しろくま日記

読んだ本の感想を記録してみたいと思います。
なんだか忘れてしまうので。

日本沈没 小松左京著を読んで

2011-04-04 | 日本SF
この本も中学生(もしかしたら小学生)の時に読んだものの再読です。
昔読んだ本ばかり読み返すばかりなのもどんなものかと思いますが、気分のおもむくまま読みました。
もっとも今回読んだ版は昔のカッパノベルス版でなく2006年の小学館文庫版です。
(探すのが面倒なのでブックオフで105円×2で購入)

読み始めたのが冗談のようですが、3月11日の朝でした...。

3月11日以降しばらくの事態がこの本の状況と似通っていてとても不気味でした。
(3/13には読み終わっていたのですが感想とても書けませんでした。)

この本では日本ではマグニチュード8.7以上の地震は理論的に起こらないとなっています。
(その当時の最新理論だったんでしょうが...。)
あっさり覆される9.0の地震が起こってしまうところが自然の力というのは脅威です。

作品自体の感想は、地震列島である日本を描いていて内容は非常に身につまされる話ですし、一応沈没まで読ませます。
前半の海底探査部分と、後半のパニック小説的なところの書き込みの質の差が激しいですが...。
(アイディア倒れで後半まで続かないのがこのころの日本のSF長編小説共通の問題点な気がします。)
恋愛小説の部分も前半はわからないではないですが、後半は思いっきり手を抜いている気がする..。

小松左京の小説の中ではとりあえず最後まで書ききっているというところでピカ一なのでは?と思います。
(さよならジュピターも首都消失も、まぁほぼ全部ですが最後ぐにゅぐにゅで終わる感じのような気がする)

前半から中盤くらいのテンションで描き切ったら稀代の名作になったような気がします。
残念です。

一読の価値のある小説ではあると思います。
(この状況でなければそれほど切実にはなれないかもしれませんが...)

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