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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

再び「とつげきラーメン」を求めて 中野『寿楽』

2021年08月16日 | 中華食堂
昨年夏、中華チェーン『天下一』の「とつげきラーメン」について書いた。詳細はこちら





とつげきラーメンは、現存する天下一では代々木八幡店でしか提供しておらず、
天下一自体も店舗数を減らしているため、このまま「幻のメニュー」になってしまうのでは…と危惧したものである。
追記 数日後、代々木八幡店の閉店が判明!

該当記事に対し、「ねぎみそらーめん」と名乗る方から、以下のコメントが寄せられた。
(前略)中野駅南側のラーメン専科 寿楽に行きましたが、トツゲキラーメン有りました!
天下一から別れたラーメン専科なので、同じ系統かも知れませんね。


おおっ、ありがたい情報提供! ねぎみそらーめん様、ありがとうございます。
さっそく「中野 寿楽」で検索。確かに、メニューに「トツゲキラーメン」がある。
天下一と寿楽の関係は初耳だったが、さっそくお店に駆けつけた。

こちらが『寿楽』中野店の外観。看板には天下一でもよく見かけた、「ラーメン 餃子専科」の文字が。


お店の場所は、以前紹介した『中野大勝軒』の裏側あたり。
店の存在は知っていたが、年季の入った外観(言葉選んでるよ)が気になり、利用したことはなかった。
入口で消毒を済ませ、カウンター席に座る。厨房には、ベテラン風の職人がふたり。
酒類は販売休止時期だったため、いきなりトツゲキラーメン680円を注文。
麺類には+200円で「半チャーハン」(ご飯類には+200円で「半ラーメン」)が付けられるので、そちらもお願いした。
主なメニューは下記のとおり。こちらが麺類・ご飯類。下部分が切れちゃってゴメン。


こちらは裏面。定食類、一品料理、ドリンクなど。


ラーメン420円、最高値の定食でも800円と、全体的にお手頃価格だが、メニュー上部分には、さらに衝撃の一文が!


◎うれしいサービス 餃子2ヶ付き!
↑久々に最大文字で表記してみたが、餃子好きにとってはまさに◎=二重丸のサービスである。
この餃子は、すぐに出せるよう、まとめて焼いたものを専用鉄板の上で保温しており、
トツゲキラーメンや半チャーハン、さらにお新香と一緒のお盆で提供された。


餃子は、味やサイズは普通で、焼き置きらしいフニャッとした歯触り。まあ、無料だしね。


半チャーハンは、本当に半分くらいのサイズ。焼豚ではなくハムを使用し、ほんのり化学調味料の味。


ただ、ご飯はちょうどいい硬さに炒められており、具材との混ざり具合も最高。いいチャーハンである。
そして、お目当てのトツゲキラーメンのアップがこちら。


餃子の中身を玉子でとじたものを、塩ラーメンと合わせるのが、私が知っている天下一の「とつげきラーメン」だが、
寿楽さんでは、肉団子状に丸めた生のひき肉を、ニラと玉ねぎと一緒にスープで煮込み、最後に溶き玉子を加えていた。
鷹の爪も入るスープは、オレンジ色でちょいピリ辛。川崎発祥の「ニュータンタン麺」みたい。


原材料は類似しているが、完成形がやや異なっている寿楽風とつげきラーメン。
途中でサービス餃子のひとつを投入し、天下一スタイルとの融合を試みたが、特に意味なし(笑)。


お通し餃子が気に入ったので、酒類が解禁になったらまた来ようと決めた。

再訪したのは、一時的に酒類提供がOKだった、7月上旬。
さっそく「瓶ビール」450円と、大好きな「肉と玉子とキクラゲ炒め」の単品をオーダー。
すぐにビール中ビンと、サービス餃子2個がやってくる。これだけで1本飲んじゃう客もいそうだ。


まもなく、チャーハンと同様に手際よく炒められた、KTI=キクラゲ玉子炒めが登場。


上記画像だとキクラゲが多めに見えるが、実際は肉と玉子もバランスよく組み合わされていた。
食べてみると、どの食材も最適な状態に炒められており、濃い味のタレとしっかり絡む。
先客が頼んだ、「肉と野菜のカレー炒め」もウマそうだったし、寿楽さんは炒め物がオススメかもしれない。

ビールをお替わりするタイミングで、餃子も追加。当然サービスの方ではなく、メニューに載ってる「餃子」の方だ。
すると、サービス餃子を保温している鉄板とは別の鉄板で、新しい餃子を焼き始めてくれた。
さすがに有料の餃子は、焼き置きをそのまま出すような仕打ちはしないよね。
しばらくして、単品餃子がやってきた。1人前6個で400円。


冷めたサービス餃子を食べている、周囲の客に見せびらかすように頬張ってやったが、多分誰も見ていない(泣)。

飲み食いしてお腹いっぱいになってきたので、締めることに。
醤油味のスープを欲したので、「ワンタンメン」を選択。これで580円とは、昭和価格だよね。


具材はチャーシュー、メンマ、ノリ、ほうれん草、ネギ、そしてワンタン。
特筆したいのが、ひき肉がどのワンタンにも入っていること。


昭和の時代は、皮から肉がこぼれ落ちた、「具なしワンタン」が主流だったのに。 ※あくまで個人の感想です
懐かしい醤油味のスープは少し残したが、あとは全部食べ切り、大満足で「ごちそう様です」。

トツゲキラーメンを食べることはできたし、サービス餃子も寿楽飲みも体験した。
けれども、最初の方で触れた「天下一と寿楽の関係」は、まだ謎のままである。
気になるならば、聞けばいい。というワケでつい最近、3度目の訪問を果たした。

酒類提供禁止期間ゆえ、この日は食事のみ。ご飯メニューから「スタミナ丼」680円をお願いしてみた。
まずはお肉だけを炒め、ニラは炒めず油通しし、タレをかけて卵黄を乗せ…スタミナ丼が完成。
お新香とスープ、そしてサービス餃子も当然付いてくる。


スタミナ丼の器も大きいし、これで680円は安すぎるでしょ。


食べてみると、いわゆる「すた丼の店」とは異なり、ニンニク風味はせず、甘じょっぱいタレの味が主体。
愛しの黄身ちゃんを崩し、肉やご飯などと絡めて、レンゲで一気にかき込めば…昇天するほどウマい。
ポイントは、ニラの存在感。炒めていないから、シャキッとした歯応えが残っている。
全部たいらげ、しっかりスタミナが付いたところでお会計。そして、職人さんに取材…というか雑談。

「あの、ここ寿楽さんって、天下一ってチェーンと関係あるんですか?」という私の質問に対し、
店主と思われる方の職人さんが、「イヤ、あそことは関係ない。全然別ですよ」とご回答いただいた。
寿楽という店舗はいくつかあるが、中野店はとりあえず、天下一とは無関係らしい。
職人さんが引き続き、いろいろ語ってくれたので、喜んで耳を傾けることに。
「寿楽も昔は都内に20店舗くらいあったんだけど。今は5~6店くらいかな。やっぱり人材がいなくてね…」
労働時間も長いし、夏は暑くて大変ですからね、と私が相槌を打つと、
「そうそう、昔はこんなに暑くなかったけど、最近は厨房にいられない」
確かに、強い火力での炒め物や、麺を茹でる大量の熱湯などにより、真夏の中華厨房は地獄と化す。
「毎年、夏になると体調を崩す」と嘆く職人さんに、まだまだ元気そうに見えますよ、と返答したら、
「まあオレの場合、夏場は(酒を)飲みすぎるのが原因だけど」と告白し、ガハハハと笑い始めた。
私もつられて笑い、「また来ますんで、どうかお元気で!」と告げて退散した。

近年、「街中華」と呼ばれる食堂がどんどん減っている。最大の理由は後継者問題であり、
次が廉価チェーンやコンビニなど、ライバル店の台頭による売上減だと私は考えていたが、
実は最近の日本の猛暑も、理由のひとつかもしれない。
寿楽さんも大変だろうが、店主らしき方が元気に酒飲んでるみたいだから(笑)、しばらく安泰であろう。
緊急事態宣言が明けたら、また【寿楽飲み】を復活させるつもりだし、
今回ブログの主題でもあった、「とつげきラーメン」探索の旅も再開予定だ。
どうやら、埼玉の寿楽にも「とつげきラーメン」があるらしいし、『天下一』と『寿楽』の関係についても知りたい。
拙ブログでは引き続き、とつげきラーメン及び天下一チェーンの情報を、お待ちしております。



中華料理 寿楽
東京都中野区中野3-32-10
JR中野駅から徒歩約4分、地下鉄新中野駅からも徒歩圏内
営業時間 11時~22時、土日祝は21時まで 最近は20時閉店
定休日 年末年始ほか、ごくごくたまに不定休
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