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朝昼晩、時間を問わず飲んで喰って面白おかしく過ごす人生を歩みたいです。※旧名「日が沈む前に飲む酒はウマい」

幻の逸品「とつげきラーメン」 代々木八幡『天下一』

2020年07月05日 | 中華食堂
タイトルの「とつげきラーメン」の前に、『天下一』というお店について説明しておく。
天下一とは、マニアが通うような店ではないが、そこそこメジャーなラーメンチェーンであり、
拙ブログで何度も取り上げた、こってりラーメンでおなじみ『天下一品』と似た名前だが、別グループである。

※2ヶ月前、久々に地元立川店で食べた、「サービス定食・コーン増し」

最盛時は、天下一とは異なる屋号のお店を展開したり、他のグループも傘下に入れるなど勢力を拡大。
以前、この記事の冒頭でちょっと触れた、ラーメン評論家の石神秀幸が監修したガイドブック内の座談会では、
「関東のラーメン店のトップは、実は天下一グループかも」と語られている。
現在は、『すき家』で有名なゼンショーグループに入ったようだが、HPによると、
いまも『天下一』の屋号で営業している、ゼンショー直営店はわずか5店舗。しかもメニューなどは一切掲載しておらず、
やむなく、サイト下記の「天下一公式サイト」をクリックすると、別の屋号のラーメン店に飛ばされる手抜きぶり。
アンチすき家の私にとって、ますますゼンショーが嫌いになる、ヒドイ扱いである。

私が天下一を知ったのは、今から30年ほど前。
幡ヶ谷駅前の居酒屋で飲んだあと、近くにあった幡ヶ谷店に入ったのが最初で、その後も何度か飲みのシメに利用。
以降も人形町(閉店)、新橋、門前仲町、飯田橋、代々木などの支店にも足を運んでおり、
ちゃんと数えたわけではないが、天下一には通算70回以上訪問していると思う。

以下で、天下一の主な特徴を上げる。メニューや価格は各店舗で異なるが、下記については私が知る限り共通のはず。
○メニューが豊富で、ラーメン店というか中華食堂
麺類だけでも醤油、味噌、塩、担々、つけ麺、焼きそばと多彩。ご飯ものや定食などのメニューも揃っている。
○全体的にボリューミーで味濃いめ
大部分の料理が、量も味つけも若者・肉体労働者向けであり、シラフで食べたらキツかった。
○麺類を注文すると、半ライスがサービス
今でこそ、家系ラーメンなどでよく見かけるサービスだが、どの時間帯でもご飯が付く店は、30年前は希少であった。
○焼餃子がジャンボサイズで、「半餃子」というメニューがある
私が通っていた頃の幡ヶ谷店は、餃子1人前=「大餃子」が6個500円、「半餃子」は3個280円だった記憶がある。
○「ホンコンラーメン」というメニューがある
具のない醤油ラーメンの上に、豚肉とキャベツを甘じょっばいタレで炒めたものと、目玉焼きが乗る、
要するに「ホイコーローラーメン」である。参考画像として、飯田橋『えぞ松』の「回鍋肉玉麺」を掲載。


他にも、「ラーメン餃子専科」の看板、深夜0時までの営業なども挙げられるが、これらは幡ヶ谷など一部限定であった。
そしてもうひとつ、私が勝手に全店共通だと思っていたのが、
○「とつげきラーメン」というメニューがある、だ。
私がとつげきラーメンを食べた記憶のある店は、幡ヶ谷と新橋、そして今回紹介する代々木八幡店のみ。
ただし、幡ヶ谷店は数年前に閉店し、新橋店は今は提供しておらず、代々木八幡店が最後の砦となる。
なお、代々木八幡店はゼンショーHPに載っていないので、どうやら無関係の模様。

昨年の今頃、久々に新橋店に入ってみたところ、とつげきラーメンがメニューから消え、
さらに餃子が690円に値上げしていた(物価的にはおかしくないが…)のにショックを受け、
数日後に代々木八幡店を初訪問。JR代々木駅から徒歩で向かったら、予想以上に遠くて疲労困憊(苦笑)。
ノドが渇いたのでまずは生ビール450円、そして大餃子=こちらの名称では「ジャンボ餃子」を注文。
こちらが料理メニューの一部。そうそう、6個450円くらいが天下一餃子の価格だよ。

※チンジャオロースが意外と高い

しばらくして、餃子が焼き上がった。ひと口では食べ切れない大きめサイズだ。


中身はこんな感じ。野菜多めのオーソドックスなタイプ。


大きさ比較のため、爪楊枝も置いてみたが、あまり意味ないかね。
なお、麺類メニューはご覧のとおり。先述したように、バリエーション豊富でしょ。


真ん中のやや下にホンコンラーメン、そして右の上から2番目に、とつげきラーメンの表記がある。


ここまであえて明かさなかった、幻の逸品こと「とつげきラーメン」の正体とは、
「餃子の具 玉子とじスープ」ラーメンのことであった!
書いてしまえば簡単だけど、一般的な中華食堂では、まず見かけないメニューだよね。
メニュー表の説明に補足すると、スープは塩味で、メンマやチャーシューなどの具材はなし。
餃子の中身(肉・ニラ・キャベツなど)だけをふわふわ玉子でとじ、塩スープに泳がせる。
私が若い頃は、天ぷらソバに天ぷらを追加するかのこどく(前回日記参照)
とつげきラーメンに半餃子or大餃子を追加し、無料のご飯と一緒にガツガツ食うのが常であった。

生ビールを2杯飲み干し、3杯目と同時のタイミングで、久々となる「とつげきラーメン」700円をオーダー。


正直、見た目はハデではないし、いわゆる「インスタ映え」とは対極な料理である。
いざ食べてみたところ、「ホラ、やっぱりおいしい……けど何かが違う!」と感じた。
まず、スープに浮かぶ溶き玉子が少ない。おそらく、玉子の溶液を、中華のお玉で1回すくっただけでは? 


幡ヶ谷店は倍のお玉2回分はあったはず。玉子好きとしてはやはり、もうちょっと欲しい。
もうひとつの理由として、塩スープが進化している
以前の化学調味料丸出しのスープから、魚介ダシ(貝のダシも?)の効いた、良質なスープに変わっていたのだ。
最近の流行に合わせたのだろうが、個人的には、以前の下品な味の方が好きだったな。
だいたい、餃子の中身を玉子でとじて麺に乗せるなんて、上品とはいえない調理法だしね。
最後は、いつもやったように、余った餃子も仲間入りさせ、全部食べ切った。


過去の記憶とはやや異なったが、天下一さんは餃子自体のクオリティが高いので、結局は満足してしまうのであった。
とにかく私は、この「とつげきラーメン」という料理が好きで、『餃子のO将』でのバイト時代には、まかないで自作したことも。
ただ、O将の餃子にはラードがたっぷり含まれているため、完成品は舌が焼けるほど熱々であった。
数年前には自宅でも、とつげきラーメン(サッポロ一番 塩らーめん使用)を自作し、ガラケーで撮影。


見た目はよろしくないけど、サッポロ一番独特のチープな麺と餃子がマッチして、そこそこ美味しかったよ。

なお、私が知る限り、天下一の店舗で餃子がもっとも安いのは、飯田橋店だと思われる。


上記画像の撮影当時で6個290円、現在でも300円らしい。この大きさでは破格でしょ。
ちなみに飯田橋店は、数年前には年頭の1月2日にも営業しており、驚くことにランチサービスまで実施していた。
下記の「味噌バターコーン+半チャーハン」で590円。ひょっとして、前日の元日も営業していたかも?

※味は価格相応

そんな飯田橋店、そしてとつげきラーメン最後の砦である代々木八幡店も、
今日「食べログ」を見たら、どちらのお店も掲載保留=閉店の疑いありとなっている。
まさかと思い、代々木八幡店に電話してみたところ、「お客様の都合で、通話ができなくなっております…」の案内が。
とつげきラーメンは、本当の意味で「幻の逸品」になってしまうのか!? 

追記 9月5日に食べログを再確認したところ、代々木八幡店も飯田橋店も、掲載保留の表示が消えていたのでひと安心。


追記2 代々木八幡店は残念ながら、2021年8月28日で閉店しました


天下一 代々木八幡店
東京都渋谷区富ヶ谷1-53-3
小田急線代々木八幡駅、地下鉄代々木公園駅より、それぞれ徒歩約1分 JR代々木駅からは徒歩約36分…
営業時間11時~0時
定休日 不定休
※飯田橋店の住所は東京都新宿区揚場町1-13
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2 コメント

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Unknown (ねぎみそらーめん)
2021-06-10 19:05:12
こんにちは!

たまたまですが、昨日2021年06月09日に中野駅南側のラーメン専科 寿楽に行きましたが、
トツゲキラーメン有りました!

天下一から別れたラーメン専科なので、同じ系統かも知れませんね。
返信する
Unknown (日が沈む~(略))
2021-06-11 15:19:33
ねぎみそらーめん様

コメント&情報ありがとうございます。
中野の『寿楽』は、店の前は何度か通りましたが、
入店したことはなかったです。ああもったいない。
近いうちに、トツゲキラーメンを食べに行きます。
返信する

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