某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

アイルランドは間違っていた?

2014-09-19 02:06:37 | 武力抗争の可否
 スコットランドの独立可否をめぐる住民投票が今行われている。明日には結果が出るだろう。多分僅差で独立反対派が勝つだろう。一時独立派が優勢になって大騒ぎしたが、最後には、スコットランドだけでは生きて行けないという常識派が多数を占めるだろうと私は思う。ポンドは使えない、EUには当分入れない、北海油田もいつまで持つかわからないでは、どうにもならないと考えるのではないか。イングランド乃至Great Britainに親近感を抱く人々も多かろう。「お前はスコットランド人の誇り高さを知らぬからそんなことを言う、独立達成まで何度でもやるんだよ」という人も多かろうが(住民投票は何度でも出来る。アイルランドでは同じ案件の国民投票を何度でもやる。その度に「民主主義の否定だ」と反対派は批判するが。)
 前にも書いたアイルランドの元首相ブル―トンは、「スコットランドの今回の投票が、1916年の復活祭蜂起とそれに続く独立戦争という流血の惨事が間違いだった事を示している」と講演した(アイルランド自治法成立100周年記念講演、ロイヤル・アイリッシュ・アカデミーで歴史修正派が主催。)何故なら、既に1914年9月18日にアイルランド自治法は成立し、第一次世界大戦終結後実施されることが決まっていたのだから、蜂起指導者たちがもう少し忍耐強ければ、若者たちの血をあれほど流さずとも、現在と同じ独立を達成出来ていた筈だというのだ。スコットランドはまず自治議会と自治政府を作り、やがて独立派がそこで多数を占め、今回の独立可否を問う住民投票を行うまでになった。アイルランドと違い、血を流さず、すべて平和的に進めてきた。第一次大戦後にアイルランドで自治法が実施されれば、90年前に同じ事が出来た筈だ、とブル―トンは言うのだ。
 Irish Timesのこの記事には沢山のコメントが寄せられている。そのほとんどがブル―トン批判。しかし難しい問題だ。私にはまだとてもどちらかに軍配を上げる力はない。
コメント
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