某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

映画「わが青春に悔いなし」と滝川事件

2011-08-26 23:17:36 | ぼやき
 明日は「山梨バス旅行」。ようやく19名参加。石和での民宿は偶然「やまと」という名前。早く着くから、食事前に映画を見ようということになった。爺さん・ばあさんが多いから、見る映画は「わが青春に悔いなし」。黒沢朗監督の戦後第一作、1946年(昭和21年)。大勢餓死しそうなあんなときによく映画が作れたね。滝川幸辰京都大学教授らしい人を大河内伝次郎、その娘を原節子、教え子で娘と結婚する人物を藤田進が演じている(これは尾崎秀実がモデルだという。)
 事件は次のようなもの。滝川教授が1932年に中央大学で行った講演「『復活』を通して見たトルストイの刑法観」で、トルストイが「犯罪は国家の組織が悪いから出る」といっていると説明した。これは無政府主義の宣伝だと文部省や司法省が騒いだ。これが事件の発端。此の時はまだおさまった。しかし、その後、姦通罪が妻にだけ適用されるのはおかしい、内乱罪に歯止めがなく、恣意的に利用されかねない、など今からみれば当然過ぎるような意見を滝川が発表して発禁処分を受け、遂に時の文部大臣鳩山一郎が罷免を要求。休職処分になる。この鳩山一郎が、ご存知の「宇宙人」鳩山前首相のじいさん。
 忙しい皆さんに息抜きをしてもらおうというのが温泉旅行の目的なのに、こんな解説をしたのでは一層肩が凝ってしまうな。
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『アイルランドを知るための70章 第2版』明石書店

2011-08-26 01:44:57 | ぼやき
 表記の書物が昨日届いた。2011年8月30日発行。初版は60章だった。今度の新版はいいと思う。なぜなら私が今回は2章書いているから(初版では書いていない。)えらく頭の高い推薦の仕方だね。
 アイルランドを色々な角度から紹介している。順を追ってみると、風土、歴史、政治・経済、社会、日常生活、アイルランドの象徴、言語・文学・メディア、音楽とダンス、と8部構成で、各部6~9章くらいからなっている。個人的によく知っている専門家の高神さん(歴史)、池田さん(文学)、守安さん(音楽)、山本さん(アイリッシュダンス)が書いている。勿論編者の山下さんと海老島さんも存知あげている。実は、私が定年になった10年前まで務めていた大学に、この4月から編者の海老島さんが勤務することになった。原稿依頼があったのは随分前だから、まさか、こんなことになるとは私はもちろん誰にも想像できなかった。世の中は狭い。日本の大学も、少しずつだが人事交流が行われるようになってきたということだろう。
 まだ、自分のところに誤植はないだろうな、とチェックするのがせいぜいで、あまり確かなことは言えないが、総じて皆さん一生懸命書いている。少し「アイルランドおたく」になり過ぎていたり、細かすぎて他とバランスが悪かったりしているところもあるが、執筆者に若い方が多いから仕方がないと思う。若い専門家がいきなり啓蒙的な書物を書けばどうしてもそうなる。偉そうなことを書いたが、これでも一生懸命推薦しているつもりです。
 
 
 
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