某年金生活者のぼやき

まだまだお迎えが来そうに無い

会津のジャンヌダルクとナイチンゲール

2012-04-28 14:51:10 | ぼやき
 戊辰戦争当時「勇名」をはせた会津の女傑達。新島(山本)八重と瓜生岩子のこと。来年のNHK大河ドラマで、福島支援の意味も込めて「八重の櫻」という新島八重を主人公にした劇を放送するという。NHK大河ドラマの人気は前ほどでなくなり、今の平家物語が不評なので、あまり知られていない新島八重の話ではまた誰も見てくれなくなるかと心配だ。良い話になるだけの内容はあるのだが。
 瓜生岩子は喜多方の人。会津が戦場になった時、敵(薩長など。会津では官軍といわず西軍という)味方(会津武士と反薩長派。東軍という)の区別なく、戦傷者を救い手当てした。八重は砲術師範の娘。鉄砲の打ち方を少年たちに教え、自らも城にこもって鉄砲を撃った。鉄砲の扱い方を教えた少年が年齢を偽って白虎隊に入り、自刃したのを生涯悔やんでいたという。
 同志社創立者の新島譲と結婚し、長く同志社を支えた。男女同権を毎日実践したので、新島はそれを大いに誇りにしていたが、古い京都の人々や新島を尊敬する学生たちには評判が悪かった。近代日本の悪妻という俗論がある(同志社の学生だった徳富蘇峰など頑迷な右翼学生の評)。新島はアメリカの知人にあてた手紙で「彼女は見た目は決して美しくありません。ただ、生き方がハンサムなのです。私はそれで十分です」と書いているという。確かに、美人ではない。私の父方の伯母によく似ている。多分会津の中年の女性の典型的な顔なのだろう。瓜生岩来も美人には程遠いが、会津でならどこにでもいそうな顔だ。
 新島八重の役をやるのは、綾瀬はるかさんという方だそうだ。多分若くてきれいな方だろう。そういう方が、「見た目には決して美しくない」悪妻の役をやるとどうなるのだろう。人気は出ないかもしれないが面白そうだ。
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矢は本当に大事ですね。

2012-04-24 01:31:49 | スポーツ吹矢の練習
 春になってから吹矢の点数が良い。暖かくなって体が楽になったのかもしれない。しかし、それとは別に面白い傾向があることに気がついた。矢が違うと点数が違う。従来の矢より、New矢Lタイプという新製品を使った方が点数が良いのだ。
 私はケチだから、従来の矢でまず練習する。新製品は高いから、練習で傷めたくないのだ。それで、従来の矢で6ラウンド(30本)吹いた後、この新製品で6ラウンド吹くことにしている。すると、時々200点台が出るようになった。そこまでゆかなくとも、190点台は珍しくなくなった。従来の矢だと180点台が多いから、10点は多くなっている。「まぐれかもしれない」「すぐ元に戻るのかもしれない」という恐れはいつもあるのだが、これまでのところ新製品だと確かに調子が良い。私はスロー・スターターだから、或る程度練習した後の方が点が良くなる。そのせいかと思って最初から新製品を使ってみた。結果は同じ、やはり点が高くなる。(ただし、従来の矢でも全くの新品だと点は高くなるかもしれない。私の前からの矢はどれもかなりくたびれているから、あまり一般化できないかもしれない。)
 小生お気に入りのこの新製品は少し重い、ほんの少しだが。そのおかげかまっすぐに飛ぶ。的に当たった時の音がこれまでのより良い(重い)。多分皆さんそう感じているだろう。これからの大会では、優勝点数が高くなるだろう。200点が珍しくなくなるだろう。
 点数が高くなったと喜んでいても、私の場合それは「矢」の手柄だ。技術が向上したお陰ではない。今書きながらそれに気がついて、少しがっかりした。しかし、弘法程筆を選ぶ、という。良い道具を見つけ、使いこなすのも腕のうちだと、痩せ我慢をしておこう。
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白髪の幼児

2012-04-23 17:40:08 | ぼやき
 unicef news という日本ユニセフ協会の情報誌がある。先日 春季号が送られてきた。表紙にグアテマラの小さな女の子の笑顔があった。かわいい笑顔なのだが、頭の真ん中の部分がすっかり白髪になっている。両脇は濃い茶色だから余計目立つ。グアテマラは資源が豊富で商業的にも活気のある国だというが、貧富の格差が激しく、5歳未満児の慢性栄養不良率は年々悪化し2002年には49.3%にまで達したという。その後も改善はみられない。幼児の2人に1人は慢性栄養不良状態にあることになる。表紙の幼児の白髪がそれを物語っている。
 政治的騒乱や干ばつなどでアフリカでは凄まじく多数の人々が難民化しており、そうした人々の写真を私なども見るが、その中に白髪の幼児の写真を見たことはなかった。私が気がつかなかっただけかもしれないが。
 学生の頃、中国に「白毛女」という話があることを知った。凄まじい恐怖体験などをすると一夜にして白髪になる、という話は聞いている。しかし、栄養不良で白髪になった幼児の写真は始めて見た。どれほど多くのちっちゃい子らがそのような辛さを経験させられているのだろう。
 たまたま、19世紀中葉のアイルランドの大飢饉を学期始めに講義したばかりなので、この写真には参った。昔も今も犠牲になるのは先ず貧乏人の子供、ということだろうか。

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房総の田植

2012-04-18 00:30:41 | ぼやき
 先日安房鴨川に泊まってきた。大雨だったが、翌日は快晴で暖かかった。友人の車でハーブ園に行った。第三日曜日だけ店がでると前もって調べてくれたのだ。まじめな人々が天然酵母のパンだの良い匂いの香料だのを売っていた。外に出ると、ハーブ栽培のビニール・ハウスの先に田圃が広がっていた。蛙が沢山鳴いていて、丘の方からは鶯の声も聞こえた。春うらら。
 代かきがもう終わっていて、田植を待つばかり。ひと組の中年?のご夫婦が田植をしていた。一番早い。細君はもと中学の英語の先生で、ご亭主は役場の職員だと言っていた(「あの男の人は息子さん?」と友人が間抜けなことを聞いた。「亭主ですよ」と細君はまんざらでもなさそうだった。怪我の功名か。)田圃は長方形にきちんと形が整っていて、田一枚三反歩。10数枚見えたから、数町歩の広さを目にしたわけだ。久しぶりの田園風景。田植用の作業車で見る見るうちに苗が等間隔に植えられてゆく。肥料も苗と一緒に埋められてゆく。私どもが田植をしたころは、中学生だったが、それでも腰が痛くて酷い辛さだった。おまけにいくらやっても終わらない。それに比べたら遥かに楽で、すごい早さだ。しかも肥料まで苗のところに施される。豊作間違いなしだろう。しかし、その車の価格360万円。いくら豊作でもとても返せないという。次の世代の者はもう、こんなに引き合わない仕事やりませんよ、と細君ぼやく。もと中学校の先生と役場の職員で、現役の米作りの言うことだから信憑性がある。本当としか思えない。ぞっとするような怖い話。
 私はスーパーで一番安いコメを買う。5キロ1,500円前後。もち米を入れて飯炊き用の土鍋で炊くから、これでもすこぶる美味い。500グラム150円。自販機で買うお茶500グラム150円。小売り価格で米とお茶、水が殆ど同じ値段。農家の手取りと比べたら、ペット・ボトル一杯の水が同じ量の米より高い。米が安いのは私などにとっては大変有難いけれど、それでいいのかね。農家はやっていけない。これで、TPPなんてことになったらどうなるのだろう。
 水が(お茶だって殆ど水の値段だ)米より高いってのは健全かね。そんなことを言う奴は経済が分からないのだ、と言われればそれまでだが。
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好きな短歌、俳句

2012-04-17 01:52:05 | ぼやき
 たまに朝日新聞の俳壇歌壇を読む。すると、前に書いた「請戸川何も知らずに鮭遡る」のように、福島の原発事故や震災につながるものがすぐ目に入る。今朝の新聞にも何首かあった。「なほ避難われを悲しむ山桜」(横浜市)「原発に耕土失う春の惨(ざん)」(厚木市)「桃畑にほほえみて話す信夫野の人らの声に涙交じりき」(福島市)「『おれたちはただのマウスよ』南相馬の放射能浴びし若きら叫ぶ」(平塚市)「瓦礫からふと海に目を転ずれば青海苔をはむ黒雁の群れ」(仙台市)
 括弧に入れた居住地からの投稿だが、そこまで避難してきた人々もいようし、また、ボランティア活動で体験してきたことを歌にした人もいることだろう。無残、無念の思いが吹き出している。
 先月末の良く晴れた宵に金星、月、木星が空でたてに並んだ。「天体のショウよ、大山の方の空を見なさい」と電話で知らせてくれた方がいて、私もうっとりと眺めた。歌心のある人は早速それを短歌にしている。「木星(ジュピター)をみおろし月を随身に君臨するは宵の明星(ヴィーナス)」(男性)「金星に吊られし月が木星を吊下げている春宵一刻」(女性)。男性は星の並び方に階級制を読み取り、女性はもっと人間的に関係をみている。しかし、どちらも女性上位を歌っているところが面白い。男性は少し悔しそうだが。
 高校生の素直な歌もある。「黒板の文字をノートに写すとき見えないふりして君のを借りる」(高一男子)「春休み手袋優しく洗います学校用とお出かけ用と」(高校女子)。いいねぇ。俺にはこんなの無かったな。昔は中・高・大ともに女子生徒がいなかったからなぁ。
 中学以来の友人安部冨士男は幼稚園の園長さんだが、優れた俳人でもある。彼のことはいずれ書くが、此処には彼の句を二つだけ記しておきたい。先日の同期会で頂いた冊子にあった句だ。
 「冬の蝶ぼろぼろの影曳き歩む」これには彼の若き頃の悲惨としか言いようのない苦労の連続が歌いこまれているように私には思える。「阿武隈の尾根澄みゆくや夏の果」これは大きい。景色が目に浮かぶ。きれいだ。同じ土地に育ったものとしては、「そうだ、その通り」と喝采したいところだ。
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