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明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

街の変遷を見守り続けて90余年 立川『四つ角飯店』-前編-

2020年04月15日 | 中華食堂
近年、市外在住の方から「立川、ずいぶん変わったね」「きれいになった」と、よく言われる。
確かに、JR立川駅の周辺は、以前と比べると大幅な変貌を遂げた。
改札を出れば、「ペディストリアンデッキ」とかいう大きな歩道ができ、巨大なアーチまで建設され、
駅の真横にはモノレールが走る、近未来都市的(←陳腐な表現)な光景が広がっている。
エスカレーターやエレベーターを降りた先には、新たなビルや施設ができ、居酒屋や飲食店などが入った。

私がガキの頃はまだ、駅周辺はごちゃついていて、時折いかがわしい人間も闊歩しており、
小学校の先生にも、駅には近寄らないよう指導されていたが、今考えると、その原因は立川競輪だよな(苦笑)。
ただ、そのごちゃついた商店街の中には、市民に愛されたお菓子屋さんやトンカツ店などもあったのだが、
それらは「駅前開発」の名目で、大部分が立ち退きを強いられ、街から姿を消した。
替わって入ったのが、先述した居酒屋や飲食店だが、それらのほとんどはチェーン店。
周囲もパチンコ店、ドラッグストア、コンビニで固められ、正直つまらない街に生まれ変わってしまった。
見栄えはよくなり、機能性も向上したのかもしれないが、私自身は、今の立川駅周辺は好きになれない。

そんな、駅北口を出て西方面に向かうと、『ヤマダ電機』などが入る「立川タクロス」という施設がある。
ここにはかつて、「第一デパート」というカルトな百貨店が存在し、並びには青果店や鮮魚店などもあり、
さらにその先の四つ角には、その名のとおり『四つ角飯店』という中華食堂があった。
創業はなんと、昭和2(1927)年。東京でも屈指の老舗食堂である。
こちらも、開発を理由に立ち退きとなり、2014年10月、旧店舗からも近い現在の場所に移転し、営業を再開。
その間、約1年8ヶ月の休業があったものの、93年もの間、街の変遷を見守ってきた。
立川市民はもちろん、近隣住民にも、長きにわたって愛されてきたお店なのである。

こちらがお店の脇に設置してある看板。いつもながらダメな写真でゴメン。


旧店舗からのキャッチコピー「一日一食中華食」とともに、
こちらの名物「毎月5日15日25日 餃子の日 半額デー」が提示されている。
5の付く日は、1人前税込330円の「餃子」が、半額の165円になるため、毎回店頭に行列ができる。
お客の大半が持ち帰り希望で、生餃子を10人前・20人前と購入していく、おばちゃん客もよく見かける。
テイクアウトは何人前でもOKだが、店内での食事は、半額の日はひとり2人前までとなる。
こちらがその餃子だ。毎回、焼き色も形も揃っていて、美しい仕上がりである。


この餃子は、従業員の方々がせっせと包んでいるのだが、まるで機械で製造したのかと思うほど、丁寧である。
『餃子のO将』(←イニシャルにした意味なし)で習った、テキトーな包み方で自作する私も、見習うべきだな。
中身はこんな感じ。細かく刻まれた肉や野菜に、秘伝(?)の調味料やハチミツなどが加えられているらしい。


そして、毎週水曜日は「水餃子」330円も半額になるのだが、こちらは汁物なので、持ち帰りは不可だと思う。

※ラー油とコショウをかけるのが好み

5の付く水曜日は双方とも半額になるが、店内で食べる場合はやはり、併せて2人前までだ。
餃子自体は、「焼」と一緒のモノだが、スープが付く分だけ水餃子の方がお得な気がする。
どちらの餃子も、定額の330円でもじゅうぶんお得な一品だ。

なお、現店舗は席数も減ったこともあり、夜の時間帯はけっこう混雑していることが多く、
最近は「餃子半額デー」以外の昼にお邪魔し、日が沈む前の酒を楽しむことが多い。
以降で、これまでに食べてきた四つ角飯店さんのメニューの一部を、掲載していこう。

まずは、以前チラッと紹介した、巨大な角煮を乗せた「四つ角ラーメン」1100円。


お店の屋号がついているし、麺類メニューでは一番上の目立つ場所に記載されているため、
「普通のラーメンかと思い頼んだら、妙にボリューミーなのが出てきて、店員に文句を言う客」を、2度見かけた(笑)。
その後は、メニューに「特製角煮入り」の文字が入ったため、そのようなクレーマー(?)は減ったはず。
なお、いわゆる普通のラーメン=「中華そば」は、移転当時が490円で、現在は600円だ。

食べてみると、やはり豚角煮の存在感がスゴイ
以前「スマホより大きいサイズ」と説明した角煮は、中華風の味付けが施されており、
醤油味のスープやチンゲン菜、そしてご飯ともよく合う。なので「半ライス」170円を追加し、自家製「角煮丼」を作成。


ハシとレンゲを止めることなく、ズルズル、ガツガツと一気に食べ進めるべし。
角煮は定食1100円や単品990円もあり、さらに単品は「ダブル」1880円もある。ダブルは相当な量だろう。
下記画像は、ガラケーで撮影した、餃子と「肉とニンニクの芽炒め」730円。当時は630円くらいだった。


あと、奥に写っている「びんビール」は550円で、ウーロンハイやハイボールなどは390円~。焼酎ボトルもあったはず。
ニンニクの芽のシャキシャキ感が、柔らかいお肉とマッチしている。なお、一杯やるときに餃子は必須。
このときは確か、15時台に訪問したはず。こちらのお店は中休みナシなのがありがたい。

先日、四つ角飯店を取り上げたネット記事「多摩てばこネット」を発見。※当ブログより、よっぽどためになる内容です
読んでみたところ、「餃子が無添加」であり、「角煮は350グラム以上」あり、「麻婆豆腐の豆腐を変えた」ことなどを知った。
店主曰く低価格のスーパーではなく、豆腐屋さんから仕入れた手作り豆腐で麻婆豆腐を作ると、「味も食感も全く違う」とのこと。
以前は、低価格スーパーで仕入れていたのを告白しているのが気になるが(笑)、新・麻婆豆腐には興味津々。
なので、食べに行ってみたところ、おおっ、確かに豆腐の食感が全然違う!


よくある麻婆豆腐は、豆腐が口の中ですぐに崩れる(とろける、とは違う)けど、この豆腐はうどんのようにコシがある。
ひき肉やタレとの絡みもいいし、お豆腐屋さんのを使用しただけで、こんなに違うのか、と驚かされた。
こちらの麻婆豆腐、単品だと930円。以前より少し値上げしたけど、その価値はある。
ちなみに、私が食べた写真の料理は、実は数年前に加わった、「カレー麻婆豆腐」980円だったりする。
もう一度、画像を見てもらえればわかるが、普通の麻婆より赤くなく、黄色というか茶色っぽいでしょ。
「こんなに違うのか」と驚くのも当然であるが、豆腐の歯応えが違うのは事実なので、次回は普通のを食べるつもりだ。
あと、この日気づいたのだが、カレーと麻婆って、そんなに相性が良くない気がする(苦笑)。

※別注の餃子にも、タレとして利用

実は四つ角飯店さんは、「チャーハン」も絶品である。普通のは680円で、「ミニ(半)チャーハン」が430円。
先日、私が食べたのは「海老チャーハン」780円。写真のように、大きなエビが5尾も乗る。


わかりづらいが、一般的なお店と比べると、1.5~2倍くらいの量がありそう。


チャーハン自体は、ほどよい味加減で、お米もパラリと仕上がっており、しつこさもなく一気に食べられる。
実は、最初の方で紹介した、餃子と水餃子(ついでにビール)も、同じ日に食べており、


それでも残さず食べ切ったのだから、本当に「一気に食べられる」のだ。「喰いすぎだ!」と叱らないでおくれ。
シメには麺類を選ぶことが多く、チャーハンは詳しくない私だが、ここのは、他人にも自信を持っておススメできる。
まだ食べたことのない、自家製XO醤を使用した「究極のチャーハン」980円もきっとウマいんだろうな。

最後に、時勢を考慮し、つい最近利用した際の、テイクアウト料理も掲載。
定番の餃子2人前と、「レバニラ炒め」(900円)だ。容器代がかかるため、料金は店内と同一。

※上のパック、撮影前に2個つまみ喰い



チャーハンのところでも記したが、全体的に量が多めなので、レバニラも普通のお店の2倍近くあると思う。
「テイクアウトで飲食店を助けよう!」という運動が一部で始まっているようだが、
ぜひ四つ角飯店さんも、持ち帰り候補のひとつとして、頭に入れておいてもらいたい。

私が、こちらを利用し始めてから、もう30年以上の月日が流れた。
駅周辺だけでなく、かつて通っていた個人経営のお店も、次々と閉店を余儀なくされ、
いつの間にか、私が物心ついたときから営業している飲食店は、ほぼなくなってしまった。
唯一残った四つ角飯店さんには、永遠に営業を続けていただきたい。

そういえば、今回のブログタイトル、「前編」となっているのにお気づきだろうか。
次回「後編」では、移転前の四つ角飯店さんについて語ってみようと考えている。
写真は極めて少なく、あってもガラケー画像だが、カンベンしてほしい。



四つ角飯店
東京都立川市曙町1-16-5
JR立川駅から徒歩約3分半
営業時間 月~金 11時~23時 土日祝は22時まで ラストオーダーはそれぞれ30分前
定休日 元日、ほか不定休
※日野にも同屋号のお店あり


※2020年4月以降は、しばらく11~20時営業(酒類は19時ラスト)、
日曜は定休の場合があるそうです
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滝山五丁目の夕日 東久留米『珍来』

2020年02月14日 | 中華食堂
前々回の日記で、麻布の『登龍』というお店の餃子は、1人前(5個)2100円もしやがる、と嘆いた。


そんな、恐ろしい価格の店がある反面、餃子1人前200円、しかも10個! という、
令和の時代に昭和価格を維持しているお店もある。それが、今回紹介する『珍来』さん。
住所は東久留米市の滝山だが、最寄り駅は西武線の小平駅。それでも徒歩で約24分と、そこそこ距離がある。
近隣団地などの住民のため、長年にわたり安価で温かい料理を提供してきたお店なのだ。

「珍来」という屋号の中華料理店は各地にあり、埼玉や北関東地区には、同名のチェーンもあるが、
こちらの珍来さんは、個人経営、というか家族経営のお店で間違いない。
少し前には、店主が体調を崩し、一時的に休業していたそうだが、西武柳沢で『ピリカ』というお店を営んでいた、
店主の弟さんが自分の店を閉め、珍来さんに移籍し、腕を振るうようになったそうだ。
それらの詳細については、こちらの記事を参照してほしい。
主に多摩地区の飲食店を、穏やかな眼差しでとらえた素晴らしいブログであり、珍来さんの存在もこちらで知った。
拝見させていただくたびに、自分のブログの下品さが恥ずかしくなる。

下品といえば食べロガー。ここ珍来さんへの投稿は6件。
「自分で焼いた方がウマい」と、わざわざお持ち帰りの餃子を焼いた画像を何枚も投稿しているバカがいた。
安価で餃子を販売してくれた、お店の心遣いを踏みにじってまで、自分を誇示したいのか。 
「女性定員」(※店員の間違い)なんてマヌケな誤字も見受けられるし、知性も品性も欠けているのだろう。
何度でも書くが、食べロガーはこういうお店に来るな!
なお、誤字については私も人のことはいえないので(苦笑)、気をつけなくてはイカンね。

さてここからは、実際に珍来さんで飲み食いした時の様子を紹介していこう。
初めて訪問したのが平日の夕方。入口には「滝山名物 特製手づくり餃子 200円」のお知らせが。


下に置かれた「ガンガン商い中」の木製看板もいいね。
店に入ると、近所の常連らしき先客が数組、ホールにお母さん、厨房には店主兄弟。
まずはびんビール、焼餃子、水餃子を注文。ビールは大瓶で550円。無料お通しの枝豆が出てきた。


まずは「焼ギョウザ」200円が登場。やや小ぶりだけど、本当に10個だ!


アンは野菜主体で、間違いなく自家製の餃子。ほどよく味がついており、醤油やラー油はなくても大丈夫。


野菜を刻んだり、アンを包む手間などを考えると、200円ではほとんど儲けは出ないだろう。
続いて「水ギョウザ」450円が登場。写真ではわかりづらいけど、丼がデカい!


たっぷりの醤油ラーメン風スープの中に、「焼ギョウザ」と同じ餃子が、やはり10個も入っている。


途中で、スープにラー油やコショウを加えて味の変化を楽しむ。
たま~に、かじった瞬間に皮のすき間から侵入した熱々のスープが口内に飛び出す、
小籠包状態の危険物(?)が混ざっているので、気をつけるべし(笑)。

すぐに大瓶が空き「すみません、ビールもう1本ください」。計20個もあるので、まだまだ楽しめる。
他の酒類は生ビール450円、酎ハイはサービス価格で400→300円。あと紹興酒もあるようだが、価格は不明。
店内にはテレビはなく、有線やラジオなどのBGMもないが、時折隣のスナックから、カラオケ曲が聞こえてくる。

けっこう満足したが、餃子とビールだけで帰るのは惜しいので、お食事もしていくことに。
オーダーしたのは「タンメン」550円と「チャーハン」600円。ふたつも喰うなよって?
ちなみに、お店のメニューがこちら。クリックすると大きくなるよ。
    

「焼ギョウザ」の上には「鍋貼児」と中華風の表記もある。「肉ネギイタメ」は「爆肉」って表すのか。
「五目ウマニ(八宝菜)」は1100円と、餃子と比べると高く感じるが、昔の中華食堂は、一品料理はこれくらいの価格だったよ。

しばらくして、チャーハン(炒飯)が、スープとともにやってきた。


玉子、チャーシュー、グリンピースと具材は少数精鋭。ただし、味はしっかりついており、満足度が高い。


続いてタンメン(湯麵)も運ばれてきた。塩ラーメン風の白湯スープにたっぷりの野菜。


さっきの水餃子でわかっていたが、やっぱり丼が大きい、そして深い。


チャーハンと比較すると、タンメンはやや味が薄め。野菜からけっこう水分が出ているのかな。
濃い味が好きな私は、チャーハンの方が気に入ったが、高血圧で野菜嫌いでもある私は、タンメンを選ぶべきだろう。
レンゲで米粒をガツガツかきこみ、ハシで麺をズルズルすすり、時にはスープをズズッと飲み干す。
ビール2本に酎ハイ、餃子を20個をたいらげたあとだったので、食べ切るのに時間はかかったが、
タンメンのスープを少し残した程度で、ほぼ完食。おかげでお腹がタプタプになったが。
お会計をお願いすると、私の暗算より少し安い。どうやら、料理は外税で酒は内税らしい(多分)。
隣のスナックから聞こえる歌のボリュームが大きくなっていく中、「また来ます」と告げて店をあとにした。

それから数日後、日曜日のお昼に再訪。お目当ては、お得なランチ「麻婆トーフ定食 アゲギョーザ付」500円。
麻婆豆腐と、メニューにない揚げ餃子が気になってね。しばらくしてやってきたのが下記写真。


たっぷりの麻婆豆腐に、揚げ餃子4個に千切りキャベツ、ご飯にスープにお新香。500円とは思えないボリュームである。


やや黒っぽい麻婆豆腐は、テンメンジャン由来なのか、意外と甘口。大きめにカットされた豆腐は存在感あり。


揚げ餃子にはケチャップが添えてあり、ラビオリみたい。多めのキャベツには卓上のソースをかけた。
「揚」も同じ餃子を使用しているのだろうが、「焼」や「水」とはまったく異なる印象になるのが面白い。

麻婆が半分、餃子が2個、お新香が少し残っているが、ご飯がなくなったので、ここで瓶ビールを追加。
順序がおかしい気もするが、昼酒の誘惑には勝てず
おかずも全部食べ終わり、ビールも飲み終えたところで、またまた順序が変かもしれないがシメのお食事を。
注文したのは、前回醤油味(水餃子)と塩味(タンメン)のスープを味わったので、今回は「味噌バターラーメン」。
壁のメニューには見当たらないが、同価格だった「バターラーメン」650円がそれに該当するのかもしれない。
味噌ラーメンは、すり鉢状の大きな丼で出てくるのを、先客が食べているのを見て知っていたが、
いざ到着してみると、やっぱりデケエ!


具材はモヤシ、コーン、ワカメ、ひき肉、ネギ、そして四角形のバター。具を炒めてスープで煮込むのではなく、
黄色いちぢれ麺でもないため、いわゆる「北海道スタイル」ではないが、これはこれで懐かしい味噌ラーメンだ。


食べた感想は、バターが意外と多く、見た目に反し味噌テイストがかなり濃い
ランチ定食+ビールのあとだったので、麺は食べ切ったが、モヤシとコーンを少々、さらにスープを残してしまった。
この日のお会計は1810円。ただでさえ安いのに、10円以下は切り捨てのようだ。
せっかくなので、お持ち帰り生餃子(冷凍)も追加購入。200円+外税8%で216→切り捨て210円だって。

※近くの公園のベンチで撮影

数日後、自宅で焼いて、おいしく食べさせていただいた。もちろん、自分で焼いた画像などは投稿しない。

餃子をつまみ、ビールをあおり、周囲の酔客や隣店の歌声に耳を傾け…お会計は格安。
昭和にタイムスリップしたような、緩やかな時の流れを体感すべく、私は今後も珍来さんに通うことだろう。
個人的に、小平~東久留米周辺は未知のエリアなので、もっと探索してみたいね。



珍来 
東京都東久留米市滝山5-12-23
西武線小平駅から徒歩約24分 駅から直角に進むと30分以上かかる
営業時間 11時~20時 
定休日 木曜
※ランチ定食は14時まで
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早い、ウマい、量が多いホイコーロー! 飯田橋『えぞ松』

2020年01月25日 | 中華食堂
以前チラッと紹介した、飯田橋駅近くの老舗食堂『インドール』。
カレー店みたいな屋号なのに、なぜか生姜焼きを推していて、実際にウマかった。
   

そんなインドールさんが、突然閉店してしまったのが昨年の春。


閉店挨拶の「皆様御機嫌よう」のひと言に悲壮感はなく、爽快感すらある。
インドールのおじちゃんおばちゃん、どうかいつまでもお元気で。ごきげんよう。

インドールの閉店は残念だが、大丈夫。すぐ隣には、これまた歴史ある名店『えぞ松』がある。
「えぞ」が付くのだから、サッポロラーメンがウリかと思いきや、一番人気のメニューは「ホイコーロー」
以前紹介した、「肉丼」が名物の茗荷谷『札幌軒』と同じパターンだ。

※写真は炒め肉+チャーシューの「ブーブー丼」

来店客の6割が注文していると思われる、ホイコーロー定食720円の写真がこちら。


名称は定食だが、要するに「ホイコーローライス」である。私は「生玉子」50円を追加して食べる。
ヨコからのアングルがこちら。いつもながらヘタな写真で申し訳ないが、結構な盛り具合である。


私の推測では、ご飯の量は450~500グラム、上のホイコーローも300グラム以上はありそう。
ネット上の意見はまちまちなので、客によって量を変えている(デブには多め、とか)のかもしれない。
食べてみると、テンメンジャンなどの中華調味料ではなく、和風味噌ベースの味付け。
回鍋肉というか「豚肉とキャベツの味噌炒め」という印象。確か『餃子の王将』の回鍋肉も、そういう名称だったな。
実際、具材も肉とキャベツだけで、味付けもシンプルなのだが、それでもメシが異様に進む
生玉子を混ぜ、卓上のおろしニンニクや豆板醤、さらに紅ショウガで味を変えれば、量が多くてもスルスル食べられる。

通は「ホイ」と呼ぶらしい、えぞ松ホイコーローの調理法は、以下の通り。
まずはスープで、ひと口大にカットされた豚肉とキャベツを短時間煮込み、スープだけ元の鍋に戻す。
火の通った肉とキャベツを、味噌ダレと一緒に強火で一気に炒め、メシをよそった大皿に盛りつければ完成。
最初に油ではなくスープで火を通すため、油っぽくなく、スープの旨味も加わる…はず。
さらに、その調理用スープは、お椀に注がれワカメとネギを足し、定食用スープにも生まれ変わる(※さっきの写真を参照)。
客が「ホイ」をオーダーしてから出てくるまで、私が見てきた限りでは最長でも3分。
あるとき、着席するなり「ホイコーロー!」と注文した若者が、後ろを振り返り、壁に貼ってあったメニューを眺め、
再び厨房の方に振り返りながら、「あ、やっぱりチャーハンに変更…」と言いかけたときには、
すでに完成したホイの大皿が、目の前に置かれていた(笑)。その間、約8秒。無論、店員も変更には応じない。
8秒で出てきた理由は、計3人前の注文なら5人前などと、常にオーダーより多めに調理しているから。
あ、書き忘れていたけど、席はカウンターのみで、基本、店員はふたり体制で接客、調理、会計などすべてをこなす。
客とはもちろん、店員同士ですら会話を交わすことは少なく、寡黙というか正直不愛想だが、職人らしくて私はけっこう好き。

えぞ松さんは、ホイコーローだけでなく、どの料理も一般サイズより多め。
たとえば、こちらは、ホイ+目玉焼きを醤油ラーメンに乗せた、「回鍋肉玉麺」820円。


画像だと、目玉焼きが小さく見えるが、そうではなく丼がデカいのである。
上記メニューに半ライス100円を追加すれば、ミニサイズのホイコーロー定食とラーメンが同時に楽しめていい。


こちらは、「意外とウマい ラーメン屋のカレーライス」と店頭でオススメしている「カレーライス」650円+生玉子。

※私が食べたときは590円だった

見ての通りかなりの大盛ゆえ、お皿からカレーソースが、ついでに玉子の白身もあふれてしまった。


カレーはドロッとしていて、何日か寝かしたような濃厚な仕上がり。人参やお肉もたっぷりの家庭的なタイプ。
コクがあるのは、水の代わりに、さっき説明した「ホイコーロー調理スープ」を使用しているからでは?
他にも、チャーハンや麻婆丼を食べている客を見たことあるが、どちらもかなりの量だった。
特に麻婆丼は、回鍋肉玉麺の写真と同じ器を利用しているため、ホイよりキツそうだ。
なので、サラリーマンや女性客は、「ご飯少なめ」と注文する方が多い。まあ、女性客はほとんど見かけないが。
つい最近、味噌ラーメンの麺を豆腐に変える「糖質オフ&タンパク質プラス」メニューを始めたようだが、
そんな糖質なんぞを気にする客は、そもそも、えぞ松に来ないのではないかね。

お酒は、びんビールに日本酒だけ、おつまみメニューは「ぎょうざ」370円の他は、チャーシューとメンマ程度。

※数年前に、ガラケーで撮影

飲みのアテとして選ぶなら、ホイなど定食類の単品がベストかな。ウーロンハイもあればいいのに。
なお、駅の向こう側にある支店(そっちが本店)は、もつ煮込みなどのつまみがあるらしい。

えぞ松の看板メニューは、早い、ウマい、量多いホイコーロー定食で間違いないが、
私がひそかに推奨したいのが、「焼肉定食(豚)」930円だ。
カッコ豚、とあるのは「牛(ぎゅう)焼肉定食」950円という別メニューと区別するため。カッコぎゅう、も親切だね。
そこそこ値段もするから、きっとバカ盛りなんだろうな…とビビりながら注文し、出てきたのがこちら。


ご飯の量こそ一般的だが、千切りキャベツのマヨネーズ、そして主役である豚焼肉がめちゃくちゃ多い。


いったい何枚入っているのか、数えながら食べてみることにした。
なお、お肉1枚のサイズは、それほど大きくない。たぶん、ホイコーローと同じ豚肉を使っているのだろう。


味付けは、ホイの味噌ダレとは異なるけれど、こちらのタレも甘じょっぱく、やっぱりメシが進んでしまう。
15枚食べ終わった時点がこちら。以降も、ちょっと汚い画像が続くがカンベンしてくれ。


大きくない、とはいえ15枚。普通の焼肉定食なら食べ終わっている量だが、まだまだ残りはたっぷり。
なので、この時点で早くもご飯をお替わり。画像左上の空いた茶碗が、その証拠だ。
ライス単品は200円だが、お替わりライスは100円だった記憶がある。サービスしてくれたのかな?
あとね、マヨネーズと合わさったタレが、これまた絶品でね。このタレだけでもメシが喰えるよ。
食後の日雇い労働さえなかったら、もう1杯お替わりしていた。それくらい、この焼肉定食が気に入ったのだ。
こちらが30枚経過。ご飯も2杯食べ終えたが、それでもお肉が残っている!


しつこいが、このあと仕事さえなければ、ビールで流し込んだのに…。数分後、すべての肉を食べ切った。
結果、えぞ松の焼肉定食(豚)、お肉の合計枚数は39! 
肉だけでも推定300グラム、玉ねぎとタレもあるので、実際は400グラム以上だろう。ごちそうさま!

私が尊敬しているライターの鈴木隆祐さんは、自著「東京B級グルメ放浪記」にて、
えぞ松のホイは、コンディションが整わないと挑めないヘビーな食事、と苦労しているのを認めつつ、
「でも、男の意地で、ご飯少なめなんて絶対に頼めない」と断言しておられる。
まったくもって同感だ。私も死ぬまで、ここのホイコーローと焼肉の両定食を、残さず食べる男でありたい。



えぞ松 神楽坂店
東京都新宿区神楽坂1-14
地下鉄飯田橋駅から徒歩約1分、JR飯田橋駅からは徒歩約2分(信号待ちの時間含まず)
地下鉄神楽坂駅からも徒歩約8分
営業時間11時~23時 
定休日 水曜、年末年始
※食べログの営業時間情報は誤り、飯田橋駅を挟んだ向こう側に本店がある


追記 建物老朽化のため、2020年2月末で閉店となるそうです。
追記その2 本店の方も、2021年12月に閉店とのこと。さみしいですね…。
コメント (2)
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「住みたい街」の懐かし系中華食堂 吉祥寺『のぶちゃん』

2019年12月05日 | 中華食堂
雑誌などでよく見かける「東京 住みたい街ランキング」。
リクルート社の不動産情報サイト『SUUMO』の2019年度調査によると、
東京都民が選ぶ「関東住みたい街(駅)ランキング」、第1位はやはり吉祥寺であった。
以下は恵比寿、目黒、新宿…と、人気のありそうな街や駅が続くが、
8位になんと、私の地元立川が入っていてビックリ! 「住みたくない街」の間違いではないのか?
立川がランクインした時点で、信用度に疑問符が付く(失礼)調査となったが、
吉祥寺がトップなのは、過去の実績からも、間違いないだろう。

私自身も、吉祥寺で働いていた時期もあり、この街の魅力は知っているつもりだ。
渋谷や新宿など都心へのアクセスがよく、商店街が充実していて買い物に困らず、井の頭公園など自然もある。
飲食店も、ナウなヤングが喜びそうな、オッシャレ~な料理を出すお店が多い。
ただし、上記のお店は、小馬鹿にしたような表現でもおわかりだろうが、私自身は苦手。
料理や内装など、とにかく見た目重視で、やたらと値が張る店を、駅周辺ではよく見かける。
マスコミやバカな女(←やや偏見)には受けがいいのだろうが、中身がともなってない気がするんだけど。

なので、私が自信を持っておススメできる=過去に拙ブログで紹介した吉祥寺のお店は、
『うどん白石』と、同じくうどん店『イチカバチカ』のみ。イチカバチカ吉祥寺店は閉店してしまったが。
    
※写真左から、うどん白石の「ざるうどん」、スタミナうどん=「スタどん」、「うカロニサラダ+味玉」

私が好きな、安くてウマくて、愛想のいい店員さんが働く食堂は、この街にはないのだろうか…
そんな私の嘆きを打ち消してくれたのが、中華食堂『のぶちゃん』


写真がヘタすぎてわかりづらいだろうが、正式名は『スタミナラーメン のぶちゃん』のようだ。
吉祥寺らしからぬ渋い外観のお店にもかかわらず、実は駅から(頑張れば)徒歩5分の、五日市街道沿いにある。
初めて入ったのが2年前だが、ラーメン400円、餃子250円、最高値のチャーシューメンでも700円と、
これまた吉祥寺らしからぬ安価であり、しかも、10月の増税後も値段は据え置き!
そんな、価格を抑えて頑張っているお店に対し、ある食べロガーが「社食と比べると割高」だと。
お前みたいなドケチのクソ野郎は、一生社食でメシ喰ってろ!
私がハンセン氏だったら(前々回の日記参照)こんなヤツ、ウエスタン・ラリアットで首を折ってやるのに…。
それにしても、どんなに投稿者の少ないお店(のぶちゃんは6件)でも、必ずバカが混ざっている、
食べロガーのレベルの低さには、あきれるしかないな。

閑話休題。ここからは、のぶちゃんで食べたメニューの紹介ね。
初訪時に、まず注文したのがビールと餃子に、八宝菜の単品。
ビールは中びんで450円。無料のお通しとして、柿ピーかザーサイかキュウリの漬物から1品選択できる。

※キュウリにしてみた

こちらが「餃子」。均等な焼き色を見ただけで、間違いないのがわかる。


食べたらやっぱり期待どおり、野菜多めのしゃっきりタイプ。これで250円は破格だ。
続いて登場したのが「八宝菜」の単品550円。定食だと680円だ。


具だくさんの食材をタレで炒めてあり、一般的な八宝菜と違いトロみはないが、これはこれでおいしいね。
飲んで食べて満腹になったので、そろそろシメを。この日は「油そば」500円を選んでみた。


同じ武蔵野市には、油そばの元祖とされる『珍珍亭』(最寄り駅は武蔵境)があるが、
あちらよりも麺が細く、ナルトではなくカマボコを使っており、タレの味もそんなに濃くはない。
飲んだあとのシメには、ちょうどいい塩梅だった気がする。
あと、これまでの料理にもあったけど、食器の「のぶちゃん」の文字がいいね! 昔は出前をやっていたのかな。
食後は、私が尊敬するグルメ王のサイン色紙があったので、撮影させてもらった。

※現在は、隣に別人のサイン色紙も飾ってある

石塚さんがおっしゃるとおり「まいうー」だったので、今後も通おうと決意し、お店を出た。

再訪時は、別の店で飲んだ帰りだったので、アルコールはやめてお食事だけ。
注文したのは、石塚さんが色紙で絶賛していたラーメン+チャーハン。ただし、チャーハンは半分にしておいた。


醤油味の「ラーメン」は400円。増税後もこの価格を維持しているのは先述の通り。


こちらの「半チャーハン」は300円。全チャーハン(そんな言葉はないが)だと500円だ。


ラーメンは見た目に反し、想像以上にコクがある…というか、実にウマい!
しょっぱすぎず、もちろん薄くはなく、絶妙な旨味のスープと、細い麺がマッチしている。
こういう「昔懐かしいタイプ」の醤油ラーメンでは、閉店した新宿思い出横丁の『若月』が好きだったが、

若月の「手打ちしょうゆラーメン」

現存するお店では、のぶちゃんのラーメンが、味・値段ともに最高評価だ。
さすがは、住みたい街ナンバー1・吉祥寺のお店だね(←関係ないだろ)。
ラーメンの味が薄く、その分チャーハンの味つけが妙に濃い店はよくあるけれど、
ここは反対に、チャーハンは塩分控えめだったので、バランスがいいかもしれない。

それから数日後、今度はビールとホイコーローの単品550円をオーダー。


お店の表記は「回鍋」なのだが、もちろん肉は入っている。たっぷりのキャベツとネギ少々が、
甘じょっぱいタレと絡み、酒がすすんで困る。途中でウーロンハイ300円にチェンジ。
シメには「カレーライス」500円を選択。中華屋さんのカレー、意外と好きなんだよね。


カレーにはラーメンのスープも使用しているのかな? 業務用ではない旨味があった。

最後に紹介するのは、最近訪問したときに食べた、お店の屋号にもなっている「スタミナラーメン」530円。


ニラ、モヤシ、人参、豚コマにニンニクも少々。スープはピリ辛のラーメンだった。
あと、箸置きがいつもと違い、お魚さんだった。スタミナラーメン仕様? 違うか。


スープはやや薄口な印象だが、野菜不足で塩分過多かつ高血圧の私には、ちょうどいいかもしれない。
といいつつ、スープを全部飲み干しちゃったけど

以前は、深夜0時過ぎまで営業していたのぶちゃんは、最近は22時には閉店するようになった。
スタミナラーメンを食べた日は、たまたまかもしれないが、いつもの女将さん(彼女の名がのぶちゃん)は不在で、
若い男性ふたりで営業していた。バイトには見えなかったが、息子さんなのかな?
今では吉祥寺では貴重となった、安ウマ中華食堂であるのぶちゃんさんには、
無理せずのんびり、末永く営業してくださることを願ってやまない。



スタミナラーメン のぶちゃん
東京都武蔵野市吉祥寺東町1-18-18
JR吉祥寺駅東口(アトレ側)からなら徒歩約5分
営業時間 12時~22時
定休日 水曜
※定休日は、文末の若い男性に聞きました
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値引きの多い明朗中華食堂 三鷹『大黒屋 三谷店』

2019年08月05日 | 中華食堂
母校野球部が敗れた。しかし、いつまでも落ち込んではいられない。
こんなときは、ウマいもん=餃子でも喰って元気を出すに限る。
最近よく通っているのが、三鷹駅北口から少し歩いたところにある、『大黒屋』さん。


近くに大黒屋という屋号のお店がもう一軒あり、三谷(さんや)通り商店街にあるこちらは、三谷店を名乗っている。
一方の大黒屋さんの方が、単品メニューは多いのだが、回鍋肉などは千円超えと、ちょいと高級。
比べたところ、餃子も三谷店の方が50円安かったので、こちらを選んだ。いつもながらセコイだろ。
※追記 近所の大黒屋は閉店しました

お店に入ると、元気なおばちゃんが「いらっしゃい」とお出迎え。厨房のおじちゃんとはご夫婦かな。
店内はコの字カウンター…ではなく、左側の席は奥まで続いているので、「しの字」カウンターだ。
最初の訪問時は、まずは「餃子とびんビールのセット」を注文。
単品だと餃子が350円、ビールは500円だが、セットにすると小鉢が付いて830円と、少しお得になる。
すぐにビールと「シラス、ワカメと野菜のサラダ」(商品名は私が勝手に命名)が運ばれてきた。


想像より小鉢が豪華でありがたい。しばらくすると、餃子が焼きあがった。1人前は5個。


見た目、焼き加減は申し分なし。そして、いざ食べてみたところ、おおっ、ウマいぞ!
皮の厚さや具材の旨味はちょうどよく、肉と野菜のバランスもいい。
強烈なニラ・ニンニクやあふれる肉汁といった、派手なインパクトこそないけど、欠点のない高品質の餃子。
野球で例えるならば、走攻守三拍子そろったプレイヤー。打つしか能のない、我が母校N大三とは大違いだ(泣)。
当然のように「すみません、餃子のお替りください!」だ。ついでにウーロンハイ350円も追加した。

最初に頼んだ「餃子+ビールセット」は、店内壁の貼紙に記してあったのだが、
別の場所に、「餃子1人前350円、2人前だと650円(=50円引き)」と書かれた小さな貼紙を発見。
しまった、もっと早く気付けばよかった。次回は、餃子は最初から2人前注文しよう。
この日は、別の店で飲み食いした帰りだったので、餃子とお酒だけでお会計。
おばちゃんが素早く計算し「1300円です」だって。えっ? 安すぎますよ。
以前も書いたが、常に金欠の私は、計算しながら飲むビンボー臭い習性が身についてしまっている。
私の暗算では、ビールセット830+追加餃子350+ウーロンハイ350で1530円のはず。
おばちゃんに確認したところ、「大丈夫、これで合ってますよ」と言い張るので、
「じゃ、じゃあ遠慮なく…」と、ありがたく受け入れ1300円だけ支払い退散。
おじちゃんが焼いた餃子はウマいし、おばちゃんの接客も素晴らしい。気に入ったので再訪決定。

2回目の訪問では、餃子2人前とビールを注文したところ、最初にまたまた小鉢が。


この日は山芋のサラダだったが、どうやら酒類を頼んだ客には、必ず小鉢が付いてくるらしい。
続いて、大きなお皿で2人前=10個の餃子が登場。ウホッ、ここの餃子はやっぱりウメエ!


ビールからウーロンハイに替え、それも飲み干したところで、この日はシメの食事をオーダー。
選択したのは、店内貼紙にあった「本日のサービス品 広東麺570円」。※通常は670円
大黒屋さんは、生姜焼きなどのメイン料理に、餃子3個かミニ麻婆豆腐などが付く、日替わり定食も人気が高いが、
同じく日替わりで麺類の一品を、サービス価格で提供している。というかこのお店、値引きサービス多いね。

しばらくして、広東麺が運ばれてきた。


アンの下の麺を撮影しようとしたら、やはり熱々の湯気でレンズが曇った。


湯気なしバージョンがこちら。豊富な具材、細ちぢれ麺、醤油ベースでとろみのあるスープ。


天津飯と同様、広東にあるのか定かではないが、これぞ街中華の広東麺だ
勢いよく麺を啜ったため、舌をヤケドしたが、美味しかったので問題なし。すっかりお腹イッパイになったのでお会計。
ビール500+餃子2人前350+300+ウーロンハイ350+広東麺570=2070円のはずだが、
おばちゃんによると「1870円です」。なぜだ!?
さすがに今回は、「前回もそうでしたけど、安くないですか?」と食い下がったのだが、
おばちゃんによると「今日はビールがお得ですし…とにかく、つけ忘れはないですよ」とおっしゃる。
結局今回も「そうですか…」と、サービス価格を甘んじて受け入れ退散。なんだか申しわけないな。

「goo辞書」で明朗会計という言葉を検索すると、まずは「明朗」という言葉が出てきて、
【内容をはっきりと示して、うそやごまかしがないこと】の解説とともに、用例として「明朗会計」が出てくる。
内容をはっきり示してはいない、大黒屋さんの場合はどう表現するんだ? 「不明朗会計」か。
とはいえ、インチキ会計の店(例:大森『富士川』)とは違い、逆に安くなっているのだから、この言い分は失礼だ。
ちなみに、「明朗」には【こだわりがなく、明るくほがらかなこと】という解説もある。
こっちの意味なら、いつも明るく、あまりお金儲けにこだわってなさそうな、大黒屋のご夫婦にピッタリだ。

そんな不明朗会計だけど明朗なご夫婦が営むお店に、先日は飲んだ帰りに訪問。
日が沈む前から飲んでいたので、お酒はやめて、「ラーメン+ミニチャーハンのセット」770円をオーダー。
ちなみに単品だと、ラーメン470円(安い!)、ミニチャーハンが360円なので、60円お得。
こちらがラーメン。醤油味のオールドファッションなタイプだ。


そして、こちらがミニチャーハン。ミニとはいうが、要するに半チャーハンだ。


ラーメンはやや薄味だが、チャーハンが意外と濃い味だったので、バランスは良いといえる。
お会計を済ませ、お店を出たところで、入口ガラスの隅っこにある貼紙に気付いた。


あまりの興奮に手が震え、ピンボケしてしまったが(←毎度のことじゃねえか)、
ビール500→400円、ウーロンハイ350→300円、(ウーロンハイ)2杯目から50円引き、とある。
こんなところに、不明朗会計の謎を解くカギがあったとは!?
おばちゃんは「今日はビールがお得」とおっしゃっていたが、たぶん毎日安いのだ。

改めて、計算をやりなおしてみると、
最初の訪問、ビールセット830+追加餃子350+ウーロンハイ350=1530円ではなく、
ビール400+餃子2人前650+ウーロンハイ250=1300円という計算式が用いられたと思われる。
普通の店では、餃子を1人前ずつ2回頼んでも、「2人前で50円引き」は認められない場合が多い。焼く手間もかかるしね。
さらに、「ウーロンハイは2杯目から50円引き」というのも、ウーハイを2杯飲んで、ようやく成立すると思うのだが、
まずビールを飲んで、2杯目にウーハイを頼んでもOK、というのは珍しい。

2度目の訪問も、ビール500+餃子2人前350+300+ウーロンハイ350+広東麺570=2070円ではなく、
同様にビール400+W餃子650+ウーロンハイ250+広東麺570=1870円が正しいようだ。
悩んでいた数式(?)が解けた喜びで、帰りの三鷹駅への道中、スキップを踏んだことを告白しておく(←キモイね!)
それにしても、さっきも書いたが、大黒屋さん値引き多すぎ!

最後に訪問したのが、冒頭で触れた母校野球部が敗れた直後、つまりつい最近のこと。
すでに他の店でヤケ酒を飲み、泥酔気味だったので、この日の注文は軽めに、
餃子1人前とウーロンハイ(※この日の小鉢は冷奴)、


そしてデザートに「ミニカレーライス」360円を頼んでみた。


ミニカレーはスープ付き(味噌汁も選べる)で、価格の割には量が多く、味も良かったのでシメに最適。
気になるお会計、私の暗算では餃子350+ウーハイ300+ミニカレー360=1010円だが…
おばちゃん「はい毎度。1010円です」。よかった合ってた!

とにかく、元々安いにもかかわらず、さらに値引きの多い大黒屋・三谷店。
全国各地にある、同名の金券ショップグループも、ぜひ見習ってほしい。
今年の夏も関西方面に行くので、「青春18きっぷ」を、もっと安く売ってくれ。



大黒屋 三谷店
東京都武蔵野市西久保1-6-17
三鷹駅から徒歩約7分
営業時間 12~15時、18~22時(多少の前後あり)
定休日 木曜
※持ち帰り冷凍餃子、10個300円もおススメ!
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ケンタみたいな巨大チキン 新高円寺『タカノ』

2019年07月10日 | 中華食堂
個人で頑張っているお店をこよなく愛し、チェーン店はほとんど利用しない私。
今回紹介する、新高円寺の『タカノ』さんも、私の大好きな安ウマ中華食堂だ。
タカノは、都内に4店舗あるそうだが、おそらくチェーンではないと思うので(のれん分け?)、許してほしい。
ちなみに、他の3店がある場所は、私の手元の参考資料(要するに書籍)によると、梅島、三ノ輪、椎名町。
失礼ながら、あまりメジャーな街にはないため、タカノを知らない方も多いのではないかね。
私も新高円寺店しか行ったことがなく、詳しくは知らないのだが、梅島は閉店し椎名町も一時閉めていたとの噂。
なお、わかっているとは思うけど、新宿に本店があるフルーツパーラーは無関係だ。

初訪問時はまず、いつものように前菜&食前酒として、「餃子」とビールを注文。
まずはビールと一緒に、無料のお通し「キュウリと中華クラゲ」が出てきた。


ビールは大瓶で600円。キリンかサッポロかを選べる。私はキリンが好きだな。
餃子が焼ける間、ビールでノドを潤しながら、卓上のメニューに目を通し、このあと何を頼むか検討。
メニューには、写真も付いているのがありがたい。どれもウマそうで目移りしたが、気になった「肉エッグ」を選択。
追加オーダーを告げたくらいのタイミングで、餃子も焼きあがった。1皿5個で400円。


表面がカリっと焼けたタイプで、ひと口かじれば、生姜と野菜の旨味が広がる、これぞ中華屋さんの手作り餃子。
ビールをお替わりし、ゴキュゴキュ飲み進めたところで、肉エッグ500円が登場。


ハムエッグの豚肉版ではなく、ネギと醤油ベースのタレが入るため、すき焼きに近い料理ともいえる。
途中で玉子を崩すと、トロ~リと流れていく部分と、ほどよく固まった部分があるのがいい。


肉、ネギ、甘じょっぱいタレにやさしく絡む玉子ちゃん。もちろんウマイに決まってる。
何度でも言う。オレはキミ(黄身)が好きだ!

厨房で働いているのは、母子と思われる男女ふたり。お母さんが接客で、息子さんが調理。 
お母さんは、どこにでもいそうな「食堂のおばちゃん」だが、息子さんはちょっと変わっている。
もちろん態度が悪いわけではなく(悪かったら通わないし)、あくまで私の印象である。
カウンター席から「すみません、肉エッグの単品を追加で」と頼んだところ、私の方を見て「肉エッグ~」と復唱するのだが、
発音のアクセントがどうも、「肉エッグゥ~!?」に感じるのだ。
デフォルメすると「なぁにいぃ? 肉エッグだと~!?」だ。まるでクールポコのネタである。
その後、別の客の注文にも「もやしそばぁ~!?」「ケチャップ焼ぃ~!?」と返答していたので、
それが彼の口調なのだと理解した。ちなみに「ケチャップ焼」とは、あまり見かけない料理だが、
「みそ焼」「しょうが焼」と並ぶ、焼肉定食メニューのひとつである。もちろん、単品注文も可能だ。

この日のシメは、「カレーライス 鳥の唐揚げ付き」700円。
どこかのサイトで、タカノさんの「大きな唐揚げの乗ったチャーハン」を見かけたことがあり、
それをカレーで食べたかったのだ。店主の返事は「カレー鳥唐でぇ~!?」だったかな。
卓上メニューにも写真が乗っていて、バカでかい唐揚げが2個、お皿の脇に居座っていた。
カレー単品500円なのでお得だよな…などと期待する中、出てきたのがこちら。


唐揚げが写真の見本よりデケエ!
食べてみたところ、ただデカいだけでなく、衣はクリスピーながら肉質は柔らかく、味もしっかりしている。
失礼ながら、質より量かと思っていたここの唐揚げ、めちゃくちゃウマイよ!
肉と玉ねぎがたっぷり入った、「いかにも中華風」のカレーもおいしく、シメに選んだ自分をホメたい。
残しておいた玉子を加えて、「親子カレー」にしたりして、飽きることなく完食。


会計時、次回は唐揚げでビールを飲もうと決意し、膨れたお腹を押さえながら店を出た。
有言実行、数週間後に再訪問したときは、「鳥唐揚げ」単品とキリンビールをオーダー。
店主に「ちょっと時間かかるよ」と告げられたが、もちろん承知済み。あんなデカい肉を短時間で揚げるのは無理だ。
それでも10分しないうちに、待望の巨大チキンが再びやってきた。


大きさが伝わらないと困るので、比較用に爪楊枝を1本乗せてみたが、


やっぱりデカいぞ、タカノの唐揚げ! 2度目の対面だが、今回も驚かされた。
私だけでなく、後ろのテーブル席から見ていた、若者客ふたりも相当衝撃を受けたようで、
片方の男が「ケンタかよ…」とつぶやいていた。
確かに、ここの鳥唐揚げは、『ケンタッキー・フライド・チキン』並のデカさである。
だが、ケンタのチキンは、骨を含んだパサパサの肉質で1個250円。
タカノさんのは、骨なしの柔らかいモモ肉がたっぷりで、辛子&マヨネーズ付きで3個500円。
どちらがお得かは、計算するまでもないだろう。
なお、こちらの定食類は、一律700円(サラダ付は800円)で、単品料理もほぼ500円均一。
安いだけでなく、わかりやすい価格設定も、タカノさんの魅力だ。
なお、タカノチキン(←勝手に名付けるな)は、衣に黒コショウが混ぜてあり、意外とピリ辛である。
おかげで、ビール大瓶2本がすぐに空いたが、当然のように満腹になるのも早い
最近食が細くなった(?)オッサンが、ケンタよりデカいチキンを3個も食べたのだから、至極当然である。

なのでこの日は早くもシメ。選んだのは「五目そば」700円。


チャーシュー、半熟玉子、ナルト、キャベツ、人参、玉ねぎ、ピーマンに豚コマ肉。
五目どころか八目だが、私が忘れているだけで、他の具材もあったかもしれない。
巨大な揚げ物のあとだから、サッパリした塩味のラーメンが食べたかったので、このチョイスは正解。


…よく考えれば、唐揚げ+ラーメンは不正解か。そもそも、サッパリという表現もおかしいし。

先日、久しぶりにタカノさんに行ってきた。他の店で飲んだあとなので、お食事だけ。
ということで選択したのが、「チャーハンの豚唐揚げ付き」700円。
鳥肉だとデカいのが2個だが、豚肉だとどうなるのか。卓上メニューに写真が見当たらないのが少々不安。
しばらくして、お盆にセットされた漬物とスープ、そして豚唐揚げチャーハンが登場。


豚肉唐揚げは、サイズとしては普通だったが、その分6個も盛られている!
あと、わかりづらいけど、チャーハン自体も決して少なくない。食べ切るのに苦労したよ。
豚唐揚げも、コショウの効いた衣と肉の風味が合わさり、なかなかイケる。
ただし、6個も付けちゃうのは、サービス過剰ではないだろうか(笑)。


途中、卓上のマヨネーズや黒コショウを追加して、なんとかたいらげた。
一方のチャーハンは、パラパラよりふんわりに近いタイプ。ハムだけでなく焼き豚も入っていたのが好感。
あと、頂点にある枝豆の緑色が、目にやさしいというか…グリンピースより見た目もいいよね。
結論:タカノさんは、豚唐揚げチャーハンもウマかった。ただし、ボリュームがあるので、
このときの私のように、日が沈む前から長時間飲んでいて、シメに選ぶのはダメ!

ダメといえば、この日店内壁には、お店からの注意書きが貼ってあった。詳細をまとめると、
○当店は食事がメインの中華料理店です
○アルコールはひとり1本まででお願いします
○1時間以上の居座りはご遠慮ください
○飲みたい方は居酒屋をご利用ください 

最後に、「こんなルール決めたくないけど、書かなきゃわからない人がいたので…」と記されていたのがせつない。

私自身は、いつもひとり客だったため、長居はせず飲み食いしたらすぐに退店していたが、
複数で来店して長々と飲み続け、中華食堂で泥酔する、ダメな客もいたんだろうな。
私も今後は、お店のルールに従い、ビールのお替りは控えることにする。
あと、飲んだあとのシメに利用するのも、健康面を考慮しやめておこう(苦笑)。



中華料理 タカノ
東京都杉並区高円寺南3-6-1
地下鉄新高円寺駅から徒歩約3分、JR高円寺駅から徒歩約15分
営業時間11時半~15時、18時~22時半
定休日 木曜
※最後に記したルールは、絶対に守ってください
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メニューが豊富すぎるちゃんぽん店 飯田橋『雲仙楼』

2019年05月17日 | 中華食堂
野菜が嫌いで、「そういえば今日食べた野菜は、ラーメンの刻みネギだけだ」、ということもある私。
野菜不足を補うために好んで食べるのは、せいぜい餃子とコロッケ(←野菜?)、そして「ちゃんぽん」くらいである。
最近よく利用しているのが、長崎県雲仙市出身の店主が営む、飯田橋の『雲仙楼』さん。
お店のウリは、故郷の長崎から麺や食材を取り寄せている、ボリューミーなちゃんぽん&皿うどんだが、
その他のメニューも豊富に揃っている。というか、豊富すぎる

こちらは店頭に貼ってあるメニュー2枚。




これだけでも相当な種類があるが、店内に入ると、壁一面に手書きメニューの短冊がすき間なく貼られており、
上記メニュー以外にも、餃子、春巻など中華の定番から、もつ煮込み、鍋焼きうどん、玉子サンド、ゴーヤチャンプルなど、
「こんなモノまであるのかよ!?」と驚かされる料理まで存在し、総数は300を超えるとか。
※しかも、いまだに増え続けている模様

初入店のときに食べたのは、「小ちゃんぽん+半チャーハン」のセット1000円。小ちゃんぽんは単品850円なので、かなりお得。
すぐに半チャーハンが出てきた。ちなみに、水はコップではなく、小ジョッキで提供される。


チャーハンは確かにハーフサイズだったが、あとから来たちゃんぽんは、全然(小)じゃなかった


わかりづらいけど、丼はけっこう大きめで、野菜だけでなく具材もたっぷり。


これが小ということは、並(950円)も多いだろうし、並+200円の大盛なんか、とんでもない量が出てくるんだろうね。
味の方は、九州の甘口醤油を使い、食材の旨味も溶け込んだ、スープの甘じょっぱさが印象的。
気が付けば、たっぷりの野菜も残すことなく完食。ヘルシーな昼食となった(←カロリーに問題は?)。

数日後の再訪では、お店のもうひとつの名物と思われる、皿うどん950円を食べてみることに。
一般的な、パリパリの細麺でなく、炒めた中太麺を使用した「炒め皿うどん(やわらか麺)」をチョイス。
こちらがその写真。奥の調味料容器と比較すれば、皿の大きさ=量の多さがわかってもらえるだろう。


熱々かつ大量の野菜あんかけに苦戦しつつも、ガツガツ食べ進んでいく。
途中で、卓上にあった、長崎名産の「金蝶ソース」(ウスターソース)もかけてみた。


なんとか食べきったが、ちゃんぽんと同様、全然「並」ではない盛り具合。この店、もっと若い頃に来たかったなあ。

その次に食べたのは、時間に余裕がなかったので炒め物は避け、「カレー麺」700円をオーダー。


たった今気付いたんだけど、さっき載せた店頭メニューでは650円になってるではないか。50円余分に取られた!
おそらく店員さんも、メニューが増えすぎたため、個々の値段を覚えきれていないのではないか。
カレー麺は、スープの入る「つゆ有」もあるが、私は、茹でた麺にカレーをかけるだけの「つゆ無」を選択。
シンプルだけど、カレーが薄まらないから、カレーうどんもこのスタイルの方が好きだ。
ちゃんぽんなどとは違い量は普通だったので、すぐに食べ終えることができた。あと、カレー自体が意外とウマかったよ。

4度目の訪問時は、食事だけでなくびんビール600円も注文。注ぐのはやはり、コップではなく小ジョッキだった。


料理を待っている間、テーブルの下にある雑誌類をあさってみる。
お店のおばちゃんの趣味なのか、ほとんどが女性週刊誌だったが、それらに混ざり、なぜか「松坂慶子写真集」が!


食事中に熟女ヘアヌードを見たのは、もちろん人生初である(笑)。

※これよりスゴイ写真が多数収録されていた

メニューもそうだが、本当に「なんでもアリ」のお店である。
なお、この日に食べたのは、好物の「餃子」400円と、


「マーボー焼きそば」850円。


餃子は普通においしい。もうちょっと焼いてもらった方が好みかな。
マーボー焼きそばは、上の麻婆豆腐をツマミにして、残った麺をシメとして食べた。


焼きそばは、柔らかい部分とちょっと焦げた部分が混ざっていて、食感の違いが楽しめた。
この日のお会計は、ビール2本と上記料理で計2450円。
次回飲むときは、メチャクチャお得な「3時間飲み放題食べ放題 3000円(税別)」に挑戦してみたい。

※予約不要、ひとりでもOKとのこと

そして、つい先日食べたのが、最近新メニューとして加わった、「マヨネーズラーメン」700円!
商品名をオーダーした瞬間、店内の客たちの会話が一瞬止まり、その後ヒソヒソ話が始まった。まあ、気持ちはわかる。
数分後、私以外の客も注視する中、店のおばちゃんがマヨネーズラーメンを運んできた。


マヨネーズが溶け込んだ乳白色のスープに、大量の千切りキャベツ。要するに、サラダラーメンだな(←違うだろ)。
スープは塩分多めだが、確かにマヨネーズの味。よ~く見れば、分離して粒状になったマヨが浮かんでいる。
キャベツの下には中太のちぢれ麺。そして、驚いたことにこのマヨネーズラーメン、


具材はキャベツのみだった。さすがに、ちょっとさみしいね(苦笑)。
麺とキャベツはたいらげたが、身体に悪そうなのでスープを飲み干すのはやめておいた。

繰り返しになるが、雲仙楼さんはとにかくメニューが多彩で、和洋中なんでもある。
おまけに新商品もちょくちょく登場するため、たぶん死ぬまで飽きずに通えると思う。
私自身も、大好きな「ハンバーグ」、「木くらげ玉子炒め」「コロッケ」などが未食だし、
日清食品の即席麺を使用しているらしい「チキンラーメン鍋」という、気になる謎メニューも控えている。
そういえば、メイン料理のちゃんぽん・皿うどんの「特製」バージョン(+200円)も食べていない。
やっぱり、先述の「3時間食べ飲み放題」を利用して、一気にコンプリートしていくしかないな。
挑戦した際は、再びこのブログで紹介しようと思うので、乞うご期待!  ※同行者歓迎

※追記 食べ放題行ってきました。詳細はこちら



雲仙楼
東京都文京区後楽2-3-17
JR飯田橋駅東口から徒歩約3分
営業時間 月~金 11時~14時半、16時半~20時半 土曜 11時~14時半
定休日 日、祝
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街中華天国・西荻窪屈指の個性派 『中華料理21』

2019年01月20日 | 中華食堂
以前も書いたが、西荻窪はチェーン店が少なく、個人のお店が頑張っている街である。
私の好きな中華食堂も多数健在で、『八龍』、『彩虹』、『ちんとう』、『坂本屋』などはすでに紹介済み。

餃子が美味しい中華屋さん 西荻窪『八龍』

    

「街中華」の宝庫・西荻窪で餃子を

    
左から彩虹、ちんとう、坂本屋の餃子

他にも行くべきお店がたくさん存在しており、マニアにはたまらないエリアであろう。

そんな「街中華天国」の西荻で、地元民から絶大な支持を受け…てはいなく、
むしろ、ちょいと異彩を放っているお店が、今回紹介する『中華料理21』だ。
私がこちらのお店を知ったのは、今から10年以上前の深夜。終電がなくなり、ヒマつぶしに歩いていたら、
こんな遅い時間なのに営業している中華屋さんがあったので、珍しいので入ってみたのだ。
「イラッサイ」と迎えてくれた店主は中国の方のようで、調理と接客をひとりでこなしていた。
その時注文したのが、ビンビールに「餃子」と「麻婆豆腐」、あと写真はないけど「鶏のカレー煮込み」。


麻婆豆腐は辛さと旨味がちょうどよく、ビールがすすむ逸品、餃子はよく覚えていないが、悪くはなかった。
ただし鶏のカレー煮込みは、鶏肉に冷蔵庫内みたいな匂いが染みついていて、正直イマイチだった。
このあと、地元在住の方々に、中華料理21についてたずねてみたところ、面白い意見が聞けた。

○年中無休で、どの時間帯も開いている
「いつ寝てるんだ?」という疑問の答えは「営業中」(笑)。客がいないときは、店内で寝ているらしい。
なお、最近はちゃんと休憩時間があるので(後述)、営業時間中の居眠りはしていない…はず。

○日本人向けではなく、店主が母国で食べていた味を提供している
最近は、やや日本式中華に寄せた感もあるが、それでも他の店では食べたことのない味の料理が多い。
具体的な料理はあとで紹介するが、味の評価についてはやはり、賛否両論ありそう。

○日によって食材や調理法が違うため、毎回味付けが異なる
これも賛否両論あるはず。さっき触れた鶏カレー煮込みも、鶏肉以外の食材は毎回違うとか。
常連客の中には「一期一会だ」と、前向きに味わっている方もいる。

そんな中華料理21さんは一時期、メニューの入れ替えもひんぱんに行なっていた。
ある日、久々に入店したところ、店内壁の貼紙メニューに衝撃的な料理を発見!


中華食堂なのに刺身サラダ! ハンバーグ! お好み焼き! さらに別の黒板には、


本日のおすすめが天ぷらの盛り合わせ! 意外と字がキレイなのも違和感に拍車をかける。
これらの料理を始めた理由を店主にたずねたところ、「ボク、料理得意だからね」と、よくわからない答えが返ってきた。
せっかくなので「お好み焼き」と、これまたお店が推しているらしい「汁なし担々麺」を注文。
まずはお好み焼きがやってきた。見た目はよくあるタイプだが…


食べてみたら「あ、味もよくあるタイプ」。美味しかったけど、自家製ではない気がする。
続いては、見た瞬間に「これは自家製だ!」とわかる汁なし担々麺がやってきた。


これ、食べかけじゃなくて運ばれてきたときの状態だからね(苦笑)。盛り付けはイマイチだが…
いざ食べてみると、ゴマの風味が濃厚だけどあとから辛さがやって来る、まさにオンリーワンの味。
それから数年後、店主の奥様もお店に出るようになり、壁にあったお好み焼きやハンバーグについては、
「やめましょう」と店主に提案(「やめろ!」と叱りつけたとの噂も)したことで、今では幻となってしまった。

奥様が手伝うようになり、過酷な「店主ひとり営業」は解消され、非・中華メニュー群もなくなったことで、
店内に漂う怪しい雰囲気もやや薄れた感はあるが、料理の味自体は、相変わらず個性的である。
ここからは、最近食べたメニューを、ざっと紹介していこう。
まずは久しぶりに頼んだ「焼餃子」。値段忘れちゃったけど、400円くらいだったと思う。


普通より大ぶりな餃子の中身は、肉と野菜の他、数年前に食べたのとは違い、ほんのり甲殻類の風味。
すぐ近くのテーブルで、奥さんが餃子を包んでいるのを見たところ、やっぱり具材に海老が含まれていた。
続いては、私の大好きなKTI=「きくらげ玉子炒め」、推定価格680円。


味付けはそんなに変わっていないが、いろんな食材を使っている様子。


肉は豚角煮(メニューにあり)を薄切りにしたものだし、ナスが入るのも珍しいよね。
そしてこちらは、現在のイチオシらしい「美味鶏」350円。読みは「メイウイジー」だ。


鶏肉の形状や焼き色は、毎回異なっているが、要するに「中華料理21風チキンソテー」だ。
和風でも洋風でもなく、しかし中華風ともいえない不思議な味。美味しいし量もそこそこあるので350円は安い。
こちらは、つい最近登場したと思われる「豚角煮鍋」。推定750円くらい…もっと高かったかな?


たっぷりの豆腐、野菜、キノコの下に、豚の角煮がゴロゴロと埋まっている。


鷹のツメが入っていたように、スープは結構辛い。身体が温まる、冬にピッタリのお鍋だ。

ここからはシメの料理を。まずは「五目チャーハン」、推定600円。


チャーハンの見た目は普通だけど、付け合わせのスープの濁り具合が怪しい。


ゴマ油の効いた中華風スープで、味自体は変ではなかった。
チャーハンは、これまで食べてきた料理と比べると、チンゲン菜(?)以外はごく普通の具材で、味付けも薄目。
シメだから薄口に仕上げてくれたのかな? そんな気遣いをしてくれる店主とは思えないが(失礼)。
こちらは、個人的に一番のおススメ「麻婆麺」。サービス価格で現在なんと390円!


提供時は丼一面が麻婆豆腐だったので、撮影前に麺を救い上げてみた。
一般的な「スープ入り麺の上に麻婆豆腐」でなく、「麺の上に麻婆豆腐、以上!」というタイプ。
なので、麻婆豆腐の濃厚な味がダイレクトに伝わるし、麺との絡みも抜群で最高にウマイ。
最初の方で紹介したように、こちらの麻婆豆腐はいつ食べても絶品だし、これで390円とはお得すぎる。
ピリ辛で食欲をそそるから満腹でも食べられるし、ここに来たら絶対頼むべき一品だね。
あと、現在はウーロンハイも190円のサービス価格なので、がぶ飲みすべし!

最後にデザートとして、自家製の「杏仁豆腐」、推定350円。


杏仁というより、ココナッツミルクっぽい味がしたような気がした。口どけ滑らかで甘さ控えめ、デザートにピッタリだ。
以上、いろんな料理を紹介してきたが、味や盛り付け、使用食材などは、あくまで私が食べたときのものなので、
注文時に違っていても、店主や私に文句をいわないように!

食事していて気になるのが、壁やらテーブルやらいろんな場所に飾ってある、著名人のサインや写真。
先日私が座った席には、店主と角野卓造さんとのサイン&記念写真が置いてあった。


「渡る世間は鬼ばかり」とあるが、色紙に名前のある店主・欧張さんも、波乱万丈な人生を歩んできたらしい。
来日して今年で34年、お店を開店してもうすぐ20年になるが、異国の地ゆえ苦労は絶えなかった様子。
西荻窪で暮らす人たちをテーマにした、「西荻町学」というサイトのインタビューにて、欧張店主は、
数字や利益を追求しすぎて、疲れてきっている日本人と接するうちに、自身も疲れるようになったと述べ、
「私日本好きよ。でも日本人働きすぎ」と苦言を呈していた。
ここ数年、まともに働いた記憶のない私(スマン!)はともかく、一部の日本人は確かに働きすぎだし、
政府が推し進めている「働き方改革」も、まだまだ実現には遠い現状だ。
仕事に追われている方も、たまにはこちらのお店でゆっくり食事をし、店主のハナシに耳を傾けてみてはいかがかな。
なお、現在の中華料理21の営業時間は、11時半から4時半。午後4時(16時)ではなく、朝の4時半だ。
仕込みや清掃などを除いても、店主は毎日17時間、それも休みなしで労働している
「欧張さん、アナタこそ働きすぎだよ!」と心配する私に対し、「生きていくため仕方ないね」と語る、
店主を助けるためにも、訪問した際はたくさんの料理とドリンクを注文し、お金を使ってあげてほしい。
サービス商品のウーロンハイと麻婆麺だけで帰るのは厳禁!



中華料理21
東京都杉並区西荻南3-14-11
西荻窪駅から徒歩約2分
営業時間 11時半~翌4時半
定休日 不定休だけど基本的になし
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ワンタンで一杯やるなら 御茶ノ水『こうや麺房』

2018年08月04日 | 中華食堂
こんにちは、春に続いて夏も甲子園出場を決めた、栄えある日大三高OBの正田です。
今回のブログは前回の続き。高校野球西東京大会・準決勝…ではなく、準々決勝の試合後のメシから。

訪問したのは、最近都内にいくつか支店を出している、ワンタン麺チェーン『広州市場』高円寺店。
ゆでワンタンと焼き餃子で一杯やり、シメにワンタン麺…のつもりだったのだが、




炎天下の球場で汗をかき過ぎたためか、すぐに酔いが回ってしまい、ギブアップ。
料理の方も、写真の通り中途半端な羽根の餃子は当然イマイチだし、
お店のウリである自家製ワンタンも、かかっているタレが余計だし、ワンタン自体も平凡でさほど印象に残らず。
6個で380円(餃子も同価格)というお手頃価格ゆえ、やや小ぶりサイズだしね。
ワンタンメンのように、スープと一緒ならウマいのかもしれない。

ワンタンのタレと同様、余計に感じたのが、店員たちの掛け声。
店員A「いらっしゃいませ!」
その他の店員「いらっしゃいませ!!」
店員A「ワンタンと餃子の注文、いただきました!」
その他の店員「ありがとうございます!!」
この種の掛け声は、『ダンダダン酒場』とかでもやってるけど、「言わされてる感」が見え見えだし、
そもそも明らかに心がこもってないから、個人的に好きじゃない。
結局、母校野球部の試合(8-6の辛勝)と同様、不完全燃焼のまま、お店を出ることとなった。
レジ会計後、海老ワンタンメンのワンタンだけを単品で頼めるか聞こうと思ったが、
いきなり店員Aに「お客様お帰りです!」と叫ばれる。当然他の店員からは「ありがとうございます!」の掛け声。
私「あ、あのすみません、海老ワンタン単品って注文できますか」
店員A「できますよ、お客様お帰りです!!(←間髪入れず、さっきよりデカい声で)」
他の店員「ありがとうございます!!(←やはり、さっきよりデカい声で)」
…そんなに早く帰ってほしいのかい。他にも聞きたいことあったけどもういいや。
なお、広州市場さんは、私が気に入らなかっただけで、料理や衛生面などは問題はなく、
いつも大勢のお客さんが来店している繁盛店である、とフォローしておく。
※追記 高円寺店は2019年5月に閉店

数日後、私がもっとも好きなワンタンを食べるべく、お茶の水の『こうや麺房』へ。
店名通り、四ツ谷の『こうや』系列のお店で、本店ほど混雑していないため、私はこちらをよく利用する。
こうやといえば、しょっぱいスープと大きなワンタンがたっぷりが入る雲呑麺が名物で、
以前「飯田橋駅近くのラーメン店」で紹介した、『高はし』もこうやの出身だ。

※高はしの雲呑麺

案内されたカウンター席に置いてあるお品書きには、麺類と雲呑くらいしか記載されていないが、
「お酒のメニューはありますか?」とたずねれば、ちゃんと「飲み客用」の黄色いメニューを持ってきてくれる。




ドリンクだけでなく、夜営業限定と思われる、おつまみメニューもたくさん。
最近は、入店するとすぐ、このメニューブックを持ってきてくれるようになった。顔を覚えてもらえたようで嬉しい。
まずは青島ビール570円と、お皿に盛られた茹で雲呑こと「皿ワンタン」800円をチョイス。
ここのワンタンには、さっぱりした青島ビールが合うのだが、330mlくらいしかないので、すぐ空いてしまうのが難点。
しばらくして、待望の皿ワンタンがやってきた。


肉がみっちり詰まったワンタンが全10個!
しかも1個1個がデカく、ハシでつまみ上げると、まるでてるてる坊主のよう


茹で立て熱々のうちに、さっそくかぶりつくことにする。
小皿にネギと、卓上にある赤い辛口のタレを乗せ、最初はそれだけで食べ、あとから醤油少々を加える。
この赤いタレの正体を店員さんにたずねたら、ラージャン(辣醤?)という調味料らしい。
お酢やコショウも置いてあるけど、ここのワンタンにはラージャンが欠かせないと思うよ。
さっきの広州市場は、6個で税込み410円。こうや麺房のは倍以上の大きさで10個で800円。
どちらが高コスパなのかは、言うまでもない。

いざ食べてみれば、まさに雲呑=雲を呑むような柔らかな皮の中に、たっぷりのお肉が!
ワンタンを噛みしめ、青島ビールを流し込む中、さらなる満足を求め、「きくらげと卵炒め」850円を追加。
KTIの愛称をつけるほど、個人的に大好きな中華メニューだが、こちらのを食べるのは初めて。
厨房の料理長(?)が、手際よく中華鍋を振るい、数分後にKTIが運ばれてきた。


たっぶりの肉、玉子、きくらげの他、青菜、ニンジン、シメジなども入っている。
『餃子の王将』などのチェーン店よりは割高だけど、その分量が多いので、かえってお得。
ワンタンもそうだけど、こうやさんってひと皿の量が多いから、ひとり飲みには向かないんだよね。
塩味の効いた炒めダレもウマかったので、残ったワンタンをつけて食べたりして。


ビールを何本か飲み干したため、お腹いっぱいになり、シメの麺類にたどり着けず。最近、胃が小さくなったなあ。
この数日後、我が母校野球部が西東京大会を制したため、結果的に「縁起のいいメシ」となった…かな?

甲子園出場を決めた翌日、優勝を報告するため(ウソ)、こうや麺房さんを再訪。
すでに他の店で飲み喰いしてきたため、この日のオーダーは軽め。
まずは隠れた名物の「味付玉子」110円と「とり手羽煮」130円で青島ビールを飲む。


以前はどちらも100円で、通い始めた数十年前の頃は、このふたつでビールを飲み、雲呑麺でシメたものだった。
この日も麺類は頼まず、雲呑麺の麺抜き、要するに「雲呑」800円をオーダー。


皿ワンタンと同様、大きなワンタン10個に、チャーシュー、ノリ、たっぷりのスープが追加されるお得な一品。
豚骨ベースのスープは、提供直後は熱々でヤケドに注意。塩分多めなので、冷めるとツマミにもなる?
ちなみに雲呑麺は、+80円の880円。ワンタンは6個に減るが、たっぷりのネギと麺が加わってこの価格はお得。

昭和時代、まったく肉の入っていない、皮だけのワンタンを食べて育った私にとって、
こうや系の「雲呑」との出会いは衝撃的で、いまだにここを超えるワンタンは知らない
餃子や焼売にも負けない、主役級になれるこちらのワンタンを、ぜひ一度ご賞味いただきたい。
過去に1度だけ、生ワンタンを持ち帰ったこともあるので、自宅で茹で立てを食べるのもおススメだ。



こうや麺房
東京都文京区本郷2-10-8
JR御茶ノ水駅から徒歩約5分、地下鉄御茶ノ水駅、本郷三丁目駅からも徒歩約5分
営業時間 月~金 11時半~16時半、17時半~23時半、土曜11時半~15時
定休日 日曜・祝日
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冷やし中華は5月の連休明けから 神楽坂『龍朋』

2018年05月10日 | 中華食堂
私がラーメン屋巡りを始めた頃に買ったガイドブックに、ちょっと気になるラーメンがあった。
「てりやきチキンバーガーからヒントを得た」というその商品は、他では見たことのないビジュアル。
そんな、好奇心をそそるラーメンを出す、お店の名前は『りゅうほう』
いつか食べに行こうと思っていたのだが、店舗のある神楽坂は訪れる機会がなく、未食のまま数年が過ぎた。
最近ようやく、飯田橋・神楽坂・江戸川橋エリアに出没することが多くなり、先日もプラプラ散歩していたところ、
偶然にも、本で見た黄色い看板=『りゅうほう』を発見! 


ラーメンは英字表記だとLahmenと書くってみんな知ってた? もちろん私は知らなかった。
なお、私の持っていた書籍では店名はひらがな表記だったが、テナントやお店の食器には漢字で書いてあるので、
以後はそれにならい、『龍朋』と書くことにする。
さっそくお店に入り、長年待望していた、てりやきチキンバーガー風ラーメン820円を注文する。
厨房には何人か料理人がいるらしく、待たされることなく登場。


ローストした鶏肉にレタスを添えた、確かにてりやきチキンバーガー風!
他の具はメンマとネギに、小さなノリ(小さすぎ!)。豚骨ベースの白湯スープに、コシのある中細麺が絡む。
他では、ラーメンには珍しい、クコの実が入っているのも特徴。


ノリと同様、個人的にはあまり意味がない気がしたが(笑)。
塩豚骨風のスープと鶏肉の相性が良く、具のインパクトだけではない、美味しいラーメンだった。
さて、ここまで明かしていなかったこの商品名は、なぜか「東京ラーメン」だったりする。


醤油ベースの黒いスープみたいな、一般的な東京ラーメンを期待して注文した客は、ビックリするだろうな。
なお、こちら龍朋さんは結構な繁盛店のため、昼時は次々と客がやって来る。席数は多いけど相席は必須。
この日、私と相席になったサラリーマン風のオヤジを含め、ほとんどの客が「チャーハン」を食べていた。
というワケで次の訪問時には、私もチャーハンを頼んでみることに。


見てのとおり、付け合わせのスープが、豚骨醤油ラーメンに使用するような濃厚スープなのがいい。
麺料理もいろいろ揃っているので、「東京ラーメン」とは別のラーメン用スープだと思われる。
肝心のチャーハンも、具は玉子、ネギ、チャーシューのみだが、スープに負けない濃い味付けでかなりウマい。
食感も、パラパラとしんなりの間でちょうどいい具合。なるほど、人気があるのもうなずける。
唯一の不満は、770円という価格。物価の高い神楽坂ゆえ仕方ないかもしれないが、
ラーメン600円、麻婆丼720円、中華丼770円(チャーハンと同額は珍しい?)と比較すると、やや割高な気がする。
これなら、ここから10分ほど歩いた場所にある、以前紹介した『新雅』のチャーハンの方がお得だ。
  
※チャーハン600円、写真は大盛なので700円

ただし、お会計時にお店のおばちゃんに「チャーハン大盛りは100円増しで量が倍になる」と教えてもらった。
それは、大食漢の方にはありがたいだろうし、グループ客でシェアするのもいいかも。

お店を出て少し歩くと、読売新聞の朝刊で長期連載中の「コボちゃん」の像がある。


作者の植田まさし先生が、この近辺に住んでいるのを記念し、3年前に建てられたそうだ。
この日は雨が降っていて気温が低かったためか、誰かが上着を着せてあげたらしい。愛されているね。
それにしても植田先生は、毎日仕事があっていいなあ。あ、最近仕事がなくて、つい本音が。
それから数日後、徐々に気温が上がり、コボちゃんも上着を脱いだと思われる頃、再び龍朋さんを訪問。
この日はそこそこ温かく、冷やし麺が食べたくなったので「ジャージャー麺」870円をオーダー。


たっぷりの甘辛肉味噌とキュウリに、私の好きなコーンも入っていたのが珍しい。
ジャージャー麺も美味しかったが、こちらのお店でチャーハンに並ぶ名物料理らしい、
冷やし中華も食べてみたい。
会計時、おばちゃんに「冷やし中華はいつからですか?」とたずねたところ、「5月の連休明けから」とのこと。
そうして、ゴールデンウィークも明け、昨日ついに「冷中華」850円を食べることができた。
正統派チャーハンとは異なり、こちらの冷やし中華は、ちょっと異色のタイプ。
「東京ラーメン」にも勝るとも劣らない、そのビジュアルがこちら。


どうよ、この一反もめんのような形状の玉子焼き!
ヨコから撮るとこんな感じ。丼に入っているので、全体的に結構ボリュームがある。


玉子焼きは「切るのがメンドくせえからそのまま出した」のが始まりとの噂だが、これはこれで面白い。
よく見ると、チャーシューやキュウリも一般的なものより太い。

※撮影後は、玉子でクルクル巻いて食べた

ツユはそれほど酸っぱくなく、酢が苦手な私でも食べられるタイプで、麺は意外とコシが強め。
なにより、麺、スープ、具、そして丼までもがキンキンに冷えていたのが印象的。さすがは人気店らしい気配りだ。
ただ、ご存知のように昨日5月9日は、都内は雨天の影響で温度が上がらず、5月では10年ぶりの低気温だった(苦笑)。
なので、冷やし中華を食べているのは私だけで、注文時には店員さんに「寒いのに冷やし?」と確認されてしまった。
とはいえ、ここの冷やし中華は、涼しい時期でもおいしく食べられた。クソ暑い夏の時期ならば、さらに満足できるだろう。

こちらは他にも、野菜たっぷりの「りゅうほうめん」や、私も大好きな「回鍋肉」も人気があり、
夜の時間帯には、東京ラーメンの具だった「チキンチャーシュー」をツマミに飲む客もいるとか。
次回は私も、昼のピークタイムを過ぎた時間(中休みナシが嬉しい)に訪れ、ちょいと一杯やりたいな。
来週からはまた気温が上がり、日が沈む前に飲む酒がウマい時期になったね。



龍朋(りゅうほう)
東京都新宿区矢来町123 第一矢来ビル
神楽坂駅2出口より徒歩約30秒、牛込神楽坂駅から約7分、江戸川橋駅から約8分、飯田橋駅から約13分
営業時間 11~23時、土曜祝日11~22時
定休日 日曜と祝日の月曜、年末年始
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