「エンディミオン」に続いて読みました。
「ハイペリオン」4部作完結編、1997年刊行。
「エンディミオン」でも書きましたが「ハイペリオン四部作」は'06年SFマガジンオールタイムベストで第8位、'14年でも12位と日本では(も?)とても人気の高い作品です。
![](https://c2.staticflickr.com/6/5715/23226914384_60f1f30143.jpg)
読了できてとりあえず「読んだよ!」といえるようになりうれしいです。
(少しSFファンに近づいたか?)
上巻:
人類がカトリック教会、パクスの支配下におかれた32世紀。惑星ハイペリオンの青年エンディミオンは、老詩人サイリーナスの依頼で“時間の墓標”から現われた少女アイネイアーをパクスの手から守りぬき、地球にたどりついた。それから4年、アイネイアーは、人類の救世主たる自らの使命を果たすべくパクス支配領域への帰還を決意する。そして彼女と行動をともにしてきたエンディミオンもまた新たな冒険へと旅立つが・・・・・・。
下巻:
エンディミオンとアイネイアーたちが地球をあとにしていた頃、新教皇ウルバヌス16世率いるパクスは、さらなる勢力拡大のため、非キリスト教徒であるアウスター討伐の十字軍遠征を開始しつつあった。これを裏で操るAI群“テクノコア”は、パクスを脅かす存在であるアイネイアーを捕らえるべく、恐るべき追手を送りだした!はたしてアイネイアーの、そして人類の運命は…?ハイペリオン・シリーズ四部作、ここに完結。
これで4部作完読となったのですが、正直な感想は「ハイペリオン」シリーズ「後にいくほどレベルが落ちていっているなぁ」というものでした。
「ハイペリオン」>「ハイペリオンの没落」>「エンディミオン」>「エンディミオンの覚醒」という感じ。
シリーズものは前作を超えるぐらいでないと評価受けにくいのもあるでしょうがちょっと残念ではありました。
「エンディミオン」と同様に本作もまぁ面白く読めましたし、様々な惑星のイメージ、宇宙に適応した人類の姿の描写など素晴らしい点が多々あり上下巻合わせて1400ページの大作をこのレベルでまとめるのはなみなみならぬ手腕だとは思いました。
あと前作同様エンディミオン青年の悪戦苦闘ぶりのくだりは楽しめました~。
でも、全編通じシリーズをなんとかきれいに完結させようというご都合主義的ねじまげ(サイリーナスおじさんの勘違い等々)が透けて見えるのと、底面に流れる「全宇宙意志」とか「東洋思想礼賛(でもないのかしら?)」、アイネイネーを「救世主」として紋切型に描いてそれを崇めたてる人々たちといった部分がどうにも好きになれないため読んでいてずっと違和感を持ちました。
「超越者」「超越界」的なものを素直に受け入れられるのかどうかなのでしょうが、ここまであけすけに書かれてしまうと(私は)興ざめでした。
系統的には「異星の客」(ほどトんでも本ではなかったですが)、「エンダーの子どもたち」と同様な感じ。
シリーズ完結編ということで共通の「エンダーの子どもたち」に近いかなぁ。
シリーズものは1作目の出来と比べてしまうので厳しい...。
カッサード大佐やレイチェル・ワイントラウブなど「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」で強烈な印象を残した登場人物が、後日談と帳尻合わせのためにでてくるものなにやら残念な気もしましたしシュライクの正体も「ハイペリオンの没落」でカッサード大佐との死闘に感動した身としてはちょっと...。
「シーユーアリゲーター」もあまり軽く使ってほしくない気も...。
ストーリー的破たんはあまりないのですが日系らしいバクス側企業団CEOのイソザキ氏がもっと活躍するのかと思ったのに尻すぼみであったのが残念でした…。(最初はもう少し出番多くするつもりだったんだろうなぁ)
このシリーズに特徴的なメタSF的要素アウスターの構築するダイソン球的世界もでてきたりしますが本家の「リングワールド」の神経症的な書き方の方が全然好きだなぁ…。
などとネガティブ評価多い感想ですが「ハイペリオン」シリーズに手を染めたらここまで読まないとおさまらないかと思います。
読了後の感想は人それぞれでしょうねー。
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「ハイペリオン」4部作完結編、1997年刊行。
「エンディミオン」でも書きましたが「ハイペリオン四部作」は'06年SFマガジンオールタイムベストで第8位、'14年でも12位と日本では(も?)とても人気の高い作品です。
![](https://c2.staticflickr.com/6/5715/23226914384_60f1f30143.jpg)
読了できてとりあえず「読んだよ!」といえるようになりうれしいです。
(少しSFファンに近づいたか?)
上巻:
人類がカトリック教会、パクスの支配下におかれた32世紀。惑星ハイペリオンの青年エンディミオンは、老詩人サイリーナスの依頼で“時間の墓標”から現われた少女アイネイアーをパクスの手から守りぬき、地球にたどりついた。それから4年、アイネイアーは、人類の救世主たる自らの使命を果たすべくパクス支配領域への帰還を決意する。そして彼女と行動をともにしてきたエンディミオンもまた新たな冒険へと旅立つが・・・・・・。
下巻:
エンディミオンとアイネイアーたちが地球をあとにしていた頃、新教皇ウルバヌス16世率いるパクスは、さらなる勢力拡大のため、非キリスト教徒であるアウスター討伐の十字軍遠征を開始しつつあった。これを裏で操るAI群“テクノコア”は、パクスを脅かす存在であるアイネイアーを捕らえるべく、恐るべき追手を送りだした!はたしてアイネイアーの、そして人類の運命は…?ハイペリオン・シリーズ四部作、ここに完結。
これで4部作完読となったのですが、正直な感想は「ハイペリオン」シリーズ「後にいくほどレベルが落ちていっているなぁ」というものでした。
「ハイペリオン」>「ハイペリオンの没落」>「エンディミオン」>「エンディミオンの覚醒」という感じ。
シリーズものは前作を超えるぐらいでないと評価受けにくいのもあるでしょうがちょっと残念ではありました。
「エンディミオン」と同様に本作もまぁ面白く読めましたし、様々な惑星のイメージ、宇宙に適応した人類の姿の描写など素晴らしい点が多々あり上下巻合わせて1400ページの大作をこのレベルでまとめるのはなみなみならぬ手腕だとは思いました。
あと前作同様エンディミオン青年の悪戦苦闘ぶりのくだりは楽しめました~。
でも、全編通じシリーズをなんとかきれいに完結させようというご都合主義的ねじまげ(サイリーナスおじさんの勘違い等々)が透けて見えるのと、底面に流れる「全宇宙意志」とか「東洋思想礼賛(でもないのかしら?)」、アイネイネーを「救世主」として紋切型に描いてそれを崇めたてる人々たちといった部分がどうにも好きになれないため読んでいてずっと違和感を持ちました。
「超越者」「超越界」的なものを素直に受け入れられるのかどうかなのでしょうが、ここまであけすけに書かれてしまうと(私は)興ざめでした。
系統的には「異星の客」(ほどトんでも本ではなかったですが)、「エンダーの子どもたち」と同様な感じ。
シリーズ完結編ということで共通の「エンダーの子どもたち」に近いかなぁ。
シリーズものは1作目の出来と比べてしまうので厳しい...。
カッサード大佐やレイチェル・ワイントラウブなど「ハイペリオン」「ハイペリオンの没落」で強烈な印象を残した登場人物が、後日談と帳尻合わせのためにでてくるものなにやら残念な気もしましたしシュライクの正体も「ハイペリオンの没落」でカッサード大佐との死闘に感動した身としてはちょっと...。
「シーユーアリゲーター」もあまり軽く使ってほしくない気も...。
ストーリー的破たんはあまりないのですが日系らしいバクス側企業団CEOのイソザキ氏がもっと活躍するのかと思ったのに尻すぼみであったのが残念でした…。(最初はもう少し出番多くするつもりだったんだろうなぁ)
このシリーズに特徴的なメタSF的要素アウスターの構築するダイソン球的世界もでてきたりしますが本家の「リングワールド」の神経症的な書き方の方が全然好きだなぁ…。
などとネガティブ評価多い感想ですが「ハイペリオン」シリーズに手を染めたらここまで読まないとおさまらないかと思います。
読了後の感想は人それぞれでしょうねー。
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