某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

米寿の祝いに「汽車に乗ってあいるらんどのやうな田舎へ行こう」

2018-11-01 15:26:42 | 楽しい時間
ご存知の方が多いと思う。丸山薫の詩に「汽車に乗って」と題するものがある。
汽車に乗って/あいるらんどのやうな田舎に行こう/ひとびとが祭の日傘をくるくるまわし/日が照りながら雨のふる/アイルランドのやうな田舎へ行こう/車窓(まど)に映った自分の顔を道づれにして/湖水をわたり隧道(とんねる)をくぐり/珍しい顔の少女や牛の歩いている/あいるらんどのやうな/田舎へ行こう
 私の米寿を、妹たちご夫婦、その子供たち(つまり姪と甥)、私の子と孫たちと総勢18人も集まって祝ってくれた。88はそんなにめでたいかね、などと恰好をつけたが、いやいや参った。
 びっくりしたのは、娘と一緒に演奏会をしてくださる歌手の馬場睦子さんも来てくださり、この「汽車に乗って」や「春の日の花と輝く」などアイルランドにちなんだ歌をうたってくださったこと。丸山薫のこの詩は知っていたが、歌になっているとは知らなかった。馬場さんは知っていて、米寿のために楽譜を探しておられたところ、友人が見つけてくださったとのこと。姪の一人は学校で習ったという。合唱したらしい。ますます楽しい米寿の祝いだった。有難い話。素直に喜んでいる。
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哲学堂のお陰です。田口哲夫先生と哲学。子供は遊ぶのが一番

2016-01-26 13:46:54 | 楽しい時間
 前にも書いたような気がするが、大分経っているから、また書きたくなった。子供の頃の自慢話。
 私は小学生の頃東京の中野区に住んでいた。西武線新井薬師駅のそばだったから、ちょっと出ると哲学堂という公園があった。よくそこで遊んでいた。孔子・釈迦・ソクラテスの石像が川の傍にあった。それらは名前もわかったのだが、もう一人いて誰だかわからず、勝手にキリストだということにしていた。今インターネットで見たら、カントだった。こいつは知らなかった。井上円了の住居跡と聞いていたが、元は鎌倉時代の武将和田義盛の城跡であったとか。そんなことはどうでもよい。私達子供には哲学と言うのはちょっと怖いところもある遊び場の名前だった。
 私どもの中学受験(敗戦後中学が義務制になるまで、中学には入試があった)にはペイパーテストがなく、身体検査と対面口頭試問だけだった。綜合的な第一室と国語、算数、理科の部屋を順繰りに回った。読んだり、計算したり、実験したり。あと、校庭で体育の実技試験もあった。懸垂だけ。何故か18 回出来ないと不合格と言われていた。この年全国そうだったのか、私の受けた府立六中(今の都立新宿高校)だけだったのかは知らない(昭和18 年に他の中学を受験した方、どうだったか教えてください。)
 第一室では先ず名前を聞かれ、次に「一緒にいる方はどなたですか」と聞かれた。「お父さんです」などと言ったら不合格、くらいは知っていたから「チチです」と変な声を出した。とたんに「受け持ちの先生は何と言うお名前ですか」と。「田口テツオ先生です」。答えた瞬間に別の先生が「テツと言うのはどういう字ですか」とたたみこんできた。私は少しもひるまず「哲学の哲です」と即答した。丁々発止。まさにチャンバラの切りあい。試験委員の先生方4人が一斉に「オー」と言った。小学生が「哲学」などと言ったのでびっくりしたらしい。多分それでポイントを稼いだのだろう。合格できた。種明かしをするまでもない。こっちは普段の遊び場の名前を言っただけ。先生方が勝手に驚き、誤解して感心したのだ。
 子供の遊びにはどこでどう役に立つかわからぬが貴重な物を体に貯めこむ力がある。だから「勉強ばかりして遊ばない子は駄目になる」とイギリスのことわざにも言う。これは洋の東西を問わず子育て上の真理だろう。もっとも、「鞭を惜しむと子供を駄目にする」なんてのもあるから、ことわざは使いようだが。
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