某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

女性三題

2017-09-08 16:55:30 | 無用なことながら
 サルヴァドル・ダリの娘だと主張する女性が、ダリの遺骸を掘り返してDNA鑑定をした話は前に書いた。結果が最近報道された。関係なし!気の毒だったな。生涯の夢が崩れた。費用もかなりかかったろうし。日本とちがって、ダリに親密な女性が何人いても誰も問題にしない。本人の名誉は問題にならず、遺産相続だけが皆の関心の的になる。
 前のフランスの大統領に愛人がいた。「日本で首相に愛人がいることがばれたら辞職ものだがー実例があるー、フランスではどうだ」と聞いたら、フランス男が「愛人も持てない男など大統領になれない」と笑っていた。
 歴史家は国王の女性関係をよく書く。後継者問題に直結するからだろうか。しかし、女性国王(女王)の男性関係については控えめだ。例えば、ヴィクトリア女王が自分のお棺には亡夫アルバート公の遺品ではなく、愛人某の品々を収めるよう遺言したなどとは学校では教えない。エリザベス一世に男性のお相手がいたことは有名だが、表向きは「処女女王Virgin Queen」とよばれた。ロンドンで読んだ映画の解説に「エリザベス女王には子供がいなかった、不妊症だったから」とあったのに感心したことがある。日本だったら、右翼が上映禁止運動を起こすだろう。男性歴史家には「二重の基準がある」とイギリスの女性歴史家某氏は言う。国王にとっては女性問題は勲章。女王にとって男性関係は不道徳、不名誉、恥さらし。だからあまり書かない。タブーに挑戦した映画解説に感心した。
 北朝鮮のテレビで水爆実験成功などを誇らしげに伝える女性がいる。アイリッシュ・タイムズでは「北朝鮮のピンクレディ」と紹介している。74歳だから老けたピンクレディだ。イギリスのガーディアン紙からの転載。いつもピンクの上着を着ている。貧しい家の生まれで、演劇関係の大学を出てアナウンサーになり、幾多の弾圧・粛清を潜り抜けて定年まで勤めあげたが、彼女の発表で聴衆が喜び、勇気百倍になるので、まだ続けているという。今の御大金何とかのお気に入りだそうだ。親父の訃報を泣いて放送したのがお気に召したとか。
 彼女を見ていて東京ローズを思い出した。何人かいたらしいが、敗戦後名乗り出たのはただ一人。戦争中は若い女性の声を米兵達が喜び、人気が高かったらしい。逆効果だったようだ。しかし、ローズと米兵が呼んだのは(日本がそう名乗ったのかと思っていたが)、トゲがあるからだそうだ。きれいなだけじゃなかった。彼女は米国籍だったので、戦後アメリカで国家反逆罪に問われ、有罪になり服役した。国家反逆罪で有罪になったのは彼女一人だという。北のピンクレディが後々同じような目に合わなければ良いが、と思う。
コメント
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