11月27日(日)、第7回がん患者大集会に参加しました。当院にも、現代医学の治療後の体調管理、抗がん剤の副作用の治療にご来院されている患者さまもあります。この分野は私の鍼灸治療道の一つのテーマでもあるため、様々な視点から勉強行うため参加したのでした
第7回がん患者大集会
日 時:平成23年11月27日(日) 午後1時~5時
会 場:東京医科歯科大学 М&Dタワー大講堂
Ustreamによるサテライト会場による参加
Ustream・ソーシャルネットワークを利用した個人視聴(スマートフォン参加可能)
メインテーマ:「いのちに希望を~新薬と新しい治療~」
主 催:特定非営利法人がん患者団体支援機構
第7回がん患者大集会実行委員会
内 容:≪基調講演≫
①「がん研究がもたらす新しい治療」
講 師;間野博行 先生 東京大学大学院医学系研究科 ゲノム医学講座 特任教授
自治医科大学ゲノム機能研究部 教授
②「抗がん剤が世に出るまで-治験・承認審査・薬価決定-」
講 師;藤原康弘 先生 国立がん研究センター 中央病院 副院長
同病院 乳腺科・腫瘍内科 科長
③「希望に勝る薬なし」
講 師;落合誠一 様 NPO法人パンキャンジャパン患者諮問委員
国立がん研究センター「患者・市民パネル」
≪リフレッシュ・タイム≫
EnEnによる癒しの歌
≪パネルディスカッション≫
テーマ:「新薬、新しい治療方法を一日も早く利用するため」
パネリスト:上記3名+林 昇甫(厚生労働省健康局 がん対策推進室 がん医療専門官)
コーディネーター:吉野ゆりえ(司会者;自身サルコーマのため治療中)
≪アピール文発表と行政へ渡す≫
間野先生のお話は、遺伝子分野のご自身の研究のお話でした。先生もともと臨床医ではじめて担当になった患者が「白血病」の患者だったのですが、抗ガン剤の副作用でお亡くなりになったそうです。その後、数々の抗ガン剤を含めたガン治療がなかなか効果が出ないことを感じ、「専門分野で研究し、新しい治療方法を開発しよう」ということで、研究畑に身を置いたというお話がはじめにありました。これは素晴らしい決断だな~と感じました。
人の細胞には核というものがあり、その中にDNAの鎖を詰め込んだ染色体というものが23対存在します。その中に遺伝子(ゲノム)が存在します。がん細胞というのは、正常細胞の遺伝子が変異を起こし、がん細胞に変身するわけです。間野先生のグループは、この遺伝子変異を特定する技術を開発しました。
そして、まず、ガンにおいては死亡率の高い「肺がん」とくに「肺腺がん」にターゲットを絞って研究し、原因遺伝子変異(ALK-EML4 2番目の染色体にある遺伝子の変異)を発見しました。この遺伝子を持つたんぱく質が存在すると、細胞増殖が通常の100倍に活性化されるということです。
原因遺伝子を特定した肺腺がんにALK阻害剤を投与すると著効であったということでした。が、中には再発してお亡くなりになった患者があり、調べてみると耐性をもったガン細胞が存在しました。その耐性に関しても対応可能になっているということでした。
私が思ったのは、素晴らしい研究であり、この研究で助かる命もあるかと思います。しかし、ガン細胞に耐性が出来ているということは、それを再び薬物で制御しようとすると、さらに耐性を持ち複雑化していく、その繰り返しではないかと思ったのです。抗生物質と同じではないのかな~と感じました。
藤原先生は、抗ガン剤を中心に、新薬の開発から国民の皆さまへ治療として使用されるまでの流れと、その内容、最後に問題点、課題などのお話がありました。
基礎研究→スクリーニング試験→第1~第3層臨床試験(有効性の検証・安全性の確認)→承認申請→承認→薬価決定→販売可能というのが薬物が販売されるまでの流れです。日本ではこの期間約5~6年だそうです。また、一つの薬のための基礎研究に約50億円、臨床試験では約数百億円、全世界で販売しようとすると約1000億円で、莫大な費用と承認までの時間を費やし世の中に流通する確率(新薬開発成功率)は25000分の1という統計報告があるようです。そんなことで日本国内発の新薬は現在ほとんどない状態ということです。
いや~こんだけ費用がかかり、承認されない薬物があるとしたら、承認された薬を患者にたくさん投与しないと製薬会社としてはやっていけませんよね。こんな仕組みが現在の薬づけ状態をつくっているのでしょうね。特に日本人はお薬が好きですからね。
もし、医療費を抑制しなければならないなら、この莫大なお金が動く金融システム自体を改めないと難しいでしょうね。そりゃ~硬貨や銀行券以外の、株や為替などの取引で使われる実際存在しないお金は約6京円(60.000.000.000.000.000)と言われてますから…改めるのは難しいかもしれませんね。
また、藤原先生は最後に、国民皆保険制度の中で遺伝子診断を含めた高額治療を受けて行くのは難しい。また、今後、現在の経済状況の中、高額医療費助成制度も存続されていくか厳しいところにある。ゲノム医療を含めた治療は混合医療でないと実現できない。今後は民間保険会社を利用したり、国民からの浄財により基金を設立して補助していくことも方法の一つである。というお話があった。なるほど~と思いました。
患者代表の落合さんは自身が膵臓ガンの治療を受けながら、ご自身がガン発見時に、何人もの医師に診療を断られ、その不安、恐怖、みじめさを他の人に味あわせたくないということで活動されている方です。
落合さんの講演の中で印象に残っている言葉は、「ガン患者は、今日を生き抜くのに必死です。理屈なんて関係ない。はっきり言うと治験なんていらないと思うことさえある。ドラッグ・ラグが生じないように、適応外薬などをつくらないようなスピーディーに承認できるシステムをつくってほしい」という言葉でした。
「生き抜くのに必死、理屈なんて関係ない」というところが特に。
ドラッグ・ラグの話は藤原先生からもあったのですが、日本では、いわゆる治験(臨床試験)に着手するまでに時間がかかる(人数が集まり難い)、治験の費用が高いなどがあるようです。ドラッグ・ラグとは新薬が開発されてから患者に治療薬として使用されるまでに時間経過の差です。欧米に比較して日本は2年ほど長いとのことでした。適応外薬とは、外国では効果、安全性が証明されているのに、日本では承認されていない薬のことです。
患者は、早く治療して治りたい、そして、元気に生活をしたい。そのために効果的な治療方法を受けたいという気持ちが伝わってきました。下記は、私がこの大集会に参加しての結論的な考えになると思いますが、アメリカでは30年以上にわたる「ガンとの戦い」で敗北宣言を出しました(1971年 ニクソン大統領がガンとの戦いの火ぶたをきる)。全米の医学会、科学界、薬学会の力を結集してです。その結果、現代医・科学ではガンを征服することはできないということです。ガンを治すシステムは身体の中にあり、それを高める治療方法、養生方法が重要だということに気付いたわけです。米国政府が出した「OTAレポート」やアメリカ国立ガン研究所が出した「ガン病因論」にも現代ガン治療の弊害が書かれています。詳しくは関連の私のブログを見てね。
その結果、代替医療が研究され、食養生などの生活習慣を改善し、ガン患者、ガン死亡率ともに欧米は減少してきています。
何が言いたいかというと、現代医学のガン治療を否定しているわけでなく、大きく成長したガン細胞や危険な部分のガン細胞は取り除くことは必要ですが、後は適量の抗ガン剤、放射線と身体の免疫力や修復力を賦活することを行うことが重要ではないかということです。私の周囲でも多くの人が抗がん剤や放射線の副作用で苦しみ、再発して亡くなっています。その現状を見ての話も含まれています。
結論から言うと、薬の承認には慎重を期したほうがいいので、多少のドラッグ・ラグはあってもいいかなと思います。薬だけに頼らず、自分の身体の中から出る薬を信じるような意識も必要ではないかと思うのです。
長くなりましたので、パート2へ
二葉鍼灸療院 田中良和
第7回がん患者大集会
日 時:平成23年11月27日(日) 午後1時~5時
会 場:東京医科歯科大学 М&Dタワー大講堂
Ustreamによるサテライト会場による参加
Ustream・ソーシャルネットワークを利用した個人視聴(スマートフォン参加可能)
メインテーマ:「いのちに希望を~新薬と新しい治療~」
主 催:特定非営利法人がん患者団体支援機構
第7回がん患者大集会実行委員会
内 容:≪基調講演≫
①「がん研究がもたらす新しい治療」
講 師;間野博行 先生 東京大学大学院医学系研究科 ゲノム医学講座 特任教授
自治医科大学ゲノム機能研究部 教授
②「抗がん剤が世に出るまで-治験・承認審査・薬価決定-」
講 師;藤原康弘 先生 国立がん研究センター 中央病院 副院長
同病院 乳腺科・腫瘍内科 科長
③「希望に勝る薬なし」
講 師;落合誠一 様 NPO法人パンキャンジャパン患者諮問委員
国立がん研究センター「患者・市民パネル」
≪リフレッシュ・タイム≫
EnEnによる癒しの歌
≪パネルディスカッション≫
テーマ:「新薬、新しい治療方法を一日も早く利用するため」
パネリスト:上記3名+林 昇甫(厚生労働省健康局 がん対策推進室 がん医療専門官)
コーディネーター:吉野ゆりえ(司会者;自身サルコーマのため治療中)
≪アピール文発表と行政へ渡す≫
間野先生のお話は、遺伝子分野のご自身の研究のお話でした。先生もともと臨床医ではじめて担当になった患者が「白血病」の患者だったのですが、抗ガン剤の副作用でお亡くなりになったそうです。その後、数々の抗ガン剤を含めたガン治療がなかなか効果が出ないことを感じ、「専門分野で研究し、新しい治療方法を開発しよう」ということで、研究畑に身を置いたというお話がはじめにありました。これは素晴らしい決断だな~と感じました。
人の細胞には核というものがあり、その中にDNAの鎖を詰め込んだ染色体というものが23対存在します。その中に遺伝子(ゲノム)が存在します。がん細胞というのは、正常細胞の遺伝子が変異を起こし、がん細胞に変身するわけです。間野先生のグループは、この遺伝子変異を特定する技術を開発しました。
そして、まず、ガンにおいては死亡率の高い「肺がん」とくに「肺腺がん」にターゲットを絞って研究し、原因遺伝子変異(ALK-EML4 2番目の染色体にある遺伝子の変異)を発見しました。この遺伝子を持つたんぱく質が存在すると、細胞増殖が通常の100倍に活性化されるということです。
原因遺伝子を特定した肺腺がんにALK阻害剤を投与すると著効であったということでした。が、中には再発してお亡くなりになった患者があり、調べてみると耐性をもったガン細胞が存在しました。その耐性に関しても対応可能になっているということでした。
私が思ったのは、素晴らしい研究であり、この研究で助かる命もあるかと思います。しかし、ガン細胞に耐性が出来ているということは、それを再び薬物で制御しようとすると、さらに耐性を持ち複雑化していく、その繰り返しではないかと思ったのです。抗生物質と同じではないのかな~と感じました。
藤原先生は、抗ガン剤を中心に、新薬の開発から国民の皆さまへ治療として使用されるまでの流れと、その内容、最後に問題点、課題などのお話がありました。
基礎研究→スクリーニング試験→第1~第3層臨床試験(有効性の検証・安全性の確認)→承認申請→承認→薬価決定→販売可能というのが薬物が販売されるまでの流れです。日本ではこの期間約5~6年だそうです。また、一つの薬のための基礎研究に約50億円、臨床試験では約数百億円、全世界で販売しようとすると約1000億円で、莫大な費用と承認までの時間を費やし世の中に流通する確率(新薬開発成功率)は25000分の1という統計報告があるようです。そんなことで日本国内発の新薬は現在ほとんどない状態ということです。
いや~こんだけ費用がかかり、承認されない薬物があるとしたら、承認された薬を患者にたくさん投与しないと製薬会社としてはやっていけませんよね。こんな仕組みが現在の薬づけ状態をつくっているのでしょうね。特に日本人はお薬が好きですからね。
もし、医療費を抑制しなければならないなら、この莫大なお金が動く金融システム自体を改めないと難しいでしょうね。そりゃ~硬貨や銀行券以外の、株や為替などの取引で使われる実際存在しないお金は約6京円(60.000.000.000.000.000)と言われてますから…改めるのは難しいかもしれませんね。
また、藤原先生は最後に、国民皆保険制度の中で遺伝子診断を含めた高額治療を受けて行くのは難しい。また、今後、現在の経済状況の中、高額医療費助成制度も存続されていくか厳しいところにある。ゲノム医療を含めた治療は混合医療でないと実現できない。今後は民間保険会社を利用したり、国民からの浄財により基金を設立して補助していくことも方法の一つである。というお話があった。なるほど~と思いました。
患者代表の落合さんは自身が膵臓ガンの治療を受けながら、ご自身がガン発見時に、何人もの医師に診療を断られ、その不安、恐怖、みじめさを他の人に味あわせたくないということで活動されている方です。
落合さんの講演の中で印象に残っている言葉は、「ガン患者は、今日を生き抜くのに必死です。理屈なんて関係ない。はっきり言うと治験なんていらないと思うことさえある。ドラッグ・ラグが生じないように、適応外薬などをつくらないようなスピーディーに承認できるシステムをつくってほしい」という言葉でした。
「生き抜くのに必死、理屈なんて関係ない」というところが特に。
ドラッグ・ラグの話は藤原先生からもあったのですが、日本では、いわゆる治験(臨床試験)に着手するまでに時間がかかる(人数が集まり難い)、治験の費用が高いなどがあるようです。ドラッグ・ラグとは新薬が開発されてから患者に治療薬として使用されるまでに時間経過の差です。欧米に比較して日本は2年ほど長いとのことでした。適応外薬とは、外国では効果、安全性が証明されているのに、日本では承認されていない薬のことです。
患者は、早く治療して治りたい、そして、元気に生活をしたい。そのために効果的な治療方法を受けたいという気持ちが伝わってきました。下記は、私がこの大集会に参加しての結論的な考えになると思いますが、アメリカでは30年以上にわたる「ガンとの戦い」で敗北宣言を出しました(1971年 ニクソン大統領がガンとの戦いの火ぶたをきる)。全米の医学会、科学界、薬学会の力を結集してです。その結果、現代医・科学ではガンを征服することはできないということです。ガンを治すシステムは身体の中にあり、それを高める治療方法、養生方法が重要だということに気付いたわけです。米国政府が出した「OTAレポート」やアメリカ国立ガン研究所が出した「ガン病因論」にも現代ガン治療の弊害が書かれています。詳しくは関連の私のブログを見てね。
その結果、代替医療が研究され、食養生などの生活習慣を改善し、ガン患者、ガン死亡率ともに欧米は減少してきています。
何が言いたいかというと、現代医学のガン治療を否定しているわけでなく、大きく成長したガン細胞や危険な部分のガン細胞は取り除くことは必要ですが、後は適量の抗ガン剤、放射線と身体の免疫力や修復力を賦活することを行うことが重要ではないかということです。私の周囲でも多くの人が抗がん剤や放射線の副作用で苦しみ、再発して亡くなっています。その現状を見ての話も含まれています。
結論から言うと、薬の承認には慎重を期したほうがいいので、多少のドラッグ・ラグはあってもいいかなと思います。薬だけに頼らず、自分の身体の中から出る薬を信じるような意識も必要ではないかと思うのです。
長くなりましたので、パート2へ
二葉鍼灸療院 田中良和
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