しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

2017年読書振り返り

2018-04-14 | 本リスト
辺境5320年」で2017年読んだ分の本は感想上げ終えたので年次恒例の振り返りをいたします。

昨年(2017年)はマンガを除き感想を書いた本ベースで35冊の本を読みました。
(大作「ブラックアウト/オールクリア」でも1冊、、「小説 君の名は。」でも1冊のカウントです。)

2013年61冊2014年65冊にはおよびませんが、2015年35冊2016年23冊の減少傾向には歯止めがかかった気がします。

15年、16年と異動があり仕事がいまいち落ち着かなかったのですが...昨年は少し慣れたので読書しようという心の余裕がでてきた気がします。

昨年は「ダールグレン」「ブラック・アウト/オール・クリア」「ブルー・マーズ」の3大作を読むのに各2ケ月かかったので残り半年で32作品読んだと思えばまぁそれなりのペースかと。

その他マンガでは中学生(当時)の息子が読んでいた「進撃の巨人」が酔っぱらって家に帰ったときリビングに置いてあり、ちら読みしたらハマってしまい1-23巻一気読みしてしまったのが記憶に残っています。

「進撃の巨人」は「感想書こう」と思っていたのですが書けずに終わりました...。
最近のマンガはかなり構成がしっかりしている感じがありますが、中でもこの作品の世界観の構築はすばらしい。

どこかでごまかしてつじつま合わせているような気もしないではないのですが....、作中さまざまな謎を提示し一応は破綻なく回収しています。
ひと昔前(ふた昔?)の松本零士や石森章太郎のマンガのように謎投げっぱなしで回収なしというようなところがないのに感心です。

現代日本には本作含め多くのSF(もしくはSFチックな)マンガがあふれているのにSF小説のマーケットはそれほど活況に見えないのは残念です...。

ちらっと床屋で見かけただけの「テラフォーマーズ」などは思いっきりSFですよねぇ...。
ゴキブリがあそこまで進化するとは思えませんがなにやら「2001年宇宙の旅」的な超越者を想定しているようですし、SFですよねぇ。

昨年読んだ本の分析に戻りますが35作品中ここ数年重点分野としている海外SFが16作品と半分弱とまぁいいペースでした。
上述もしましたが「ダールグレン」等大作を読めたのが収穫ですね。

気になっていたロビンスンの火星三部作も読了できましたし、ウィリスのオックスフォード大学史学部ものも読了できたのには満足感があります。

あとは邦訳・出版されているSFは全部読もうと思っている「アシモフ作品」も昨年に短編集3冊、長編1冊読めたのも収穫でした。
アシモフは今年中に完読できそうな感じになってきました。

あとはふっと興味をもった「覆面座談会事件」がらみで日本SF第一世代作家の作品を結構読みました。(9冊)

あまり評価していなかった光瀬龍作品、短編読んでみて「素晴らしい」と思えたのが昨年の収穫です。

あとは筒井康隆の文学的才能の高さもあらためて思い知りました。
処女長編「48億の妄想」にしてあの完成度ただものではない....。

ただ....筒井作品を「好き」とか「どうしても読みたい」か?と言われると「どうかなぁ?」というのが正直な気持ちではあります。
(ディレイニーも同様....)
高級菓子よりも駄菓子が好きなタイプなんだろうということは自覚しております。

「覆面座談会事件」の調査(?)には金に糸目をつけず(といっても数千円ですが)当時のSFマガジンを数冊入手しました。
該当部分だけではなくその他の掲載されていた国内外の短編など味わい深いので読んでみたいなぁとも思うのですが...いつになるやら。

SFマガジンバックナンバーはレアものでない限りアマゾンで割と楽に買えるので癖になりそうで怖い...。

「ブラックアウト/オールクリア」関連でウィリス作品やら「オリエント急行の殺人」やら「大宇宙の少年」やらを読んだのと、「君の名は。」関連で「小説 言の葉の庭」を読み、その流れで「額田女王」を読んだのも昨年の読書関連のトピックスです。

ということで恒例(?)の昨年のベストですが....。

面白かったのは文句なく「ブラックアウト/オールクリア」です。

最後の方はページ送るのがもどかしいほどの入れ込みになりました。
ストーリーテーラーとしてのウィリスの才能を思い知らされました。

が....感想にも書いたのですが、根本的に「歴史」に意味性倫理性を入れて来ているところ、善悪を決めて戦争を完全肯定しているところはどうも「????」感がありました。

印象深かったのは「ダールグレン」で、読んでいてまったく(ほとんど?)面白くなはいんですが思い返してみると鮮烈な印象が残っているのは確かなので、これはこれで作品の持つ力なのかと。
前半のひたすら引っ越しの方はストーリーもまぁそれなりに面白かったかなぁ...。

ダイヤモンド・エイジ」もニール・スティーブンスンの並々ならない才能を感じましたが、終盤息切れしたような...。
前半までのテンションで書ききられていたら間違いなく今年ナンバーワンだったかと。

星新一 1001話つくった人」は再読なのでインパクト低めですが、読み返してみてやはり力作だとは思いました。

「額田女王」もよかったし鬼才ブラウンの「未来世界から来た男」もよかったのですが....。

無理無理ベスト3つけてみると

1位「ダイヤモンド・エイジ」
2位「ブラックアウト/オールクリア」
3位「消滅の光輪
というところです。

あくまで私の主観なので「面白さ」「好きさ」度合で選んでいます。

「消滅の光輪」は小学生時代にみたあの分厚い本を「ついに読んだ」という感慨もありの加点です。

3位候補で悩んだのは他に「額田女王」、アシモフの「変化の風」。

「額田女王」は久々の歴史小説で新鮮だったのもあるのかもしれませんが、大化の改新から壬申の乱、その間の白村江の戦いという激動の時代をあたかも同時代かのように描き出す手腕にしびれました....。

「変化の風」はまったく期待していなかったのに「よかった」感がありでの思いです。

今年ですが、邦訳・出版されているアシモフSF作品読破は達成できそう。

今日現在であとは「コンプリート・ロボット」の他作品集未収録作品と「永遠の終わり」の再読を残すのみとなっています。

邦訳されていて、作品集に未収録の短編もSFマガジンのバックナンバーとか丹念に探せばあるんでしょうが.....まぁそこまではいいかなぁという感じです。(いまのところ)

あとは'12年ローカス誌オールタイムベストを読んでいくのを地道に進めていこうと思っています。

日本のSFも読もうかなぁ....ですがそんなに読めないかなぁという感じ。

あとはまぁ今年も気の向くままで読んで行こうかなぁです。

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2014年SFマガジン国内長編オールタイム・ベストSF 考

2018-02-03 | 本リスト
ちょいと前に「記事あげます」と予告した国内長編オールタイムベスト2014年版のお話しです。
元ネタはSFマガジン700号掲載の国内長編オールタイムベストです。(現物はこちら参照ください-2014年SFマガジンオールタイムベスト-海外長編考

アンケートに基づくものですが、SFマガジンの読者ですから…多少偏っていそうな(笑)

それを基に2006年との比較、出版年、現在の出版状況など調べてみました。
出版年と出版状況はでき得る限り調べたつもりですが間違っていたらすいません。
なお「航空宇宙軍史」のみ最近「完全版」が出ている影響もありで出版年特定できませんでした。

水色既読、黄色所有で色付けしていますが見事に第一世代の作品しか読んでいない...。

数少ないそれ以外の既読作品「BRAIN VALLEY」「永遠の森 博物館惑星」もランク外になってしまってなんだか寂しいです。

とりあえず作家別作品数を見てみると
 6作品=神林長平(「戦闘妖精・雪風」を1つで数えれば5ですが)
 5作品=小松左京
 3作品=筒井康隆、半村良、伊藤計劃(共著「屍者の帝国」含む)
 2作品=光瀬龍、山田正紀、谷甲州、長谷敏司、飛浩隆
というところ。

'06年と上位作品数、作家はあまり変わっていません...。
「神林長平、小松左京強し」です。

2作品のところに入っている長谷敏司(2001年デビュー)が新顔というところでしょうかねぇ。

変わったところは最近人気らしい伊藤計劃が1位の「ハーモニー」はじめ3作ランクイン、山田正紀が「エイダ」がランク外となったことで3作品の人から外れたというところ。

神林長平、伊藤計劃、山田正紀は読んだことがないのでなんともいいようがありませんが、小松左京の5作品はちょっと多いんじゃないかなぁという気はしました。
果てしなき流れの果に」と「日本沈没」くらいでいいのではと…。
小松左京の場合は第一世代トリビュートバイアスがだいぶ入っていそうですが、第一世代の作家では豊田有恒、平井和正が入っていないので(2006年の時も同じこと書いていますが)小松左京作品5作品入れるよりも両氏の作品入ってもいいのでは?などと思いました。

豊田作品なら「モンゴルの残光」平井作品なら「ウルフガイ」シリーズか「幻魔大戦」というところでしょうか。

また第一世代では星新一作品「声の網」あたり入ってもな気もしました。
ネットワーク、AI先取り作品としてそれなりの評価うけてもいいような...。

ベスト10の顔ぶれでは相変わらず2位「果てしなき流れの果に」第3位「百億の昼と千億の夜」の王道2作品は強いですがその他はかなり変わっています。

2006年は半村良も第一世代に含めるとベスト10中が7作が第一世代、他第二世代の山田正紀作品2作ランクインですから10作中9作第一、第二世代作家でした。
それに対し2014年では第一世代作家が4作品と減って、第二世代の山田正紀作品がベスト10から外れ1979年デビューの第三世代にあたる神林長平「戦闘妖精雪嵐」が10位にいますが、あとは2007年デビューの伊藤計劃「ハーモニー」が1位、他1982年デビューの飛浩隆、1996年デビューの小川一水、2003年デビューの上田早夕里ともはや「世代」が意味をなさない作家が入ってきています。
(SF作家第四世代というのはあまりいわないらしい)

一応「読んでいる」というジャンルのオールタイムベスト10にまったく知らない作家が入っているのをみるのもおじさんとしてはなんだか寂しいですが....。

2006年から2014年の8年間でファン層がおじさん世代からかなり入れ替わったんでしょうかねぇ。

他「マイナス・ゼロ」が06年4位から13位とベスト10から外れているのが個人的にはさびしく...。
ここは定番として入ってもらいたいです。

また今回「虚航船団」が20位⇒14位と順位を上げてきています。
筒井SFの最高傑作ではあると思うのでこちらもベスト10に入れておいて欲しいなぁ(おじさんとしては)

筒井作品では他31位「旅のラゴス」41位「脱走と追跡のサンバ」がランクインしていますが、80年代くらいのこの手の企画だと筒井作品では「エディプスの恋人」が「上位に入っていたよなー」などということを懐かしく思い出しました...。

今回ランキングから外れた作品を見ると「グィンサーガ」「家畜人ヤプー」を除くと90年代-2000年代の作品です。
評価が定まったのか???

個人的には前述もしましたが「永遠の森 博物館惑星」がランク外にいったのがさびしいです。
文庫が出た頃(2004年)たまには新し目の日本SF読んでみようと手に取ったのが本書で「宇宙船ビーグル号」の影響をちょっと感じましたが面白かった記憶があります。

「BRAIN VALLEY」もその頃読んだ記憶がありますが....まぁいいかなぁとは思います。
(いわゆるSFではない気がする)
「世界の終わりとハードボイルド・ワンダーランド」も外れていますが...。
まぁこれもSFではないという観方でしょうかねぇ。
(そういえば村上春樹を小松左京が「ろくでもない」といっていた文章を最近読みました...)

今回ランクインした作品の方は16作品中12作品が21世紀の作品(基本2006年以降)です。
この辺は次回このような企画があったとき残っているかどうかですね。
他4作品は1980年代後半から90年代の作品。

評価が固まってきているのか?流れか?
全然読んでいないのでなんともいえません(汗)

そんな状態でも第一世代読み直しで精いっぱいの私ではあります....。
(保守的なんだろうなぁ)

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2016年読書振り返り

2017-04-29 | 本リスト
もう5月ですが・・・。
「アルジャーノンに花束を」で昨年(2016年)読んだ本の感想を書き終ええたので恒例(2015年)の年間振り返りです。

昨年はマンガ除き23冊の本を読みました。

2013年61冊2014年65冊にくらべると大幅に2015年の35冊と比べても減っています。

仕事関係が一昨年よりもさらにバタバタ感を増したというのもありますが加えて地元でもいろいろ引き受けてしまいなかなか本を読む時間を確保できないというのもありますが、昨年は「モンテ・クリスト伯」1-7、や「クリプトノミコン」1-4など大作読んだのも影響しています。
両作品とも読了に2ヶ月かかっているのでこの2作で1年の1/3使っています。
上記の読了に時間がかかったのは大作というのもありますが正直途中で飽きがきたのもあり読んでいる途中でマンガに浮気したりしていたのも原因だったりします。

このブログでも「MIX」と「ラフ」の感想は書きましたがあだち充作品は「モンテ・クリスト伯」を読んでいる途中かなり読みました。
初期の原作のあるもの除けば全部入手して読んでしまいました…。
「あだち充作品感想」も書きかけたのですが現在のところ未完です…そのうち書こうかと思っているので詳細省きますがあだち作品の中でも「みゆき」と「H2」は別格によかったです。

 「クリプトノミコン」のときもマンガ読んでました…。
 昨年KINDLEを買ってマンガを買うハードルが下がったこともあり大人買いで手塚治虫の「火の鳥」全巻や「アドルフに告ぐ」など読んでいました。
「火の鳥」は昔のものは読んでいたのですが、最後の太陽編などは読んでいなかったので今回全巻制覇できて感慨深いものがありました…。
手塚治虫のSFマインドの豊富さを目の当たりにしました。

「アドルフに告ぐ」はちょっと展開に無理はあるようにも思いましたが、まぁ力作ですしこのレベルの作品をわんさか残した手塚治虫の才能は計り知れないものがあります。
(あだち充とはある意味対極ですが…)

ここ数年追っかけている海外SFは23作中8作と少ない….。

ちょっとSFに飽き気味でもあったのですがランキングに沿って読んでいたこともあり、スペースオペラ的作品としては似たような傾向の「神の目の小さな塵」「スタータイド・ライジング」「最果ての銀河船団」が続いたので飽きが加速したのかなぁなどと振り返って思ったりもします。

昨年のトピックスは2014年から3年越しで読んできたセイヤーズのピーター卿シリース(長編)を読了したこと。
クリスティとならぶ黄金期英国ミステリーの女王とされるセイヤーズですが日本での知名度はクリスティと段違いなので、マイナーですが…それだけに完読はうれしかったりします。
評判の高い「ナイン・テイラーズ」「学寮祭の夜」はかなり期待して読んだのですが、私とは合わなかったのかそれほどのものとは思えませんでした。
セイヤーズシリーズでは「雲なす証言」が一番のお薦めというのがとりあえずの結論です。

これまた恒例の昨年読んだ本のベストですが…。

正直それほど「感動した」という作品はなかったですが
長さもあり「モンテ・クリスト伯」「クリプトノミコン」が一番印象に残りました。

「モンテ・クリスト伯」の古き良きエンターテインメント大長編の大団円には圧倒されました、やはり力があります。

「クリプトノミコン」は感想の中では微妙にけなしていますが、作者のニール・スティーブンスンとは微妙に相性が合わないのですが…改めて思うとあれだけのストーリーを破綻なく印象的にまとめる力量は大したものだと思います。
登場人物のキャラも立っていますし。

エンターテインメントとしてのSFとしては「最果ての銀河船団」も楽しめました。
ファム・ヌェンかっこよかった…。
この作者はいろいろできそうななか、かなり意図的にエンターテインメント要素も入れている気がします。

とまぁ振り返りましたが…。

今年もできる限り本を読んでいくつもりです。
感想も字の本は程度は別として前冊書くつもりです!!!

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2015年読書振り返り

2016-03-26 | 本リスト
もう4月が近いですが….。
昨年読了した本は「ストーカー」ですべて感想を書き終わったということで一応恒例ということで(2014年)振り返ってみます。

2015年読んだ本は「2010年宇宙の旅」から「スト-カー」まで35冊、2013年が61冊、2014年が65冊ですから大幅に減っています。

6月に仕事の関係で異動がありその前後と異動後しばらくバタバタしたたのが主因ですが、読書そのものに少し飽きていたのかもしれません。

ただここ数年重点分野にしている海外SFは'13年の43冊には遠く及びませんが、'14年の28冊(うち長編24冊)に対し'15年は20冊(全部長編)といい線いっています。

'15年は割と長い作品を意識的に読んでいたので、SFを読んだページ数にすると'14年より多いくらいかもしれません。
「新しい太陽の書」1-4でも1冊カウントですから…。)

その他も長めな本が多かったので冊数だけでははかれないかなぁとは思いますが...。
まぁ'14年からは激減した感があります。

ということで'15年の読書の振り返り、全体感としては長年の懸案(30年くらい)だった「楡家のひとびと」「背教者ユリアヌス」を読了できたのはなにやら感慨深いものがあります。
「2001年宇宙の旅」シリーズを完読できたのもまぁ長年の懸案をかたずけられたかなぁという感があったような...。

それほど長年の懸案ではありませんが「新しい太陽の書」「ハイペリオン四部作」後半2作(「エンディミオン」「エンディミオンの覚醒」)を読んでシリーズ完読できたのも何やら懸案をかたずけたようで地味にうれしかったりします。

一方で15年初にはピーター卿シリーズの長編全作読破しようと思っていたのですが、一冊も読めませんでした...。
こちらは今年に持越しです。

アシモフのSF作品読破の方は15年は長編2冊(「宇宙気流」宇宙の小石」)を読みましたがなんとなく今年も無理な気が...。

というような全体感ですが、個別には印象に残った作品は少なかった気がしています。
15年に印象に残った作品は、

・「城の中の人」星新一
「楡家の人びと」北杜夫

の2作がとびぬけでいたなぁというイメージ。

とくに「城の中の人」は表題作のあまりのブラックさにしびれました….。
好き好きあるでしょうが私的には歴史に残る名作と思います。

「楡家のひとびと」は世の中の評価もとても高い作品ですので当たり前といえば当たり前なのですが、北杜夫の代表作ににふさわしい出来栄えでした。
とても一言では感想は言えませんが読中、読後いろんな感情が湧いてくる作品です。
日本文学史上に残る名作ではないでしょうか?

あとは「新渡戸稲造」杉森久秀 はまったく期待せずに読んだのにいい本でした…。
いとま申して」北村薫 もなかなか...ですが単行本で出ている続編を買うまでには至っていません(文庫出たら買うつもり)

一方SFは、妙にSF慣れしてしまったせいか、15年は心の琴線に触れる作品には巡り会えませんでした。
面白い作品は多かったんですけれどもねぇ。

その中で印象に残っているのは「新しい太陽の書」「光の王」の2作かなぁ。
2作ともなんとも不思議な世界観が印象に残りました。

コニー・ウィリスの「航路」は「うまい」とは思うものの...それだけな感じを受けてしまった…。

アシモフの「ネメシス」は「巨匠アシモフにしてここまで迷走してしまうのか...」という意味では印象に残ったりはしましたが...。(笑)
まぁアシモフは短編見ても勢いで書いていル部分も多そうなので。(ネメシスの序文もそんなことが...)当たり外れは多いんでしょうね。

まぁ16年もボチボチと読書に励みたいと思います。
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矢野徹コレクション

2015-01-07 | 本リスト
私は読書も好きですが、収集癖もあり一定の作者の作品を集めることがあります。

なかでもそこそこ自慢(?)なのは矢野徹氏の作品群。
(フレドリック・ブラウンのエド・ハンターシリーズを全部持っているのも自慢、あとアシモフのSF作品は全部集めようとしています….)

SF翻訳の世界では大家である矢野徹氏ですが「作家」としては「カムイの剣」ぐらいしか一般的には知られていないんじゃないでしょうか。
マイナーな作家だけに集めている人は「そんなにいないんじゃないか?」と思っています。
(だからどうしたという話ですが….)

とにかく矢野徹氏の著作が昔(小学生時代)から好きでなんとなく集め出してしまって現在にいたっています。
ふと気になり全体の中でどの程度集まったのかなぁと調べてみました。

青色が既読、黄色が所有していて未読です。

手持ち並べてみました♪

著作リストの元ネタはwikipediaなので漏れがあるかもしれません。
例によって青が既読、黄色が所有していて未読です。
未読のものは「何年未読なんだ!」というくらい未読のものも含まれています。
「442連隊戦闘団」などは小学生のとき入手したので30年以上…。

ということで全47冊中、31冊所有 66%所有。

文庫で出ていないものは入手しにくいので「しょうがないかなぁ」と思っているので、あと2冊で文庫はコンプリートです。

入手できていないのが「孤島ひとりぼっち」と「新世界遊撃隊」。
Amazonで調べたら「孤島ひとりぼっち」はプレミアついて2,000円近くする、「新世界遊撃隊」にいたっては引っかかってこもこない。
「孤島ひとりぼっち」大人買いするなら手が出ない金額でもないのですが…。
まぁブック・オフを気長に探そうと思っています。

全部読んでいない私が言うのも何ですが、氏の作品の中では1980年代以降の割とぶっちゃけではちきれている作品群が好きです。
1970年代の「地球0年」や「カムイの剣」はかなり真面目に脱線しないで書いていますが、
「裁くのは誰か?」や「皇帝陛下の戦場」あたりからは吹っ切れたのか、くだけた感じで書かれていて楽しめます。

中でもお薦めは「ネットワークソルジャー」から始まる「連邦宇宙軍シリーズ」
シリーズ3作目までは高橋敏也氏との共作なわけですが、4作目以降矢野徹氏単独となってもスケールの大きい話を矢野氏らしいはっちゃけ感のある展開で進めていきます。

10年位前に読んで記憶もそこそこ新しいので自信を持って言えますが、日本SF史上に残る大傑作だと思う…のですが物凄くマイナーですよねぇ。

「連邦宇宙軍シリーズ」「矢野徹」で検索したら、「宇宙の戦士」私がちょっと書いた記事が5番目に表示された…。
すごいマイナーだ(笑)

集めるだけでなく未読のものは読まなきゃとは思っているのですが、なかなか手が出ません...。
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