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明るく正しく強いブログ

朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

愛娘の名を冠した中華屋さん 吉祥寺『軼菁(いじん)飯店』

2023年01月20日 | 中華食堂
1990年代、私は現在のような自由業(ほぼ無職)ではなく、吉祥寺のとある飲食店で働いていた。
今も昔も、おカネは大好きだが仕事は大嫌いで、唯一の楽しみが1時間の休憩。
店で飲食することはなく、職場から逃げるように、近隣の飲食店へ向かう。
当然、「今日は忙しいから、食事が終わったらすぐに戻り、お店を手伝います!」なんて申し出をすることは皆無で、
どんな時でも、60分ギリギリまで休憩を満喫していた。まさにダメ社員である。
そんな私が選ぶ休憩先は、「安い・ウマい・量多い」だけでなく、「ゆっくりくつろげる」お店。
立ち食いソバはもちろん、牛丼やラーメンのような長居しづらいお店はなるべく避け、
1.席数多く、相席は滅多にさせない 2.漫画など読み物が充実している 3.デザートやコーヒーが出る
上記条件のいずれかを満たしている店を、巡ったものだった。
具体的な店名を挙げると、『大鵬』、『コーヒーロード』、そして、今回紹介の『軼菁(いじん)飯店』である。

大鵬は、私が通っていたお店は廃業したが、『大鵬本店』と名乗るお店が、今も吉祥寺で営業している。
※追記 大鵬本店は、1月末で閉店した模様です
コーヒーロードも、吉祥寺店はだいぶ前に閉店したが、中野駅南口に支店があったはず。
唯一残った軼菁飯店は、移り変わりの激しい吉祥寺で、長年営業を続けているのだから、
エリア屈指の名店なのだろう。「だろう」と断定でしていないのは、当時の私は失礼ながら、
「そこそこ美味しくて、いつも空いててくつろげる店」程度の評価しかしていなかったので。
電車に乗って、わざわざ食べに行く店でもなく、吉祥寺から転勤したあとは、足が遠のいてしまった。

屋号の「軼菁」が常用漢字でないように、お店で働いていた皆さんは、大陸から来た方々。
ただ、料理は日本でもおなじみのメニューばかりで、味付けは濃くなく油分も少なめで、万人受けするテイストだった。
日本語はちょっと怪しかったが、不自由したことはない。店主の挨拶は常に「いらっちゃいまちぇー」で、
八宝菜の注文には「ハーイ、はっぽうちゃーい」と、「しゃ・しぇ」が「ちゃ・ちぇ」なのが可愛かった。

ネット記事によると、「店主夫妻は上海に戻り、現店舗は娘夫婦が引き継いだ」と記載してある。
ここまで書き忘れていたが、屋号の軼菁とは、店主夫妻の娘さんの名前らしい。
下記は、店外に掲示されている軼菁さんの画像だが、今年訪問した際は、彼女らしき方はおらず、


代わりに、画像の美女とは似ても似つかない、クセのある女性店員がいたので後述する。

今年1月、久々の訪問を果たした軼菁飯店だが、実は数年前にも、ランチを食べている。
ガラケー画像しかないが、そのとき注文したのが、下記の「豚肉と玉子炒め定食」850円(現在の価格、以下同)。


昼間っから「青島ビール」500円を頼んでいるのが、私が無職になったことを証明している(苦笑)。
ちなみに、16時までのランチタイムは、ご飯、スープ、右下の麻婆豆腐は、セルフでお替わり自由である。
そのサービスは、私がまだ若く、いくらでも食べられる胃を持っていた頃にやってほしかった(泣)。

ランチを食べてから、さらに数年たった今年。21世紀2度目の訪問を決意。
お店はJR吉祥駅からほど近い、レンガ館モールの地下1階。建物の外観に反し、ちょっと怪しげな雰囲気のエリアにある。


かつては、建物の上が赤い部分までが軼菁飯店だったはずだが、いつの間にか隣まで拡張していた。
さらに、以前は中休みナシの通し営業だったが…やってないではないか!


どうやら、最近は16~18時までは中休みらしい。また「食べログ」に騙された! ※お店HPはここ数年更新ナシ
数時間後に再訪し、八宝菜と餃子と青島ビールを飲んだ…ところまでは前回書いた。

※前回紹介した、八宝菜と青島ビール

久々の八宝菜に舌鼓を打ち、途中で「ウーロンハイ」400円も2杯頼み、シメのお食事へ。


“創業から続く、当店人気の肉野菜麺”という説明されていた「豚肉麺」850円にしようと思ったが、

※一部メニュー左隣の赤丸は後述

「豚肉麺セット」950円にすると、点心と杏仁豆腐が付くそうなので、そちらを選択。
数分後にはセットが登場。こちらのお店、メニューによっては「作り置き?」と疑いたくなるほど高速で出てくる(笑)。


点心は春巻で、ごく平凡な味。杏仁豆腐も驚くほど甘ったるく、どちらも自家製ではないと思う。
一方、メインの豚肉麺は、要するに肉野菜炒め乗せラーメンだが、創業から続いているだけあって、さすがのウマさ。


細縮れの麺は、本場上海のモノに近いとされる玉子麺で、舌触りも良好。
具材の肉野菜やスープも含め、ラーメン専門店では出せない、中華屋さんならではの味わいである。
食べ終えてのお会計は3650円。結構飲み食いしたので高いとは思わないが、
実はこちらのお店、【3500円~食べ飲み放題】というコースメニューがある。


時間と酒の種類によって価格が変わり、すべての商品が飲み食いできるワケではなく、
さっき載せた麺類メニューだと、商品名の左に赤丸が付いている料理が、食べ放題OKである。
それでも、メニュー数は豊富だし、バイキングと違い出来立て料理が食べられるのも魅力。
ひとり客でも注文可能なのか不明だったのであきらめ、この日は赤丸以外のメニューを食べたのだ。
なお、私の訪問時にも、例のコースを選んでいた団体客がいたのだが、
その相手をするおばちゃんが、めちゃくちゃ怖い。さっき触れた、「クセのある女性店員」とは彼女のことである。

Googleの口コミでも、「女性店員の態度が悪い」という投稿がいくつも見受けられる。
確かに、商品を音を立てて置く、オーダーを無視する、不機嫌そうな返事…などなど、今どき珍しい応対をしていた。
私も若い頃なら激怒していただろうが、あえて女性のフォローをすると、「食べ飲み放題とはいえ、注文は簡潔にしろ」。
ちなみにこの日、店員さんはふたりだけで、そこそこ広いホールを回していた。

たとえば、3人客がいて、客Aが「ウーロンハイください」→店員ウーハイ持ってくる。このとき、客Bが「あ、ぼく緑茶ハイ」
→店員緑茶ハイ持ってくる→ここで客Cが「あ、オレも緑茶ハイ」→これではさすがに、店員さんも不機嫌になるよ。
上記の場合は、なるべく3人同時に注文し、店員さんの往復回数を減らすべきでしょ。
この日は、「すいませーん」と呼びつけておいて、店員が来た瞬間、「え~と、ナニしようかな…」と、
その場で考え始める客もいたが、あんなのは論外。見ていた私も腹が立った(←見なきゃいいのに)。
「こっちは客だぞ」と思っているのだろうが、店員さんだって奴隷じゃない。働きやすいよう気を使ってあげようよ。
そもそも、通常価格が安いのだから、文句があるならチップでも渡せばいい。きっとサービスもよくなるはずだ。

ちなみに私は退店間際、例の女性に「久々に来たんですけど、相変わらず美味しかったです」と告げると、彼女も喜び、
「ヒサビサノオキャクサン、オイシカッタイッテルヨー」と、厨房に伝えていた。そんなに悪い人じゃないぞ。
彼女に好印象を持っていただけた(?)ところで、忘れられないうちに、数日後には軼菁飯店さんに今年2度目の訪問。
飲み仲間の先輩ふたりと、「食べ飲み放題コース」にチャレンジしてきた。

夜の営業開始時間である、18時に到着したところ、店内にはすでに、大勢の客がいた。
この日は土曜だったが、ひょっとしたら「土日だけは中休みナシ」だったりするのかも。
なお、例の女性店員は、残念ながら(?)不在。春節で早めに帰省しちゃったのかな。
この日のホールは、前回とは別の男女店員が担当。無論、怖くはないけど、失礼のないよう、
注文回数は最低限に、なおかつ丁寧な口調でオーダーしたので、念のため。

選択したのは一番安い「2時間・30品飲み放題・3500円コース」3名分。3時間4500円コースは、年齢的にキツいし、
50品飲み放題4000円コースも、追加になるハイボールや果実酒などは、あまり飲まないので。
「瓶ビール」(通常550円、以下は通常は略)で乾杯し、その後はウーロンハイなどのチューハイ類をお替わりした。

以下で、この日オーダーした料理の画像を、一挙に掲載していく。
まずは私の大好物「木須肉(ムースーロー)」900円=きくらげ玉子炒めと、「鶏の唐揚げ」600円。


きくらげ玉子炒めはハズレのない料理ゆえ、先輩たちも気に入ってくれた。
唐揚げは、一般的な見た目とは異なり、チキンカツのような形状で、塩コショウを付けて食べる。


続いては「ニラ餃子」500円。前回載せた「キャベツ餃子」と、ほぼ変わらぬ外観。


これまた好物の「味付玉子」120円×3に、「焼売」600円。


せっかくの食べ放題なのだから、味玉は人数分ではなく、10個くらい頼めばよかった。
こちらは、先輩が注文した、上海黒酢使用の「黒酢酢豚」900円。実は黒酢嫌いの私は食べていない。


ある程度食べ終えたので、2度目の料理注文。「海老チリ」1050円を頼んだら、10秒で出てきた(本当)。
あまりの早さに驚いているうちに、撮影するのを忘れてしまった。
こちらは、食事にもツマミにもなる「上海焼きそば」750円。右奥に見えるのが、食べ終えた海老チリの皿だ。


焼きそばを取り分けたお皿に、直後に到着した「春巻」も一緒に乗せる。取り皿はひとり2枚までなのでご注意を。


春巻は2本で360円だけど、確か人数分提供されたと思うので540円か。
ここまで、期待どおりというか想定内の料理が続いたが、ちょっと変わっていたのが「もやし炒め」600円。


ここ軼菁飯店さんは、最初の方に掲載した八宝菜のように、塩ベースの透明なタレを使うことが多い。
このもやし炒めも色白な仕上がりだったが、塩というか酸味を少々感じる。酢を使ったのかな?
イヤな酸味ではないのだが、もやしナムルとも違う、食べたことのないもやし炒めであった。
個人的に、この日一番気に入ったのが、こちらの「玉子炒飯」700円。


具材は玉子と少々のネギだけなのに、口に含むと旨味が広がる。お店が“黄金炒飯”と呼ぶだけのことはある。
味の秘密は秘伝のタレか? 化学調味料か? おそらく後者だろうけど、ウマけりゃいいよ。
その後は、「炸醤麺(汁なし)」ジャージャーメン850円が出てきて、


ラストオーダーに「水餃子」500円と「揚げ餃子」600円を注文し終了。揚げ餃子は先に先輩が確保。


餃子は、どちらも本来は6個のはずなのに、人数分の3個しかなかったから、それぞれ250円と300円で計算。

ここまで、「瓶ビール」2本、400円のチューハイ類を3人で推定16杯、先輩が「紹興酒」500円をロックで1杯。
以上、全部合計すると………16900円! 実際のお会計は10500円なので、かなりお得だ。
これでも、おっさん3人が遠慮がちに頼んだ結果なので、図々しく頼む若者なら、3人で2万円超も可能だろう。

初めて「食べ飲み放題コース」を満喫した感想をいくつか。
○点心類はイマイチ→マズくはないが、どこかで食べたような味ばかりで、自家製じゃない気がする。
○海老がウマい→先輩たちも語っていたが、海老チリはソースより、海老自体がウマかった。
そういえば私も、数日前に食べた八宝菜では、海老が一番美味しかった。
○玉子炒飯最高!→パラパラの食感といい、なぜか口内で爆発する旨味といい、近年では最高のチャーハンだった。
○普段より焼酎が濃い→数日前、普通に頼んだウーロンハイより、明らかに焼酎が濃い。
一般客には、薄くしてもっと注文させて、飲み放題客には、あまり飲ませないよう濃くしているのかも。

今回、食べられなかった料理もたくさんあるので、このコースは、また挑戦したいね。
なお、普通に食べるときは、コース対象外の八宝菜がオススメだ。
あと、繰り返しになるけど、例のおっかない女性店員も、そんなに悪い人じゃないと思うよ、たぶん。



上海酒家 軼菁飯店
東京都武蔵野市吉祥寺本町1-8-5 レンガ館モール地下1階
JR、京王線吉祥寺駅から徒歩約2分半
営業時間11時半~16時、18時~23時半 土曜は中休みナシ?
定休日 元日、木曜
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60年間の営業に感謝を込めて 立川『双葉食堂』

2023年01月02日 | 中華食堂
明けましておめでとうございます。今年も拙ブログをよろしくお願いします。
新年一発目は、清瀬『みゆき食堂』や、八坂『宝来屋』など、自信を持ってオススメできる良店を紹介しており、
今年もその予定だったのだが、急遽変更することになった。
 
昨日、地元の神社へお参り…は混んでいたのでやめ、近くを散歩した帰り、今回タイトルの『双葉食堂』にも寄ってみた。
無論、元日から入店するつもりはなく、年明けの営業はいつからなのか、確かめるためである。
今の時期、どのお店にも「年明けは4日から」などと書かれた紙が入口に貼ってあるが、
外観が遠くから見えてきた瞬間、妙な胸騒ぎがした。あわてて近付いてみると、


やはりイヤな予感が当たった。昨年の12月29日で、双葉食堂さんは閉店していたのだ。


よく見ると、漢字の八を九に修正している。常連客に懇願され、28日までの予定を一日伸ばしたのかもしれない。
詳細を知りたくて、帰宅後にネット検索したところ、福島県にある同名の食堂が、今年9月に閉店していたが、
閉店から3日しかたっていない、立川・双葉食堂の情報は、やはり見当たらない。
いずれにしても、お気に入りだったお店の廃業が判明し、新年早々ショックである。

食材だけでなく光熱費も高騰した昨年は、多くの飲食店がやむなく値上げしたものだが、双葉食堂さんは価格を維持していた模様。
入口左側に掲示されている、メニュー看板の価格が、それを証明している。

※6年前から変わっていない

令和の時代によくぞこの価格で…本当に頭が下がる思いである。
あえて名前は出さないが、一番安いラーメンが1200円もする、暴利な店が市内にあるのだが、
そこの店主が数年前、あるTV番組で【立川市はラーメン単価が日本一高い】という説を、堂々と肯定していた。
市民として言わせてもらうが、高いラーメン屋はコイツの店と、せいぜい『一蘭』くらいで、
立川市のラーメンが日本一高いというのは、真っ赤なウソである
双葉食堂さんのように、長年安価で頑張ってきたお店を差し置き、勝手に市内同業者代表のような体裁でTVに出演し、
荒唐無稽な説を否定せず乗っかることで、己を正当化し立川のラーメン店の評判を落とした、この店主を私は絶対に許さない。

双葉食堂さんにハナシを戻す。こちらを紹介したのは2016年の5月(こちら)。
拙ブログ開設から実質3本目と、早い時期の記事ゆえ方向性が定まっておらず、画質の悪いガラケー写真ばかりで、
ダラダラ長ったらしいと不評な文章も、この頃はまだ短い(苦笑)。
お店の存在を知ったのは、今から12年前の2011年。「ラーメン」350円、「チャーハン」480円とさらに安かった。
当初は一品料理でビールを飲み、シメに食事を頼んでいたが、途中から長居は避け、注文は食事のみ一回限りとし、
お会計を先に済ませ、食後はテーブルを拭き、食器を厨房カウンターまで下げることにしていた。
今だから明かすが、ブログ発表時はすでに、ここで飲酒することは、ほぼなくなっていた。
失礼ながら、ご夫婦はかなりご高齢で、たまたまかもしれないが、旦那さんが不在の時期もあった。
「最初にビール、あとからシメ」だと、その間お母さんが、厨房で待機しなければならない。
夜の時間帯は、客が私だけのことも多く、お料理の提供と同時にお会計を済ませれば、
お母さんは、厨房の奥にある自宅部屋(?)に引っ込み、休憩ができるのでね。
他の方のブログでは、ご夫婦の娘さんらしき店員さんもいたそうだが、私は結局、一度も会ったことがない。

ゆっくりくつろげなくても、私がこちらに足繁く通っていた理由は、単に安いからだけではなく、
ご夫婦がマジメに調理する様子と、出てくるお料理が好きだったから、である。
正直、動作はゆっくりであったが、重い中華鍋を振り、お皿に盛りつけるまでの流れは機敏であった。
私がデジカメで撮影したのは、わずか2品だけだが、そのメニューをここで再掲載。
煮干しが香る醤油味のスープと、ケチャップが容器ごと提供される、「オムチャーハン」600円。

※ハートを描いた自分に猛省を促したい

中身のチャーハンが美味しく、私が最後に食べたのも、普通のチャーハンであった(撮影はせず)。


そして、ビールのツマミとしても最適だったのが、「生姜焼き」580円。


マヨネーズ容器付きで、以前は550円。豚肉の枚数は15~17枚。価格の割にハイカロリーである。
スープ付きの「ライス」は並で200円。普通のお店の大盛ぐらいあるが、生姜焼きと一緒だと、すぐになくなった。


さっき書いたように、最後にチャーハンを食べたのが2020年。
その後はコロナ禍による休業要請や、謎の臨時休業(日頃の行ないが悪い私のせい)にぶつかり、
今年の春頃には、夜の営業がなくなったりして、なかなか入店できず。


駅からやや離れた、近隣住民以外はあまり利用しなそうな通路にあるお店で、
最近は私自身も、お店の前を通ってなかったため、閉店を予告するお知らせの有無もわからない。
もう一度食事したかったし、閉店がわかっていたら、ご夫婦に「お疲れ様でした」と挨拶したかった。
そもそも、私はご夫妻と、オーダーと「ごちそう様でした」以外の言葉を交わしたことがない。
基本、ご夫妻は奥で休憩しており、私自身も人見知りなため、仕方ないともいえるが、やはり悔いが残る。

昨日は元日ゆえ、お店近くの鉄橋では、大勢の方がスマホで初日の入りを撮影していた。
私も便乗して撮ってみたが、位置取りが悪く、いつものようなダメ写真に。


その直後に、お気に入りだったお店の廃業が判明したため、沈む夕陽の画像が余計に悲しい。

最初の方に載せた、双葉食堂さんからのお知らせには、
「六十年間の長きにわたり ご愛顧いただきまして 誠に有難うございました」
と書かれていたが、その御言葉を、客側の私も返答させていただきたい。
双葉食堂さん、昭和、平成、令和と、60年もの長きにわたり、
安くて美味しい料理の数々を提供していただき、本当にありがとうございました。

私がお世話になったのは12年足らずですが、お店のことは、決して忘れませんよ!


双葉食堂
東京都立川市曙町1-10-6
立川駅から徒歩10分ほど、西側地下道の中にある階段を通ると近い
営業時間10時半~15時
定休日 土、日、不定休あり

※文中のとおり、22年12月29日で閉店なさいました


<おまけ>
新年早々、しんみり終わるのもさみしいので、本来掲載する予定だったお店を、少しだけ紹介。
お店の屋号は『英福』で、住所は国立市富士見台で、JR南武線矢川駅から徒歩3分足らず。


ジャンル的には中華食堂だが、夜は居酒屋として利用する客も多いし、中華以外のメニューもある。
店内はカウンター席とテーブル席、さらに看板に「お座敷有り」とあるように、団体客向けのお座敷も用意されている。


私の初訪問は昨年秋頃。まずは「瓶ビール(大)」680円を注文。ビールはアサヒで、無料のお通しも付いてきた。


おツマミは、メニューにあれば必ず頼む「餃子(5コ)」450円と、


これまた、あれば頼みたくなる「チャーシューエッグ」600円を選択。


餃子の中身は、具材が細かく刻まれた、肉汁はないけどニンニクがしっかり効いた、私の好きなタイプ。


チャーシューエッグは、半熟の目玉焼き2個、タレがかかった焼豚4枚に、生野菜付き。
チャーシューに野菜を乗せて、巻くように食べたり、とろける黄身ちゃんを絡めたり。


すぐにビールをお替わりし、さらに「ウーロンハイ」430円にチェンジ。


ほろ酔いになってきたところで、シメのお食事…は次回につづく>
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この看板を見たら、当然入店する 国立『餃子王』

2022年12月09日 | 中華食堂
私は自動車免許を持っていないので、近隣の市でも知らない道がたくさんある。
昨年、北府中の『どさん娘』で飲んだ帰り、駅に向かわず周辺を散歩していたら、未知のエリアに来てしまった。
今どこにいるのかわからないまま、それでもさまよい続けていると、住宅街の中に突然、食堂を発見。


夜間、しかも写真がヘタでわかりづらいが、看板には『餃子王』の三文字。いい屋号だ。
「餃子の大将」を自称する者として、この看板を見て素通りはできぬ。
さっそく入店すると、厨房ではお父さんが待機し、カウンター席ではお母さんが休憩中。
テーブル席もあったが、私もカウンター席に座らせていただき、とりあえずビールと餃子を注文。
「ビール」は、個人的に好きなキリンラガーの中瓶で600円。
しばらくして、「餃子」が焼き上がった。1人前6個で当時320円、現在も330円と割安である。


餃子は、普通サイズより大きめで、ニラとニンニクがほどよく効いた、昔ながらの正統派。
「餃子王」の屋号はダテではない、美味しい餃子である。
ビールがなくなる頃、ご夫婦の息子さんらしき店員が、出前配達から戻ってきて、閉店の準備を開始。
こちらのお店は、20時閉店らしい。入店時はすでに19時半を過ぎていたので、残念ながらお会計。
とりあえず、現在地がわからないので(恥)、「国立駅と西国分寺駅、どちらが近いですか」と質問すると、
息子さんが「国立の方が少しだけ近い」と、駅への道順も教えてくれたので、お礼を述べつつ退散。
店員さんたちの愛想もよく、また来たいと思えるお店であった。道に迷って正解(笑)。

説明が遅れたが、こちらのお店は餃子専門店ではなく、中華食堂である。
気になる料理があったので、数ヶ月後に再訪。夕方の明るいうちに到着したので、店頭を撮影し直し。


入店し、卓上メニューを撮影したのだが、最近少しだけ値上げしたようなので、こちらも後日撮り直した。
表面(?)は麺類、ご飯類など。「ラーメン」は50円値上げしたが、480円とまだまだ安い。

※黄色い枠内の閉店時間は、現在とは異なる

裏面は餃子などの一品料理、定食、ドリンクなど。


このときは、帰宅後に仕事をするため、飲酒は控えお食事のみの注文。
前回から頼もうと決めていたのが、“当店オリジナル麺”と記載されていた「焼肉バンバンラーメン」780円。
「焼肉ラーメン」でも気になるのに、「バンバン」まで追加されては、
昔のプロレスファンとしては、頼まずにはいられない。ちなみに元ネタは下記のレスラー。


彼自身が制作した、入場曲の歌詞「♪バ~ンバ~ンビガロ~」を、心の中で口ずさみながら(ウソ)完成を待つ。
蛇足だが、実際の発音は「ベーム、ベーム、ビゲロウ」だ。※本当に蛇足
ただ、もう一品欲しくなり、メニューを再チェック。理想は半チャーハンだが見当たらないので、
悩んだ挙句、普通の「チャーハン」580円と50円しか変わらない、「五目チャーハン」630円をチョイス。
しばらくすると、やや大きめの丼で、焼肉バンバンラーメンが登場。


醤油味のラーメンに、白髪ネギと普通の青ネギとコーン、そして焼肉がたっぷり盛られている。


麺はオーソドックスな中細麺。慣れない「麺リフト」を撮影したら、案の定ブレてしまった。


醤油スープに、強火で炒めた肉の旨味と香ばしさが加わり、なんとも食欲をそそる。
バンバンの由来は聞きそびれたが、ネーミングどおり勢いを感じるラーメンだ。
しばらくして、五目チャーハンが登場。カラフルな見た目である。


普通のチャーハンの具材は、玉子、チャーシュー、ナルト、ネギの4種だが、
五目にはさらに、細かく刻まれた人参、ピーマン、竹の子が加わる。玉ねぎもあったかな?
五目ならぬ七目(推定)のチャーハンは、パラパラでもしっとりでもない、「ざっくり」という印象。
味付けは濃すぎず適度で、ラーメンのスープをすすっても、喉が渇く心配はなし(ただし、腹は膨れる)。

唐突だが、【個人的な記憶 その1】 立川にはかつて、『サンモリノ』という喫茶店風の食堂があり、
人気メニューはナポリタンだったが、ガキの頃の私が一番好きだったのは、エビピラフであった。
私の人生初ピラフでもあった、そのエビピラフには、ピーマンが入っていたため、
ここの五目チャーハンのような、刻みピーマン入りのご飯を口にすると、当時の懐かしい記憶が甦る。

【個人的な記憶 その2】 コロナ禍以前の大衆食堂には、漫画雑誌が置いてあるのが常であった。
客層は当然大人なので、「少年ジャンプ」などはなく、置いてあるのは基本、青年誌。
私の記憶では、置いてある雑誌のトップ2は、「漫画ゴラク」と「ビッグコミックオリジナル」。
特にオリジナルは、系列誌のビッグコミックやビッグコミックスピリッツより、なぜか多く見かけた。
餃子王さんは、昔ながらの中華食堂なので、しっかりビッグコミックオリジナルが置いてある。
せっかくなので(?)、食べかけの五目チャーハンと記念撮影。


久々に読んだので、「釣りバカ日誌」以外は知らない漫画が大半だったが、なかなか面白い作品もあった。
続きを読みたくなったが、上記雑誌の発売日は、2020年4月3日であった(笑)。

閑話休題。最近、食が細くなった私だが、焼肉ラーメン&半ではない全チャーハンには、やはり苦戦。
途中で炒飯と焼肉のコラボを楽しんだりして、ラーメンのスープ以外はどうにかたいらげた。


前回、帰宅後にお店の位置を調べたところ、国立、北府中、西国分寺、谷保、どの駅からもそこそこ遠い。
それでも、お店ツイッターによると、「住宅街の一角にあり小さな店舗ながら今年で50年になります!」とのこと。
投稿は7年前から途絶えているので、今年で57年目かもしれない。
アクセスは決して良くないのに、お店が長年続いている理由は、出前注文の多さ。
この日は、店内の客は私ともうひとりだけだったが、出前の電話がジャンジャンかかってくる。
お母さんが電話を受け、お父さんは鍋を振り、息子さんは配達に出かけ、戻ってきたら再び出発…とかなり忙しそうだ。
ただ、どんなに手が離せなくても、会計時は店員さんが揃って「ありがとうございま~す」と挨拶してくれるのが嬉しい。

そして最近、3度目の訪問をしてきた。立川から徒歩で向かったが、距離があるのでおススメはできない(苦笑)。
私が愛飲するウーロンハイなどの焼酎類がないので、今回もキリンラガーをオーダー。
おつまみは、“11~3月限定”の「もつ煮込み」580円と、以前普通の餃子を食べたので、今度は「水ギョーザ」580円を。
まずはもつ煮込みが、ちょっと変わった形状だけど、冷めにくそうな器で登場。


ラーメンなどに使うスープも混ぜているのか、中華独特の匂いはするが、もつの臭みは皆無でイケる。
続いて、野菜などと一緒にスープに入った、水ギョーザが提供された。


ラーメン用の丼で出てきたので、煮込みと比べるとずいぶん大きい。


水餃子には、五目チャーハンと同様、人参、ピーマン、竹の子が入り、さらに玉ねぎやキクラゲも。
スープの味はかなり薄口なので、ラー油などを入れさせてもらったし、途中で煮込みもゲスト参戦。


餃子は「焼き」と同じのはずだが、水餃子の方が中身のニラが鮮烈に香った。ミディアムレアなのかも。
ビールを2本飲み、器の割には具だくさんのもつ煮と、器どおり量の多い水餃子をたいらげ、そろそろシメのお食事を。
注文したのは、バンバン焼肉ラーメンと同様、他店にないメニューとして注目していた、「ミソ焼きそば」670円。
夕飯どきで出前の注文も重なる中、お父さんが作ってくれたのがこちら。


キャベツ、モヤシ、豚肉など、焼きそばではよく見る具材の他、人参、コーン、玉ネギ、ひき肉に、海苔とネギも。
コーンとひき肉は、味噌ラーメンを踏襲したのかも。具材と中細の麺には、味噌の香りと風味がバッチリ。


画像では判別できないだろうが、これは間違いなく、味噌焼きそばなのである。
塩分はきつくないので、飲んだシメにも最適で、すぐに食べ終わり「ごちそうさまでした」。
会計時にダメ元で、「私の家、立川なんですけど、出前してくれますか…?」とたずねたが、やはりNGであった。
出前範囲を聞いたが、地元民ではない私にはよくわからず(申しわけない!)。ただ、決して広くはない様子。
それでも出前が殺到しているのが、餃子王さんの人気と実力を証明している。

個人的に悪印象しかないウーバーイーツや、他の出前サービスも利用したことはないし、たぶん今後もしない。
だが、現在では出前を実施している個人店は珍しく、私の地元で出前可能なのは、ビザ屋やファミレスくらい。
餃子王さんのウマくて温かい中華料理を届けてもらえる、近所の方が本当にうらやましいよ。



餃子王 国立店
東京都国立市東3-19-1
JR国立駅から徒歩約17分、北府中、西国分寺、谷保の各駅からも約20分はかかる。立川駅からは45分…。
営業時間 11時~20時 19時45分ラストオーダー
定休日 月
※国立店と名乗るのは、かつては国分寺で営業していたから
コメント (2)
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50年以上愛され続ける大盛メシ 西国分寺『ホーライ』

2022年08月26日 | 中華食堂
かつて、JR国分寺駅の北口に、『宝来』という中華食堂があった。
私は入ったことはなかったが、安くて量もあり、地元民に愛されたお店だったそうだ。
数年前に惜しまれつつ閉店したが、隣駅の西国分寺駅北口で、『ホーライ』と屋号をカタカナに改め復活。


現在は二代目の息子さんが腕を振るっているが、味やボリュームは先代から受け継いでいる様子で、
宝来時代と合わせて50年以上、国分寺市民や近隣住民に愛され続けていることになる。
いまどき「ラーメン」350円の八坂『宝来屋』とは無関係だろうが、コスパの良さは共通している。

以前、西国分寺の人気カレー店『すぷーん』を紹介したとき、「某店に行ったが開いてなかった」と記したが、
その某店こそホーライであった。とはいえ、ネットの営業時間情報を信じた私が悪いので、お店に罪はない。
初訪問は昨年の秋。店の前を通ったら、開いていたので入ってみたのだ。
入店すると、魚介ダシのいい匂いが漂っていたので、釣られるように「ラーメン」500円を注文。
このときは1時間ほど前に、一橋学園の『きっちんコバヤシ』でがっつり食事をしていたので、
 
※「きっちんランチ」650円。ここも安い!

ホーライ名物(?)のセットメニューを頼む余裕はなかった。注文から数分後には、醤油味のラーメンが登場。


見た目ほどしょっぱくなく、魚介の風味も適度で、満腹だったせいか、印象に残らないラーメンであった。
次回は空腹状態で訪問し、麺類+ご飯もののセットに挑もうと決意し、この日は退店。
店主はひとり営業で大変なはずだが、重なる注文にイラつく様子もなく、会計時の応対もよかった。

約1ヶ月後に再訪し、「油そば+スタミナ丼セット」950円をオーダー。
料理画像の前に、卓上メニューも撮影したので掲載しておく。まずは【麺類】。


さっき書き忘れたけど、ラーメン500円というのは、現代では安価な部類に入るよね。
続いて、量が多いと評判の【御飯物と定食】。こちらも、値段はそんなに高くはない。


そして、麺とご飯を組み合わせた【お得なサービスセット】。


「油そば」は単品600円で、「スタミナ丼」は700円。セットで950円ということは、スタ丼はハーフサイズになる。
しかし、出てきたのはこちら。油そばもスタ丼も、器のサイズは同じに見える


スタ丼は、豚肉、玉ネギ、ニラをニンニク風味のタレで味付け、中央に卵黄を乗せたもの。玉ネギの割合が多いね。


こちらが油そば。ツユだくタイプで、麺と具材はノリがない以外はラーメンと同じ。


さらに付属のスープとマカロニサラダ。スープはちょっと少ない気がする。


個人的に、定食に添えられるお新香類が苦手なので、大好きなマカロニサラダが付くのが嬉しい。
横から撮った丼2種。やっばり同じサイズである。これで950円は相当お得だよ。


味の方は、スタ丼はやはり、ニンニク臭さやしょっぱさより、大量の玉ネギ由来の甘味が強い。
油そばは、スープが少ない分ラーメンより味が濃厚で、それほど油っこさもなく美味しい。
付属のスープは、ラーメンにも使っていると思われる、魚介風味のもので、具材はモヤシとワカメ。
マカロニサラダは、塩分やマヨネーズを控えた、穏やかな味付けの名脇役。
全体の感想は予想どおり、「食べても食べても減らない!」であった(苦笑)。
なんとか全部たいらげ、お腹をさすりながら退店。

3度目の訪問は、今年の春頃。壁の黒板メニューにも、お得なセットがあったので、


その中から「タンメン・ギョーザ(4コ)・半ライスセット」950円を選択。
「タンメン」単品は600円、ニンニクともやし増しは無料らしいので、ニンニクだけ増やしてもらった。
「ギョーザ」単品は通常4個300円だが、最近はサービス期間なのか1人前5個らしい。


上記画像では「ライス」170円と記されているが、「半ライス」というメニューはない。
いざセットが到着すると、タンメンと餃子は他店よりデカいし、半ライスは明らかに全ライスである。


元従業員として断言するが、『餃子のO将』の並ライスより、ここの半ライスの方が多い。
『ラーメン二郎』の「小ラーメン」や、甲子園『大力食堂』の「カツ丼(小)」と同様の詐称である。
とはいえ、どの商品も腹ペコ客にとっては喜ばしい詐称なのだが。
タンメンにはモヤシなどたっぷりの野菜に、私の希望どおり、刻みニンニクが添えられている。


塩味のスープはややしょっぱめで、野菜の水分で薄まったりはしない。
餃子は他店より大きく、1個あたり35グラムくらいかな? 味もよかったしビールが飲みたくなった(当時は酒類提供中止)。


タンメンがあるのでスープはなかったが、マカロニちゃんが付いてくるのはありがたい。
ただ、問題は全ライスの消費方法だ。家系の濃厚豚骨醤油スープはライスとの相性抜群だが、
タンメンの塩スープは、ご飯には合わないし、具材の野菜も、オカズとしては弱い。
しかも、私は餃子ではご飯を食べないし、マカロニではさすがにご飯は進まない。
幸い、卓上には多彩な調味料が用意されているので、キュウリの漬物をオカズにして、なんとか食べ切った。

※ついでに、紅生姜をタンメンに追加

お会計時、いつもは「ごちそうさまです」とだけ告げて帰るのだが、この日は店主に声をかけた。
「ずいぶん、量が多いですね」という私の感想に、店主は「なにか問題でも!?」と言いたげな表情。
あわてて「あ、イヤ、他の店と比べたら、ずいぶん多いと思ったので…」と補足したところ、
店主は「他の店のことは知らないので…またよろしくお願いします」とにこやかに返答。
「他店はどうあれ、これがウチのスタイルですから」という意味だろう。清々しい応対である。

そしてつい最近、晩酌を兼ねて、ホーライさんに4度目の訪問を果たした。
注文したのは、「瓶ビール(中瓶)」480円と、「しょうが焼定食」780円のオカズのみ。一品でもどうせ多いだろうし。
まずは冷えたグラスと瓶ビールに、お通しの枝豆が登場。枝豆の数だけはずいぶん控えめだ(笑)。


しばらくして、豚肉の生姜焼き単品が登場。価格は定食780円-ライス170円=610円だった。


スタミナ丼と同様、玉ネギの割合が異様に多いが、血圧を下げる効果があるので、私は歓迎である。
なにより玉子好きとしては、この目玉焼きが嬉しいではないか。お肉に黄身ちゃんを絡めて、ビールをゴクゴク飲む。


ビールがなくなったので「ウーロンハイ」370円を追加。ジョッキも冷凍庫でキンキンに冷やされていた。


この日は私以外にも、客が入れ替わりで来店したが、学生風の若者は少なく、大半が私と同世代か年上の方。
しかも皆さん、「ご飯少なめ」などと弱音(?)は吐かず、果敢にセットにも挑んでいたりして。
私より年長の方が頼んだ、「肉野菜炒め定食」のご飯は、いわゆる「まんが日本昔ばなし」のような山盛り。
あれが並ライスならば、私が食べた「半ライス」の表記は、正しかったことになる。一般的には絶対誤りなのだが…。
別の客が頼んだ「にんにくラーメン」大盛の丼も、普通のラーメン丼の倍サイズはあった。みんなよく食べるよな。
隣席のおっさんが、「塩ラーメン+チャーハンセット」を頼んでおり、チャーハンの量を確認したところで、
私も飲んだシメに「にんにくチャーハン」650円を追加注文。すぐに、にんにくを炒める芳香が店内に漂い始める。
しばらくして、にんにくチャーハンが完成。いつものスープと、キムチが一緒にやってきた。


小皿がマカロニではなくキムチだったのは残念だが、それよりも困ったのがチャーハンの量。
隣のおっさんが食べていたチャーハンより、ひと回りデカいではないか。
一般的な炒飯のようにドーム型でないため、わかりづらいだろうが、皿自体はかなりの大きさ。


レンゲで中央にまとめて盛ったら、相当立派なドームが完成するはずである。
会計時、店主に確認してみたところ、「セットのご飯ものは、通常の半分…よりちょっと多い量」らしい。
そうか、おっさんのチャーハンも、私が前々回食べたスタ丼も、半分より少々多い程度だったのか…って、
あれがハーフサイズだったら、『吉野家』の「牛丼特盛」も、ホーライさんならハーフサイズだよ。
だが、さっき書いたように、お店のスタンスは「他の店のことは知らないので…」だから、
お店がハーフサイズと定めた量の倍でも、「ジャンボ」ではなく「レギュラーサイズ」として認め、
注文した者としては、さも当然のように、食べ切らないといけない
というワケで、ニンニクと塩分がかなり強烈だったけど、なんとか残さず食べたよ。
当然のように満腹になり、会計時は店主に「苦しいです…」とボヤいてから退店。
最寄り駅までは徒歩6分くらいの距離だが、この日はたぶん、10分くらいかかったと思う。

盛り具合がちょっとおかしいホーライさんだが、通っている客は同世代が多いのだから、私も負けていられない。
今後も、「ご飯少なめで」なんて頼むことがないよう、胃と腸を鍛えておかなくては。



ホーライ
東京都国分寺市西恋ケ窪3-20-1
JR西国分寺駅から徒歩約6分、西武線恋ヶ窪駅からも徒歩圏内
営業時間 11時40分頃から21時半頃まで、15時半頃から18時頃まで休憩 
定休日 月曜
※営業・休憩時間は前後する場合あり
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少しずつ他とは違う「中華レストラン」 西立川『東華園』

2022年05月23日 | 中華食堂
コロナ禍のせいで、ロクなことがなかったここ数年。
数少ない収穫のひとつが、それまで未訪だった、地元の良店に巡り合えたことだ。
一時期、「不要不急の外出は控えろ」とのお達しが下り、「食事は“不要不急”じゃねえだろう!」と、反発しつつも、
公共の交通機関の利用を避け、近所(私の定義では徒歩60分圏内)の飲食店を探索したものだが、
そのとき知ったのが、ラーメン&チャーハン店の『らんぶる』や、中国人奥さんが料理長の『銀星』
そして今回紹介する、西立川の中華屋さん『東華園』である。

※レトロかわいいイラストである

上記画像は店舗脇の看板だが、入口ドアなどには「中華レストラン 東華園」と記されており、こちらが正式名かも。
場所は、以前紹介した、九州ラーメンや八王子ラーメンを出す『えんの助』の2軒隣。
昨年春頃、えんの助が開いておらず、こちらに入ってみたのがきっかけで、その後も何度か利用している。
なお、えんの助はその後休業→改装となり、最近『らぁ麺 えんの助/居酒屋えんちゃん』にリニューアルした模様。

店内はテーブル席が主体で、喫茶店のような内装。愛想のいい接客担当のおじちゃんから「いらっしゃい」と声がかかる。
厨房の調理担当は若い男性。普段は寡黙だが、お会計時は丁寧に挨拶してくれる。ふたりは親子なのかな? 
テーブル席に案内され、おじちゃんが持ってきてくれたメニュー表に目を通す。
酒類提供禁止の時期だったため、この日は食事に専念。(餃子、ラーメン、ライス)の「餃子セット」900円を注文した。
数分後、お盆に乗せられたセットが登場。小だと思い込んでいたライスが、意外と多くて驚く。


なお、「ラーメン」単品は(煮卵入り)で450円と安く、「餃子」は5個400円で、ライスは未確認だが150円くらいか。
ラーメンは玉子抜きで、餃子は4個だけど、お新香も付いて900円はやっぱりお得である。
あとで調べたところ、ここ6年ほど値上げしていない模様。個人店の奮闘に感謝したい。
いざ食べてみると、餃子はやや「ヨク焼き」だが、ちゃんとおいしい。


汁があふれるタイプではなく、かといってパサついてもなく、ニンニクもほどよく効いててジューシィ。
箸袋に「手作り餃子」と印字するだけあって、お店自慢の逸品なのだろう。
ラーメンも、昔ながらのシンプルな醤油味かと思いきや、ほんのり魚介ダシも感じる。


麺や具材は平凡だが、ありそうでないタイプのスープで、見た目に反してコクがある。
私は普段、餃子でご飯を食べないので、小じゃないライスが来て困惑したのだが、
スープがおいしかったので、お茶漬けのようにして、ズルズル啜った。
他にも気になるメニューがあったので、東華園さんにはまた来ようと誓い、お会計&退散。

2度目の訪問で頼んだのは、お店も推している「つけ坦々麺」700円。ここのタンの字は「つちへん」のようだ。
単価400円の「高菜ごはん」か「ブタバラ丼」が、+300円で付けられるので、ブタバラ丼を選択。
オーダー後、すぐにセットが完成。提供が早いのも、こちらの長所だ。


つけ坦々麺には、ラーメンとは異なる、全粒粉入りの麺を使用。なるほど、確かにツブツブが見える。


全粒粉ならではの小麦の風味…は、味オンチの私にはわからないが、健康にいい食材らしいから歓迎。
坦々ダレの具材は、ひき肉と玉ネギ程度。ゴマの風味が強く辛さは控えめだが、麺自体を味わうにはいいのかも。
それでも、太麺&濃厚ダレが主流の現在では、麺も含めてなかなかの個性派といえよう。
サイドメニューのブタバラ丼は、炒め調理ではなく煮込み調理。タレの味はそんなに濃くなかった。


卓上の黒胡椒と、別添えの紅生姜を追加し、牛丼スタイルで食べた。生玉子も欲しいね。
退店後、入口脇に画像のような、紹興酒の大きな甕(かめ)が置いてるのを発見。


「ご自由にお持ち下さい」とのことだが、自宅に置き場所がないからなあ(笑)。

3度目の訪問では、「卵豚バラ定食」900円をオーダー。私の大好きな、きくらげ玉子炒め=KTI定食だ。


よくあるKTIかと思いきや、玉子や豚肉のパーツがデカい。まるで炒り卵と焼肉みたいだ。


当然メシが進んだが、定食のご飯はそんなに多くなかったので、お替わりしようか悩んだよ。

4度目の訪問は、待望の酒類提供が解禁された直後、中華で一杯やろうと、夕方の時間帯に訪問。
前回会計時、「中休みナシ」を確認しておいたのだが、店内は消灯しており、男性店員ふたりは休憩中の様子で、
私の存在に気付き、営業再開。「すみません、お休み中でしたか?」と謝罪したら、「いえいえ。いいんですよ」とのこと。
東華園さんは、基本通し営業だが、客の不在時は休憩することもある、のかもしれない。
初めてカウンター席に座り、設置されていたメニューを撮影したので、以下で掲載。
こちらはおツマミ用の小皿・一品メニューと、麺類、ご飯類など。


こちらがセット・定食と、単品メニュー。この他、黒板などに記されたメニューもある。


まずは「ビール」500円を注文。キリン一番搾りの中瓶だ。酒類は、ビールと紹興酒と…あとは思い出せぬ。
おツマミには、「マーボー豆腐」単品650円を注文してみた。
さすがの手際で数分後には完成。中央には山椒などがかかっており、見た目も香りも辛そう。


しかも、中華丼に使用するような、深く大きな器に入っており、ひとり客にはしんどい量。


レンゲでひと口食べた感想は、最初は「熱い!」(←当然だ)で、その直後に「辛い、でもウマい!」が来る。
いわゆる街中華の麻婆豆腐ではなく、同じ立川にもある『陳建一麻婆豆腐店』のような、本格的な味わい。
辛さを和らげるためビールをお替わりし、勢いよく流し込んでいく。
食べ終えたあとは、冬場なのに汗が出た。ついでに食欲も出てきたので、シメのお食事を選ぶことに。
当初食べる予定だったメニューも辛口なので、胃と舌がヤラレるのを心配し、別の商品を探す。
目に付いたのが、壁紙にあった「マーヂャー麺(みそあんかけ麺)750円」というネーミングと、料理の画像。
念のため、おじちゃん店員に質問し、辛くないことを確認してからオーダー。
「味噌ラーメンのツユなし・冷やし麺タイプ」という、おじちゃんの説明どおりの商品であった。


具材はひき肉、モヤシ、ニラなどの野菜。味噌ダレはそんなにしょっぱくなかった。
「アンと麺を混ぜて食べてください」という指示に従い、よくかき混ぜた。
熱々の味噌アンと、冷水で締めた麺が合わさるため、ネコ舌の私も安心して食べられる、ちょいどいい温度になった。


飲んで食べて汗かいて満腹になって、ゴキゲン状態で「ごちそうさまです」。

そしてつい最近、4度目の訪問で「当初食べる予定だった辛口メニュー」を食べてきた。
そのメニューとは、汁なしタイプの「麻辣刀削焼きそば」750円。汁ありの「麻辣刀削麺」も同額。


具材はひき肉、モヤシ、ニラなどと、マーヂャー麺と似ているが、漂ってくる匂いがすでに辛そう。
まずはひと口。ズルズル、ズルズル…ヴホッ! 左記の「ヴホッ!」を日本語にすると「辛え!」だ。
商品名の「麻辣」の二文字はダテではない。とはいえ、「ペヤング」の激辛シリーズとは違い、耐えられる辛さだ。
麺は、私の好きな幅広タイプ。「刀削麺」という名称だが、さすがに厨房内では、刀で粉の塊を削っていないと思う。


幅広麺の歯応えと舌触りがたまらないが、調子に乗って吸い込むと、辛さでムセるのが悔しい(苦笑)。
妥協のない辛さに悶絶し、辛さに秘められたウマさに舌鼓を打ち、この日も大満足して退散。
初夏の季節ゆえ、汗だくになってしまったが、帰り道の気分は爽快であった。

東華園さんでは、ここで紹介した以外にも、いろんな料理を食べてきたが、どれもハズレがなく
しかも、少しずつ他店とは違う、オリジナリティがあるのがスゴイ
まもなく本格的な夏を迎える。中華料理と一緒に飲むビールが、ウマい季節になるね。



中華レストラン 東華園
立川市富士見町1-27-10
西立川駅から徒歩約5分、立川駅からは徒歩約24分
営業時間 11時~20時 木曜だけ15時まで、基本中休みナシ
定休日 日曜
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元ヤングを魅了するチャーハン 板橋『創作町中華 やんぐ』

2022年04月15日 | 中華食堂
よく見ているブログのリンク先、のさらにリンク先にたどり着き、とある記事を眺めていたところ、
魅力的なチャーハンの画像に出くわした。そのお店の名前は『やんぐ』で、最寄りはJR板橋駅。
ちょうど、埼玉在住の友人と飲む約束をしていたので、「板橋飲み」を提案し、行ってみることに。

お店の正式名は『創作町中華 やんぐ』で、『やきとん やんぐ』というお店の系列店らしい。
夜の部は18時開店だが、もう少し早い時間から飲みたかったので、まずは17時開店のやきとん・やんぐで一次会。
ホロ酔いになったところで、中華のやんぐへ移動。移動時間は15秒という至近距離だ。
  ※入口の様子

店内はカウンター席のみだが、2階にも席がある様子。我々は入店してすぐ右側に着席。
厨房の作業を間近で拝める、個人的に「アリーナ席」と呼んでいる好位置だ。


こちらが、料理のレギュラーメニュー。この他にも、日替わりメニューがいくつかある。


こちらは裏側のドリンクメニュー。中華食堂というより、居酒屋っぽい品揃えである。


私は「白ホッピーセット」490円に、初入店の中華屋さんでは必ず頼む餃子と、冒頭で触れた魅力的なチャーハンを注文。
「いきなりチャーハン!?」と友人は驚きながらも、「黒ホッピーセット」490円と、
壁に貼ってあった「もやジロー」をオーダー。そらジロー風キャラのイラストがかわいい。


まずはホッピーセットが登場。1軒目のやきとん店もそうだったが、焼酎がなかなか濃い。

※イラスト入りのグラスはオリジナル?

しばらくすると、もやしとキャベツを茹で、そこに背脂、細切れチャーシュー、おろしニンニクを乗せる、
もやジロー480円が完成。いわゆる『ラーメン二郎』のアタマ部分だ。


背脂も多いが、ニンニクはさらに多い。最初、ポテトサラダでも添えてあるのかと思ったよ。


酒のススム組み合わせで、他の客も注文していた。ただ、ニンニクのせいで、翌日は胃腸がしんどかった。
続いて、「ぎょうざ」400円が焼き上がった。最初はそのまま、次からはニンニク(もやジローのを流用)醤油で食べる。


いつものように、皮を破って中身を撮影。ニラの刻み方が荒く(苦笑)、たぶん自家製だろう。


そして、このお店を訪れる気にさせたメニュー、「チャーシューチャーハン」880円が満を持して登場!


チャーシューチャーハンという商品自体は、他の店でも見かけたことがあるが、
刻んだチャーシューが加わるだけで、一般的なチャーハンと何ら変わらないケースばかりであった。
こちらのように、デカい肉片を5個も積み重ねた、チャーシューを主役扱いするタイプは珍しい。

※横アングルはさらに迫力が増す

さっそく取り分け、パクついたところ、チャーシューは柔らかくジューシューで、なによりチャーハン自体がウマい!


具材は玉子、ネギ、私の大好きなナルト。さらに食べ進めていくと、細切れチャーシューもちゃんと入っていた。


ややしょっぱい気もするチャーハンだが、甘味を含むデカいチャーシューと一緒に食べるとちょうどよく、
ホッピーのおツマミに最適。当然のように「すみません、ナカください!」となった。「金宮焼酎(中)」は290円。

また、店内で流れるBGMも、30年ほど前のヒット曲が続く、元ヤング(笑)にはたまらない選曲。
有線ではなく、店主自身のセレクトらしい。お陰で、隣席にいた同世代の客と、意気投合してしまった。
その後も、「ウーロンハイ」や「北海道コーン茶ハイ」どちらも460円などをお替わりし、気分よく飲んでいたのだが、
いかんせん1軒目もこちらも焼酎が濃かったため、私は会話の途中で船を漕いでしまう始末。
メシも酒も受け付けられそうになく、友人に「ゴメン、酔った」と謝り、この日は退散。

数日後、今度はひとりで再訪問。またまたアリーナ席に陣取り、最初はやはりホッピーセット。
料理は1本から頼める「春巻」180円と、


これまた大好物の「豚きくらげ玉子炒め」780円を注文した。


春巻の中身は、椎茸たっぷりの濃い味付けで、醤油ナシでも美味しい。


KTIこときくらげ玉子炒めは、最初の画像では確認できないが、当然豚肉も入っている。


味自体は悪くないが、具材の一体感に乏しい。KTIはやはり、荻窪『啓ちゃん』が世界一だな。
ホッピー中とコーン茶ハイをお替わりし、次のおツマミを注文することに。
「チャーシューエッグ」850円も気になったが、豚肉&玉子はKTIとモロ被りなので、
下記の日替わりメニュー(一部レギュラーと重複)から、「チキンなんばんタルタルソース」680円を選択。


鶏モモの一枚肉を三等分し、玉子主体のコロモを付けて油に投入。1度取り出し放置したのち、2度揚げしていた。
プロの調理作業を眺めるのは面白く、それだけでコーン茶ハイを1杯飲み終えてしまった。
他にも、別の客が頼んだ「ホイコーロー」780円は、炒めるときにラーメンのスープも使用することや、
助手のアンちゃんが、刻んでいた人参をうっかり床に落とす様子(笑)などを、ライブで見ることができた。

千切りキャベツに鶏肉を盛りつけ、たっぷりのタルタルとネギを乗せ、最後に甘酢タレを注ぎ、チキン南蛮タルタルが完成。


こちらは横アングル。タルタルと野菜は冷たく、チキンと甘酢タレが温かいため、コントラストが面白い。


鶏肉は柔らかく仕上がっており、タルタルなしでもウマいはず。※以前は「唐揚げ」というメニューがあった
ただし、タルタルソースは不要どころか、これだけでも酒が飲めるため、絶対に必要である。
3杯目のコーン茶ハイを飲み終え、だいぶ酩酊&満腹になってきたが、せっかくなのでシメのお食事を。

さっき書き忘れたが、チャーシューチャーハンに付いてきたスープもウマかったため、麺類を試してみることに。
チャーハンは醤油味のスープだったので、今度は塩味のスープ=「塩ラーメン」580円をオーダーしてみた。
麺を茹でている間に、丼にスープを注ぎ、食塩を2度投入。えっ!?
化学調味料は気にならないが、大さじ2杯の塩は、高血圧ゆえさすがにビビる。
立川『チキント』のように、醬油ラーメンには醤油ダレ、塩ラーメンには塩ダレを入れて作ると思っていたが、
塩をダイレクトにぶち込むとは…私が知らないだけで、この調理法の方が主流なのかな?

数分後、麺と具材が盛りつけられて、塩ラーメンが完成。丼はやや小さめのタイプ。


若者には足りないかもしれないが、私のような元ヤングの「飲んだシメ」としては、適量かもしれない。
スープは当然しょっぱかったが、「塩を大さじ2杯」の割には…という印象。
ここより塩分のキツいラーメンを多数知っているので、ちょっと怖くなった。
余ったチキン南蛮タルタルも投入してみたが、塩ラーメンとの相性は、あまりよくなかったね。


麺や他の具材は平凡だったが、チャーシューは前回のチャーハンに乗ったものと同様、なかなかウマかった。
さすがにスープは残したが(笑)、他はほぼたいらげて、「ごちそうさまです」。

元々は焼きトン店だったのを、中華食堂にリニューアルしたやんぐさん。
「街中華」ファンとしては、このような業態変更は本当にありがたい。働いている方々も、比較的若い世代だし。
こちらの繁栄に触発され、居酒屋から中華屋さんに転身する店が出てくるかも…? 
創作料理も面白く美味しく、ヤング・元ヤング関係なく、要注目の中華屋さんである。



創作町中華 やんぐ
東京都板橋区板橋1-19-1
JR板橋駅から徒歩約1分 地下鉄新板橋駅や、東武線下板橋駅からも徒歩圏内
営業時間 11時半~15時、18時~22時 昼は14時半、夜は21時ラストオーダー
定休日 日曜、月曜
※近所の『やきとん やんぐ 本店』は東京都板橋区板橋1-20-1

※2022年6月に閉店、『miso noodle 板橋パーコーパーコー』に業態変更しました
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時空を超える中華食堂 所沢『栄華』

2022年04月04日 | 中華食堂
似非レトロではなく、本当に懐かしい雰囲気のお店に心惹かれるわたくし。
今回紹介する『栄華』さんは、私が知る限り、もっとも「古き良き日本」を感じさせるお店である。
場所は所沢駅を出て、プロぺ通りを突っ切り、ちょっと進んだファルマン通りにある。
なお、プロぺはプロペラ、ファルマンは日本で初めて飛んだ飛行機の名称とのこと。
日本で初めて飛行場を開設した、航空発祥の地・所沢市らしいネーミングである。

ファルマン通りに到着した私は、いつの間にか飛行機ではなく、タイムマシンに乗せられていた模様。
近くにはタワーマンションも見えるのに、目の前にはなぜか、昭和の食堂が建っている。


初訪問時は、その、あまりにもオールドファッションすぎる外観(←言葉選んでるよ)に、
同行した友人と思わず顔を見合わせ、「どうする?」「…やめておこうか」と、入店することなく退散し、
近所の老舗中華食堂『早池峰亭』に行った記憶がある。

それから数年後、ネット記事や他人のブログなどで栄華さんの情報を入手し、
所沢在住の友人(さっきの友人とは別人)と、昼間の明るい時間に再訪してみることに。
ファルマン通りから入る脇道に、下記のサビついた看板があり、下部分の矢印に従い数歩進めば、


最初に紹介した、真っ赤なファサードの店舗がある。時刻は13時頃。意を決して入店。
女将さんに「お好きなお席にどうぞ」と声をかけられ、入口近くのテーブル席に座らせていただく。
昼酒を楽しんでいる先客がいたので、我々も遠慮なく、「ビール」(大瓶)700円と「レモンサワー」400円を注文。
ドリンクと一緒に、冷奴のお通しが出てきた。


料理の注文をする前に、店内壁に掲示してあるメニューを紹介。
まずは、我々のテーブルのすぐ横にある、ご飯ものや定食など。右端の「ライス」は250円。


こちらは、先客の退店後に撮影した、麺類や一品料理。「ラーメン」400円は格安だが、近年まで350円だったとか。
 ※毎度のことながらピンボケ失礼

まずは「野菜いため」400円と、「餃子」250円×2を注文。
しばらくすると、焼き上がった餃子が、市販のタレと一緒に提供され、


その数分後、野菜炒めもやってきた。お皿に謎の粉末が付着しているが、気にしない。


こんがり焼かれた餃子は、中身がほぼ野菜でニンニクもちゃんと効いている。
野菜炒めは、シャキッとした歯応えが残っている。家庭では出せない、強火で仕上げる中華食堂ならではの味わいだ。
こりゃイケる、と酒が進み、友人はレモンサワーを、私はウーロンハイ400円を追加注文。
目の前のTVでは、選抜高校野球を放映していた。野球を観ながら飲むビールは格別だね。


あと、TVの周辺に置いてある、旧式のラジカセが泣かせる。ウチにも昔、こういうのがあったなあ。
しばらくすると、調理を終えた旦那さんが、厨房から出てきて、我々と一緒に高校野球を観戦。
中継中の試合の状況や、地元埼玉勢の勝ち上がりなどを質問されたので、応じていたところ、
「オレも昔は、野球やっていたんだ」と言い残し、店内の奥に引き返すと、
下記のメダルを持ってきてくれた。「大宮の草野球チームで試合したときにもらった」とのこと。


メダルには「1961」と印字。今から61年前(昭和36年)だ。旦那さんの現在の年齢を聞いたら…ビックリ!
あの御歳で、鍋振りなどの調理をこなし、バイクで出前にも出かけるとは…。
旦那さんはさらに、当時使っていたという木製バットも見せてくれた。普通の袋に無造作に入れてあったので、
友人が「ちゃんとした箱とかで保管した方がいいのでは…」と告げる。申しわけないが、私もそう思った。

※袋からバットを取り出し、周囲のお客にも披露する旦那さん

「こちらのお店は、なんかの映画の撮影にも使われたんですよね」と私が質問すると、
旦那さんは「よく聞いてくれた!」とばかりに、下記の看板を持ってきてくれた。


暗くてわかりづらいが「検察側の罪人」という作品で、二宮和也や吉高由里子が来店したらしい。
さらに、テレビ東京「モヤモヤさまぁ~ず」ロケ時の記念撮影と、サイン色紙も見せてくれた。


その裏には、放映後にテレ東から送られてきた、「取材の御礼」の手紙もあった。
文の内容については明かさないが、テレ東のスタッフは誠実である。これからも「アド街」とか観るよ!

ここで女将さんも会話に加わる。旦那さんも自分も福岡県の出身で、同じ中学校で、お見合い結婚で…と、
初入店の我々に対しても、いろいろと語ってくれた。女将さん自身も野球好きのようで、
地元の西武ライオンズや、親類が通っていた日大二高の試合も、よく生観戦しているらしい。
「日大二は数年前、決勝まで行ったんだけどねえ…」という女将さんに、「2009年ですね」と即答する私。
「あら、よく覚えてるわねえ」と驚かれたが、私もその試合を球場で観ていたので。
ちなみに、結果はこちら。まあ、OBが優秀だからねえ…ムフフフ。

しばらくして、友人がツマミの追加を提案し、「麻婆豆腐をください」と、女将さんにお願いしたところ、
旦那さんに聞こえないよう小声で「あまりおススメできない」と教えてくれた(笑)。これ、書いたらマズいかな。
忠告に従い、「うまに」750円に変更。八宝菜というか、中華丼のアタマ部分、といった料理だ。


さっき頼んだ、野菜炒めと重なる具も多いが、妙に歯応えのいい食材が入っている。
くわいかと思ったら、なんと山芋であった。中華の食材に使われるのは珍しいよね。


お話し好きの女将さんに、「ラーメンも餃子もなぜこんなに安いんですか?」と質問をしてみた。
「あの人(旦那)が値段上げないって言うもんだから…もう何年も前から変わっていない」だって。
事実、これは壁に貼ってある、雑誌に紹介された記事のコピーだが、


「昭和40年からの営業で、お店は当時のまま」と文頭で説明し、最後にメニューを紹介しているが、
ラーメン350円、餃子(6個)250円、チャーハン550円、他と、先述したようにラーメンだけ50円値上げ。
旅行雑誌「じゃらん」に掲載された記事のようだが、発行は1999年!


消費税率や物価が上昇する中、23年間値上げしていないのである!
女将さん曰く「チャーハンはサラダを付けるようになったから、むしろ値下げ」と補足。
そういえば、別の壁メニューには「御飯物には生野菜(サラダ)が付いてきます。」との説明があった。


栄華の旦那さんも女将さんもおそらく、客が野菜不足にならないよう気遣ってくれているのだ。
そもそも昔の飲食店は、客と店員の関係が、今よりも親密であった。
愛想の良し悪しはともかく、学生や若者客には「しっかり勉強しなさいよ」「野菜残すんじゃないよ」などと、
叱咤激励してくれるおばちゃんや、厨房から声掛けしてくれるオヤジさんがいたものである。
チェーン店が増え、飲食店では注文や会計など、最低限の会話しかなくなった現在において、
こちらのご夫婦のように、コミュニケーションを取ってくれる方がいるお店は貴重である。
栄華さんは、店舗内外の見た目や料理の価格たけでなく、お客との距離感も昭和のままであった。

おふたりとの会話で酒が進んだが、その後、電話を受けた旦那さんが「急用ができた」とのことで、突然の店じまい。
2時間ほど滞在し、結構酔っぱらっていたので、ちょうどよかった。「また来ますね」とご夫婦に告げて退散。
その後『百味』で飲み、カラオケで歌い、私も友人もベロベロになり解散。
酔った友人が、私に有り金を預けやがったので、数日後、返金するため再び所沢へ。待ち合わせ場所は当然、栄華さんだ。
再度タイムマシンに乗り、昭和40年から変わらぬたたずまいのお店へ。

「前回はゴメンなさいね」と謝る女将さんに、気にしないでくださいと返答し、ふたりともさっそくウーロンハイを注文。
おつまみとして、私は「ワンタン」400円、友人は「焼肉定食のオカズ単品」を注文。
ワンタンは、想像どおりのビジュアル。具材はワンタン、チャーシュー、メンマ、ナルト、小松菜にネギ。


焼肉単品は、お店推奨の「生野菜」がたっぷり。なお、定食だと800円だが、単品の価格は不明。


ひと口もらった焼肉は、生姜の風味と甘じょっばいタレが相まって、めちゃくちゃウマかった。肉だけお替わりしたい!
一方、私が頼んだワンタンも、なかなかの絶品。醤油味のスープは、油は少なく臭みもなく、
けれども味に物足りなさはない、余計なモノを抜き去った、徹底した引き算のスープだ。
このスープ、炒飯とかご飯もののお供に最適だと思う。同額の「ラーメン」も、絶対ウマいだろうね。
主役のワンタンは計10個も入っており、昭和らしい、中身のひき肉が不在のモノ(笑)もあったが、


それはそれで、うどんのようで美味しく食べられた。400円という安価ながら、大満足である。
追加オーダーとして、前回から気になっていた、「麻婆豆腐」をお願い。
女将さんに「他とはちょっと違うけど…いいの?」と再確認されたが、「構いません!」と応える。
しばらくして、お肉とシメジが入った、栄華風麻婆豆腐が登場。単品価格はこれまた不明。


会計時、焼肉と麻婆の合計が1300円と判明したので、どちらも定食800円・単品650円かと予想される。
肝心の味の方は…トマトケチャップ由来のためか、辛くはなく甘酸っぱいテイスト。
女将さんが忠告したとおり、明らかに一般的な麻婆豆腐とは異なるテイストであった。

今回も女将さんと会話し、所沢市長がよく来店すること、最近、扇風機をやめて冷房を設置したこと(夏場は大変だった様子)、
たまに娘夫婦が手伝いに来てくれるが、彼女たちにも本業があるので、後継ぎはいないこと、なども教えてもらった。
後継者問題は、どのお店も抱えている悩みである。廉価チェーンがはびこり人件費も高騰する時代において、
労働時間が長く、薄利多売(特に栄華さんは)で儲けが少なく、しかも夏場はクソ暑い、
街中華を引き継ぎ、心身ともに健康な生活をしていくのは、相当大変なはずだから。
栄華さんの営業が、一日でも長く続くことを願いながら、我々はウーロンハイをお替わりしまくった。
時間はどんどん過ぎていき、22時を超えた。食べログでは22時閉店と記載されていたが…。
旦那さんに閉店時間を聞いてみたところ、「お客さんがいる間は閉めない」だって。
これぞ昭和の飲食店! と感激したものの、さすがに申しわけないのでお会計。
常連らしき客が残っていたし、店主が許してくれるとはいえ、あんまり長居するのも悪いしね。

店を出ると、プロぺ通りにはいつものように、バカそうな呼び込みが跋扈している。
時空を超えて現世に戻ってきたことを、イヤでも再認識させられる瞬間である。嘆かわしいねえ…。



栄華
埼玉県所沢市御幸町2-15
西武線所沢駅から徒歩約8分
営業時間 11時~22時くらい
定休日 不定休
※繰り返しになるけど、ご夫妻のためにも、極端な長居は避けてください
コメント (2)
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団地に近い方の「車ラーメン」 西立川『くるま』

2022年02月22日 | 中華食堂
立川駅南口に、「車ラーメン」の愛称で親しまれているお店がある。
ノレンには平仮名で「くるま」の文字があり、漢字の「車」を○で囲った、印鑑のようなマークも。
看板には『ラーメン屋さん KURUMA 立川通り店』と記されており、これが正式名なのだろう。
カウンター席しかなく、メニューはラーメン主体で、酒やおつまみの種類は少ないものの、
コロナ前は深夜3時まで営業していたため、遅い時間帯は飲み客の割合が多かった。

駅からは徒歩7分程度と近く、立川で車ラーメンといえば、ここを思い浮かべる方が多いと思うが、
立川にはもう1軒、看板やノレンに「くるま」の文字と、印鑑風の「○車」マークを掲げているお店が存在する。
駅からは徒歩27分程度と近くはないが、実はこちらが本家・本元で、駅チカの方は支店だった。※現在は無関係
場所は富士見町団地の近くで、正式名は『中華そば くるま』。SNSでは「くるまラーメン」と自称している。
看板には「ラーメン・餃子・定食&コーヒー」と記され、いわゆる街中華っぽい外観ではあるが、

※コーヒーはインスタントではなく、注文後に煎る本格派

実は駅チカの車ラーメンよりさらに、飲み客を歓迎している雰囲気のお店だったりする。

私がこのお店を知ったのは、今から8年ほど前。ジョギングの帰りに、たまたま見つけたのだ。
数日後、食事をするため再訪。店内は広く明るく、お母さんと娘さん夫婦による家族経営。
メニューが多く迷ったが、とりあえず「生ビール」550円(現在の価格、以下同)と「餃子」500円、
さらに、「ピーマンと豚肉定食」830円のおかずだけ=100円引きで730円を注文。ガラケー画像が残っていたので掲載。


自家製でほどよくニンニクが効いた餃子、チンジャオロース風のピーマンと豚肉、どちらも美味しかった。
シメにはお店の一番人気らしい、「車ラーメン」780円を注文。写真はないのでお店のSNSから拝借。


醬油豚骨スープにモヤシ、タマネギ、豚肉が入り、ニンニクががっつり効いている、意外とワイルドな仕上がりだった。

このとき、お母さんが「もうすぐ40周年」と仰っていたので、そろそろ創業50年になるはず。
私のような一見客は少ないようで、客の大半が近所の常連風で、食事客より飲酒客の方が圧倒的に多い。
最寄り駅から遠く、繁華街にはないけれど、東久留米の『珍来』や武蔵村山の『弘華飯店』と同様、
団地近くの貴重な食堂・居酒屋であり、住人たちの社交場として、長年愛されているようだ。

立川市民とはいえ、近所ではないヨソ者の私は、アウェイ感もあり、その後しばらく訪問していなかったが、
コロナ禍により、電車など公共交通機関の利用を避け、市内で飲み喰いしていた頃、くるまさんへの再訪を決意。
以降で、最近食べた料理を紹介するが、その前に読者サービスとして、最寄り駅である西立川駅からの行き方を案内しよう。
まずは、南口から出て、左(立川駅方面)へ左へと進み、富士見通りに出る。
 ※写真ブレ失礼

立川駅南口からも、モノレールのある通りを南下し、最初の信号を右折してずーっと進めば、富士見通りに着く。
富士見通りを南下すると、かつては不良中学生がタムロしていた、「富士見公園」に着く。
 ※同上

公園脇の車道ではなく、間にある階段(矢印参照)を下っていくと、駐車場のような場所に出る。


その後は、不良中学生に蹴飛ばされ(推測)、数ヶ所へこんでいるフェンスに沿って進めば、くるまが見えてくるはずだ。


説明するのを忘れていたが、本家くるまはカウンターとテーブルだけでなく、小上がり席まである。
中華食堂なので、炒め物など麺類以外の料理が豊富で、酒類もいろいろ揃っており、焼酎やウイスキーはボトルキープも可能。
さらに、中華以外の【おつまみ】メニューも用意されているのも、飲み客にはありがたい。


久々の訪問時は、上記おつまみから「牛スジ煮込」400円を注文。お通しとして、大根の漬物も提供された。


とんすいに盛られた、ひとり飲みに適した量。愛知の「どて煮」のような甘口で、私好みの味。
後日、同額の「もつ煮」も頼んでみたところ、意外と時間がかかってからの登場。


一見、普通の煮込みに見えるが、ラーメンのスープを使用しているのか、独特の香りとコクを感じる。
居酒屋以外では、出来合いの煮込みを使う店も多いが、くるまさんはちゃんと手を加えているのに好感。
同じ立川の『味源』でもやったように、この煮込みに麺をつけて食べたいくらいだ。

さっきの写真で、もつ煮の右上に写っていたのが「おつまみチャーシュー」550円。


温められた、大きめチャーシューが5枚。キャベツの千切りが、野菜不足の私には嬉しい。
もちろん、自家製と思われるチャーシューも、歯応えも風味も文句なしだ。
そして、これまで頼んだ料理で、私が一番おススメしたいのが、「白辛マーボ定食」のおかず単品850円だ。


横アングルはこちら。煮込みなどの倍価格だが、見てのとおり倍以上の量がある。


赤くはない、珍しい色の麻婆豆腐だが、見た目に反し、ちゃんと辛い
ただし、辛さに弱い私でもウマいと思えるレベルで、お酒がススム。時折、柑橘系のような爽やかさも感じる。
白辛マーボは、+100円でさらに辛くできるようだが、個人的には今のままでじゅうぶん満足だ。
お酒の値段は、ビールは生も瓶も550円、ウーロンハイ、レモンサワーが440円など。いいちこボトル2900円を入れようか検討中。

ここからはシメのお食事を掲載。麺類には半チャーハン、ご飯類にはミニラーメンのセットもある。
こちらは「ラーメン+半チャンセット」、白菜のお新香付きで940円。「ラーメン」単品は550円だ。


正統派の醤油スープに細ちぢれ麺が泳ぎ、チャーシュー、メンマ、海苔、ワカメ、玉ネギが脇を固める。
ニンニクの効いた車ラーメンもウマかったが、飲んだあとに食べるなら、こっちのラーメンかも。
半チャーハンは、よくある八角形のものではなく、お茶碗のような器に盛られていた。


「パラパラ」でも「しっとり」でもなく、「もっさり」という印象だが、このチャーハンがまたウマい!
具材はチャーシュー、玉子、ネギと、ごく普通のチャーハンのはずだが、味加減が絶妙で、もっと食べたくなる。
念のため取っておいた白マーボもかけてみたが、必要はなかった。


最近、今さらながら【チャーハンは美味しい】ということに気づき始めたよ(←遅い)。
くるまさんは、普通の「チャーハン」が780円。「エビチャーハン」950円も気になるな。

その次に訪問したときのシメは、これまだ大好きな「五目ラーメン950円」。


ラーメンとは違う中細の麺が、具材の旨味が溶け込んだスープとよく合う。


メモによると、使用されていた具材は、白菜、人参、ピーマン、玉ねぎ、豚肉、木耳、チャーシュー、
さらに竹の子、椎茸、マッシュルーム、海老、イカ、かまぼこなど、五目といいつつ実際は「十三目ラーメン」だったようだが、
上記画像では、後半の6つは確認できない。他の店の五目ラーメンと間違えていたらゴメン(笑)。

一方、シンプルながらウマかったのが、「ぶっかけ月見ラーメン」750円。
どんな商品かたずねたら、「スープ少なめ、味濃いめのラーメンに、キャベツなどが入る」とのこと。
出てきたのがこちら。ラーメンと同じ具材に、千切りキャベツと玉子が加わる。


「よく混ぜてお召し上がりください」との指示に従い、黄身ちゃんを崩さないよう、かき混ぜる。

※スープも結構入っている

おそらく、通常のラーメンと同様に醤油ダレを入れるが、スープは少ししか注いでないのだろう。
うどんの「ぶっかけ」のようでもあり、混ぜて食べる「油そば」のようでもあり、面白いメニューであった。

この日の帰路は、多摩都市モノレールの柴崎体育館駅に向かって歩いてみることに。
残堀川の横を進み、根川沿いの遊歩道を歩いていく。温かい時期の昼間ならば絶好の散歩コースになるが、
冬の夜は当然寒く、灯りも少なく暗いので、避けた方がいい(苦笑)。
夜、この辺を歩くのは中学時代以来だが、今でもちょっと怖かった。フラッシュ撮影したら、変なトリがいたし。


最近は娘さん夫婦が軸になり(お母さんは昼番?)、街中華の悩みのひとつ、後継者問題も解決したくるまさん。
小上がり席のテーブルには鉄板が設置されており、要予約だが焼肉メニューの注文も可能。
飲みに、お食事に、お散歩に。今後も様々な用途で利用させていただくのは間違いない。



中華そば くるま
東京都立川市富士見町7-13-8
JR西立川駅より推定徒歩約16分 立川駅からは約27分、多摩都市モノレール柴崎体育館駅からは徒歩約17分
営業時間 10時半~21時(20時半ラストオーダー)
定休日 月曜、年末年始
※高機能空調設備により換気対策は万全とのこと
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完全無欠の中華屋さん 八坂『宝来屋』

2022年01月03日 | 中華食堂
明けましておめでとうございます。今年も拙ブログをよろしくお願いします。
年明け一発目は、タイトルどおり完全無欠の中華食堂『宝来屋』を紹介。
このお店の存在も、普段愛読している、こちらのブログで知った。ありがとうごさいます。
「宝」は、正しくは難しい旧字らしいが、最近の店看板が「宝来屋」となっているので、その表記に従わせていただく。


まずはメニュー写真から掲載。こちらが「麺類」に「スープ」、


そしてこちらは「ご飯類」に「一品料理」など。


「ラーメン」350円「チャーハン」450円など、どの料理も安すぎてビックリした方もいるだろう。
私もそのひとりだったが、お店を訪問してみたところ、さらに驚かされることになったのである。

過去に何度も告白してきたが、いいトシこいて万年金欠状態の私は、安く飲み食いできるお店が大好きで、
このブログでも今まで、安価で居心地のいい飲食店を、たくさん紹介してきている。
そのようなお店に共通しているのは、店主に儲ける気がないこと(笑)。
他にも、店が古くて汚い、アクセスが悪い、量が少ない、人件費や食材にお金をかけていない=接客や味がイマイチなどと、
なんらかの短所があったりして、お店側もそれに薄々気づいているため、値段を抑えているケースもあるはず。
実際、以前ここで紹介した某店のマスターは、「ウチは駅から離れているし、安くしなきゃ客は来ないよ」とボヤいていた。
あと、値上げしない理由として、「メニュー表の価格を書き直すのがメンドくさい」という店主もいた(笑)。
失礼ながら、ここ宝来屋さんが安い理由も、上記のどれかが当てはまると思っていたが、
そのすべてが否定されたのである。これが驚かずにいられようか!

前置きはこの辺にして、実際に食べた料理を紹介していこう。
初訪問は昨年9月。緊急事態宣言により、酒類提供が禁止されていた時期だった。
注文したのは、大好きな「餃子」300円と、「五目ワンタンメン」650円。


焼き色も盛りつけも美しい餃子は、メニュー表の表記どおり「野菜たっぷり」。


なにも付けずに食べるとやや薄味だが、意外とニンニクが効いている。醤油を少々使用した。

そしてこちらが、ナルトやカマボコなどで顔をかたどった、五目ワンタンメン。


普通のラーメンでも650円以上する時代に、五目かつワンタンまで付くとは!
ちなみに、チャーシューメンも550円。あえて名前を出すが、立川の『鏡花』なんて、1500円も取りやがるのに。
この値段なら、味に文句は言えまい…と失礼な感情を抱きながら食べ始めたところ、
「なんだこりゃ! ウメエじゃんか!!」と、心の中で絶叫。
塩味のスープは、懐かしくも深く、旨味たっぷりなのに軽やか。こんなすごいスープは久々だ。
ワンタンは、6個すべてに肉が入っていた。昭和時代なら大半は「具ナシ」だったのに(苦笑)。お店の誠実さを感じるね。


あと玉子が味玉でなく、三鷹『中華そば みたか』と同様、注文後に茹でるタイプなのも、家庭的で面白い。


見た目も味もいい餃子に、具だくさんでバカウマの五目ワンタンメン、量も少なくないのに、これで計950円とは!?
食事中は感激するどころか、「このクオリティでなぜ安い…?」と悩んでしまったくらいだ。

働いていたのは、ご夫婦と思われる男女。旦那さんだけでなく、奥さまも厨房で鍋を振る。
好連係で、厨房と接客を入れ替わることも多々。私の注文を取りに来たのも、旦那さんであった。
客が途切れないため、発する言葉は最低限だが、挨拶はちゃんとしてくれたし応対自体は丁寧。
しかもこちら、近隣に出前もやっており、時折旦那さんがヘルメット姿で出ていく。大変だなあ。
来客や出前の注文が多く、日々忙しいはずなのに、営業終了に清掃しているのか、店内は清潔に保たれている。
各座席には、手製と思われるカラフルなシートがかぶせてあり、


しかも、テーブルごとに異なる模様だったりする。こういう、ちょっとした工夫は好きだな。


店内はキレイだが、お店の歴史自体は古く、壁にいくつか展示してある過去写真によると、開業は昭和35(1960)年!

※右下に「S35」の表記あり

創業60年超ということは、店主夫妻は二代目か三代目のはず。私よりは年上だろうが、まだまだお元気そう。
「儲ける気はない」と達観するほどの年齢ではないと思うので、安価な理由がわからない。
なお、お店の最寄り駅は西武線の八坂。メジャーな駅ではないが、歩いて数分の距離である。
以上、宝来屋さんは安いのに味も量も接客も清掃面もアクセスも問題ない、素晴らしいお店なのである。

こんな良店、一期一会で済ませるのはもったいない。緊急事態宣言が明けると、早くも2度目の訪問。
壁の貼紙にあった「ビール」500円を注文し、珍しいソース味の「ニラレバ炒め」500円をツマミに飲む。

※ビールはラガーの中瓶、他の酒類はない模様

ソース味のニラレバは未経験だったが、麺抜きの焼きそばみたいであった。もちろん、炒め具合はバッチリ。
ビールを2本飲み、シメのお食事へ。ご飯ものの中から、あえて非中華の「玉子丼」450円、
そして、前回の五目ワンタンメンが絶品だったため、付属のスープを同じ塩味の「野菜スープ」300円に変更。


中華屋さんで「スープ」を頼んだのは、人生初かもしれない。それだけ、ここの塩味スープが気に入ったのだ。
「サッポロ一番 塩らーめん」もそうだけど、私は黄緑色のスープが好きなんだ。
ただ、てっきり小さなお椀で出てくるかと思ったら、結構な量だった(苦笑)。これでは「タンメンの麺抜き」だ。


あと、黒いスプーンが妙に飲みづらい…と思ったら、どうやら丼用スプーンだったらしい(恥)。
その玉子丼は、タマネギやシイタケが入りインゲンが乗る、和風テイストであった。


3度目は、初めてランチタイムに訪問。コロナ禍ゆえ他人同士の相席はさせず、テーブル席にひとりで座ることに。
お店に申しわけないので、ふたり分食べて、けれども長居はせずとっとと食べて帰ることに。
注文したのは、「チャーハン」450円と「カタヤキソバ」550円。まずはチャーハンとスープ、


そしてほぼ同時に、太麺のカタヤキソバと辛子が到着。550円とは思えぬ盛り具合だ。


チャーハンは、八角形のお皿ではなく、一品料理に使うようなお皿に盛られて登場。


しっとり系の仕上がりで、細切れチャーシューではなく、ひと口大の豚肉を使っているのは珍しいかも。
一方のカタヤキソバは、中華丼などに使うような深みのあるお皿に、こんもり盛られていた。


かかっているアンは、私の好きな塩ダレベース。ただ、当然のように熱いし見てのとおり量は多いし、
しかもチャーハンもあるしで、食べ切るのに時間がかかってしまった。

※途中で、「あんかけチャーハン風」にしてみた

あまり行く機会のない八坂だが、宝来屋さん目当てに4度目の訪問。ほぼ月イチペースだ。
オーダーしたのは、ボリュームがスゴイと評判の「豚肉丼」600円。


丼に「これでもか!」といわんばかりの豚肉と、半熟玉子が盛られている。横アングルがこちら。


具材はネギなどの野菜はなく、肉と玉子のみという潔さ。国分寺『淡淡』の「焼肉丼エッグ」を思い出させる。
味付けは醤油主体で中華というより和風。途中で黄身ちゃんを崩し、先述した黒スプーンで一気にかき込む。


妙にツユだくなので気付いたけど、このお肉は牛丼屋の豚丼のように煮込んである。


「焼肉丼」ではなく豚肉丼というネーミングはそのためか。卓上の七味だけでなく、紅生姜も欲しくなったよ。
食べ終わると結構な満腹になったが、せっかくなので、こちらの最安麺メニュー「ラーメン」350円を追加。


小さなノリ、チャーシュー、メンマにナルトと、一見すると懐かし系東京ラーメンだが、
麺をすすると、中華風調味料のような香りがする。ご飯ものに付いてきた醤油スープとは、似て非なる印象。
チャーシューも焼いてから煮込んだような…? 価格の割には手間がかかってるよ。
この醤油ラーメンをベースにした、あんかけの「カントンメン」やピリ辛の「ネギメン」も試してみたいね。

さて、ここまで4度訪問し、五目ワンタンメン×餃子、ビール×ニラレバ炒め、玉子丼×野菜スープ、
チャーハン×カタヤキソバ、豚肉丼×ラーメンと、魅力的な商品を5組紹介してきたが、
どの組み合わせも千円以下なのにお気付きだろうか。
他にもカツ丼×ラーメン、カレーライス×チャーシューメン、ワンタンメン×野菜炒め×ライスなんて組み合わせもある。
いずれにしても、令和の時代に千円でじゅうぶん満足できる食堂は貴重だろう。
皆さんもぜひ、千円札を握りしめ宝来屋さんに足を運んでほしい。もちろん、千円以上飲み食いするのもOKだ。



宝来屋
東京都東村山市美住町1-6-31
西武線八坂駅より徒歩約6分(踏切、信号次第) JRなら新小平駅から約32分
営業時間 11時~14時半、17時~18時半くらいまで
定休日 木曜、年末年始
※品切れ早じまいあり、年始は1月5日からの営業
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1103=いいお店 武蔵村山『弘華飯店』

2021年09月02日 | 中華食堂
「ラーショ」の愛称で、一部マニアから支持を集める『ラーメンショップ』。
ある日、西武線青梅街道駅近くにある小川店の前を通ったら、
ランチタイムの13時10分の時点で、早くもシャッターが下りていた。
以前の営業時間はわからないが、最近は朝早くから開けている様子。今日の分は売り切れかな。
早朝開始と判明した理由は足元の看板。翌日は朝5時56分オープン。早い! というか中途半端(笑)。


私が愛読しているブログによると、「6時13分開店」の日もあった。毎日違うのかな。
最後に店の前を通ったのは7月20日だが、「しばらく休業」の貼紙があり、その後は不明。
再開したらラーメンをいただき、ついでに店員さんに、開店時間の謎を聞いてみたい。
※追記 ラーショ小川店、閉店した模様です

開店時間の謎といえば、個人的に気になっていたのが、武蔵村山市にある『弘華飯店』さん。


真っ赤な軒先テントに記された営業時間は、AM11:03~PM9:38
場所は村山団地近くの団地西通り沿いにあり、最寄り駅は多摩都市モノレールの上北台駅になる。
実はこちらのお店も、さっき記した愛読しているブログの作者さんに教えていただいたのだ。
オススメは、他の店では「排骨」、カタカナで「パイコー」や「パイクー」などと呼ばれる、豚肉の中華風揚げ。
こちらのお店では「大肉」と書いて「チャップ」と読む。大肉体型の私は共食いである(泣)。

初訪問は昨年の夏頃。メニューに酒類が見当たらず、ランチタイムで混んでいたので飲酒はあきらめ、
好物の「餃子」550円と、お店も推している「大肉麺」935円を注文。
数分後、餃子が焼き上がり、


ほぼ同時に大肉麺(チャップそば)もやってきた。


丼サイズがなかなか大きく、大食漢には嬉しい。


餃子は、皮がモチモチしていて野菜少なめ。日本式というより、中華式の餃子だと思う。


こちらの店主は若い頃、横浜中華街での修業経験がある腕利き。
さっき載せた店頭写真の看板に、「上海料理」「横浜中華街の味」と記されているのを確認してほしい。
お店自慢の大肉は、カレーのようなスパイスが香り、かじるとパリッとした歯応えのあと、肉の旨味がジュワっと広がる。
薄味の清湯スープと、柔らかめの中細麺が、主役の大肉を引き立てている。


お店自慢の大肉メニューは、麺、飯、炒飯があり、それぞれに豚肉の中華風揚げがどーんと乗るようだ。

※価格は当時のもので、現在はそれぞれ+50円に外税

食後のお会計時、接客担当のおばちゃんに、「お酒はないんですか?」とたずねたところ、
「お酒はなくてビールしかない」と返答。そうか、おばちゃんの年代だとお酒=日本酒か。
「今度は夜、ビールで一杯やらせていただきます」と告げると、「はぁいよろしく」とおばちゃん。
ぶっきらぼうなようだが、実際は温かみを感じる声のトーンであった。

その後は緊急事態宣言もあり、ヨソ者の私は訪問を避けていた。
今年の夏、一瞬だけ酒類が解禁された期間の夕方に再訪し、念願のビール+中華を楽しむことができた。
注文したのは「水餃子」550円と「八宝菜」1540円。ビールは大瓶で、どこにも記載はないが、たぶん700円。

さっきも触れたが、ここ弘華飯店の店主は、本格中華のシェフなので、
「老麺(ラーメン)」660円、「炒飯」800円と、麺類・ご飯類は普通の価格だが、
一品料理になると、「古老肉(酢豚)」1540円、「干焼蝦仁(エビチリ)」1870円など、そこそこする。

※上記価格に+外税

だが、酢豚やエビチリなどは、かつてラーメンが300円台だった時代から、1000円超が当たり前だった。
近所には、だいぶ前に紹介した大盛り中華食堂『忠豊』もあるが、あちらのエビチリは2000円を超える。
『バーミヤン』などの廉価チェーンに慣れると高く感じるが、本来はこれくらいが適正価格なのかもしれない。

しばらくすると、まずは水餃子が登場。焼き餃子とは違い、ショーロンポーのような形状。


中身は一緒かもしれないけど、皮の食感がよく、水餃子の方が私は好き。


さらに数分後、具だくさんの八宝菜(別表記:五目うまに)が完成。

※ビールはキリンのラガー

エビ、イカ、豚肉、ウズラ、キクラゲ、キャベツ、竹の子、ピーマン。まさに八つの宝で作った菜(オカズ)だ。


大きめのエビが5尾、イカは大小合わせて8個くらいと、一般的なお店より海鮮の割合が多い。
ウズラも2個と通常の倍だし(笑)、味付けも濃すぎずちょうどいい塩梅。お値段分の価値はあるよ。
ビールを飲み終え、さて、シメの食事は…と悩んでいたら、厨房からおじちゃん店主が登場。
「どうもどうも。ゆっくりしていってくださいね」と、私に声をかけると、外のノレンを片付け始めた。
あれっ、ひょっとしてもう店じまいですか!? とたずねたところ、
おばちゃんが「最近は18時くらいで終わりなの」だって。しまった、20時までかと思ってた!
コロナ禍以降、20時までの短縮営業を強いられ、中休みをなくした弘華飯店さんだが、
以前も書いたように、夏場の中華厨房は地獄。11時(11時03分?)からの通し営業は、
おじちゃんが「もうトシだからしんどい」らしく、お客さんが途切れる18時頃に閉店するそうだ。
あわてて帰ろうとしたら、おじちゃんが再び「ゆっくりしてって」とおっしゃってくれたので、
せっかくなので図々しく居座り、客席で休憩しているご夫妻と、いろいろお話しさせていただいた。
ついでにビールも、もう1本お替わりし、おじちゃんにもごちそうした(おばちゃんは飲めないそうだ)。

おじちゃんが調理の世界に入ったのが、今から52年前。
「今と違って、あの頃の中華街は、まともな店しかなかったよ」と語る、横浜の中華街で修業。
その後は、立川市の栄町で、出前専門の中華屋さんを開業。
「近所の高校や会社が、しょっちゅう出前を頼んでくれてね。結構忙しかったなあ」。
近所の高校とは、現在の昭和第一学園のことだろう。コンビニがない時代ゆえ、生徒も出前を頼んだのかな?
繁盛していたようだが、おばちゃんはひとつ不満があったようだ。おじちゃん曰く、
「オレが競輪大好きでね。つい現場に行っちまうんだ」。ああ、ここにも同志がいた(笑)。
栄町から立川競輪場は目と鼻の先。出前専門店ということは、おじちゃん自らお客さんに料理を運びに行き、
受け取った代金を店に持ち帰らず、そのまま競輪場へ…なんてコトもあったのでは。
当時の競輪についても語りたいけど、おばちゃんが不機嫌になりそうなので(笑)、また今度。

立川市での営業を10年続け、その後は武蔵村山市に移転し、現店舗を構えたのが今から40年前らしい。
「バブルの頃はすごかった。夜12時過ぎても客が途絶えないんだから」と回顧するおじちゃん。
バブル時代だと、まだモノレールもないはずですが、どこから客が来るんですか!? と質問したら、
「近くの(村山)団地の人たちだよ。昔はこの辺も、居酒屋や雀荘がたくさんあって、帰りにウチに寄ったんだ」。
そうか、近隣の人たちが深夜まで遊んでいたのか。おじちゃんも「オレも営業終了後は飲みに行ったよ」だって(笑)。
今では居酒屋も雀荘もほとんど廃業し、当時の客も年齢を重ね、来店機会は減ったそうだが、
それでも弘華飯店さんには、常連がまだ多数存在し、お持ち帰りの注文電話も頻繁にかかってくる。
「それは、この人(店主)の腕がいいから。他では食べられない味だし」と、おばちゃんが誇らしげに語る。

昔は深夜まで営業していたのか…と、ここで営業時間の謎を思い出した。
店頭に書いてある11時03分から9時38分までって、なぜあの営業時間なんですか? 
という私の質問に、おじちゃんは微笑みながら「ああ、あれは特に意味はないんだ」。えっ!?
1103でイイオミセとか、いろいろ考えたんですが…と私の想像を述べてみたが、
「いやいや。変わった時間(表記)の方が、人の目に付くだろうと思っただけで、意味はないの」だって。
確かに、私の目にはバッチリ付いた(←変な日本語)し、実際に「1103=いいお店」だったので問題はない。
何年前から表示しているのかは聞かなかったが、かなり先鋭的な宣伝方法ではないかね。
あと、一応、9:38の語呂合わせも考えてみたけど、「9喰って 3騒いで 8バンザイ」…イマイチか。

帰り際、おばちゃんに「お食事したかったのに(店じまいで)悪かったね」といわれたので、
「いえいえ。また次回の楽しみにしておきます」と告げてお店を出た。
次回といいつつ翌日、さっそく再訪したが…16時台なのにもう閉まってる!
店頭でしょんぼりしていた私を、たまたま外出から帰ってきたおばちゃんが発見。
「ゴメンねえ。明日から休みなんだけど、あの人は残ったモン使うの嫌いだから」。
ああ、なるほど。最近は月火が定休で、この日は日曜。食材ロスを嫌い、仕込みを減らしているのか。
失礼ながら、3日前の食材を使用する中華食堂なんて、いくらでも存在する。
だが、おじちゃん店主は、それをヨシとしないのだ。さすがは横浜中華街で腕を磨いた職人である。

それからちょっと日にちが過ぎ、最近ようやく、3度目の入店を果たし、ご夫妻にご挨拶。
酒類提供禁止なのでお食事だけ。前回も頼んだ水餃子と、夏限定の冷やし中華をオーダー。
具材はチャップ、トリ、くらげの3種で、価格はすべて税込990円。同額ならチャップ一択でしょう。


まずは水餃子(画像ナシ)、続いて「大肉冷やし中華」がやってきた。


具材はキュウリと大肉だけだが、それだけで充分。自家製ダレの酸味が、揚げた豚肉とマッチ。


大肉のコロモがタレに浸みて、柔らかくなったり、酸味が加わり甘味が増したりと、いろいろ変化するのが面白い。
短時間でツルっと食べ切り「ごちそう様です」。ますます大肉=デブになっちまうな。

武蔵村山で開業し、村山団地の住民たちの胃袋を支えて約40年。
長い歴史の分だけ、ご夫妻もお年を召されたはずだが、おふたりとも実年齢より若く見えるのが幸い。
これからも、可能な限りお店を続けていただきたいし、私も当然、せっせと通わせていただく。
とりあえず、おじちゃんを元気づけるためにも、競輪選手たちのさらなる奮闘を願う(←関係あるのか?)。



上海料理 弘華飯店
東京都武蔵村山市学園3-58-2
多摩都市モノレール上北台駅から徒歩約13分、桜街道駅からは約19分 JR立川駅からは徒歩約82分…
営業時間 現在は11時~18時くらい、日曜日は早く閉まる 通常は11時3分~21時38分(中休みあり)
定休日 現在は月、火
※提供まで時間がかかるときもありますが、のんびり待ちましょう
コメント (4)
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