某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

アイルランドでも同性の結婚が認められそう―憲法問題

2013-04-16 00:34:17 | ぼやき
 昨日のアイリッシュ・タイムズに、カトリックの圧倒的に多いあの国としては画期的なニューズが載っていた。同性愛者など同性の結婚を合法化するよう憲法を改正せよという要求が大変強くなったというのだ。
 アイルランドには2012年12月から憲法会議が発足している。これは100名で構成されている。内訳は、一般市民から無作為に選ばれた66名(匿名)、「共和国」の国会議員から29名、北アイルランド自治議会議員4名、そして政府指名の議長1名となっている。先日の会議で、このメンバーの内79%が同性婚を認めるよう憲法を改正する国民投票をすることに賛成した。改正の支持者たちは歓声を挙げ、中には感極まって泣き出す人も多数いたという。副首相も賛成で「人が誰と恋に落ちるか、誰と一緒に暮らしたいか、を判定するなんてのは国の仕事ではない」と言う談話を発表している。
 反対は19%。カトリック司教会議は激しい反対の態度を堅持しており、「会議の結果には失望している。女性と男性の結婚が唯一のものであり、それが子供達と社会に最も良いものものである」として、両性間の結婚を促し保護してゆくと述べている。アイルランド「共和国」では依然として85%位の人々がカトリックであるから、同性婚が近年あちこちの国で認められ始めたとはいっても、その風潮にのるのはかなり先だと私は思い込んでいた。なにしろ「離婚」が認められてからまだそんなに経っていないし、中絶は依然禁止。カトリックの倫理規範が強く残る唯一の国と言ってよいほどだから。
 国民投票は次回の総選挙より前に行われるらしいと今日のアイリッシュ・タイムズは伝えている。
 数年前、ニューヨークでは3月17日のパトリクス・デイの大祭典にゲイのグループが参加を申し込み、主催者側に拒否されている。その時は、やはりカトリックだな、と思った。しかし、来年はどうだろう。一番人の集まる企画になるかもしれない。
 記事を見ながらふと気がついた。日本の憲法は同性婚を認めているかどうか、と。早速六法を見た。結婚は両性の合意、とある。つまり、男と女でないと結婚出来ないのだ。日本でも、アイルランドのような提案が出てくるのだろうか。
 なお、アイルランドの憲法会議には、此の両性婚のほか、大統領の任期を7年から5年に縮めてはどうか、とか、投票権を17歳にさげては、とか、選挙制度の見直しや、海外居住者に大統領選挙の投票権を与えてはどうかなど、いくつもの課題が与えられている。憲法問題は日本でもかなり大問題になっている。これからもあの国の生き方を注視することにしよう。
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サッチャー氏の訃報

2013-04-09 14:41:32 | ぼやき
 サッチャーさんが亡くなった。会った事もないし、握手したこともないが、なんだかちょっと知っているような感じ。あまり良いことで覚えているのではない。
 彼女が首相になった時、知り合いのイギリス人が「これから国民はいじめられるぞ」といった。「なにしろミルク・スナッチャーだからな」と。スナッチ snatch つまりヒッタクリ。強奪。誰から奪ったか。イギリスの小学生から。それまで小学校では給食のミルクが無料だったのを有料にした。だから小学生からミルクをひったくった人といわれていた。まだ厚生大臣だった時のことらしい。サッチャー(ご先祖が屋根ふき業だったのだろう。)にひっかけたイギリス式ジョーク。本心だろうが。
 本当に、「鉄の女」だな、血も涙もないのか、と私がゴマメの歯ぎしりをしたのは1981年。北アイルランドの刑務所に収監されていたIRAの若者たちが「俺たちは政治犯だ、破廉恥罪の連中とは違う待遇をしろ」と要求してハンガー・ストライキをした時。ボビー・サンズという若者が66日のハンストの後死亡し(彼は獄中から立候補して当選し、イギリスの国会議員になっていた)、その後合計10名の若者がハンストの結果死亡した。回りから色々な進言があったらしいが、彼女は「テロリストとは交渉しない」と頑張って、とうとう10名餓死させてしまった。自分にも同じ年頃の息子がいるのに、なんというむごい母親だ、とこっちは常識人だからむかむかしていた。
 大学の経費削減にも大ナタを振るった。特に文系が狙われ、ある大学では歴史学科がまだ学生がいるのに急に廃止された。教員の任用も若い人は1年単位になり、その間にしかるべき研究業績を出せなければお払い箱、となった。ベルファストの知り合いの教授は、その当時経済学部長だったが、「若い人が上や周りの顔色ばかりうかがって、せこせこと小論文を書いている。大きな研究をしていては首になってしまうから」と嘆いていた。その後日本でも同じようなことが起こってきたが、サッチャーさんの軌跡を日本は歩んできたように思える。
 新聞の追悼記事にはまだこんな悪口は書いてない。亡くなったひとへの礼儀なのかもしれない。
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何故吹矢の「練習」ではなく「受験勉強」と書いたか。

2013-04-08 01:38:49 | ぼやき

「吹矢の受験勉強ではなく、練習とか修行と言った方がいいではないか」とか「受験勉強なんてつまらないだろう。まるで灰色の高校生時代みたいだ」などという感想を言って下さる方がいた。普通はそう考えると思う。私の説明不足で、意図が伝えきれなかった。ちょっと偉そうで面映ゆいが、再度書かせていただく。
 そんなに大層なことではない。剣道修行の心得に「守破離」というのがある。私はこの「守」を「受験勉強」と言い換えただけだ。「守」というのは、師匠の言うことを良く聞いて其れが出来るようにすること。前にも書いたが、私の剣道の師匠は「いい先生について、まっすぐな稽古をすれば誰でも五段にはなれる」と良く言っていた(私は三段で終わってしまったから師匠の言葉を証明出来ないが。)
 吹矢で昇段試験を受ける時も同じだと思う。幸い私の吹矢の師匠は名人で第一人者だから、今まで言われるとおりにやってきて間違いなかった。勿論、言われるとおりに出来ているわけではない。そうやりたいといつも思っている、というだけ。点数を稼ぎたいから、つい自己流でやってしまう。だから、師匠の言う通りに出来ないで四苦八苦している。これはまだ「守」の段階だ。「受験勉強」も同じ。独創的な研究ではなく、学力を付けるための修練だ。吹矢では、人にもよるだろうが、大体六段までは「守」の段階だとおもう。
 「破」や「離」がどのようなものか、私にはまだ分からない。「破」というのは、多分、師匠の言うことに拘束されず、わざと違った行き方をすることだろう。しかし、「師匠と違う」と意識している限り、まだ独自のものとは言えないだろう。全く新しい自分だけの道を歩むのが「離」なのだろう。私には夢のまた夢だからどんなものかわからないが。
 中国の弓の名人の話がある。百発百中になってしばらくすると、弓を持たず、ただ射る姿をするだけで鳥が落ちるようになった。或る時、晩年の大名人をしたって弓の達者な人が会いにゆき、弓を見せたが、この老名人には其れが何であるかすらわからなかった、という。昔読んだときは、年をとってボケただけだ、と思ったが、この三段階が「守」「破」「離」なのかもしれない。
 
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久しぶりのアイルランド映画

2013-04-07 04:55:10 | ぼやき
 正確にはアイルランドを扱った映画というべきかもしれない。タイトルは「シャドー・ダンサー」 銀座のシネ・スイッチでみた。いや難しい映画だった。ハリウッド映画なら顔つきで善人悪人が分かり、筋は単純で、派手に動いてドンパチやるからすぐ理解できる。イギリスやアイルランドの映画は、まるで説明抜きのドキュメンタリー。おまけに外人さんの顔はどれも同じように見えるから、MI5の男かIRAの男か見分けがつかない。女性も同じようで、だれがだれだかわるまでに話は大分進んでしまう。
 吹矢の練習場が銀座にあるから、練習のあとで見た。吹矢のお陰で銀座を少し歩けるようになり、映画館にも行けるようになった。
 映画は、ベルファストに住むIRA系の一家の悲劇。主人公の女性は、弟を英軍とIRAの撃ちあう流れ弾で殺されるという経験を幼いころにする。長じて母親になっても、弟を殺した英軍に復讐する気持ちもあって、IRAの活動家として活躍し、ロンドンの地下鉄に爆弾を仕掛けるが、MI5(英国情報局保安部)に逮捕される。20年以上刑務所に服役するか、それとも密告者になって子供と暮らすか、と迫られ、また、弟を殺したのはIRAの弾だと教えられたりして、結局密告者になる。しかし、彼女の密告とは違う情報によるらしい事件が起こって、MI5の係官も別の情報源(シャドー・ダンサー)がいるのではないか、と探り始める。一端逮捕されながら、ロンドンからベルファストに無事帰って来た女性は、当然IRAに疑われる。私は、いつばれるか、とひやひやしながら見ていた。幸い?ばれずに、しかし、殺人は時に成功?したりするが、最後は子供をつれて北アイルランドから逃げ出す。彼女は知らないのだが、実は「シャドー・ダンサー」を守るための囮だったのだ。では「シャドー・ダンサー」はどこの誰だったか、興を削ぐからそれは言えない。
 結局は話がわかるのだが、いや苦労した。完全に理解するには、あと2回は見なければならないだろう。DVDになるまで待つか。
 DVDといえば、第二次大戦中沢山のユダヤ人を助けたアイルランド人の神父さんがいた。そのことを描いた映画かTVドラマがあって、それも
DVDになっている。「赤と黒の十字架」というタイトルらしい。原名は「The Scarlet and the Black」。「バチカンの紅はこべ」というタイトルもあるから、訳書もあるのだろう。目下探索中。「シンドラーのリスト」のアイルランド版か、アイルランドの杉原千畝さんか。そういえば、シンドラーの役を演じたリアム・ニーソンはアイルランド系だったな。

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シルバー川柳

2013-04-06 03:21:43 | ぼやき
 入院中に『シルバー川柳』というのを読んで面白かった、というメールを頂いた。特に気に入ったものとして次の三首があげられていた。
「起きたけど 寝るまでとくに 用もなし」
「老後にと のこした夢も 夢のまま」
「手遅れの 人で混み合う 美人の湯」

 前にも『シルバー川柳』が面白い、というメールを別の方から頂いていた。面白いことに、例に挙げられていた最初の句は同じだった。
「起きたけど 寝るまでとくに 用もなし」
「飲み代が 酒から薬に 変わる年」これはメールの主が男性だからだろう。ちなみに 上は女性からのもの。
「中身より 字の大きさで 選ぶ本」『シルバー川柳』は一ページに一首だけ印刷してあるという。
 
私の先生も晩年に川柳を作られた。
「ちかごろは 出すだけでよい 顔になり」シルバー世代の悲哀。

さる著名なマルクス経済学者が戦時中治安維持法違反で牢屋に入れられた。その折隣の房にもひとがいるのを知って作った。
「秋深し 隣は何を した人ぞ」悠々としたものだ。
泥棒か強盗か。二字変えただけで芭蕉の名句が牢屋の川柳になった。弟子が感心して「先生、句集を出しましょう」と言った。「これ一つだけだからだめだよ」と先生。この先生が長く牢屋に入っていたら、芭蕉の本歌取りといった面白い川柳が沢山出来たかもしれない。
 
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