東京の飲食店は20時閉店を要請されるが、五芳斉さんはこのときすでに、19時半閉店になっていた。


この日、私が訪れたときは閉店時間ギリギリで、先客はすでにゼロ。
店員さんもお母さんのみだったが、「まだ大丈夫ですからどうぞ」と招き入れてくれた。
入店させてくれたご厚意に応えるべく、たくさん注文したいのだが、いかんせん、オムレツナポリタンを食べたあとだ(泣)。

※『MARIO』さんの「ふわふわオムレツのナポリタン」

なので注文したのは、「びんビール」600円と、この日のお目当てだった「とん汁」250円、
この組み合わせだけでは変なので「アジフライ定食のオカズだけ、ってできますか?」とお願いしてみた。
「できますよ」と了解してくれたお母さんが、ビールとお通しを持ってきて、すぐに厨房に向かう。


お通しは、私の大好きなネギメンマチャーシュー。お腹と時間に余裕があったら、これだけでビールが1本飲める。
しばらくして、いかにも手作りらしい、具だくさんのとん汁が登場。


最初の方で記したように、五芳斉さんは現在、お母さんが亡き旦那さんの跡を継ぎ、店主兼料理長を務めている。
ひとり調理ゆえ、効率を考え「餃子」などいくつかの料理をやめたそうだが、替わりに新メニューとして加わったのが、
中華食堂では珍しい、自家製「とん汁」であった。
実は私、大根が苦手で、こちらでも定食のとん汁をワンタンに変更したりしていたが、
現店主の自信作ならば食べてみよう、イヤ、食べるべきだろうと意を決し、この日頼んでみたのだ。

具材は豚肉、玉ねぎ、人参、ゴボウ、油揚げ、こんにゃく、しめじ、そして大根。


お味噌、野菜、豚肉がそれぞれ、ケンカせずにまとまり、使い古された表現ではあるが、
これぞ「おふくろの味」! 今回はあえて「お母さん中華食堂の味」と呼ばせていただく。
また、油揚げのおかげで、ある程度時間がたっても熱々なのもありがたい。

続いて、「アジフライ定食のおかずだけ」が登場。お会計から逆算したら400円。


大ぶりサイズのアジがふたつで、この価格は安い。調べたら単品は1枚250円だった。
閉店時間が迫り、あわてて食べ進める私に、お母さんから「急がなくて結構ですよ」と声がかかる
「イヤ、もうすぐ閉店時間なので…」と、【時間を厳守するマジメな客】をアピールにする私に対し、
「まだ私も、片づけなどやることがありますし、時間は気にせずゆっくりしていってください」だって。
普段、「早く帰れ」と追い払われることはあっても(笑)、その逆は珍しい。
店主のやさしさに、お腹だけでなく、胸もイッパイになった
なんとか食べ切ったときは、少し閉店時間を過ぎてしまっていた。繰り返しになるが、とん汁は最後まで温かかった。
お会計で「今度はもっと早い時間に来ます」とお母さん店主に告げて退散。
満腹で、ズボンのファスナーが閉まらない状態のため(恥)、帰路は神楽坂をゆっくりと下った。

以上のように、私が五芳斉さんを訪問したときは、毎回時間に追われていた。
約束したように、次回は「もっと早い時間に」入店し、お酒と料理をゆっくり楽しみたいと思っている。
とん汁とワンタンの双方を注文したいが、汁ものダブルは変かね。
変といえば、お店の斜め向かいに、ちょっと気になる店舗が存在する。


『ろくでもない喰いもの屋 くま』。B級グルメマニアの心をくすぐる屋号ではないか。
五芳斉さん共々、近いうちに行ってみたいお店だよ。



五芳斉(ごほうさい)
東京都新宿区榎町41
地下鉄神楽坂駅から徒歩約5分、江戸川橋駅から徒歩約10分、飯田橋駅から徒歩約20分、
早稲田駅、牛込神楽坂駅、牛込柳町駅からもそれぞれ徒歩圏内
営業時間 11時~15時、17時半~19時半
定休日 土日祝日、年末年始など
※閉店時間ギリギリの入店はやめましょう
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 所沢の「ザ・昭和居酒屋」『... | トップ | 2021年初○○ -飲食店ばんざい- »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中華食堂」カテゴリの最新記事