某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

ラーガービールの秘密

2011-08-23 14:27:34 | ぼやき
 暑さがぶり返して来た。また毎日ビール腹になりそうだ。
 今朝アイリッシュ・タイムズを読んでいたら、面白い記事に出会った。黄金色のビール、つまりラーガー・ビールを生んだ元の国はどこか、これを作る酵母菌の母国はどこか、という長年の問題にとうとう答えが出たという。答えは「アルゼンチン」。
 私はてっきりドイツだと思っていた。ババリア地方。此処で、500年も前から修道士たちが洞窟や修道院の地下室であの黄金色のラーガー・ビールを醸造し、ワインを醸し、パンを膨らませていたのだから。ヨーロッパで一番うまいものを作って食べていたのは修道士だ。禁慾生活で他に楽しみがなかったせいだろう。ベネディクト派修道院で作られたリキュール「ベネディクティン」は今でも一番美味いリキュールの一つだ。
 本題に帰ろう。DNA分析の結果、此のイースト菌は二種類の菌が合体した突然変異で、この二種類の菌は人間と鶏程も違う全く別の種類だという。人間が鶏に子供を産ませたり、鶏と人間の「愛の子」が出来たりしたようなものか。生命の神秘!
 此の菌はアルゼンチンのパタゴニア地方の森の甘いブナの木に昆虫が作る瘤の中に今でも生息しているという。それがどうして7,000マイルも離れたババリア地方まで旅して来たのだろう。ブナ材に乗っかってヒッチハイクしてきたのだろうか。あるいは、ブナ材の瘤に巣くうダニの胃袋に潜んでババリアの地下室に住みついたのだろうか。
 人間と鶏の奇跡的な「愛の子」。500年前にアルゼンチンからヒッチハイクした奴の子孫のお陰で今日も美味いビールが飲める。いやいや本当に世界は一つだな。
コメント
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