某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

どじょう宰相

2011-08-31 00:51:24 | ぼやき
 野田佳彦という人が首相になった。自分を「どじょう」にたとえたので、海外のメディアが翻訳に苦労していると今日の夕刊にあった。しかし、昨日のロイター通信には早くも長い記事があって、どじょうの話も書いてあった。
 
 The jowly, stocky lawmaker compared himself to a "dojo"loach fish―an eel-like inhabitgant of the deep."I do like this and if I become prime minister, the support rate would not rise, so I would not call a snap election. A loach has its own abilities even though it cannot do as a goldfish does." この顎が張ってずんぐりした体つきの議員は自分を「どじょう」(ローチ)=ウナギに似た深みに住む魚、にたとえた。「私はこれに似ています。私が総理大臣になっても、支持率は上がらないでしょう、だから私はいきなりの選挙はいたしません。どじょう(loach)には、金魚のやるようなことはできませんが、どじょう(loach)独自の能力があります。」
  
 此のロイターの記事は、リンダさんとヨ―コ(クボタ)さんという2人の方が書いている。当面する財政金融問題から中国問題までしっかりまとめて書いてあって感心した。予定原稿並み。ヨ―コさんは多分日本系だから「どじょう」は知っているのだろう。私も柳川なべをヨーロッパの人に食べさせるときはローチという。細長い淡水魚。そうなると、しかし、the deepというのが気になる。普通なら海。でもローチが淡水魚だということは皆知っているのだから、海では間違いになる。日本のローチは海でも暮らせるんだ、さすが神秘の国、と感心する日本贔屓がいるかもしれないけれど。
 朝日夕刊には「ロイター通信は『うなぎのような、深海に住む魚』と表現。」とある。記者は忙しいから、deep=深い―深海、と即座に書いたのだろう。私のように「淡水魚を海に住まわせていいか」などとぐちぐち言ってる暇はないのだろうが、ローチという単語を削っているのがちょっと変。ロイターの記事にあるthe deepは、どじょうが深く泥の中などにもぐっていることを表現したつもりなのではないか、と私は思った。欧米のメディアは翻訳に苦労しているが、日本のメディアは苦労する暇もなく誤解・誤訳を撒き散らしているのかもしれない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

IRAと南アフリカ共和国 

2011-08-29 17:36:43 | ぼやき
 またまた今朝のアイリッシュ・タイムズから。
 今年はじめに76歳で亡くなったANC(アフリカ国民会議)の長老活動家で南アフリカ共和国政府の元教育相アズマール氏の回想録が今週出版された。そのなかで、南アフリカ・アパルトヘイト(人種隔離差別政策)政府に対する1980年代の爆弾攻撃がIRA(アイルランド共和軍暫定派)の指導と訓練によって可能になったと始めて明らかにされた。
 著者のアズマール氏はダブリン大学トリニティ・カレッジの元法学教授。そしてIrish Anti-Apartheid Movement(IAAM)アイルランド・人種隔離差別反対運動の創設者。1970年代にアイルランド共産党書記長M.Riordanリオルダン氏の仲介でシン・フェイン(IRAの政治部門)のジェリー・アダムズに会い、その結果、ダブリンでアフリカの活動家2名を訓練してもらうことに成功したという。彼らは今度は国元で多くの人を訓練し、1980年には南ア最大の石油精製工場の爆破に成功。与えた損害の大きさよりも、それによる反政府組織の士気の高まりが大きかった。しかし、訓練などの裏事情は教授自身とその奥さん以外は誰も知らなかったという。教授は27年間ダブリン大学で講義をしたのち、アフリカに帰り、新しい南アフリカ共和国の国会議員に選挙され教育相を務めた。
 ベルファスト(北アイルランド)のカトリック居住区の民家の壁には南アの不屈の指導者マンデラの肖像画が描かれていた。連帯を示す壁画とだけ思っていたが、実はもっと深く、長い共闘の歴史があったのだ。誰も本当のことは知らなくとも、共闘の実感はあったのだろう。
 これも世界は一つの事例だな。日本だけ見ていると、こうした民衆レベルでの確かなつながりが見えてこない。それにしても、400年以上の歴史を持つ超一流の大学の法学教授が祖国の虐げられている民衆の解放のためにIRAに爆破技術専門家の養成を依頼し、成功させるとは。学問と実践か。参ったな。
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「わが青春に悔いなし」と滝川事件

2011-08-26 23:17:36 | ぼやき
 明日は「山梨バス旅行」。ようやく19名参加。石和での民宿は偶然「やまと」という名前。早く着くから、食事前に映画を見ようということになった。爺さん・ばあさんが多いから、見る映画は「わが青春に悔いなし」。黒沢朗監督の戦後第一作、1946年(昭和21年)。大勢餓死しそうなあんなときによく映画が作れたね。滝川幸辰京都大学教授らしい人を大河内伝次郎、その娘を原節子、教え子で娘と結婚する人物を藤田進が演じている(これは尾崎秀実がモデルだという。)
 事件は次のようなもの。滝川教授が1932年に中央大学で行った講演「『復活』を通して見たトルストイの刑法観」で、トルストイが「犯罪は国家の組織が悪いから出る」といっていると説明した。これは無政府主義の宣伝だと文部省や司法省が騒いだ。これが事件の発端。此の時はまだおさまった。しかし、その後、姦通罪が妻にだけ適用されるのはおかしい、内乱罪に歯止めがなく、恣意的に利用されかねない、など今からみれば当然過ぎるような意見を滝川が発表して発禁処分を受け、遂に時の文部大臣鳩山一郎が罷免を要求。休職処分になる。この鳩山一郎が、ご存知の「宇宙人」鳩山前首相のじいさん。
 忙しい皆さんに息抜きをしてもらおうというのが温泉旅行の目的なのに、こんな解説をしたのでは一層肩が凝ってしまうな。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

『アイルランドを知るための70章 第2版』明石書店

2011-08-26 01:44:57 | ぼやき
 表記の書物が昨日届いた。2011年8月30日発行。初版は60章だった。今度の新版はいいと思う。なぜなら私が今回は2章書いているから(初版では書いていない。)えらく頭の高い推薦の仕方だね。
 アイルランドを色々な角度から紹介している。順を追ってみると、風土、歴史、政治・経済、社会、日常生活、アイルランドの象徴、言語・文学・メディア、音楽とダンス、と8部構成で、各部6~9章くらいからなっている。個人的によく知っている専門家の高神さん(歴史)、池田さん(文学)、守安さん(音楽)、山本さん(アイリッシュダンス)が書いている。勿論編者の山下さんと海老島さんも存知あげている。実は、私が定年になった10年前まで務めていた大学に、この4月から編者の海老島さんが勤務することになった。原稿依頼があったのは随分前だから、まさか、こんなことになるとは私はもちろん誰にも想像できなかった。世の中は狭い。日本の大学も、少しずつだが人事交流が行われるようになってきたということだろう。
 まだ、自分のところに誤植はないだろうな、とチェックするのがせいぜいで、あまり確かなことは言えないが、総じて皆さん一生懸命書いている。少し「アイルランドおたく」になり過ぎていたり、細かすぎて他とバランスが悪かったりしているところもあるが、執筆者に若い方が多いから仕方がないと思う。若い専門家がいきなり啓蒙的な書物を書けばどうしてもそうなる。偉そうなことを書いたが、これでも一生懸命推薦しているつもりです。
 
 
 
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

陸軍登戸研究所他見学会

2011-08-25 12:20:19 | 市民運動関係のイベント情報
日時  2011年11月12日(土) 9時20分 小田急線生田駅改札集合
訪問先 明治大学平和教育登戸研究所資料館 案内者 渡辺賢二さん(明治大学講師)
    日本民家園
    岡本太郎記念館 その他
費用  交通費+入園料(登戸研究所は無料)

主催   憲法九条やまとの会 
問合せ先 046-272-8880 事務局

渡辺さんは明治大学非常勤講師で、山田朗・渡辺賢二・斎藤一晴 『登戸研究所から考える戦争と平和』芙蓉書房出版の著者の方です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする