筒井康隆の後は小松左京だろうということで....。
「虚人たち」があまりにつまらなかったのでその反動ということでもあったりします。(笑)
‘06年SFマガジン日本長編 第2位、日本SF長編で「ベスト」を上げると必ず上位にくる作品です。
まぁそこそこには面白いだろうという期待で手に取りました。
SFマガジン1965年2月-11月号に連載。
手持ちのものはいつ入手したか「?」ですが、昔読んだものかも?です
![](http://farm8.staticflickr.com/7340/13040158164_5453189972_n.jpg)
奥付は昭和55年、古本で入手した形跡があります(150円と書かれていた)
小学校終わりか中学入りたてくらいで読んだと思います。
ただ、「国内SF長編オールタイムベスト考」でも書きましたが、昔読んだ時は後半がグダグダになっていたような記憶があり、あまり評価が高くなかったのですが…。
内容(カバー折込記載)
―――巨大な剣竜や爬虫類がいた六千万年も前の中生代の岩盤から、奇妙な砂時計が発見された。 その砂は、いくらおちてもへらず、いくらうけてもふえない、上から下へ間断なく砂がこぼれおちていた。 常識では考えられない超科学的現象! 四次元の不思議な世界を造り出していたのだ。
さらに不可解な事件が起きた。 この出土品の発見場所・K市の古墳へ出向いた関係者が、つぎつぎに行方不明、変死を遂げてしまったのだ・・・・・・。
迫力にみちたサスペンス、著者のSF長編小説の最高傑作。
とりあえずの感想「良くできたSF」。
上から目線になって偉そうな感想ですが、昔読んだ時には「最後ぐだぐだ」に感じたのですが私の理解力が足りなかったんだと思います。
場面の転換が激しいのでわかりにくくなるかもしれませんが、きっちり最後まで完結しています。
「日本沈没」と比べてもしっかりしたつくりで、スケールも大きくSF長編のベストに挙げられるのもわかる気がします。
小松左京ではベストではないでしょうか?
前に書いたときに、アシモフの「永遠の終わり」との類似点を上げましたが、「タイムパトロール的な人物が行ってはいけない超未来に行く」という所以外は類似点ないような気がしました。(「永遠の終わり」を読み返していないので不明確ですが)
ただ、宇宙の終わりというか始まりというかそういう超越者的なものを出すとなにやらエラそうな感じになるというところは「百億の昼と千億の夜」と同じで、なんだか安直な気がしました。
カードの「エンダーのこどもたち」もそんな部分があったし、エンターテインメントなSF作家はそういうものを書いて「高級」な作品にしたくなるのでしょうか....。
もしくは「宇宙論」がはやりだっただけかもしれませんが。
調べてみたら「百億の昼と千億の夜」はSFマガジン1965年12月-1966年8月連載。
丁度本作の後の連載だったんですねぇ。
なんだか似たような作品の気がするのですが...。
自分たちの宇宙の無数のパラレルワールドの外にさらに大きな超宇宙というようなものがあるというのは、仏教的「諸行無常」な感じで日本人には響きやすいのかもしれませんね。
(「百億の昼と千億の夜」も’06年SFマガジンベスト1位ですし)
ただ私はこの辺の話でなにやら高級なことを語ったことになるような展開が好きではないのでどうも辛口な評価になります。
本作の結末も「そんなことより当たり前の生活が大事」とも読めなくもないので「宇宙論」がメインテーマでもないのでしょうが....気になりました。
どうも「だからどうしたの?」という気になってしまう。
「不朽の名作」と思って読むとずっこけそうですが、スケールの大きい、単純に楽しめる良作だとは思いましたし、悪いイメージが有ったのは今回読んで払拭されました。
が...この作品が日本SFのベストで3以内の作品とはどうも思えない.....。
好みの問題なんでしょうけれども...。
1960年代に書かれたとは思わないで楽しめる作品ではあります。
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「虚人たち」があまりにつまらなかったのでその反動ということでもあったりします。(笑)
‘06年SFマガジン日本長編 第2位、日本SF長編で「ベスト」を上げると必ず上位にくる作品です。
まぁそこそこには面白いだろうという期待で手に取りました。
SFマガジン1965年2月-11月号に連載。
手持ちのものはいつ入手したか「?」ですが、昔読んだものかも?です
![](http://farm8.staticflickr.com/7340/13040158164_5453189972_n.jpg)
奥付は昭和55年、古本で入手した形跡があります(150円と書かれていた)
小学校終わりか中学入りたてくらいで読んだと思います。
ただ、「国内SF長編オールタイムベスト考」でも書きましたが、昔読んだ時は後半がグダグダになっていたような記憶があり、あまり評価が高くなかったのですが…。
内容(カバー折込記載)
―――巨大な剣竜や爬虫類がいた六千万年も前の中生代の岩盤から、奇妙な砂時計が発見された。 その砂は、いくらおちてもへらず、いくらうけてもふえない、上から下へ間断なく砂がこぼれおちていた。 常識では考えられない超科学的現象! 四次元の不思議な世界を造り出していたのだ。
さらに不可解な事件が起きた。 この出土品の発見場所・K市の古墳へ出向いた関係者が、つぎつぎに行方不明、変死を遂げてしまったのだ・・・・・・。
迫力にみちたサスペンス、著者のSF長編小説の最高傑作。
とりあえずの感想「良くできたSF」。
上から目線になって偉そうな感想ですが、昔読んだ時には「最後ぐだぐだ」に感じたのですが私の理解力が足りなかったんだと思います。
場面の転換が激しいのでわかりにくくなるかもしれませんが、きっちり最後まで完結しています。
「日本沈没」と比べてもしっかりしたつくりで、スケールも大きくSF長編のベストに挙げられるのもわかる気がします。
小松左京ではベストではないでしょうか?
前に書いたときに、アシモフの「永遠の終わり」との類似点を上げましたが、「タイムパトロール的な人物が行ってはいけない超未来に行く」という所以外は類似点ないような気がしました。(「永遠の終わり」を読み返していないので不明確ですが)
ただ、宇宙の終わりというか始まりというかそういう超越者的なものを出すとなにやらエラそうな感じになるというところは「百億の昼と千億の夜」と同じで、なんだか安直な気がしました。
カードの「エンダーのこどもたち」もそんな部分があったし、エンターテインメントなSF作家はそういうものを書いて「高級」な作品にしたくなるのでしょうか....。
もしくは「宇宙論」がはやりだっただけかもしれませんが。
調べてみたら「百億の昼と千億の夜」はSFマガジン1965年12月-1966年8月連載。
丁度本作の後の連載だったんですねぇ。
なんだか似たような作品の気がするのですが...。
自分たちの宇宙の無数のパラレルワールドの外にさらに大きな超宇宙というようなものがあるというのは、仏教的「諸行無常」な感じで日本人には響きやすいのかもしれませんね。
(「百億の昼と千億の夜」も’06年SFマガジンベスト1位ですし)
ただ私はこの辺の話でなにやら高級なことを語ったことになるような展開が好きではないのでどうも辛口な評価になります。
本作の結末も「そんなことより当たり前の生活が大事」とも読めなくもないので「宇宙論」がメインテーマでもないのでしょうが....気になりました。
どうも「だからどうしたの?」という気になってしまう。
「不朽の名作」と思って読むとずっこけそうですが、スケールの大きい、単純に楽しめる良作だとは思いましたし、悪いイメージが有ったのは今回読んで払拭されました。
が...この作品が日本SFのベストで3以内の作品とはどうも思えない.....。
好みの問題なんでしょうけれども...。
1960年代に書かれたとは思わないで楽しめる作品ではあります。
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