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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

中国宮廷も好んだエメラルド色の麺 一橋学園『なにや』

2018年12月01日 | ラーメン、つけ麺など
つい1ヶ月ほど前、このブログで取り上げた、長崎ラーメンのお店『西海』


こちらのお店の存在を知ったのは、2000年に双葉社が発行した「石神秀幸 21世紀ラーメン伝説」という書籍。
当時、テレ東「TVチャンピオン」のラーメン選手権などで活躍していた、石神秀幸が企画・監修したムック本だ。
関東4県のお店200軒とともに、店主のデータなども紹介されており、ずいぶん参考になった。
その後、彼のラーメン本は双葉社から毎年発行されるようになり、2003年度版では袋とじ内にて、
取材でお世話になった店主たちをこき下ろす(実名は出してないがバレバレ)、
という大胆不敵なコーナーを企画し、案の定、何人かの店主を激怒・落胆させてしまったらしい。
ネットでの匿名投稿でなく、自身の名前を冠した書籍でやるとは…まさか袋とじならバレないと思ったのかね。
そんな、非常識でアンチも多く、おまけに前科もある石神(なので「さん付け」はしない)のことは、
今では私も大嫌いなのだが、ラーメンの評論活動を始めた当初は、いい仕事をしていた…気がする。
冒頭で触れた西海も、彼の本を目にしなければ、知るのはもっと遅かったはずだし。

その2000年発行・石神ラーメン本は、現在も捨てることなく保持しており、
西海の紹介記事には、「この店は行った」ことを示す○印が残っている。我ながらカワイイな(←そうか?)。
その、西海の真下で紹介されていたのが、一橋学園駅からほど近い『なにや』さん。
麺にほうれん草を練り込んだ、緑色の翡翠(ひすい)麺を使用したラーメンがウリらしいが、
一番安いと思われるラーメンが800円(当時でもやや高い)だったため、貧乏な私は訪問をためらってしまった。
あれから18年たったつい先日、たまたま小平方面に立ち寄る用事があったので、
ちょうどいい機会だと思い、なにやさんに初訪問していくことにした。

お店にたどり着くと、「中国宮廷麺 なにや」のノレンがあり、そして入口側の壁には写真の貼紙が。


「700年前の麺」「中国紫禁城で食された」「カンスイ・保存料未使用」「ラーメンの味とは異なります」…?
店主は日本人のはずだが、経営者が大陸の人に変わってしまったのかと心配になった。
おそるおそる入店すると、接客担当のおばちゃんだけでなく、厨房からも「いらっしゃい」の声。
厨房から挨拶してくれたのは、石神本で見た店主と思わしき男性。ピリピリした雰囲気はなく、ひと安心だ。
店内はコの字カウンター席のみで、オーダーは、店内壁に貼ってある写真付きメニューから選ぶ。
私が注文したのは、例の本に載っていた、基本メニューと思われる「中国麺」850円。
壁の写真を見る限り、なかなか具だくさんなのだが、18年前から50円しか値上げしてないのはうれしい。
もうひとつ気になったのが、写真の「手打三色大餃子」540円(1個180円で2個から応じてくれる)。


皮が三色とは珍しい。自称「餃子王」として、これは食べないわけにはいくまい! 
しばらくすると、まずは餃子がやってきた。壁の写真と同様、本当に色鮮やかだ。


裏返してアップにするとごらんの通り。大きすぎて、タレ用の小皿からハミ出しちゃうね。


何も付けずにかぶりつくと、うほっ、口内で肉汁がほとばしる!
2個目をハシで割ってみたのがこちらの写真。もったいないから、皿にこぼれたツユも、もちろん飲んだぞ。


色の正体は緑がほうれん草、オレンジは人参との噂だが、オレンジ部分はピリ辛だったので、唐辛子も入っているかも?
失礼ながら、見た目重視で大きいだけの餃子かと思いきや、味もよかったのでビックリだ。
続いて、メインの中国麺が登場。こちらも、壁写真と寸分たがわぬ具だくさんでありがたい。


白菜、人参、きくらげ、茎ワカメ、メンマ、玉子、チャーシュー2枚。これで850円はむしろ安いではないか。
具の下に潜むのは、700年の伝統を誇り、中国の宮廷も愛した自家製の翡翠麺!


色とりどりの具材にエメラルド色に輝く麺、これぞまさに中華麺の宝石箱や~。
醤油ベースのスープは、ひと口めは淡白かと思いきや、あとから甘味と旨味がほのかに感じられる。
過剰なしょっぱさがなく、一般的な醤油スープと比べてやさしい味わいなのは、フルーツも使っているからだとか。
このスープだけでなく、こちらの料理はすべて化学調味料は不使用らしい。
バカ舌の私が、いわゆる「無化調」のラーメンをウマいと感じるのは珍しい。
あ、店頭の貼紙に「ラーメンの味とは異なります」とあったように、ここの麺料理はラーメンとは別物なのか。
他にも美味しそうな麺料理が多数あったので、すぐに再訪を決意した。

数日後、足取りも軽く再訪し、まずは餃子で一杯やることにした。
ただ、なにやさんのメニューは麺料理と餃子、それに「ビール」と「冷酒」のみで、
チャーハンどころかライスもなく、当然、普通の中華食堂にあるような、ツマミになる一品料理もない。
しかしご安心あれ。お酒を頼んだ客には、写真のお通しが無料で付いてくるのだ。


中華風くらげ、奈良漬け、燻製チャーシュー、人参に青菜。お通しにも手抜かりナシなのはさすが。
プレミアムモルツの中ビンに、豪華なお通しが付いて600円とは、なかなかお得ではないかな。
しばらくしたら餃子が焼けたので、びんビールがさらに進んだので、もう1本お替り。
すると驚いたことに、お通しのお替りもきたぞ!


中華屋さんで、酒類にお通しを出してくれる店は何軒か知ってるが、1本ごとに付くのは初めてだ。
しかも、私が最初のお通しで、苦手な奈良漬けを残していたのを見ていたのか、代わりに豚角煮を追加してくれたよ。
お店のお気遣いに感激しつつも、だんだんお腹がキツくなってきたので、シメの麺料理をオーダー。
この日は、こちらの麺料理では唯一の塩味である「麺菜」850円を。


メニュー名を表わすかのようにたっぷりの野菜、そしてまたまたチャーシューが2枚。
さっきの中国麺のときに書き忘れたけど、ここのチャーシューは抜群にウマイ
店内で食事せず、お持ち帰りチャーシューのみを買いにくるお客さんも多いのだが、それも納得。
写真はないけど、この麺菜にも翡翠麺を使用。塩味のスープも、無化調とは思えぬほどしっかりした味で満足。

なにやさんの味にすっかり魅了された私は、その後も店内で飲み食いするだけでなく、
お持ち帰り餃子やチャーシューを購入するため、足繁く通った。
麺類もいろいろと食べたが、ぜひ紹介したかったのが、「和牛霜降り肉すき焼麺」だ。


普段の白菜、メンマ、人参、きくらげ、味玉半分だけでなく、店内でも販売しているチンゲン菜が入り、
さらに「すき焼き」らしく、柔らかく煮込まれたA4ランクの牛肉、長ネギ、白滝、さらに、
殻に日付を記載したシールが貼ってある、高品質な生玉子がついてきて1500円。
ちょっと高いが、そこはなにやさん、ちゃんと納得できる味に仕上げてくれている。


牛肉、白滝、翡翠麺。間違いなく、ラーメンの概念を超えた料理といえよう。
生玉子は別皿で、すき焼きのように牛肉を浸して食べた。こんなの、うまくないワケがないよね。


麺料理は常時12~15種類ほど。季節によってメニューが変わるようだ。
今回紹介した中国麺や麺菜はいつもあるが、牛すき焼き麺はないときも(代わりに豚すき麺があったりする)。
夏季は、高価なフルーツを用いた冷やし中華も提供しているらしく、店内には写真のメニューも!


スイカやメロンの果肉を乗せるだけでなく、器としても利用するとは。
「要予約」、なにより「時価」というのが気になるが、ぜひ食べてみたいものだ。
当ブログでは、1度紹介したお店については再び書かない、というのが基本ルールだったのだが、
「メロン冷やし」ほか、魅力的なメニューが多い『なにや』さんは、いつかもう1度紹介させていただくつもりだ。
ただいま、上記の時価・冷やし中華を御馳走してくれる、スポンサーを絶賛募集中!



中国宮廷麺 なにや
東京都小平市学園西町1-26-25
西武多摩湖線一橋学園駅から徒歩約2分
営業時間 火~金11時半~14時半、17時半~19時半 土日祝は通し営業
定休日 月、ほか不定休あり
※終業時間はあくまで目安とのこと
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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (まっちゃん)
2020-09-06 18:59:25
今モヤさまで、このお店出てるよ(^-^)
返信する
Unknown (まっちゃん)
2020-09-06 19:02:01
あれ?ても場所は小平だけど…店名は一緒だ(^-^;
返信する
Unknown (日が沈む~(略))
2020-09-06 19:19:30
まっちゃんさん、
コメントありがとうございます。
なんか、いつも以上に閲覧者が多かったので驚いたところ、
『なにや』さんがTV番組で紹介されたんですね。
最寄り駅は一橋学園ですが、住所は小平市なんですよ。
返信する

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