二葉鍼灸療院 院長のドタバタ活動日記

私が日頃行っている活動や、日々の鍼灸臨床で感じたことなどを綴っていきたいと思います。

スーパー歌舞伎 市川猿之助さん

2010年03月31日 | 経営って何?!
私はまだ歌舞伎を観たことがありませんが、日本の伝統芸能の一つですね。

その伝統芸能の歌舞伎に、新しい発想を取り入れ「スーパー歌舞伎」という分野をつくったのが、市川猿之助さんです。その記事が新聞に出ていました。

私の仕事も伝統医学ですから、分野こそ違えど、その道に対する考え方、発想の仕方がすごく似ていて、伝統という共通するところから、共感するところがあるな~と思って記事を読んでいたのでした。

≪読売新聞 2010年3月30日(火曜日) 朝刊 
   『時代の証言者』 スーパー歌舞伎 市川猿之助 ⑨ より≫

 ~「型」を知り「破る」努力~
自主興行では何か新味を出さないとお客さんの目を引かない。「春秋会」のひとつの目玉になったのが、古劇の復活です。初回の「石切り勘平」や、2回目の「金門五三桐」もそうでした。第4回は鶴屋南北の「金幣猿島郡 キンノザイサルシマダイリ)」を取り上げました。

埋もれた芝居は、内容の7、8割はつまらないから上演されなくなってしまうわけで、逆に言えば2、3割は面白いところがある。それをどう見つけ出して、どう再創造するかが腕の見せ所なんです。

それには、どれだけ古い芝居を知っているかが勝負になる。新しいものに取り組む際に、それまでため込んだ「引き出し」の中から、それにふさわしい技術を出してきて、応用するのです。

「型破り」という言葉がありますが、「型」を知っていて「破る」から効果があるのです。「型」を理解しないまま、自己流でむちゃをするのは「型なし」という行為。この違いを認識していなければなりません。

 ~中略~

「伝統」には4種類の側面があります。「変わる」ものと「変わらない」もの。「変えてはいけない」ものと「変えなければならない」もの。時代は動いているのですから、いかに歌舞伎が伝統芸能だと言っても、そこにあぐらをかいてはお客さんが離れるだけ。4種類の「伝統」をちゃんと識別して、時には遵守し、時には「型破り」を創案する必要がある。


「型破り」は「型」を知ってはじめて為し得る。さすが伝統を背負っている人の言葉には得心するところがあります。
それも、そこから新しい何かを創造するのですから、単なる知識だけではなく、向上心や情熱、そして何よりもお客さんに喜んでもらいたい楽しんでもらいたいまた来たいと言ってもらいたいという心意気が感じられます。相手あっての芸能ですが、その力は「お客さんの喜びは自分の喜び」のようなものだと思いますね。

鍼灸治療も伝統医学であり、経験医術です。しかし、社会構造も、自然も、地球も変化するのが世の常です。その変化に応じて、その伝統も変化していく。諸行無常ですね。伝統はなぜ受け継がれるか…やはり変化に対応、適応していくからだと思いますね。

そこから何か新しいものが生まれるのでしょう。
しかし、それは伝統(基礎)を元にしている。その「型」を無視しては、それは「型なし」だと、猿之助さんの言葉に「うまい」と座布団をあげたくなりました。

鍼灸の世界もいろいろな治療方法があります。まず「型」の大切さを知り、そこから、多くの経験と知識により「型」を基本にした応用が生まれます。そして、そこから向上心と探究心でさらに磨きをかけ、新たなもう一つの道が生まれていくのだと感じます。

その点、私は鍼灸の道の最初に、いろんな面でしっかりとした「型」を持った師匠につけたことは非常にありがたいことであると思います。今はその「型」を追求しつつ、そこからもう一歩すすんで脱皮するにはどうしたらいいか…と、もがいている時期だと思います。

この鍼灸の道は、広大で、深遠ですから、「ここまで来たらいいやろ」という所に到達するには、十分に一生はかかりますね。

しかし、変化の中にも「変わらない」もの、「変えてはいけない」もの、があるということだけは念頭においておかないと道から大きくそれて崖から転落する要因にもなると思います。

猿之助さんの伝統芸能に対する考え方。これは鍼灸治療においても、他の業種でも、社会にも言えることではないかと思うのです。

スーパー歌舞伎…観に行きたくなりました 

二葉鍼灸療院 田中良和

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