しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

ブルー・マーズ キム・スタンリー・ロビンスン著 大島豊訳 創元推理文庫

2018-03-03 | 海外SF
昨年読んだ本の感想が本書除いてあと3冊(うち1冊は小説でないので書かないかもしれない)、今年も昨年に引き続き前年分書き終わるのは3月末になりそうです....。

さて「覆面座談会事件」がらみで日本SF関係を続けて読んでいましたが「たまには海外SFも読まなくちゃー」ということで本書を手に取りました。

本書は「レッド・マーズ」「グリーン・マーズ」に続く火星三部作完結編となります。
本自体はブックオフで見かけて入手していました。

「グリーン・マーズ」読んでからあまり間が空くと登場人物やら設定やら忘れてしまいそうだなぁというのもあり読みました。

1996年発刊、1997年のヒューゴー賞・ローカス賞を受賞しています。
シリーズで累計11冠を達成したアメリカSF屈指のシリーズです。

前作「グリーン・マーズ」の創元推理文庫での初版は2001年、その巻末では続編の本書「ブルー・マーズ」は「近刊予定」となっていたのですが...長年発刊されず「もはや翻訳出ないのでは」という「幻」の作品と化していたようですが、昨年(2017年)やっと翻訳が発刊されました。

「火星の人」やら日本では「テラフォーマーズ」やらの影響で微妙に火星ブームなのが影響してるんですかねぇ。

内容紹介(裏表紙記載)
上巻
地球の治安部隊は火星の軌道上にまで撤退し、無血革命は成功するかに思われた。だが和平交渉中、過激な一分派が宇宙エレヴェーターに攻撃を開始する。第一次火星革命の悪夢が繰り返されてしまうのか? 壮大な火星入植計画をリアルに描きつくしてSF史に不滅の金字塔を打ち立てた「レッド・マーズ」「グリーン・マーズ」に続く<火星三部作>完結編。 ヒューゴー賞、ローカス賞受賞。
下巻
憲法を制定した火星政府は、地球との交渉の末ついに念願の独立を勝ち取った。人びとは自由を謳歌し多様な文化が共生する火星ならではの社会システムと新たな文明を発展させていくが・・・・・・。赤い荒野から緑の大地へそして青い大洋を持つ人類の第二の故郷へと劇的に変容していく火星の姿を、人びとの綾なす人間ドラマとともに壮大なスケールで描き上げた大河三部作堂々完結。


読後のとりあえずの感想「疲れた」。
そもそも上下巻合せて1200ページを超える大作ではあるのですが...。

それ以上に疲れた気がします、一応エンターテインメント寄りな作品かと思うのですが読むのにかかった時間は「ダールグレン」とほぼ同じくで上下巻で2ケ月を要しました....。

長年翻訳が出なかった理由がわかったような気がしました。
まぁ端的にいうと.....「退屈」です。

上巻の前半くらいまでは「グリーン・マーズ」の最後で火星の独立を勝ち取れそうになった展開からの最後の戦いでストーリーの展開も早く楽しめました。

その先、独立後の憲法制定やら地球との交渉やら立ち上がった政府のどたばたやらもまぁちょっと理想論というか、作者の理念というかが強すぎて入り込みにくいところもあったのですがまぁ楽しめたのですが....。

が...そこからなんとも盛り上がらないというか、長編小説として完結させようという感じが見えず散文を読んでいるようでつらかったのです。
文章の書き込みはかなり丁寧(すぎる?)で気合は感じたんですけどねぇ。

火星から太陽系、恒星への旅などを現実的に描くハードSF的な部分も大したものだとは思いますが...。
ニルガルやらの火星第三世代以降の人間が活躍するのかなぁ...と思わせておいて、その流れをブチッと切れて結局最初の百人だのみのストーリー展開にしてしまうのはどうにもいただけなかったです。

ネット上の反応見ても似たようなことを書いている人が多かったですが....。
文句言いながらも途中で投げずに全部読んでしまっているので、まぁ読ませる作品なのかもしれません(笑)

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